多くのメーカーが次々と新製品を投入する360度カメラに、新しい製品が登場しました。中国のInsta360社が発売する「Insta360 Nano」です。
2016年7月末に世界的にリリースされた製品で、日本では代理店であるサンコーを介して購入することができるようになっています。
製品の公式ウェブサイトはこちら。(英語です)
Insta360 Nano – Insta360 official site, the leader in 360 degree camera industry
insta360 Nano
まずどのような製品かご紹介します。
一見すると、360度カメラの定番商品であるRICOH THETAに似ている形状をしています。前後にレンズを一枚ずつ搭載しており、本体中央部にシャッター用のボタンが1つあります。
最大の特長は、中央に見えるLightning端子でしょう。ご想像の通り、iPhoneのライトニング端子に直接接続するタイプの360度カメラとなっています。
メリットとしてはWifiの設定が不要な点です。Wifi接続タイプの360度カメラは周囲の電波環境によってはWi-fiに干渉しうまく繋がらない場合もありますが、このタイプならそんな心配もありません。
実機が届いたので、実際にどのような製品なのか見てゆきたいと思います。
外観
それでは実機を見てゆきましょう。まずは梱包からです。やはりここもRICOH THETAを彷彿とさせる雰囲気です。
箱がVRビューアーになるというのがおもしろいポイントです。左はinsta360の箱、右はちょうど持っていたハコスコを並べてみました。insta360 Nanoで撮影した映像はVR映像として閲覧できます。
開梱した写真がこちらです。
RICOH THETAと並べてみます
折角ですのでRICOH THETAと外観を比べてみましょう。一番左がinsta360 Nano、真ん中がRICOH THETA m15、右がRICOH THETA Sです。
ひっくり返します。真ん中にシャッターボタンがあるのはどれも共通ですね。
側面です。RICOH THETAには電源ボタン、Wifiボタンがありますがinsta360 Nanoには側面にボタンはありません。
付属品
充電スタイル
充電の際は付属のケーブルで充電します。USB給電となっています。
専用ケース
専用の巾着袋が付属していました。
取扱説明書
標準で付属していた説明書は英語と中国語ののみでしたが、国内代理店のサンコーで購入した場合日本語の取扱説明書が付属していました。どこで買っても付いてくるというわけではなさそうなのでご注意ください。
実際に使ってみます
まずはmicroSDカードをセット
insta360 Nanoを利用する場合は、必ずmicroSDカードをセットしておく必要があるようです。さらには充電の際にもSDカードが必要なようですね。
またSDXC規格のカードには対応していないようで、SDHC規格が必要とのことでした。
microSDカードが入らない?
insta360 Nanoは、本体下部にある端子部にmicroSDカードをセットする形式となっています。
説明書によると「microSDを爪先で奥に当たるまで押し込みます。正常にセットされるとカチッと音がなりロックされます」とあったのでその通りにやってみたのですが、いくらやってもカチッという音が鳴らず、正しくセットすることができませんでした。
しばらく試行錯誤してみた結果、SDカードがセットされる位置はカード端子部のかなり深い場所のようです。爪の短い人は爪の先端だけでは届きません。私は届きませんでした。
結局シャープペンのような先端の固く細長いものでようやくセットできたのですが、デリケートな部分なので取り扱いには十分注意したほうがよさそうですね。
同じく取り出す際にも爪先で押し込むか、爪の長さが足りない人は細長いもので押しこむ必要があります。
専用アプリのダウンロード
iPhoneと組み合わせて利用する場合、事前に専用のアプリをダウンロードしておく必要があります。「insta360 nano」でAppStoreで検索すると出てきます。
iPhoneと接続
カメラとiPhoneの接続は迷うこともなさそうですね。Lightning端子にカメラをはめ込むだけです。
なお、接続の際はiPhoneからケースを取り外しておきましょう。iPhoneの形にきっちり合わせて作られているので、ケースがあるとカメラが接続できません。
iPhone5やiPhoneSEでは接続できない
写真の通り、insta360 Nanoの端子部はiPhone6にあわせた緩やかなカーブを描いています。そのためiPhone5やiPhoneSEのような角のあるタイプのiPhoneではひっかかってしまい接続することができませんでした。
なお接続しなくてもカメラ単体でも利用できますが、このカメラの本領を発揮するには接続できるiPhoneがあったほうがよさそうです。
撮影
SDカードのセット、専用アプリのダウンロード、insta360とiPhoneの接続さえできてしまえばあとは写真を撮影するだけです。
なおアプリから撮影した場合、静止画はiPhone本体とmicroSD両方に、動画はmicroSDのみに記録される仕組みになっています。
撮影した写真はVRビューアーで閲覧したり、SNSにアップしたりが可能です。
insta360NanoとRICOH THETAのスペック比較
insta360 Nanoと、RICOH THETAの仕様を一覧にしてみましょう。
insta360 Nano | RICOH THETA m15 | RICOH THETA S | |
---|---|---|---|
メーカー | insta360 | RICOH | RICOH |
発売時期 | 2016年8月 | 2014年11月 | 2015年10月 |
定価 | 26,800円(税込) | 29,700円(税込) | 42,800円(税込) |
メモリー | microSDが必要 | 内蔵 4GB | 内蔵 8GB |
解像度 | 3040×1520 | 2048×1024 | 5376×2688(Lサイズ) |
サイズ(mm) | 110 × 33 × 21 | 42 × 129 × 22.8 | 44 × 130 × 22.9 |
重量 | 約73g | 約95g | 約125g |
無線接続 | – | ◯ (Wi-fi) | ◯ (Wi-fi) |
有線接続 | ◯ (iPhone6、6Plus) | – | – |
RICOH THETA m15と比べても、小さく軽いですね。かつ解像度も優れているのでiPhone6、6Plusを使っている方にとってはTHETAよりもよい選択肢となるかもしれません。ただ2016年8月現在、RICOH THETA m15はネットで25,000円前後で購入できてしまうので悩ましいところです。RICOH THETA Sと比べるとさすがに画質では劣るようですね。
スペック表には現れないRICOH THETAの強み
上述の仕様表だけ見るとinsta360 Nanoに優位性がありそうですが、スペック表には現れないRICOH THETAの強みというのもあります。
insta360は海外のメーカーということもあり、ドキュメントやアプリなど言語の翻訳が追いついていない印象があります。その点THETAは日本のメーカーなので安心ですし、またスマートフォンアプリの完成度も高いのでスムーズにSNSへのアップが可能です。insta360が悪いというわけではありませんが、THETAの完成度が高いという理解が正しいと思います。
最後に
以上となります。
続々と新機種が投入される360度カメラですが、一般ユーザーが手軽に全天球写真を撮影したい場合、これまでは結局のところRICOH THETAを買うのが一番便利ではありました。
今回、スマホと直接接続できるという新しいコンセプトとともにinsta360 Nanoが発売されたのはそんな市場に一石を投じる大きなニュースかと思います。
実際iPhoneと直接接続できる機能はとても便利で、無線接続の場合カメラとiPhoneを起動してからしばらく待つ必要もありますし、周囲の電波状況によってはうまく繋がらない場合などもありました。そんな問題をクリアできるのがこのinsta360 Nanoというカメラです。
とはいえまだ新しい製品で、アプリなど言語の翻訳が追いついていない部分もありますし未知数の部分もまだ大きな製品です。これからのソフトウェアアップデートでどれだけ良くなってゆくかが楽しみな製品の1つですね。
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さて、Rentioでは今回紹介したinsta360 Nanoをはじめ最新のカメラ、家電製品を広く取り扱っています。まずは試してみたい製品、短期間だけあればよい製品などは是非レンタルすることも検討してみてくださいね。