航空機の写真撮影を中心に活動している、写真家 Atsushi Yoshiokaです。
今回は私自身も国内、海外旅行などで実践する”旅スナップ”の撮り方についてご紹介していきます。
カメラを持って旅行に出かけよう
カメラを持って旅をすることが普通の時代。旅先で記念写真やスナップ写真を撮影することも多いと思われます。しかし、「その土地らしさを残せない」や「天気が悪くて景色がはえない」など、難点は多いです。
今回は旅スナップに向いているカメラやレンズの紹介はもちろん、旅スナップのテクニックや、天候に左右されない撮影術をご紹介していきます。
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F8, 1/320sec, ISO160, オランダ アムステルダム・スキポール空港付近
旅スナップで選びたいカメラ
旅行先にもよりますが、大きな荷物を持って長期間旅行をされるかたも多いと思います。そのような場合、できるだけ余計な荷物は持ちたくないという方がほとんどです。そのため、旅スナップに使うカメラは小型軽量を意識しましょう。
現代ではカメラの種類も多く、選ぶことに悩むくらいです。小型軽量を特徴としているカメラは多いですが、注目したいのは対応レンズの多さです。旅スナップというのは、遠くのものから近くのものまで写すことになります。対応レンズが多いほど、様々な画角を撮影することができます。
旅スナップの定番カメラとして、ミラーレスカメラがあげられますが、2017年7月現在では、まだミラーレス対応レンズは少ない現状です。性能は優秀で小型軽量でも、限られたレンズの画角でしか撮影できないのが難点です。
今回は、レンズの種類が多様なデジタル一眼レフカメラをおすすめし、ご紹介します。
Canon EOS Kiss X9
小型軽量を特徴とする”EOS Kissシリーズ”ですが、2017年7月28日発売、最新モデルの”EOS Kiss X9″も小型軽量を維持し、性能も向上しました。約450gの軽量ボディは、旅スナップでかさばることなく、手持ちバッグにも入る活用しやすい一眼レフカメラでしょう。
また、撮影した写真はすぐWi-FiやBluetoothでスマートフォンに転送が可能です。撮ったその場でSNSにアップロードすることで、旅行の様子をリアルタイムでリポートすることができます。
安価で気軽に撮影を楽しみたい方におすすめのモデルです。
Canon EOS Kiss X9 実写レビューはこちら
Canon EOS Kiss X9実写レビュー!現役カメラマンが大人気カメラを使用して徹底解説 – RentioPress
風景写真のレンズ選び
様々な旅行の目的があると思いますが、その目的にあったレンズ選びをすることが大切です。
風景を撮影されるのであれば、広範囲を写すことで臨場感が増し、その場の雰囲気が伝わりやすくなります。
そして広角写真などは、芸術性が増すことから、InstagramなどのSNS映えもするため、多くの方に見てもらうチャンスです。
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM
シグマから発売されている12-24mm F4 DG HSMは、広角レンズの定番として人気を集めています。
広角レンズは高価なものが多く、手の届きにくい存在であることが多い現状です。
しかしサードパーティー製レンズメーカーとして知られるシグマからは、比較的にお手頃価格で高品位なこちらの12-24mm F4 DG HSMを販売しています。
高画質・高解像力で知られるArtシリーズのラインナップであり、フルサイズセンサー搭載モデルにも対応したレンズであることもおすすめポイントです。
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM 実写レビューはこちら
人物写真のレンズ選び
旅先で集合写真や友達との思い出写真を撮る機会も多いと思われます。
風景と比較すると、広角レンズの出番は減ると思われます。
広角レンズの特徴として、歪みが大きいので人の顔には適していないのです。人物写真を撮る際は、なるべく歪みの少ない”標準ズームレンズ”がおすすめです。
Canon EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM
先ほどご紹介した、”EOS Kiss X9″に適した標準ズームレンズでは、”Canon EF24-105mm F3.5-5.6 IS STM”がおすすめです。
元々キヤノンのLレンズシリーズで、”EF24-105mm F4L IS USM”というレンズが存在しましたが、安価でエントリーユーザー向けに発売されたのが今回ご紹介するSTMレンズです。小型軽量レンズで、”EOS Kiss X9″との相性は抜群です。
撮影最短距離は0.4mと近づいた撮影も可能で、被写体をより大きく捉えることもできます。
今回は”EOS Kiss X9″というAPS-C機をご紹介していますが、このレンズはフルサイズにも対応しており、フルサイズ機導入を見据えた将来にも効果的なレンズです。
風景を写す時は、絞って撮影
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F7.1, 1/400sec, ISO100, 大阪府 あべのハルカス展望台
晴天の日中、綺麗な景色を撮影するときは、広角レンズを使用し、開放から2段階以上絞って撮影しましょう。
絞ることで被写界深度が深くなり(ピントが合う範囲が広くなる)、くっきりとした写真を撮影することができます。
また、街中で建造物や街並などを撮影する際は、フレーム面一杯に建物を入れて、余裕を無くすように意識しましょう。
草原や砂漠など、広い場所での撮影は空を画面の半分以上写すように心がけましょう。空を大きく写すことで、その場の広さが伝わり、実際感じた広大さに近づきます。
天気の悪い日はモノクロ、スローシャッターに挑戦
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F13, 1/15sec, ISO400, オーストラリア シドニー市街地
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F8, 1/25sec, ISO400, オーストラリア Circular Quay駅
旅先での悪天候。期待していた天気とは違うときもあるでしょう。
しかし、雨や曇りの日でも風景写真として美しい写真を撮ることができます。悪天候の日は、モノクロ撮影がおすすめです。
太陽光がない場合、写真としては色が綺麗に出ず、コントラストも上がりません。現代でもモノクロは、一つの写真技法として評価され続けているため、おすすめです。黒と白だけで表現する写真は深みが出て、カラーとはひと味違った仕上がりになるでしょう。
また、モノクロと併せておすすめなのが、”スローシャッター”です。スローシャッターを使用する場合は、動きのある被写体を探します。動くものをあえてブラし、背景を止めることで、その場の空気感を伝えることができます。
その場所と分かるものと一緒に撮影しよう
Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM, 1/100sec, ISO500, 北海道 ファーム富田
せっかくの旅行、写真を見返してみると「ここはどこだっけ・・・」となることもあります。
そのような事にならないように、旅先での写真は、地名やシンボルを入れた撮影を心がけましょう。集合写真の場所選びや、自撮りなどでも同じ事が言えます。
旅スナップは、どこで撮ったかが一番重要になるので、まずは代表的な建造物やシンボルを撮影し、そこから幅を広げていきましょう。
場所がわかる写真を撮ることにより、InstagramなどのSNSで位置情報も付けやすくなり、その場所の様子を知りたい方からの反応も期待できます。
移動の交通機関も旅
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F8, 1/640sec, ISO200, 千葉県 成田国際空港 第3ターミナル
飛行機や新幹線。移動手段としての認識のみで、特別意識しない方も多いと思われますが、交通機関なしに旅は始まりません。
空港や駅でも画になる光景は多く存在します。搭乗前の飛行機や出発前の新幹線を撮影することで、見返したときにストーリーのように頭で再生することができます。
旅の流れを思い出すことが、旅のあとの醍醐味でもあります。
旅スナップは思い出の塊
Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM, F8, 1/100sec, ISO160, 北海道 青い池
これまで旅のスナップについてご紹介してきましたが、旅において写真というのは欠かせない存在になっています。
振り返られる思い出として残るのはもちろん、写真を撮影した瞬間が旅のイベントとして更に思い出を拡大させてくれます。
また、先ほどご紹介した通り、適切なレンズや一眼レフカメラを選ぶことで、美しい写真が撮りやすくなり、旅の思い出をより良いものにしてくれます。
ここで旅スナップのポイントをまとめます。
- レンズ選択の幅が広いデジタル一眼レフを使用しよう
- 荷物の多い旅行では、小型軽量の一眼レフカメラ・レンズを使用しよう
- 風景写真は広角で絞って撮影
- 建物系はフレーム一杯に、自然風景は空を多めに写そう
- 天候の悪い日は、モノクロ・スローシャッターの選択肢もあり
- 土地の名前やシンボルを写して記録に残そう
- 飛行機や新幹線などの風景も撮っておくことで、旅らしさアップ
- 芸術的な広角ショットでSNS映え
旅行に出かけると色々な出会いがあると思います。人に限らず、気象条件も当てはまると思います。
その一瞬を逃さないためにも、一眼レフカメラとレンズ選びは重要になってきます。
そして目的にあった撮影スタイルを見つけ、旅スナップをもっと楽しみましょう。