Insta360 Nano Sを人気観光地でレビュー!他の360度カメラにはないメリットを徹底解説
更新日2023/10/02
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2018年1月8日に発売されたInsta360新製品である「Insta360 Nano S」。既にInsta360ではNanoという製品が販売されていましたが、今回は様々な機能を更新した新製品としてNano Sが発売されました。
Nanoとの製品比較はもちろん、乾季であるプーケットにて実際に使用し、撮影した作例を交えてご紹介していきます。
もくじ
Insta360 Nano Sで強化された性能
外観ではNanoとあまり変化のないNano Sですが、基本性能から新たに搭載された機能まで、様々な性能が強化されています。
4K動画対応
基本性能の面では、撮影できる解像度が強化され、3Kまで撮影可能だったNanoに対して、Nano Sでは4Kに対応しました。
現代のカメラでは4K動画が一般的となってきていますが、Nano Sでも対応させた形となりました。
フリー・キャプチャー編集
Insta360シリーズでは、撮影や撮影後の編集をサポートするスマートフォンアプリが充実しています。Nano S用のアプリでも、撮影後の編集機能が大きく強化されました。
Insta360 ONEから新たに搭載された「フリー・キャプチャー編集」では、撮影後の動画を編集するための機能ですが、360度映像という性質上、標準のディスプレイ画面には収まりきらない問題を解決します。
360度の映像から好きな角度を好きなタイミングで切り取ることができるため、「この場面でここを見たい」という考えに応えてくれます。
マルチビュー機能
Insta360 Nano Sから完全な新機能として搭載されたのはマルチビュー機能です。これは360度映像から複数のアングルを切り出して1画面に表示する機能です。
この機能は他アプリとの連携もあり、LINEのビデオ通話などでも使用することができます。スマートフォンの画面が分割され、各映像別々のアングルで映し出されるため、一度に様々な角度を確認することができます。
これが1台のカメラでできるのも360度カメラの魅力です。
人気観光地プーケットで使ってみた!
タイのプーケットに行く用事があったので早速Insta360 Nano Sを使用してみました。ここでは下記のような様々な環境下で試すことができる絶好の機会でした。
- 360度カメラの撮影先で人気があるリゾートや観光地での実践
- 強い太陽光を浴びた際の映像への影響
- 赤道付近で強い紫外線と高温時における動作環境の確認
2月のプーケットは乾季と呼ばれ、気候が安定しています。冬の季節に当たりますが、気温は連日30℃越え。さらに赤道に近いため、太陽は高く、強烈な紫外線が降り注ぎます。
過酷な環境で試すことで機械の本質が見えてきます。
小型でiPhoneなど端末へのフィット感が良い
Nano時代から同シリーズではコンパクトでスマートフォン端末へのフィット感に定評があります。Lightning端子に直接取り付けてカメラを操作するInsta360 Nano Sですが、カメラ本体を支える必要がなく使用できるため、カメラを取り付けているという感覚はありません。
またNanoでは、本体重量が73gだったのに対し、性能を向上させたNano Sは66gと、機器の軽量化も実現しています。
シャープネスに仕上がる映像
カメラ関連でどうしても気になるのは画質だと思います。一眼レフなどと違い、レンズが小さいカメラは画質劣化が避けられない問題です。
Insta360 Nano Sでは、4K画質にも対応したことで、きめ細かい映像へと仕上がります。私の経験上、この手のカメラは全体的に画像がぼやける印象があり、フィルター機能で加工することで作品へと仕上げることが多かったです。
Nano Sでは、撮影した段階での撮って出し状態でも眠くないハッキリとした映像へと仕上がります。映像へのシャープネス精度が向上し、クッキリとした印象を持ちました。
Insta360 ONEよりも手軽に
Insta360 ONEでは、7Kまで対応しているため、解像度という面では劣ります。しかし個人的にはONEよりもNano Sの方が、撮影後で未編集時の仕上がりは良好に感じます。
そしてONEよりも手軽で小さいカメラなのが魅力的です。ONEでは本体が重かったり、カメラに拡張する形で取り付ける印象ですが、Nano Sでは、付けていることを感じさせないところが新たな進化とも感じました。
とても優秀なアプリ「Insta360 Nano S」
スマートフォンアプリとの連携が欠かせないInsta360シリーズですが、Insta360 Nano Sのアプリは操作性、機能面ともに優秀なアプリへと仕上がっています。
あえてWi-FiやBluetoothなどの通信機能を無理やり使わず、直接端子につなげることで通信が早く、通信環境におけるトラブルが激減します。
また撮影時の画面も分かりやすく、撮影に困ることはないでしょう。視覚的にわかる撮影設定のアイコンは、説明書要らずの操作性です。
熱帯環境でも問題なく使用可
連日快晴、30℃を超える真夏日が続いたプーケット。360度カメラをリゾート地で使おうと考えている方も多いと思います。
プーケット滞在中は気温も常に高く、機械にとって難しい環境ですが、滞在中に調子が悪くなるようなことは一切ありませんでした。
昔のカメラなどでは、高温や低温によるバッテリー能力の低下が問題視されていましたが、現代ではその問題は解決され、極端な環境でない限り(熱気の近くや冷凍庫内など)動作に影響を及ぼすことは皆無と言えるでしょう。
今後期待される改善点
操作性で不満を感じることのないInsta360 Nano Sですが、小型軽量ボディだからこその改善すべき点も存在します。
直射日光など、明暗差の大きい部分は苦手
画質は良好ですが、強い直射日光を浴びた状態や明暗差の大きい場面では、レンズの小ささによるダイナミックレンジの狭さが気になるところです。
ダイナミックレンジとは、暗い部分や明るい部分で黒つぶれや白飛びに関わる性能です。ダイナミックレンジの幅が広いほど、明暗差のある場面でも暗い部分も明るい部分もしっかり被写体を映し出してくれます。
一方でダイナミックレンジの幅が狭い場合は、暗い部分は真っ黒に塗りつぶされたような状態で、明るい部分は真っ白で白飛び状態になり、白い壁のような何も見えない状態になります。
実際今回のプーケットではこのような場面が多く、太陽がある方向では完全に白飛びしてしまい、遠い景色は白く塗りつぶされたような形で、出来上がった映像などには何も残っていませんでした。
また夜間でもこの影響は大きく出ます。高感度撮影などでも課題として挙げられますが、まずは小型カメラレンズとして、どこまで性能を向上させられるかが今後のカギとなりそうです。
製品比較表
製品名 | Nano S | Nano | ONE |
---|---|---|---|
発売日 | 2018年1月8日 | 2016年8月18日 | 2017年8月28日 |
静止画解像度 | 6,272×3,136 | 3,040×1,520 | 6,912×3,456 |
動画解像度 | 4K(3,840×1,920) | 3K(3,040×1,520) | 4K(3,840×1,920) |
対応スマホ | iPhone(X,8/8plus,7/7plus, 6s/6splus,6/6plus) |
iPhone(X,8/8plus,7/7plus, 6s/6splus,6/6plus) |
iPhone(X,8/8plus,7/7plus, 6s/6splus,6/6plus,SE), iPad(Pro,mini4,Air2),Android |
本体サイズ | 110mm×33mm×21mm | 110mm×33mm×21mm | 96mm×36.5mm×25mm |
ストレージ | UHS-1,exFATフォーマット 最大容量128GB |
UHS-1,exFATフォーマット 最大容量128GB |
UHS-1,exFATフォーマット 最大容量128GB |
重量 | 66g | 70g | 82g |
バッテリー容量 | 800mAh | 800mAh | 820mAh |
自由編集機能 | 〇 | × | 〇 |
マルチビュー機能 | 〇 | × | × |
バレットタイム撮影 | × | × | 〇 |
Insta360 Nano Sをおすすめできるユーザー
沢山のシリーズがあるとどれを選ぶべきなのかというのが家電製品の悩みの種です。Insta360でも様々なシリーズが存在し、悩むことが多いと思います。
iPhoneユーザーでお気楽撮影はNano Sがおすすめ
iPhoneユーザーでInsta360度製品を検討されているのであれば、候補にはONE、Nano S、Nano辺りがあると思います。
この中で初めての360度カメラや気楽に撮影するのであればNano Sは最適なカメラとしておすすめできます。これまでのNanoでは、ONEとの性能差が大きいため、ある程度の妥協を余儀なくされることがありましたが、Nano Sで進化した性能により、気軽にハイクオリティな映像撮影に近づくことができます。
注意する必要があるAndroidユーザー
現段階ではInsta360 Nano Sでは、Android端末に対応していません。これはNano Sの端子がLightning端子として独立しているためです。
Lightning端子はAndroidスマートフォンに直接つなぐことができないため、注意が必要です。
Android端末でInsta360を使用する場合は、Insta360 ONEまたはInsta360 Airを購入する必要があります。ONEも最近対応したばかりで、Android専用のモデルを購入する必要があります。
Insta360 Nano Sまとめ
360度撮影を更に身近な存在にしたInsta360 Nano S。近年では、THETAなどのライバルモデルも多く登場していますが、それぞれが個性豊かな特長を保有しているため、調べるほど面白味を感じます。
Nano Sでは4K撮影、フリーキャプチャー機能、マルチビュー機能など「編集するための映像」というInsta360らしい製品になっています。
Insta360 Nano Sは、スマートフォンとの連携を上手に使うことで能力を発揮するカメラのため、「単体で撮影するカメラ」ではなく、「スマートフォンの拡張機能」として考えることもできそうです。
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