ここ数年、各社から相次いで発表されている、レトロフューチャーな外観のミラーレス一眼カメラ。そんな中にあって、プロやハイアマチュアから高評価を受けているFUJIFILMのミラーレス一眼である「Xシリーズ」に新登場した「X-T20」。
今回はX-T20の新機能や、その魅力に迫ってみました。
FUJIFILM X-T20の特長
今回新登場したX-T20は、パッと見た感じでは従来機であるX-T10との見分けがつきにくく、並べて置かれると一瞬どちらか迷いそうな見た目をしています。
しかし、その外観からは想像できないほどに中身は大きく進歩しています。X-T20の新たな特徴について見ていきましょう!
FUJIFILMの真骨頂!フィルムシミュレーションがすごい!
これまでのモデルにも、
- スタンダードで素直な発色の「PROVIA」
- リバーサルフィルムのようにビビッドな「VELVIA」
- 優しくソフトな色合いの「ASTIA」
など、フィルムメーカーとして、世界中のプロの写真家たちからも高評価を得る「フィルムシミュレーション」を搭載していましたが、今回のX-T20には、新モノクロモードとして「ACROS」モードが追加されました。
他のモードと同じく、FUJIFILMのモノクロフィルムであるACROSSを使用して撮影したときのような写真が撮影できます。豊かな諧調表現と、優れたシャープネスを発揮するモノクロフィルムとして人気のACROS。
他のフィルムシミュレーションでもそうですが、さすがは世界に名だたるフィルムメーカー、素晴らしいの一言です。
実は液晶周りがグンとスペックアップ!便利で綺麗になりました!
液晶パネルのドット数がアップした上、チルト機能付きのタッチパネルになり、操作性が大幅にアップしています。
チルト機能が付いたことにより、頭の上に構えてのハイアングル撮影や、屈みこんでのローアングルからの撮影もしやすくなりました。
また、従来機に搭載されていた92万ドットの液晶から104万ドットと解像度が上がったことにより、撮影後の細かい部分のチェックもしやすくなりましたよ。
FUJIFILMの独自技術!X-Trans CMOSIIIセンサーがすごい!
今までは最上位機種にしか搭載されていなかったX-Trans CMOSIIIが、ついにこのクラスにも採用されました。結果として画素数は従来機の1,630万画素から大幅アップの2,430万画素となり、標準出力感度もISO12,800となるなど、着実に性能アップを図ってきています。
前機種FUJIFILM X-T10とFUJIFILM X-T20の違い
どの部分がどれだけ進化しているのか、従来機であるX-T10との違いを直接比較してみましょう。
X-Trans CMOSIIからIIIになり、画素数がアップし、より高感度!
先にも少し書きましたが、イメージセンサーが上位機種と同じX-Trans CMOSIIIへと変更されたことにより、有効画素数が約1.5倍の2,430万画素となりました。
さらに、標準ISO感度は一段上がって12,800となりました。従来は拡張感度としての設定は可能でしたが、標準で使えるとなると高感度撮影での画質にも期待が持てるというもの。
ただ贅沢を言うと、最低感度がISO100からになればもっと嬉しかったのですが、どっちも求めるというのはなかなか厳しいのでしょうか。
液晶モニターがタッチパネルになり、より高精細で見やすく!
これも上で少し触れましたが、従来機よりも画素数がアップし、より細かい写りのチェックがしやすくなりました。またライブビュー時にタッチAFが使えるようになったことと、上下にチルトできるようになったことで、撮影の幅が広がったと言えるでしょう。
特にハイアングルは観光地など、人ごみの中での撮影にはかなり効果的です。写真1枚撮るために周囲から人がいなくなるのを待つことなんて、なかなかできませんからね。
動画のサイズが4K対応になりました
最近はネット上にアップされている動画の質も上がり、最低でもHD画質というのが普通になってきました。となれば、高品質な撮影を身上とするデジタル一眼カメラの動画が他のカメラより劣っているわけにはいきませんよね。
動画を撮影するときにもFUJIFILM独自のフィルムシミュレーションは使用可能なので、家に帰ってからパソコンにつないだりしなくても、X-T20一つで、まるで映画の一場面のような素晴らしい動画が撮影できてしまいます。
X-T10と新しいX-T20の変更点を、比較しやすいように表にしてみた
主な変更点 | X-T10 | X-T20 |
---|---|---|
有効画素数 | 1,630万画素 | 2,430万画素 |
イメージセンサー | X-Trans CMOSII | X-Trans CMOSIII |
標準出力感度 | ISO200~6400 | ISO200~12800 |
液晶モニター | 3.0型 約92万ドット | 3.0型タッチパネル 上下チルト式 約104万ドット |
動画撮影 | FHD(1,920x1,080) | 4K(3,840x2,160) |
フィルムシミュレーションモード | 11モード | 15モード |
AF測距点 | 49点 | 325点 |
寸法 | 幅118.4mmx高82.8mmx奥40.8mm | 幅118.4mmx高82.8mmx奥41.4mm |
本体質量 | 約331g | 約333g |
FUJIFILM X-T20で撮影するならどんなシーン?
普段、カメラを利用していない方からすれば「高性能なのは分かったけれど、どんなときに使ったらいいの?」なんて疑問もあるかも知れません。
ここではX-T20ならではのおすすめシーンを考えてみました。
おすすめシーン1「日常の一コマ」
軽くて小さくて、持ち歩きが苦にならないというのがミラーレス一眼の良いところ。ならばいっそ毎日持ち歩いて、今までならスマホで撮影していた日常の一コマを、このX-T20で撮影してみませんか?
ワイヤレスでスマホに転送できるので、撮ったその場でSNSにアップするのも簡単です。
おすすめシーン2「旅先の思い出」
小さいのに高性能なミラーレス一眼は、旅のお供にもおすすめです。
旅先で出会った素敵な光景を2,430万画素の高精細な写真にしたり、4K動画にして、世界中のどこからでもSNSにアップできるなんて、少し前なら考えられないことでしたよね。
おすすめシーン3「スポーツ観戦」
AF測距点が驚異的に増えて、今まで以上に動きものに強くなったX-T20。M
気軽にスポーツ撮影が楽しめるようになりました。今まではスポーツ撮影というと、重装備で一般人には近寄りがたい雰囲気でしたが、こんな小さなカメラでも速い動きに対応できるようになるなんて。出来の良い望遠レンズを手に入れれば航空祭などで飛行機を撮るのも良いかも知れませんね。
ミラーレス一眼の驚異的進化とフィルムメーカーの底力をいっぺんに味わえるカメラ、それがX-T20
ここまで読んでいただいていかがだったでしょうか?FUJIFILMの最新機種であるX-T20は、従来機のX-T10のボディに、上位機種であるX-T2の機能のほとんどを詰め込んだカメラと言えます。
その小さくクラシカルな見た目からは想像も付かないような高機能を持ち、標準レンズキットが10万円台前半からという価格も驚異的です。
「これからカメラを始めてみたいけれど、大きくて重たいのは長続きしなさそうだな」と考えて二の足を踏んでいる方には、まさにうってつけのカメラと言えるのではないでしょうか。
文字だけじゃわからないという方は、まずはレンタルでこの魅力を味わってみるというのも良いかも知れませんよ。