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今やデジタルカメラ市場の中心的存在になっているミラーレス一眼カメラ。
ミラーレス一眼カメラの中でも、フルサイズセンサーを搭載するフルサイズミラーレス一眼カメラは、カメラメーカー各社が力を入れて開発を進める、メーカーの技術力が問われるジャンルです。
今回は、キヤノン、ニコン、ソニーの3社がフルサイズミラーレス一眼カメラの代表的なスタンダードモデルとして展開するCanon EOS R5、Canon EOS R6、Nikon Z6、SONY α7IIIの4モデルの性能や外観面を比較して、それぞれの特徴や利点をご紹介していきます。
もくじ
競争激化のフルサイズミラーレス一眼
フルサイズミラーレスという言葉をよく耳にするようになりました。
フルサイズセンサーを搭載した、いわゆる高級志向のミラーレス一眼が注目され始めてから、まだ歴史の浅いジャンルですが、年々その注目度は増しています。
新しいモデルも数カ月おきに発表されている状態と言っても過言ではなく、そのたびに性能の進化を感じるほど、変化の激しい市場です。
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各社から展開される最新モデルを比較
Rentio PRESSでは、これまでもフルサイズミラーレス一眼の各モデルレビューや、比較記事を展開してきましたが、先述の通り、時間の経過とともに最新モデルも変化していきます。
今回は、2020年秋における最新モデルの比較として4つのモデルを比較していきます。
Canon EOS R5
2020年7月30日に発売となったCanon EOS R5は、今フルサイズミラーレス一眼市場で最も注目の存在と言えます。
高画素に特化したモデルではないものの、有効画素約4500万を実現しており、その他高感度耐性や連続撮影速度にも優れた圧巻の性能を誇ります。
EOS初となるボディ内手ブレ補正機構も搭載し、その効果は8.0段分と、初搭載ながら他社のミラーレス一眼をも圧倒する性能をいきなり搭載しました。
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Canon EOS R6
EOS R5に続く形で2020年8月27日に発売となったCanon EOS R6。
系統としてはEOS R5と似ていますが、EOS R5よりも低価格で、画素数が少ないモデルとして販売されています。
画素数以外に関しては、特に大きな違いはなく、EOS R5同様に非常に優れた性能を保有しています。
クロップを必要としない静止画撮影をされる方にとっては、価格も抑えることができる大変おすすめのモデルです。
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SONY α7III
これだけフルサイズミラーレス一眼が浸透したのは、ソニーの影響と言えるでしょう。
ソニーでは、キヤノンやニコンよりも先行してフルサイズミラーレス一眼の開発に注力しており、こちらのSONY α7IIIに関しても既に3代目のモデルとなります。
SONY α7IIIがキヤノンやニコンのフルサイズミラーレス一眼市場参戦に刺激を与えたと言っても過言ではないほど影響力のあるカメラで、特に売れたフルサイズミラーレス一眼として人気を集めています。
既に発売から2年以上経過しているモデルですが、今なおランキングで上位に来るほど、大ベストセラーモデルです。
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Nikon Z6
一眼レフを積極的に開発していたニコンにおいても、ここ数年はフルサイズミラーレス一眼の発表が目立っています。
Nikon Z6は、ニコンが展開するフルサイズミラーレス一眼におけるスタンダードモデルとして販売されており、一眼レフ時代に培った技術力を基に、優れた性能を保有しています。
色表現においては、これまでのニコンから大きく異なるスタイルが採用され、好みがわかれるものの、新たなニコンの挑戦が感じられるモデルとなっています。
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外観比較
ここからは今回ご紹介していく4つのモデルの外観面を比較して特徴を解説していきます。
主に大きさ、重さなどを中心に、特徴のある機能面を採用したモデルをご紹介していきます。
外形寸法を比較
最初にカメラの印象を左右するボディの大きさについて比較していきます。
まずは、各モデル仕様表の数値でサイズを比較してみましょう。
- Canon EOS R5 : 約138.5(幅)×97.5(高さ)×88.0(奥行)mm
- Canon EOS R6 : 約138.4(幅)×97.5(高さ)×88.4(奥行)mm
- Nikon Z6 : 約134(幅)×100.5(高さ)×67.5(奥行)mm
- SONY α7III : 約126.9(幅)×95.6(高さ)×73.7(奥行)mm
4つのモデルを比較してみても、SONY α7IIIが一番小型であることは明確な数値となっています。
実際に手に持ってみてもSONY α7IIIは非常にコンパクトで、フルサイズ一眼であることを忘れさせてくれるような携帯性が特徴的です。
しかし、一番大きいEOS R5/R6の2モデルに関しても大きすぎる印象はなく、従来から展開されている一眼レフシリーズから比較すると、コンパクトなサイズ感を実現しました。
重さを比較
続いて重さを比較していきます。
こちらもまずは、各モデル仕様表の数値からバッテリー、メモリーカードを含めた質量で比較を行っていきます。
- Canon EOS R5 : 約738g
- Canon EOS R6 : 約680g
- Nikon Z6 : 約675g
- SONY α7III : 約650g
重さに関してはEOS R5を除いて大きな差は見られない結果となりました。
近年のミラーレス一眼では、ボディ本体の重さを気にするよりも、ボディの大きさの方で差が出やすいので、そちらを気にする方がより実用的に考えることができるでしょう。
やさしい操作性はSONY α7III
今回ご紹介している4つのモデルの中でも、初めてでもすぐ使いこなすことのできる操作性を実現しているのは、SONY α7IIIが一番優れていると言えます。
どのモデルも慣れてしまえば使いやすさというのは変わらなくなってきますが、初めて使う際に操作性については、ボタン組み合わせによる操作をほとんど必要としない理解しやすい操作性が魅力的です。
露出調整に関しても、他の2メーカーのモデルと比較しても、専用ダイヤルが搭載されているため、直感的な操作を好まれる方にもおすすめです。
Canon EOS R5の特徴的なモードダイヤル
Canon EOS R5で採用されているカメラ上部のモードダイヤルは、他のカメラとは少し変わっており、隣接された小型の液晶画面と連動させたモード選択になります。
他の3つのモデルでは、モードダイヤルに記された文字やアイコンを基に、撮影モードを指定しますが、EOS R5に限っては、中央のMODEボタンを一度押してから画面上からダイヤルを回すことで選択する仕様になっています。
他とは異なる仕様ではありますが、私自身使用した際の違和感は特にありませんでした。
性能比較
今回ご紹介する4モデルにおいて、最も比較として気になるのが画質などの撮影性能面でしょう。
ここからは、実際に4つのモデルを使用して撮影した私が感じた違いや優れたモデルをご紹介していきます。
高画素モデル級の画素数を保有するEOS R5
今回ご紹介するモデルの中でも、画素数が突出しているEOS R5は、高画素ながら高い性能を誇るこれまでにない一眼モデルとして注目を集めています。
高画素であることによる弊害として、高感度撮影時におけるノイズの増加や、わずかなブレでも目立ってしまうことがありましたが、EOS R5では、高感度でも優れた描写を実現し、8.0段の効果を叶えたボディ内手ブレ補正が強力であることも、等倍サイズから確認することができます。
高感度に関しては、後ほどご紹介するEOS R6が非常に素晴らしい能力を実現していますが、EOS R5も、画素数を考えると異次元と呼べるほどの性能を叶えました。
最高級の高感度耐性EOS R6
今回比較を行っている4つのモデルの中でも、高感度撮影における性能はCanon EOS R6が圧倒的だと感じました。
映像エンジンやシステム自体はEOS R5とほぼ同じであるものの、EOS R5よりも低画素であることから、その分高感度における優位性では上回っています。
他のモデルではISO10000を上回ると実用的ではないと感じましたが、EOS R6に関してはISO12800の設定でも実用的に撮影することができる印象を受けました。
被写体におけるディティール表現はもちろんですが、暗部におけるノイズも圧倒的に少なく、夜間撮影においては驚くべき性能を実現しています。
ソニーの強みであるリアルタイム瞳AF
今回ご紹介している4つのモデルにおいて、全てで人の目に反応する「瞳AF」を搭載していますが、これらの技術力に関しては、ソニーが圧倒的です。
AIを活用することで、動き回る人物に対しても常に瞳へと正確なフォーカス合わせを実現しています。
今回ご紹介しているSONY α7IIIでは、リアルタイム瞳AFを特定の動物に対しても適用させており、ご自身のペットなどを撮影する際にも、ピントを合わせたい場所に正確で素早くフォーカスさせることができる能力として最も優れています。
どのモデルもボディ内手ブレ補正を搭載
今回ご紹介している全てのモデルにおいてボディ内手ブレ補正が搭載されており、夜間など暗い撮影シーンで活用することができます。
手ブレ補正の効果は、各モデルによって異なりますが、今回の4モデルの中では、EOS R5とEOS R6が8.0段分と世界最高の効果を実現しています。
実際に使用してみてもその効果は絶大で、レンズ内の手ブレだけでは抑制することができなかったわずかなブレも低速シャッタースピード時において抑えてくれます。
EOS R5とEOS R6では、同等のボディ内手ブレ補正機構を搭載していますが、画素数の少ないEOS R6の方が、実際に拡大したときのわずかなブレというのは目立たなく、高感度耐性と合わせてもEOS R6は、夜間撮影において革新的な存在です。
現時点ではCanon EOS R5/R6が圧倒的に高性能
これまでCanon EOS R5、EOS R6、Nikon Z6、SONY α7IIIと、各社を代表するフルサイズミラーレス一眼カメラを比較してきました。
私自身、これまで全てのカメラを実際に使用して撮影を行ってきましたが、スペック上でも差が出ているように、現時点では、Canon EOS R5/R6が圧倒的に優れている印象です。
もちろん撮影者によって撮影するジャンルなどが異なってくることで、必要とする性能においては各モデルで違った優劣が出てきますが、全体的に仕上がりとしてキヤノンの2モデルは、これまでのミラーレス一眼カメラの常識を覆すほどの完成度です。
一方、ニコンやソニーに関しては、発売から少し時間が経過していることで、次に発表されるであろう後継機に期待が集まります。
単純や画質という面で違いが生まれにくくなった現代ですが、まだまだ一眼カメラは驚くべき進化を遂げ、「撮れなかった世界」を現実のものにしてくれます。
製品仕様比較表
製品名 | Canon EOS R5 | Canon EOS R6 | Nikon Z6 | SONY α7 III |
---|---|---|---|---|
発売時期 | 2020年7月 | 2020年8月 | 2018年11月 | 2018年3月 |
価格(およそ) | 506,000円 | 335,500円 | 157,000円 | 209,000円 |
撮像画面サイズ | フルサイズ(約36.0×24.0mm) | フルサイズ(約35.9×23.9mm) | フルサイズ(約35.6×23.9mm) | フルサイズ(約35.6×23.8mm) |
映像素子形式 | CMOSセンサー | CMOSセンサー | ニコンFXフォーマットCMOSセンサー | ExmorR CMOSセンサー |
映像エンジン | DIGIC X | DIGIC X | EXPEED 6 | BIONZ X |
有効画素数 | 約4500万画素 | 約2010万画素 | 2450万画素 | 約2420万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセル CMOS AF方式 | デュアルピクセル CMOS AF方式 | ハイブリッドAF | ファストハイブリッドAF |
測距点 | 最大4500ポジション | 最大6072ポジション | 最大273点 | 最大693点(位相差検出方式) |
常用ISO感度 | ISO100~51200 | ISO100~102400 | ISO100~51200 | ISO100~51200 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | 1/8000秒~30秒、バルブ | 1/8000秒~30秒、バルブ | 1/8000秒~30秒、バルブ |
ボディ内手ブレ補正 | 8.0段 | 8.0段 | 5.0段 | 5.0段 |
連続撮影速度(AF固定時) | 最高約20コマ/秒 | 最高約20コマ/秒 | 最高約12コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 |
画面 | 3.2型/約210万ドット | 3.0型/約162万ドット | 3.2型/約210万ドット | 3.0型/約92万ドット |
ファインダー | 0.5型/約576万ドット | 0.5型/約369万ドット | 0.5型/約369万ドット | 0.5型/約235万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
大きさ | 約138.5(幅)×97.5(高さ)×88.0(奥行)mm | 約138.4(幅)×97.5(高さ)×88.4(奥行)mm | 約134.0(幅)×100.5(高さ)×67.5(奥行)mm | 約126.9(幅)×95.6(高さ)×73.7(奥行)mm |
質量 | 約738g | 約680g | 約675g | 約650g |
ミラーレス一眼の水準は上がり続ける
今回ご紹介してきたフルサイズミラーレス一眼カメラ以外にも、高性能のカメラが続々と誕生してきています。
カメラは短いスパンで急激に進化を遂げるため、最新のモデルを追いかけることは難しいことでもあります。
近年では、高感度耐性やオートフォーカスによる専用機能(瞳AFなど)、ボディ内手ブレ補正などで各社技術力を競う様子が見られ、今後も競争は激化していくものと思われます。
ミラーレス一眼カメラの性能というのは常に進化を続けていきますが、今後もRentio PRESSでは、ミラーレス一眼カメラの進化についてご紹介していきます。
気になる話題のモデルはレンタルでお試し
今回ご紹介してきた人気のフルサイズミラーレス一眼カメラは、いきなり購入するにはハードルの高さを感じるほど高価です。
そのため、購入前にお試しでレンタルされることがおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきた4つのミラーレス一眼カメラをはじめ、最新モデルから王道モデルまで、豊富なラインナップから気軽にレンタルすることができます。
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