スマホ連動型スタビライザー OSMO MOBILEを使ってみました
更新日2022/10/31
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ドローンで国際的シェアを持つDJIより、新しくカメラ用スタビライザーOSMO MOBILEが登場しました。
これまでDJI社は、ドローンの開発で培った映像の安定化技術を手持ち式カメラにも転用したOSMOというスタビライザー内蔵カメラを発売しています。
従来の手持ち式ビデオカメラとは全く異なる風貌のカメラですが、その映像の安定性には定評があり、さらには高品質な映像を撮影できるということで映像制作のプロの方々もOSMOを利用しているようです。
今回登場したOSMO Mobileは、従来のOSMOとは異なりカメラが搭載されておらず、スマートフォンを接続して撮影することを目的として作られています。
スマートフォン用のカメラスタビライザーは色々なメーカーが製造販売していますが、OSMO Mobileはただのスタビライザーではなく、スマートフォンの撮影機能を拡張するOSMO Mobileならではの機能が多く搭載されています。
今回はOSMO Mobileのできることの説明に加えて、実機を使いながらその実力を紐解いてゆきたいと思います。
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もくじ
OSMO MOBILE
Osmo Mobileを使えば、映画のような美しいシーンを簡単に撮影、共有できます。Osmo Mobileは、お使いのモバイルデバイスを「スマート・モーション・カメラ」に変貌させます。本製品を使えば、滑らかで本格的な映像を撮影でき、撮影したかけがえのないシーンは、すぐに共有することもできます。DJI GOアプリと併用すると、被写体を自動で追尾して撮影したり、息をのむような素晴らしいいモーションタイムラプスを撮影可能。また世界中にライブでストリーム配信することもできます。
OSMO Mobileは、写真の通りスマートフォンを接続して使うカメラスタビライザーです。
しかしただのスタビライザーではなく、DJIのスマートフォンアプリを使うことで、OSMO Mobileとスマホが高度な連携を行い、OSMO Mobileならではの撮影をできるようになります。
モーション・タイムラプス
OSMO Mobileの大きな特長のひとつがこのモーション・タイムラプス機能です。
タイムラプスとは、一箇所に固定したカメラで一定時間ごとにシャッターを切ることによって、早送りのような映像を撮影する機能のことをいいます。
このモーション・タイムラプスはタイムラプス撮影中に、カメラの向きを滑らかに少しずつ変えてゆくことで、動きのある美しいタイムラプス映像を撮影することができます。
従来は高価な機材がなければ撮影できなかったモーション・タイムラプス映像ですが、スマートフォンとの連携により手軽に撮影できるようになりました。映像制作において、とても大きな進歩ですね。
スタビライザー機能
OSMOといえば3軸のスタビライザー機能が一番に思い浮かびます。
最近ではスマートフォンのカメラにも手ぶれ補正機能が搭載されている場合もありますが、OSMOのスタビライザーはカメラそのものの位置や向きを丸ごと固定するので内蔵式のブレ補正とは性能が全然違います。
例えば歩きながらの撮影でも、空中に浮遊しているかのような安定した映像撮影が可能です。
長時間露光
暗い場所を撮影する場合、カメラに取り込める光の量が少ないためシャッターを長時間あけておく必要があります。これを「長時間露光」と言います。
通常、長時間露光で暗い場所を撮影しようとすると、シャッター開放中の手ブレが全て映像に入り込んでしまうため、キレイな写真を撮影することができません。OSMO Mobileを使うことでブレを防ぎ、長時間シャッターをあけていてもキレイな写真を撮影することができます。
なおこの長時間露光を応用することで川の流れや星の軌跡を撮影することができます。
長時間露光の例
※これらはOSMOで撮影した写真ではありません。
実機を見てゆきましょう
ここからは実際のカメラを見てゆきましょう。まずは外箱からです。
化粧箱から取り出すと、落ち着いたマットブラックの箱があらわれます。
開梱した状態。高級感溢れる梱包となっています。
ロゴ入りのかっこいい純正ケースもセットとなっていました。
OSMO MOBILE本体
箱から取り出してみましょう。こちらが本体。ハンドル部は従来のDJI OSMOと似た形となっています。
コントローラ部も以前のOSMOと同じです。OSMOを持つ手で、親指を使ってカメラを操作することができます。
OSMO MOBILEならではの箇所がこちら。スマートフォン固定部です。固定する部分はラバー製の滑り止めに加えて安定感のあるアームで構成されています。ちゃんと固定さえしていれば、スマートフォンが滑り落ちるといったことはなさそうです。
スマートフォンを固定
試しにスマートフォンを装着してみます。今回利用するのはiPhoneSE。iPhone6やiPhone7と比べて少し小さい、iPhone5サイズのスマホです。
スマホ固定用アームの裏側には、下の写真のようなダイヤルがあります。ここを回すことでアームが広がったり狭まったりする仕様です。実際に触った印象としてはかなりしっかりしている印象を受けました。
このような形で装着します。
アプリと接続
このままだとOSMO Mobileの実力は発揮できません。専用のスマートフォンアプリをダウンロードし、OSMO MOBILEとスマホを接続する必要があります。
接続作業はダウンロードしたアプリの画面の指示に従えば簡単にできますが、はじめてOSMOを起動することのみOSMOのアクティベートを行う必要があります。
アプリのダウンロード
まずはアプリをダウンロードしましょう。AppStoreで「DJI」で検索すると表示される「DJI GO」というアプリです。
ダウンロード後、アプリを起動するとペアリングするデバイスの選択画面があらわれます。この時OSMO MOBILEの電源を入れておくとアプリ画面にもOSMO MOBILEがあらわれ、アクティベーションを促されます。
アクティベーション自体は難しくありませんが、そのためにはDJIのアカウントが必要となります。DJIアカウントを持っていればそれを入力し、持っていなければアカウントを作ってログインしましょう。
こちらがログイン画面です。ここにアカウントを入力すればアクティベーションは完了します。
アクティベーションはこれで完了です。なおアクティベーションが必要なのはOSMO MOBILEを最初に起動するときのみで、2回目以降はBluetoothで接続するだけで利用できます。
スマホを取り付け
さて、次はスマホをOSMO MOBILEに取り付けしてみましょう。
取り付けの場合は、アーム部の背面にあるダイヤルを回すことでアームの締まり具合を調整するのですが、取り付けに際して1点注意点があります。
スマホをアームの奥まで差し込んでしまうと、下の写真のように重さで傾いてしまいます。スマホ取り付け時は差し込み具合を調整して、自然な位置でバランスがとれるよう調整してあげる必要があります。
かといって浅いと逆に傾いてしまいます。
これが良い例です。OSMOの電源を入れずとも、まっすぐ持ったときにスマホがバランスを取って直立しています。こうなるよう調整しましょう。
起動!
それではOSMO MOBILEの電源を入れてみます。電源を入れるとスタビライザーが起動し、傾いていたスマートフォンが一瞬で正しい姿勢をとります。動画をアップしましたのでよければご覧ください。
動作音は、従来のOSMOと比べてとても静かです。DJI OSMOはカメラに冷却ファンが搭載されていたのでその分静かなのかもしれません。
スタビライザーの電源が入ると、カメラ本体を動かしてもスタビライザーがブレを吸収してくれます。またジョイスティックでカメラの向きをコントロールできるのもこの製品の良さですね!
充電方法
充電ですが、付属しているケーブルでUSB給電で充電するスタイルとなります。
ちょっと違和感を覚えたのですが、OSMO MOBILEの充電ケーブルはイヤホンジャックのような見た目をしています。一見充電ケーブルには見えないのですが、ちゃんと充電できますのでご安心ください。
注意点
自立しない
手持ち撮影する場合には問題ないのですが、例えばタイムラプス映像を撮影する場合などには長時間OSMOを定位置に固定しなければなりません。その場合手持ちでずっと同じ姿勢でいるのは大変ですよね、、
OSMO MOBILEは、それ単体では自立しません。立てようと思ってもバランスが悪く、倒れてしまいます。
そのため、タイプラプスでの撮影や定点撮影をする場合には専用のマウントであるOSMOベースというスタンドか、エクステンションスティック+三脚を用意する必要があります。
一般的なカメラなどに使う三脚は使えないのでご注意ください。専用のマウントが必要になります。
ロゼッタマウントの取り付け方
OSMOのマウントは他のカメラと異なり少々特殊な形をとっています。
ハンドル部側面に、ネジ穴+かみ合わせの金具があり、ここの穴を使いマウントを装着する形となります。
なお、最初外し方がわからなくて苦労したのですが、ここについているキャップは左周りに回転させると外れます。
iPhoneSE、iPhone5Sで使う場合
初めて使う際、iPhoneSEで使ったのですが以下のようなエラーがずっと表示されていたのですが解決策がわからず困っていました。
エラー内容「機器のポジショニングエラー 機器の電源を切り、指示通りに再度位置を調整します」
何度位置を修正してもこの内容が表示されてOSMOが起動しません。試行錯誤の結果、1つの解決策を発見しました。
OSMO MOBILEにはカメラアーム部に、モバイルデバイス検出センサーというものが搭載されています。
恐らくこのセンサーを使ってスマートフォンがセットされているかどうかを検出されているものと思うのですが、一回り小さなiPhoneSEやiPhone5Sだとスマホをセットした際にサイズ的な問題でOSMOがスマホを認識できず、このエラーが出るみたいです。iPhoneSEくらい対応しておいてくれよ、、と思うのですがアプリのアップデート等で解決するのを待つしかなさそうですね、、
ちなみにセンサーを反応させてあげれば解決する見たいなので、解決策は2つあります。
多少バランスが崩れてしまっても、スマホの本体がセンサー前に来るよう位置を調整してあげる方法です。
もう1つは、センサーが反応するように薄い紙のようなものをスマホと一緒に噛ませてあげる方法です。私の場合はiPhoneSEと一緒にクレジットカードを噛ませることで解決しましたw
この状態にしてOSMOの電源を入れなおしてあげることで解決します。
OSMO MOBILE シルバー (2017.2 追記)
当初は他のOSMOシリーズ同様ブラックカラーのみのOSMO MOBILEでしたが、シルバーも遅れて登場しました。
ブラックとはまた異なる味わいなのでご紹介したいと思います。
こちらが開梱した状態。グリップはホワイトに近い色ですが、アーム寄りは若干ゴールド寄りのシルバー色といった印象です。
OSMO MOBILE Silverのキャリーバッグ
シルバーカラーはバッグもカラーが異なります。
OSMO MOBILE シルバーとブラック
シルバー色とブラックを並べてみました。
やっぱり印象が全然違いますね、、!
総評
以上となります。
文中でご説明している通り、OSMO MOBILEはただのスマホ用スタビライザーではなく、アプリと連携することで高度な撮影機能をスマホに与える新しい製品です。
手ブレを軽減できるのはもちろん、モーションタイムラプスをはじめとする多彩な映像撮影はOSMO MOBILEならではの機能ですね。
反面、新しい製品ということもあり使い方に戸惑うこともしばしばありました。特にアプリに関してはまだところどころ不具合や操作感に改善の余地があり、日本語翻訳の不完全さも相まってどうしても心許ない印象を受けます。ただ、通常利用の範囲内であれば全く問題なく利用できますので、一度慣れてしまえばスムーズに操作ができるのではないかと感じました。
これまでは高価な撮影機材がなければ撮影できなかったような映像も、OSMO MOBILEのような機器が登場することでより身近になってきました。応用すれば安価ながらとても高度な映像制作が可能かもしれませんね。