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端末にデータをダウンロードし旅行先や通勤時間に手軽に読めるようになったことで、書籍を紙媒体で所有しない時代となり暫く経ちました。
今や、電子書籍リーダーは「Onyx International」の「BOOX シリーズ」や、「富士通」の「QUADERNO」など多くの種類があります。
その中でも電子書籍リーダーとして圧倒的知名度を誇るAmazonのKindle(キンドル)シリーズ。
今回はそんなKindleの「Amazon Kindle Scribe(キンドル スクライブ)」の特徴を実機レビューを交えてご紹介していきます。
もくじ
Kindle Scribeの基本性能
まずは本製品の基本的な性能とサイズ感などを見ていきます。
製品スペック一覧表
サイズなどのスペックについて一部抜粋しました。
項目 | スペック詳細 |
---|---|
ディスプレイサイズ | 10.2インチ |
デバイスサイズ | 196 mm x 230 mm x 5.8 mm |
容量のバリエーション | 16GB/32GB/64GB |
重量 | 433g |
バッテリー | 読書:1回の充電で最大12週間利用可能 (明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合) 手書き機能:1回の充電で最大3週間利用可能 (明るさ設定13、ワイヤレス接続オフで1日30分使用した場合) ※ワイヤレス接続や明るさなどの設定によって利用できる時間は異なります |
充電時間 | PCからUSB経由での充電で約7時間。USB-C充電アダプター (9W) 経由での充電で約2.5時間 |
wifi接続 | 802.11b、802.11g、または802.11n。無線LANスポット |
対応ファイルフォーマット | Kindleフォーマット8 (AZW3)、Kindle (AZW)、TXT、PDF、保護されていないMOBI、PRCに対応。HTML、DOC、DOCX、JPEG、GIF、PNG、PMP は変換して対応 |
また、他のKindle製品とも比較してみます。
機種 | Kindle | Kindle Paperwhite | Kindle Oasis | Kindle Scribe |
---|---|---|---|---|
ディスプレイサイズ | 6インチ | 6.8インチ | 7インチ | 10.2インチ |
デバイスサイズ | 157.8 mm x 108.6 mm x 8.0 mm | 174 mm x 125 mm x 8.1 mm | 159 mm x 141 mm x 3.4-8.4 mm | 196 mm x 230 mm x 5.8 mm |
容量のバリエーション | 16GB | 8GB/16GB | 8GB/32GB | 16GB/32GB/64GB |
重量 | 158g | 205g | 188g | 433g |
防水機能 | × | 〇 | 〇 | × |
手書き入力機能 | × | × | × | 〇 |
ページ送りボタン | × | × | 〇 | × |
公式価格(2023年7月時点) | 12,980円 | 16,980円 | 29,980円 | 59,980円 |
Kindle Scribeに唯一搭載されている機能としては「手書き入力機能」になります。
その他には、防水機能やページ送りボタン(物理ボタン)は搭載されておらず、重量もこれまでの2倍以上になります。
Kindle Scribeの実際のサイズ感
Kindle Scribeの比較対象として用意したのはA4のコピー用紙とスマートフォンです。
(スマートフォンのサイズは約67mm×約153mm×約8.3mm(6インチ)となります)
付属品と外観
こちらが商品の付属品になります。
- Kindle Scribe本体
- スタンダードペン
- 交換用ペン先 (5個)
- USB-C充電ケーブル
- 交換ツール
- 取扱説明書
今回はスタンダードペンモデルとなりますが、プレミアムペンモデルだとペンに物理ボタンが搭載されています。
本体は、向かって左側側面に電源ボタンと充電端子(USB-C)があり、反対の右側はマグネットになっておりペンをくっつけることが可能です。
Kindle Scribeの電子書籍リーダーとしての使用感
早速使用していきますが、Kindle Scribeには大きく2種類の使用目的があります。
1つ目は通常のKindle同様に書籍を読むためのツールとして。
2つ目は電子メモ帳として。
それぞれ個別にみていきます。
Kindleとしての性能はしっかり継承
本商品のメイン機能は通常のKindle同様に書籍を読むことです。
こちらは特に不自由なくサクサク読むことができ、大画面を利用した見開き表示も可能なため特に漫画などを読むとき紙の書籍と同じ読み方が出来るので重宝します。
また、Amazonオフィシャルのガジェットなので、Kindleアプリの読み込み速度やページ送りに遅延が少なく、かなり快適に読むことが出来ます。
Kindle Scribeの電子メモとしての使用感
他のKindleシリーズとの違いであり、Kindle Scribeを選ぶ最大の点としては、やはり電子メモとして使用できる点かと思います。
ストレスを感じない書きやすさ
まずは書き心地と使用感を確認します。
ペンの種類は「ペン・万年筆・サインペン・鉛筆・ハイライト」と5種類あり、それぞれ太さを変えることが出来ます。
また、ハイライト以外では筆圧も再現可能であり、ある程度力を込めて書く事でかすれた字やしっかりとした字を描く事が可能です。
太さは最初から5段階あるので強調したいところなどを太くすることも出来ます。
サイドバーにはペンの他に消しゴムと戻るボタンもあるので修正も容易に行えます。
ファイルの送受信も煩わしい手間は必要なし
作成したメモはスマートフォンなどにKindleアプリをダウンロードすることで相互にデータの送受信が可能となり、PDFファイルには書き込みも可能です。
まずはKindle Scribeでメモを作成しデータを送ってみます。
作成したメモはあらかじめメールアドレスを登録しておけば簡単に送ることが出来ます。
次にPCで作成したデータをKindle Scribe上で確認、書き込んでみます。
今回はPowerPointで作成したデータをPDFファイルにしていますが、一般的な文章ファイルでもPDFファイルとして保存することで送受信が可能です。
画像のように送られてきたファイルに書き込みや添削をして、元データを維持したまま送り返すことも出来ます。
スマートフォンでデータの送受信を行うとこのような表示になります。
1枚目は登録したメールアドレスへファイルが送られた事の通知。
2~3枚目はスマートフォンのKindleアプリで表示した時の見え方になります。
使用頻度によってペン先が削れていく
短期間の使用では分かりませんでしたが、ペン先が使用頻度に応じて削れていきます。
ある程度書きづらくなってきたら交換用のペン先と交換する必要があります。
Kindle Scribeのその他の便利な機能
基本的な使用方法の他にも画像のようなロック画面や、明るさ調整、ダークモード(白黒反転)なども設定可能です。
Kindle Scribeを使用して分かったこと
最後にKindle Scribeを使用した感想と気になった点を見ていきます。
◎:まるで紙に直接書いているかのようにスムーズな書き心地
タッチパネルにペンで文字を書いた経験が一度はあるかと思いますが、Kindle Scribeの書き心地はそれらとは別格です。
非常に滑らかに書く事が出来、線を引いても全く遅延することなく画面に反映されます。
◎:電子書籍としても全く問題ない
Kindleとしての本来の機能である電子書籍としても従来のモデルと同様に使用できます。
そのため、電子書籍機能に+αした上位機種と言えるでしょう。
◯:データの送受信が可能
スマートフォンからの場合は「Kindleアプリ」から、パソコンからの場合はKindleのファイル転送サービス「Send to Kindle」もしくはUSBケーブルで有線接続して転送が可能です。
使用環境に合わせて転送方法を選ぶことが出来ますが、転送できるファイルフォーマットは限られるので注意しましょう。
△:気を付けるべき点
実際に使用してみて気がついた注意点もいくつかあるので紹介したいと思います。
拡張性はない
あくまでも電子書籍にメモ機能が搭載された商品なので、iPadやandroidタブレット端末のようにアプリを入れたりWebで調べ物をしたりと言った使用には適していません。
実際にWebで検索を行いましたが、WiFi環境でも非常に時間が掛かりページ自体も十分に表示されませんでした。
電子メモに特化しているわけではない
拡張性と同じく電子書籍リーダーにメモ帳の機能が追加されたものになるので、電子メモとしてしか使用しない方にはオーバースペックであり、自由度も低く感じます。
また、書籍に直接メモ書いて残すことは出来ず、付箋を貼ってその付箋にメモを残す形になります。
1台2役こなせる賢いガジェット
今回「Amazon Kindle Scribe (キンドル スクライブ)」を使用してみて分かったことは、1台で2役こなせる優秀なガジェットであるということです。
単純に電子書籍リーダーとメモ帳の機能を1台でこなせるため、持ち物が減り身軽になります。
そのため、今までのKindleユーザーであれば、アップグレードした商品として一考の余地はあるのではないでしょうか。
また、他にも電子書籍リーダーは各社から発売されていますが、物理ボタンや防水機能が欲しい場合は同じAmazonの「Kindle Oasis(キンドル オアシス)」もあります。
こちらにはメモ帳の機能はありませんが、プールやお風呂でも読書を楽しむことが出来るので用途に応じて別のシリーズを検討してみることもおススメします。
電子書籍リーダーは試してから購入できる
「自身の用途に必要な機能が備わっているのか試してみたい」
「実際の使い勝手は問題ないか気になる」
そんな方には電子書籍リーダーのお試しレンタルがおすすめです。
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