ニコン製アクションカメラ、KeyMission170を実機レビュー!
更新日2019/01/20
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2016年10月、ニコンより発表されたニコン製のアクションカメラ、KeyMission170。これまでアクションカメラというジャンルには手を出していなかったニコン製の初のアクションカメラとなります。
KeyMission170は、ニコン初のアクションカメラではありますが、同時期にKeyMissionシリーズとして同じタイミングで3種類のアクションカメラが同時に発売されました。360度天から地まで撮影できるKeyMission360、小さく軽量でポケットに忍ばせて気軽に撮影できるKeyMission80、そして今回ご紹介するKeyMission170です。
それぞれ特徴のあるKeyMissionシリーズですが、その中でもKeyMission170はアクションカメラの代表格であるGoProをベンチマークとして作られている印象を受けます。そもそも外観も似ていますし、KeyMission170はGoProのように撮影者視点でアクティビティを臨場感いっぱいに残すといった用途に適したカメラとなっています。
今回は、新しく登場したKeyMission170の実機を入手しましたので、実際に製品を触りながらその使用感や外観についてチェックしてゆきたいと思います。
もくじ
KeyMission170
まずはKeyMission170がどのようなカメラなのか、という点について見てゆきたいと思います。メーカーから製品の特長を抜粋しましたので1つずつ解説してゆきます。
4K UHD対応の超広角170°ムービー
高画質、広角。この2つはアクションカメラとして満たさなければならない条件です。撮影者視点で臨場感ある映像を残すためのカメラなわけですから、必須ですね。
その点、KeyMission170は4K映像撮影可能で、かつ170度の超広角レンズを搭載しているため満たしていると言えます。
また電子式ブレ補正機能や風切音低減機能が搭載されているためハードな環境でも高品質な映像の撮影が可能となっています。
ハウジングなしで防水10m、耐衝撃2mのタフネス性能
KeyMission170はそのまま水中に持ち込んで水の中での映像撮影が可能となっています。本体のままでも10メートルの水深まで対応しておりますが、別売りのハウジング(防水プラスチックケース)を装着することで水深40メートルまで対応します。
水深10メートルと、簡易的な防水とはいえ利用時に雨天等が想定されるアクションカメラとしてはとてもありがたい機能の1つですね。また誤って落下させてしまったとしても2メートルまでの耐衝撃性能を備えているので過度に荒い扱いをしない限りは故障等はなさそうです。
はじめてでも簡単に撮れるアクション撮影
アクションカメラは、製品によっては本体に液晶を搭載していない機種も存在します。
その場合、スマートフォンアプリと接続して細かい設定やライブビュー機能を利用することができるのですが当然接続の手間もありますし、タイムラグ等もあります。
そういったことまで考えると、本体に大型のカラー液晶が搭載されているのが最も直感的に使いやすいカメラと言えそうです。
実際に他メーカーの製品を含めて今のアクションカメラのラインナップを見てみると、撮影モードを表示する程度の簡易的な白黒液晶が搭載されている機種ばかりで、本格的なカラー液晶を搭載している機種は少ないです。
もしアクションカメラを初めて扱う、といった方にはより直感的に操作できる液晶付きモデルがおすすめです。
撮る楽しみと映像表現を拡げる、多彩な撮影機能
最近一般的になってきた、「スロー動画」や「タイムラプス動画」の撮影も可能です。
タイムラプスとは、数秒に一度シャッターを切ることで、早送り映像のような動画を撮影する機能です。
また動画撮影中にスロー動画(ハイフレームレート動画)の撮影に切り換える機能も搭載しているため、使いこなすとバリエーションに富んだ楽しい映像撮影が可能になりそうですね。
仕様
主だったスペックを一覧にしてみます。
撮像素子 | 1/2.3型原色CMOS |
総画素数 | 1271万画素 |
レンズ | NIKKORレンズ |
開放F値 | f/2.8 |
手ブレ補正機能 | 電子式(動画) |
記録媒体 | microSD/microSDHC/microSDXCメモリーカード |
入出力端子 | Micro-USB端子 |
HDMI出力 | HDMIマイクロ端子経由で接続可能 |
防水性能 | JIS/IEC保護等級8(IPX8)相当(ニコン試験条件による) 水深10m、60分までの撮影が可能 |
防じん性能 | JIS/IEC保護等級6(IP6X)相当 |
寸法(幅×高さ×奥行き) | 約66.4×46.8×42.7mm(レンズプロテクター含む。突起部除く) |
質量 | 約134.5g(レンズプロテクター、電池、メモリーカード含む) |
実機を見てみましょう
それではここからは実際に製品を見てゆきたいと思います。
こちらが外箱です。黒をベースとした高級感溢れる外装となっています。
開けます。結構たくさんの付属品が入っていますね。
こちらが同梱されている付属品の一覧図です。カメラ本体、リモコン、充電関係の付属品、アダプタ関係の付属品といったところです。
KeyMission170本体
カメラ本体を見てゆきましょう。
ブラックをベースとした落ち着いたカラーリングとなっています。小型ながら手に持った時の重厚感はさすがニコン製のカメラといった所です。当然ですが安っぽさは感じません。
レンズの反対側を見てみましょう。こちらにはバッテリーや各端子を収納するカバーが付いています。
二重ロックを外してカバーを開けてみます。水の侵入を防ぐために、ゴム製のパッキンが付けられていますね。二重ロックをせずに水中に入ったりしてしまうとここから浸水してカメラが壊れてしまうので注意してください。
外装のキズと異なり、カメラ内部に水が侵入してしまうとメーカーでも修理ができない場合が多いです。パッキン部に砂粒やゴミが詰まっていても、そこから浸水する場合がありますので気をつけましょう。
あと、撮影にはmicroSDカードが必要ですのでこちらもあわせてご注意ください。
充電用のケーブルやアダプタを接続してみました。充電はこのスタイルで行います。コンセントから直接充電が可能です。
こちらはカメラの裏側(液晶側)です。シャッターボタンが2つありますね。1つは動画用のシャッター、もう1つは静止画撮影用のシャッターボタンです。
底面部も見てみます。三脚穴があります。
アクションカメラは、その特性上カメラを直接手に持って撮影する場合は稀です。広角レンズを搭載していることから持つ手が映像に入り込んでしまいますし、何よりアクションシーンの撮影時には邪魔になってしまいます。そのため、撮影する際にはマウントと呼ばれるカメラアームや専用のクリップなどと接続し、その状態で撮影するのが一般的な利用方法です。
試しに、付属しているベースアダプタを取り付けてみました。KeyMission170にセットになっているベースアダプタは、粘着式のマウントとなっています。貼り付け部に関しては基本的に使い捨てとなっていますので十分に考えた上で貼り付けたいですね。
なお、KeyMission170は底面部に変な突起等がないのでニコン純正のマウントでなくても、三脚穴タイプであれば取り付けが可能です。試しに手元にあったセルフィースティックに取り付けてみました。やはりカメラを直接手持ちで撮影するのと比べると段違いに快適です。KeyMission170を購入する際は、なんらかのマウントかセルフィースティックを一緒に準備するのがおすすめです。
レンズカバー
次は、付属しているレンズカバーを見てみましょう。
表が平面になっているレンズカバーがセットになっていました。こちらは水中撮影用のレンズカバーです。どうやらこれを装着せずに水中で撮影をしようとすると、ぼやけた映像になるとのことです。屈折率の影響でしょうか。
とりあえず取り付けしてみましょう。最初から取り付けされているレンズプロテクターを外します。プロテクター部を持って回すと簡単に外れます。
標準レンズプロテクターを外した場所に、平面レンズカバーを取り付けてみました。簡単に取替えが可能です。
使ってみた印象
電源を入れて簡単に使用感を試してみました。
GoProと比べて液晶サイズこそ小さいものの、レスポンスも良く、映像のレイアウトを確かめるには必要十分なサイズの液晶です。
またGoProと比べてタッチパネルではなく、物理ボタン経由での操作となっています。近未来感は薄れますが、本質的な操作感を求めるのであればこっちのほうが良いのかもしれません。変に背伸びをしすぎず、確実な使いやすさを求めるニコンのものづくりには感心ですね。
専用アプリ「SnapBridege360/170」
今回は詳細は割愛しますが、KeyMission専用のスマートフォンアプリもあります。それがニコンの「SnapBridege360/170」です。
SnapBridegeをダウンロードのうえ、カメラとスマホ間で無線接続を行うと、遠隔でシャッターを切ったり、撮影した映像の確認などを行うことができます。また他メーカーのアプリと比べて大きな特長は、撮影映像のリアルタイム転送です。
通常、スマホとカメラを無線接続していてもカメラからスマホへの映像転送は手動である場合がほとんどですが、ニコンのSnapBridgeはユーザーが特別な操作をしなくてもカメラで撮影した写真を次々とスマホ側にバックグラウンドで転送してくれる機能のことです。元々はニコン製の一眼レフ等ではじまった機能なのですが、アクションカメラにもしっかりと搭載してきました。うまく活用できればとても便利な機能です。
まとめ
以上となります。
KeyMission170は、アクションカメラに求められる高画質撮影機能、タフ性能などは十分に満たしている製品と言えそうです。
そのうえでGoPro等と比べて違うのは、まずは操作感でしょうか。GoProはタッチパネルや接続したスマホによる遠隔操作をメインとして考えているのに対して、KeyMissionは背伸びすることなく、従来のコンデジのような物理ボタンによるコントロールを採用しています。使用感は従来のコンパクトデジカメと似ているので、はじめてアクションカメラに触る方にとってみてもとっつきやすい製品と言えるかもしれません。
またGoProのマウントが特殊な形状のアダプタであるのに対して、KeyMission170は三脚穴を採用しているため他メーカーのマウントや、一般的なセルフィースティックを利用することができます。
「アクションカメラでありながら、一般の人にも受け入れられ安い製品」というのがKeyMission170のウリかもしれません。