今回はJVC製のビデオカメラの特集です。現在、国内のビデオカメラはソニー、パナソニック、JVCの3強でシェアを独占しています。
その中でもソニー、パナソニックと比べると若干ブランドイメージの劣るJVC製ビデオカメラですが、第三勢力としてしっかり他二社に負けない独自の強みをもったブランドです。
JVC製ビデオカメラが他メーカーと比べてどのような強みがあるかをご紹介した後、それぞれの機種について解説させていただきます。
JVC製ビデオカメラの特長
まずはJVCのビデオカメラがソニー、パナソニックのビデオカメラと比べてどのような特長を持っているのかご紹介させていただきます。
防水、防塵、耐寒、耐衝撃のタフ性能
JVCのビデオカメラを見て、まず目につくのはこの機能かと思います。他のメーカーのビデオカメラにはない防水、防塵、耐寒、耐衝撃を備えています(全機種ではありません)
防水性能は5メートルとなっているため、そのまま水中に持ち込んでの撮影も可能です。
自分は水中撮影なんかしないので必要ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば運動会など屋外のイベントの場合、雨が降る可能性もあるわけです。その場合、防水機能がなかったら傘でカメラをカバーしてあげなければなりませんね。
あとは耐衝撃機能を備えているので、うっかり落下させてしまった場合の保険にもなりますし、防塵耐寒機能もあるので砂利の舞う場所や氷点下の環境でも余計な心配なく撮影に専念できます。無いよりもあるに越したことのない機能ですね。
大容量バッテリー
もう1つの大きな特長が、内蔵の大容量バッテリーです。JVCのビデオカメラは、どの機種も満充電で5時間前後の長時間撮影が可能です(液晶をつけっぱなしにしたり、ズームを繰り返したりするとおおよそ半分くらいまで短くなります)
またUSB経由での充電しながらの撮影も可能なので、バッテリー容量に不安が残る場合にはモバイルバッテリーを用意しておくことでさらに長時間の撮影も可能となります。
他メーカーのビデオカメラは標準の付属バッテリーだとおおよそJVCカメラの半分くらいの撮影時間です。ただソニー、パナソニックは別売りの大容量バッテリーへの付け替えも可能となっています。JVCのビデオカメラのバッテリーは内蔵タイプなので載せ替えはできないので注意が必要です。
コスパが良い
JVCのビデオカメラは、ソニー、パナソニックのビデオカメラと比べるとスペックの割に市場価格が安いことが多いです。かといって画質をはじめとしたスペック面で劣っているかというと決してそういうわけではありません。
充実した基本性能に加え、先に挙げた防水防塵性能、大容量バッテリーなど追加機能も充実しています。予算をおさえながら良いものを手に入れたいというのであれば、JVCのビデオカメラを検討いただくのが良いかもしれません。
ポップなカラーでバリエーションが豊富
複数のカラーから選べるのもJVCのビデオカメラの特長です。
他メーカーのビデオカメラのラインナップを見ると、黒や白といった落ち着いた色がほとんどなのに対して、JVCのビデオカメラはオレンジやイエローといったポップなカラーバリエーションから選ぶことができます。もちろんTPOや好き嫌いもあるかとは思いますが、選択肢が豊富なのはありがたいですね。
手ブレ補正がちょっとした弱点
上述のように、JVCのビデオカメラはリーズナブルな割に高い基本性能、防水防塵などが大きな強みでした。ですがソニーやパナソニックなどの他メーカーと比べたときにちょっと見劣りするのがこの手ブレ補正機能です。
カメラを持つ手の動きを感知してレンズ自動でスライド、ブレを補正する光学式手ブレ補正や、光学式と電子式を組み合わせたハイブリッド式手ブレ補正等が主流となっている中、JVCのラインナップはちょっと物足りない電子式手ぶれ補正が中心となっています。
ただ、電子式ブレ補正と言っても数年前と比べるとかなり高性能になってきていますし、三脚での撮影ならブレ補正機能はそこまで大きな違いにはなってきません。利用シーンやメリット・デメリット考慮したうえで用途にぴったりの機種を選びたいところですね。
2017年度モデル(計3機種)
ここからは実際のラインナップを1機種ずつみてゆきましょう。まずは2017年に発売したモデルをご紹介します。
ラインナップ数は2016年、2015年と同じ3機種。フル装備の最上位モデル(RX670)、バランスの良い中位モデル(R470)、コンパクトでリーズナブルなモデル(F270)の展開となっています。図示するとこんなイメージです。
2017年と2016年モデルとの大きな違いとしては、新しく専用のストラップが付属した点、液晶パネルの高解像度化(23万ドット→46万ドット)があげられます。順番に見てゆきます。
GZ-RX670
まずは最上位モデルであるRX670です。
JVCのビデオカメラの代名詞である防水、防塵、耐寒、耐衝撃性能に加えてWi-fi接続機能と、まさに「全部のせ」のビデオカメラです。
さらに64GBの大容量メモリ、連続4.5時間の大容量内蔵バッテリーも備えています。比較的リーズナブルながらも、スペック面では他メーカー含めてもトップクラスのスペックのカメラとなっています。
- センサー : 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー
- 手振れ補正 : 電子式
- 総画素数 : 251万画素
- 内蔵メモリー : 64GB
- 防水/防塵 : ◯
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約4時間20分
- Wi-Fi機能 : ◯
GZ-R470
GZ-R470は2017年度ラインナップの中ではスタンダードなスペックの機種となっています。
先ほどご紹介したRX670と比べると、内蔵メモリーが64GB→32GBになっている点、Wi-fi接続機能が搭載されていない点などが違いです。
しかしながら防水、防塵、耐寒、耐衝撃性能は備えているので、雨天や水中でも使えるビデオカメラが欲しい!という方にはおすすめできるビデオカメラです。
- センサー : 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 32GB
- 防水/防塵 : ◯
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約4時間20分
- Wi-Fi機能 : –
GZ-F270
2017年ラインナップ最後の機種はGZ-F270です。
良い点はコンパクト、リーズナブルな価格、バッテリーや内蔵メモリが豊富な点。
物足りない点は防水防塵機能、Wi-fi接続機能が搭載されていない点といったところでしょうか(耐寒、耐衝撃は装備)
- センサー : 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 32GB
- 防水/防塵 : –
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約4時間20分
- Wi-Fi機能 : –
2016年度モデル(計3機種)
2015年末〜2016年はじめに発売したビデオカメラをご紹介します。
なお、外観は2015年以前のものと一見かわらないようにも見えますが、新しい撮影モードなどが複数追加され、2015年→2016年度のバージョンアップはソフトウェア面の機能追加が多いです。
また新しくレンズキャップが標準で付属するようになったのも嬉しい変更点です。
GZ-RX600
2016年モデルの最上位ビデオカメラです。最上位といっても4万円前後で購入できる手頃な価格帯に加え、防水防塵、耐衝撃、64GBの内蔵メモリ、大容量バッテリーなどを搭載しています。
2016の最新シリーズではWi-fiを搭載している機種はこの機種のみなので、スマホ等からリモート操作をしたい場合にはこの機種がおすすめです。
- センサー : 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 64GB
- 防水/防塵 : ◯
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約4時間50分
- Wi-Fi機能 : ◯
GZ-R400
2016年のスタンダードモデルです。防水防塵は健在ながら、内蔵メモリを減らし、Wi-fi機能を非搭載とすることでよりリーズナブルな価格帯を実現しています。
内蔵メモリがRX600の半分になったとはいえ、32GBは十分なサイズです。無難な選択肢を選ぶならこの機種がおすすめです。
- センサー : 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 32GB
- 防水/防塵 : ◯
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約5時間10分
- Wi-Fi機能 : –
GZ-F200
先に上げた2機種と異なり防水防塵機能は備えていませんが、耐寒、耐衝撃に加え、必要最低限の機能は備えています。コストをおさえながら実用に耐えるビデオカメラならこの機種がおすすめです。
- センサー : 1/5.8型 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 32GB
- 防水/防塵 : –
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約5時間10分
- Wi-Fi機能 : –
2015年度モデル(計3機種)
2014年末〜2015年はじめに発売したモデルです。2016年版と比べるとシリーズとしての大きな違いは搭載されていない撮影モードがあること、レンズキャップが付属していない点などが挙げられます。
新ラインナップの登場とともに収束していくものと思われますが、在庫が市場に流通しているうちは2016年ラインナップよりも手頃な価格で入手できる可能性も高いです。
GZ-RX500
GZ-RX600と似た機能をもつ、2015年モデルの最上位ビデオカメラです。Wi-fi機能に加え、64GBの大容量メモリは健在です。
- センサー : 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 64GB
- 防水/防塵 : ◯
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約4時間50分
- Wi-Fi機能 : ◯
GZ-R300
防水防塵、耐寒耐衝撃を備えた2015年のスタンダードモデル。メモリは32GBですが、大容量バッテリーに光学40倍ズームなど充実した基本性能を備えています。
- センサー : 1/5.8型 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 32GB
- 防水/防塵 : ◯
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約5時間10分
- Wi-Fi機能 : –
GZ-F100
防水防塵こそ備えていませんが、大容量バッテリー、32GBメモリ、光学40倍ズームなどは健在です。リーズナブルながらバランスのとれたビデオカメラです。
- センサー : 1/5.8型 裏面照射CMOSセンサー
- 総画素数 : 251万画素
- 手振れ補正 : 電子式
- 内蔵メモリー : 32GB
- 防水/防塵 : –
- 耐衝撃/耐低温 : ◯
- バッテリー撮影時間 : 約5時間10分
- Wi-Fi機能 : –
仕様一覧表
今回ご紹介した9機種の仕様を一覧で紹介させていただきます。
GZ-RX670 | GZ-R470 | GZ-F270 | GZ-RX600 | GZ-R400 | GZ-F200 | GZ-RX500 | GZ-R300 | GZ-F100 | |
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発売年度 | 2017 | 2017 | 2017 | 2016 | 2016 | 2016 | 2015 | 2015 | 2015 |
撮像素子 | 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 高感度 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 裏面照射CMOSセンサー | 1/5.8型 裏面照射CMOSセンサー |
総画素数 | 251万画素 | 251万画素 | 251万画素 | 251万画素 | 251万画素 | 251万画素 | 251万画素 | 251万画素 | 251万画素 |
F値 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 | F1.8~6.3 |
焦点距離 | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm | f2.9~116.0mm |
手振れ補正 | 電子式 | 電子式 | 電子式 | 電子式 | 電子式 | 電子式 | 電子式 | 電子式 | 電子式 |
液晶サイズ | 3.0型(46万ドット) | 3.0型(46万ドット) | 3.0型(46万ドット) | 3.0型(23万ドット) | 3.0型(23万ドット) | 3.0型(23万ドット) | 3.0型(23万ドット) | 3.0型(23万ドット) | 3.0型(23万ドット) |
光学ズーム | 40倍 | 40倍 | 40倍 | 40倍 | 40倍 | 40倍 | 40倍 | 40倍 | 40倍 |
デジタルズーム | 200倍 | 200倍 | 200倍 | 200倍 | 200倍 | 200倍 | 200倍 | 200倍 | 200倍 |
内蔵メモリー | 64GB | 32GB | 32GB | 64GB | 32GB | 32GB | 64GB | 32GB | 32GB |
防水/防塵 | ◯ | ◯ | – | ◯ | ◯ | – | ◯ | ◯ | – |
耐衝撃/耐低温 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
バッテリー撮影時間 | 約4時間20分 | 約4時間20分 | 約4時間20分 | 約4時間50分 | 約5時間10分 | 約5時間10分 | 約4時間50分 | 約5時間10分 | 約5時間10分 |
Wi-Fi機能 | ◯ | – | – | ◯ | – | – | ◯ | – | – |
本体質量 | 約305g | 約302g | 約296g | 約295g | 約290g | 約286g | 約292g | 約288g | 約286g |
外形寸法(幅×高さ×奥行mm) | 60×59.5×128 | 60×59.5×128 | 60×59.5×128 | 60×59.5×127 | 60×59.5×127 | 60×59.5×127 | 60×59.5×122 | 60×59.5×122 | 60×59.5×122 |
最後に
以上となります。JVCのビデオカメラは、ソニー、パナソニックのビデオカメラと比べてもコストパフォーマンスがよいことをご理解いただけましたでしょうか。
とは言えビデオカメラにはそれぞれ特性があり、ご自身の用途にあったものを購入するのが一番です。購入前に是非カメラの特長性質をご理解いただいてから買えるといいですね。
なお、Rentioではビデオカメラをはじめカメラや最新の家電を3泊から貸出しています。短期間だけ必要なもの、購入前に試してみたいものなどあれば是非レンタルすることも検討してみてくださいね。