カメラを安定させるアイテムとして三脚がありますが、「一脚」も実はとても効果的なアイテムとして知られています。
「一脚」のメリットは、三脚よりもコンパクトなため持ち運びも楽であったり、場所を取らないことから三脚を使用できない場所でも役に立ちます。
今回ご紹介する「K&F CONCEPT KF-MMP3134」は、自立脚を採用した一脚です。
K&F CONCEPTとは
「K&F CONCEPT」は、2011年に設立されたデジタル一眼レフカメラのアクセサリーを中心に商品開発する会社です。
今回ご紹介している三脚の他にも、カメラバッグやストロボ機器、レンズフィルター、レンズマウントアダプターなども製品として提供しています。既に海外では低価格、高品質、良サポートで信頼を得ており、日本でも以前からamazonを通じて人気を集めていました。
そして2017年3月に海外製品を輸入販売する「焦点工房」が正式代理店として販売を開始しました。今後は日本での販売も進むことが予想され、公式サイトでも日本語選択が可能で注目のメーカーとなるでしょう。
K&F Concept:プロのデジタル一眼レフカメラアクセサリーブランド
KF-MMP3134商品紹介
K&F CONCEPTから発売されている「KF-MMP3134」ですが、付属品には一脚ケースが付いています。製品の基本仕様を表にまとめました。
基本仕様
モデル名 | KF-MMP3134 |
---|---|
全高 | 1635mm |
最低高 | 540mm |
縮長 | 540mm |
重さ | 0.9kg |
耐荷重 | 18kg |
段数 | 4段 |
パイプ径 | 31mm |
ロック方式 | ナットロック(金属製) |
素材 | アルミニウム製 |
自立脚を備え付けた一脚
近年では一脚を自立させることができる製品も増えてきました。KF-MMP3134もその内の1つで、底部に3つの自立脚が備え付けられています。
自立式であることで、自立脚がない一脚と比較して安定性の向上や撮影者への負担が大幅に減ります。
また自立脚は折り畳むことが可能で、コンパクトに収納することができます。収納の際は付属のケースに入れる事で、持ち運びにも困りません。
カメラの他に別売りの雲台も取り付け可能
「KF-MMP3134」ではカメラと雲台(別売)の取り付けに対応しており、両タイプに対応するネジと調整用のレンチが付属されています。
ネジは両端でタイプが異なり、切り替えの際はレンチでロックを解除し、ネジを逆さにして切り替えることができます。
カメラに直接一脚を装着した場合、安定感は増すものの、ある方向のみ撮影するときに効果的な方法で、カメラの向きを変えるために振り回すことや動きの速い被写体には向かないタイプです。しかし雲台を使用する場合はカメラを自由に向きを変えることができ、素早い構図の変化に対応します。
また自由雲台の特性を利用して、カメラボディの角度を変えることも可能になるため、縦位置での撮影も可能とします。
残念ながら雲台は別売りとなっていて、別途用意する必要がありますが、K&F製の三脚に付いている雲台でも取り付けることが可能なため、三脚と両方保有していると良いでしょう。
脚下のロック機能でアングル調整が自由自在
一脚の3つの伸縮ナットの下に一脚の軸の角度を固定するか自由にするか調整できるナットがあります。
このナットの締め具合で角度変化の滑らかさを変更することができます。しかしロック状態になるように締めた場合でも完全に固定されないため注意が必要です。
三脚シリーズ同様に圧倒的コストパフォーマンス
同価格帯の他社製品を見てみると、似た構造を用いていてもこれだけ撮影者にとって優しい一脚は他にないように感じます。大体の一脚は雲台が最初から設置されているタイプが多いですが、こちらはカメラに直接取り付ける事も雲台を取り付けることもできる優れものです。
雲台が標準の一脚での問題は、カメラに取り付けることとなるクイックシューを忘れることです。クイックシューを忘れると雲台にカメラを取り付けることはできなくなり、一脚として使えなくなってしまいます。
そんな場合でもKF-MMP3134は雲台ほどの自由性はありませんが、一脚に取り付けることが可能で、安定した撮影を行うことができます。
また同価格帯の他モデルにはあまり機能として搭載されていない「脚下のロック解除で一脚を360度回転、自由にアングル調整が可能」という機能が搭載されていることは大きなメリットです。
これだけの機能を搭載していながら実売価格は12,000円をきるほど安価です。
実際に使ってみました
それでは実際に「KF-MMP3134」を使ってレビューをしていきます。これまでご紹介してきた特長を基に私が感じたことを載せていきます。
自立脚を折り畳めてコンパクトに収納
箱から開封した瞬間にコンパクトなケースに驚きました。
一脚は三脚と違い、目線の高さまで伸びるのが一般的です。持ち運び時の全長に関してはその影響もあり、三脚より長くなることは避けられないことですが、「KF-MMP3134」は自立脚が内側に折り畳めることで外側に向けて折り畳むタイプに比べて大幅に長さを抑えることができています。
自立脚の長さは15cmほどですが、この15cmが持ち運びの際には大きな障害になることも多いです。
全高163.5cmの十分な高さ
そして一脚の軸は想像以上に太く、安定感があります。自立脚を広げて自立させると安定感がよくわかります。
伸縮ナットを緩めて最大まで伸ばしてみると、全高163.5cmまで伸ばすことができます。他社製品の一脚では全高170cmを超える製品も多いですが、今回「KF-MMP3134」を最大まで伸ばして使用することを試みました。
すると、最大まで伸ばすと身長174cmの私には高すぎる結果となりました。実際には少し縮ませた状態での使用がベストで、一般的には低い部類に入る一脚かもしれませんが、十分な全高だと感じました。
雲台が取り付け可能
個人的にK&F CONCEPTの雲台は構造がしっかりしていて安定感もあり、おすすめできます。
今回は三脚であるKF-TM2235の雲台を使用して「KF-MMP3134」を使用しました。一脚のネジは初期の状態で雲台向けにセットされています。付け方はとても簡単で、雲台のネジ穴をネジに差し込んで回すだけです。雲台のセットが終わればあとは三脚でのセッティングと同じようにクイックシューにカメラを付けて準備は完了です。
カメラ(EOS 6D+EF24-105mmL)を付けた場合は、伸縮機能を使わず、脚を伸ばさない状態では手を放しても安定感がありますが、最大まで伸ばし自立させようとするとバランスが保てず転倒の恐れがありました。
あくまで一脚という部類に入るため、このあたりの安定性は求めてはいけないものだと私は思っています。それでも自立脚なしの場合とは大幅に違い、撮影時でも揺れの少ない撮影を実現することができました。
おすすめする理由
「KF-MMP3134」は、はじめての一脚としても最適な製品です。そもそも一脚を必要としない方も多いと思われますが、実際に使用してみると使い勝手がよく、三脚が使えない場面を中心に活躍が期待できます。
「KF-MMP3134」は、価格以上の安定性と機能面は最大の特長と言えるでしょう。雲台が別売なのは残念な点ですが、雲台を揃える事で更に自由な撮影を可能とします。
カメラを支えることが主な目的とされる一脚ですが、その目的を十分に果たしつつ、撮影者の撮影をサポートしてくれる素晴らしい製品だと感じました。一脚選びで迷われている方にはオススメの製品です。
まとめ
既にご紹介している三脚「KF-TM2235」に続いて今回はK&F CONCEPTの一脚をご紹介しました。
2製品目にしても感じるコストパフォーマンスの高さに驚かされます。三脚と比較すると知名度の低い「一脚」ですが、重いカメラを使った撮影や、足場が悪くて三脚を設置できない、スペースがなくて三脚を立てることが不可能な場面では大きな活躍が期待できます。
三脚である「KF-TM2235」同様に全高には比較的弱いものの、そこを割り切り他の機能で他社製品と差をつける姿勢はカメラ界にとっては新しい風となりそうです。実際に雲台の取り付けや取り外し、自由な角度調整はこの価格帯では革新的なことです。
前回記事に引き続き、K&F CONCEPTは注目のメーカーであり、今後の躍進に期待できることを感じました。