「脇差」のような存在のカメラ!
嵐田さんが今回dp2 Quattroをセレクトした理由を教えてください。
嵐田:
今回、dp2 Quattroを選んだのは、すべてにおいてバランスの取れた万能型のカメラではなく、一点で突き抜けたカメラが使いたかったからです。実は今から10年ほど前、同じシグマのdp1というカメラを使っていました。実に10年ぶりのFoveonセンサーとの再会です。Foveonセンサーについては語り尽くされた感があるので、あえて詳細には触れませんが、大まかに言うと「圧倒的な解像感の代償として高感度はからきしダメ」という特徴となっています。dp1はFoveonセンサーを使ったコンパクトカメラの初号機でしたが、当時の写真は今見ても何とも生々しいリアリティがあります。
また、僕は日々持ち歩く「脇差」のような存在のカメラをずっと探していますが、量販店の店頭でちょっと触ったくらいでは、カメラの良し悪しは分かりません。アクの強いdpシリーズともなれば、なおのこと色々なシチュエーションで使ってみないとわかりません。そんな時、dp2 Quattroをレンティオで借りて徹底的に使ってみようと思いました。






普段の嵐田さんが撮っているようなノスタルジックな写真ですね。
dp2 Quattroだからこその切り取り方や意識したポイントを教えてください。
嵐田:
dp Quattroは超広角から中望遠まで4種類のラインナップがあるのですが、普段は50mmのレンズばかり使っていることもあり、今回は換算45mmのdp2 Quattroをセレクトしました。
dpシリーズは前述のとおり高感度に弱いため、ISO感度をベースの100に固定するのが基本です。緊急避難的にISOを400にして使うこともありますが、ノイズが多いのでできれば避けたいところ。
この制限もあって、薄暗いところでの撮影は諦めることになります。また、昼間であっても油断するとシャッタースピードが遅くて手ブレを量産してしまいます。ISOをオートにして、ISO6400やISO12800を平気で乱用している普段の自分の撮影スタイルを少し反省しました。脇を締めて、シャッターを押す指でブラさないよう、息を止めながらそっと撮る。とてもスローライフなカメラです。
dpシリーズ最大のサプライズは、帰宅してパソコンに取り込む時です。液晶もお世辞にも見やすいものではないので、撮影時は撮れているか確認する程度なのですが、パソコンに取り込むとFoveonセンサーのえげつないほどの情報量に圧倒されるのです。35mmフルサイズセンサーと遜色がないどころか、解像感は上回るのではないでしょうか。正直なところ、等倍表示などにしない限り、この凄さはわからないので本人だけが楽しむパターンなのですが(笑)、これはクセになります。それだけに微妙なブレも目につき、自分の撮り方を見直す局面も多々ありました。
写真家を育てるカメラと言っても過言ではないdp2 Quattro、同時に写真の楽しさを再認識させられる2週間でした。
使用機器:SIGMA dp2 Quattro
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