SONY Cyber-shot「DSC-RX0」レビュー!アクションカムのようで違う高性能デジカメ
更新日2022/12/21
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2017年10月27日に発売となったソニー サイバーショットシリーズの新商品「DSC-RX0」。
これまでサイバーショットシリーズは、一般的なコンパクトデジタルカメラとして様々な商品が登場してきましたが、「RX0」はこれまでの製品スタイルから大きく変えた、新たな映像世界への挑戦としています。
そんな「RX0」を実際使ってみて感じたことや、特長などをご紹介していきます。
もくじ
時代の流れに沿った形状の変化
これまでサイバーショットシリーズは、一眼レフ未満携帯電話以上の性能を保有したカメラとしての位置づけを行ってきました。
しかし近年では、スマートフォンの台頭によりカメラの性能が非常に向上しました。これにより、これまで一眼との間を埋めていたサイバーショットなどのコンパクトデジタルカメラの存在価値が薄れてきてしまいました。実際にカメラ大手であるニコンがコンパクトデジタルカメラを生産していた中国の工場を閉鎖するなど、スマートフォンの登場によりカメラ界に大きな波紋を呼んでいます。
そこで「RX0」は、外観をアクションカムとして人気を集める「GoPro」を彷彿とさせるデザインを採用しました。ソニーとしては「アクションカム」という位置づけにしないと示しているものの、手のひらサイズになった「RX0」は、これまでのサイバーショットシリーズからは考えられないコンパクトさで、誰でも気軽に使えるモデルです。
耐久性に心配無用
「RX0」は、コンパクトながらもとても丈夫なのも特長の一つです。
高さ2mの落下耐性があり、仮にポケットから「RX0」落ちたとしても壊れることなく安心です。実際触ってみてもゴツゴツしており、頑丈に作られていると感じました。
また落下だけでなく200kgfの耐荷重も「RX0」の魅力です。防水性能に関しても水深10mまで対応が可能です。防水性能を備えたカメラはこれまでも多く存在してきましたが、落下耐性や耐荷重性能も備えた「RX0」は、長く使うことも考えた耐久性に優れたカメラです。
小型ボディに凝縮された高画質技術
「RX0」は、小型ボディながらも様々な技術を駆使し、高画質を実現しています。
高感度で低ノイズ、広いダイナミックレンジを実現するメモリー一体1.0型積層型Exmor RS CMOSセンサーと、高解像でゆがみの少ない広角ZEISSテッサーT 24mmF4.0(固定)レンズ、画像処理エンジンBIONZ Xを搭載し、それぞれの性能がバランスよく合わさり、約1530万画素の高解像度画像をスムーズに、そしてキレイに処理します。
様々なシーンに対応する能力
「RX0」では、メモリー一体1.0型積層型Exmor RS CMOSセンサーを搭載している上、レンズ一体型だからこそできる高感度耐性と低ノイズを実現しています。最高感度はISO12800ですが、拡張機能によりISO25600まで拡張することも可能です。
現代カメラにおいて高感度性能は非常に重要になってきます。高感度といえば一眼レフといった印象もありますが、ISO12800まで使用可能な「RX0」は、劣ることがない性能を保有し、写真愛好家へ新たな選択肢としてカメラ界を揺らがすことでしょう。
プロフェッショナル機でしかなかった機能を搭載
これまで動画撮影において、スーパースローモーションは大型であるプロフェッショナル用機材でないと撮影できませんでした。
しかし「RX0」では、最大960fps(40倍)のスーパースローモーションに対応しています。これほどのコンパクトボディで高フレームレートのスーパースローモーション撮影が可能になったのは、映像界に大きな影響を与えることでしょう。
スーパースローモーションを撮影するには、撮影設定から「HFR」を選択することで撮影することができます。
残念ながら撮影時間の設定はできず、画質優先の場合は数秒で自動的に撮影が終了します。このモードでもプログラムオートかマニュアルモードを選択することができます。
最高1/32000秒の高速シャッタースピード
「RX0」では、最高1/32000秒という超高速シャッタースピードに対応しています。
高速シャッターでの表現力はもちろんですが、「RX0」ではセンサーからの高速読み取りで、高速で動く被写体に生じるゆがみを飛躍的に抑えます。
最高約16コマ/秒の高速連写
高速シャッタースピードを実現したと同時に、高速連写も実現しました。「RX0」では、最高約16コマ/秒の高速連写性能を搭載し、決定的瞬間を逃しません。
高速連写で心配なブラックアウトですが、「RX0」では、ほとんどブラックアウトを気にすることなく撮影することが可能です。
高速連写を使用する場合は、撮影モード設定かドライブモードで「速度優先連続撮影」を選択します。シャッターを押している間は連写が継続されます。ピントや露出は1コマ目の状態で連写中は維持されます。
仕上がりを設定
「クリエイティブスタイル」では、撮影シーンの変化に対応する場合や自分が意図する作品に近づけるために仕上がりをカメラ内蔵のモードより指定することができます。
カメラには13種類のモードが存在し、指定したモードをベースに撮影シーンに合わせてカメラが自動調整し、写真を仕上げてくれます。また「コントラスト」「彩度」「シャープネス」は、自分好みに微調整することも可能です。
SNS映えも狙える「ピクチャーエフェクト」
今の時代では、写真にエフェクトをかけてSNSにアップロードするというスタイルが一般的になりました。各カメラメーカーはエントリーモデルには必ず自動でエフェクトをかけることができる機能を搭載しています。
「RX0」でもエフェクトをかけられる機能「ピクチャーエフェクト」を搭載し、SNSで映える写真をカメラからそのまま撮影することができます。「RX0」では、ディスプレイ上にそのまま仕上がりイメージが表示されるため、液晶に写るイメージを参考にして「ピクチャーエフェクト」から選ぶことができます。Wi-Fi機能を使用し、スマートフォンなどに仕上がった写真を取り込むことで、SNSへのアップロードも手間がかからず簡単です。
Wi-Fi機能を使用した接続も簡単に
あまり公式サイトでも取り上げられていない通信機能ですが、「RX0」では、スマートフォンなどへのWi-Fi接続も簡単に行うことができます。
一般的なカメラでは接続にIDやパスワードを入力して接続することが多く、初期設定では手間がかかる場合があります。「RX0」では、面倒な手間は一切なく「QRコード」を利用してスマートフォンと接続することができます。カメラのネットワーク設定から「スマートフォン操作設定」で「入」の状態にし、最初にQRコード接続すると以降スマートフォンアプリ側から選択するだけで接続することができます。
もちろんカメラが写す画面はスマートフォンの液晶上にも表示され、リモート撮影が可能です。驚くべきところは表示される映像にタイムラグがほとんどないことです。「RX0」の液晶は小型ボディに合わせたサイズのため小さく、ときに見づらいこともあります。そんなとき、タイムラグがほとんどないリモート機能を使用すればより大きな画面で撮影の仕上がりを判断することができでしょう。
複数台組み合わせた撮影
「RX0」は性能だけみると一つのコンパクトデジタルカメラに過ぎませんが、複数台使って連携することができます。
別売の電波式ワイヤレスコマンダーと電波式ワイヤレスレシーバーを使うことにより、最大15台のリモート撮影が可能です。またスマートフォンでは、アプリ「PlayMemories Mobile」を使用することで最大5台まで複数台撮影も可能です。
「RX0」が最大の力を発揮するのは複数台撮影をしたときなのかもしれません。
欠点は?
高画質、高機動性、高性能の「RX0」ではありますが、これから改善の余地がある機能もあります。
まずは小型ボディにレンズを内蔵させているため、望遠機能がなく単焦点タイプになるということです。画角は35mm換算24mmで一般的なAPS-Cのデジタル一眼レフカメラでは18mm程度の画角になります。画角に関しては超広角から通常の画角まで選択できる「GoPro」に劣るところではあります。
そのため「ピクチャーエフェクト」以外での芸術性ある作品作りは難しくなります。24mmという焦点距離は一般的すぎるがゆえに難易度が高い画角でもあるのです。
もう一つ欠点をあげるとすれば、液晶がタッチパネルでないことでしょう。近年のカメラはタッチパネル搭載が急増しており、より感覚的に操作できることで人気を集めています。「RX0」では、液晶が小さいことでタッチ操作が難しいと判断した可能性もありますが、ボタン操作での設定は正直なところ楽ではありませんでした。
ボタンをなくし余白を有効に使い、タッチパネル化することで操作は更に簡単になるでしょう。
おすすめできるユーザー
これまで「RX0」についてご紹介してきましたが、おすすめできるユーザーについて解説していきます。
「RX0」は、アクションカムのような小型ボディでありながらデジタル一眼レフカメラ級の性能を保有していることが最大の特長として挙げられます。この性能の多さこそソニーがアクションカム製品としては認めない最大の理由になると思います。
アクションカムの代表格「GoPro」と比較してみても、高画質技術や高感度耐性、設定の種類の多さなど「GoPro」では対応しきれないところまで丁寧に作り込まれています。「RX0」は、機動性が必要だけど高品質な作品を作りたい方に特におすすめできるカメラです。複数台撮影も可能としているため、先ほど欠点でご紹介した画角についても複数台撮影機能でまた違った芸術性ある作品に仕上げることができるでしょう。
そして冒頭でご紹介した通り、新たな映像世界のスタンダードとして期待されるカメラです。
まとめ
ソニーのサイバーショットシリーズ新製品である「RX0」。
これまでのサイバーショットシリーズのモデルから大きなデザイン変化ですが、小型ボディながら性能の向上を実現しました。高画質、高機動性、高性能である「RX0」は、様々な場面で活躍することでしょう。その他にも複数台撮影はフォトグラフィーの世界では芸術的に期待できる面白い性能だと感じています。コンセプトを新しくしたサイバーショットだからこそ、新たな撮影スタイルを生み出すことが期待されます。
「RX0」は私たちフォトグラファーへの挑戦状なのかもしれません。
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