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SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM実写レビュー。コスパ最高の超望遠ズームレンズを徹底解説

Atsushi Yoshioka
Atsushi Yoshioka

更新日2024/10/22

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM実写レビュー。コスパ最高の超望遠ズームレンズを徹底解説

シグマが誇る超望遠ズームレンズである「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary」。

2015年3月に発売されたこのレンズは、これまでなかなかズームレンズでは実現することのなかった600mmという焦点距離を実現したことで大きな反響を呼びました。

シグマからは同望遠域を持つContemporaryではないSportsというモデルも販売していますが、今回はContemporaryモデルに特化した記事になっています。

今回は「SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary」の望遠性能を活かした作例を中心に実写レビューしていきます。

発売から3年経った今なお人気レンズとして君臨し続ける同レンズの魅力に迫ります。

この記事の執筆者:Atsushi Yoshioka

この記事の執筆者:Atsushi Yoshioka

「レンティオ」のフォトグラファー兼トラベルアドバイザー。各カメラ製品系レビューや持ち前の旅行テクニックを伝授する記事を展開

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SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary 基本性能

超望遠レンズということもあり、全体的に大きく重い印象があります。

重量は1,930gで約2kgとなり、望遠レンズや重いものに慣れていない方には体力的もつらさがあります。

各部画像

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 商品写真

全長26cmの大きさを持つSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSMは、キットレンズと比較すると圧倒的な大きさです。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM ズームリング

ズームリングは純正レンズと比較すると少々固い印象。

150mmから600mmまでの焦点距離を持つため、回転域はとても広く、150mmから600mmまでいきなり回す場合は少々手間がかかります。回転方向はキヤノン純正と同様で、左に回るタイプです。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM スイッチ部

レンズの左側面にはAF/MF切り替えスイッチ手ブレ補正効果などの切り替えスイッチが存在します。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM マウント部

一般的なマウント部と同じです。

レンズ性能表

モデル名 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary
焦点距離 150-600mm
明るさ F5-6.3
レンズ構成 14群20枚
最短撮影距離 2.8m
最大撮影倍率 1:4.9
フィルター径 φ95mm
最大径 φ105mm
長さ 260.1mm(シグマ用)※キヤノン、ニコン用では若干の変更の可能性有
質量 1,930g(ラバー装着時:1,830g)
絞り羽根 9枚(円形絞り)
最初絞り F22
手ぶれ補正効果
標準付属品 ケース、フード(LH1050-01)、ショルダーストラップ、三脚座(TS-71)、Protective cover付
対応マウント シグマ用/キヤノン用/ニコン用

圧倒的望遠性能「600mmの世界」

EOS 6D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM

このレンズの最大の特長は600mmまでの焦点距離を保有する超望遠ズームレンズであることです。

これまでも600mmという焦点距離は存在したものの、そのどれもが単焦点レンズであり、さらに価格は100万円を超えるような高級品でした。

しかしシグマが開発した150-600mm F5-6.3 DG OS HSMは、ズームレンズでありながら600mmまでの焦点距離を実現しつつ、高品質で低価格のハイコストパフォーマンスのレンズです。

600mmはどれだけすごいのか、ワイド端よりやや望遠を使った180mmとテレ端である600mmの画角を比較してみましょう。

このレンズはフルサイズ機対応であるため、今回はCanon EOS 6Dを使用して作例をご紹介していきます。

180mmの画角

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 飛行機
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/1250sec, F8, ISO200, 焦点距離:180mm, 東京国際空港

APS-Cの画角の場合、1.5倍~1.6倍にクロップされるため、180mmでもそこそこの大きさで見えます(フルサイズでは288mm程度になる)。

しかしフルサイズ機で180mmとなるとクロップされた分が含まれ、より広角になります。なのでフルサイズで180mmは少し引きたい時に使える焦点距離です。

600mmの画角

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 飛行機 600mm
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/800sec, F8, ISO200, 焦点距離:600mm, 東京国際空港

写真をご覧になって驚くと思います。先ほどは画面の1/3にも満たなかった飛行機が、画面一杯に埋まるほど大きく写っています。

600mmは遠くのものを写すのに最適で、望遠レンズの特性でもある圧縮効果も十分に期待することができます。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 圧縮効果
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/1250sec, F8, ISO200, 焦点距離:600mm, 東京国際空港

圧縮効果とは、ファインダー内に写り込んだ前後の被写体で距離が離れていても、あまり大きさに差を感じないことです。

実際その場に行くと広々とした場所でも、望遠レンズを使うことで密集しているような写真になります。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryは超望遠を実現し、圧縮効果を得意分野としています。

中間望遠域の高解像度

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 中望遠域

望遠ズームレンズの難しいところはテレ端で解像力が落ちてしまう場合が多いことです。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryでも600mmで撮影すると解像力の低下は否めないところで、この辺りを改善するためには、低価格での販売は難しいでしょう。

200mmから400mmの間は良好な解像力

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 解像度

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 解像度
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/800sec, F8, ISO200, 焦点距離:275mm, 東京国際空港 ※下画像拡大表示

しかし望遠ズームレンズではよく中間望遠域の解像度が良好だとされています。

こちらのSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryでも、中間望遠域での解像力の高さを実感することができると思います。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryの場合、中間望遠域は200~400mm程度になります。

一般的に望遠レンズのテレ端は300mmや400mmとなり、これらのレンズも同様にテレ端は解像力が低下することが多いです。

そのためSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryは、他のレンズでテレ端である焦点距離を中間望遠域として扱えるため、他のレンズよりも解像力が高いとも言えるでしょう。

2種類の手ブレ補正を搭載

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 手ブレ補正

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryでは、2種類の手ブレ補正機能を搭載しています。

通常の手ブレ補正モード「1」

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 手ブレ補正
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/1250sec, F10, ISO200, 焦点距離:232mm, 東京国際空港

一つは通常の手ブレ補正モードとなり、静止物やカメラの向きを一方向に向けている手持ち撮影時にとても効果的です。こちらはモード「1」に該当します。

OFFの状態では小刻みに揺れていたファインダー内も、「1」にスイッチを動かすと小刻みな揺れはなくなり、望遠時でも安定した撮影を行うことができます。

流し撮りに特化した手ブレ補正モード「2」

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 手ブレ補正 流し撮り
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/40sec, F18, ISO100, 焦点距離:150mm, 東京国際空港

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryにはもう一つ手ブレ補正モードが搭載され、「2」に該当するこちらの手ブレ補正は「流し撮り」に特化しています。

スポーツや乗り物などを撮影する際、被写体は動き続けているため、撮影者はカメラの向きを変えながら被写体を追いかける必要があります。

このような場合、静止物や一点を撮る場合と異なり、カメラの揺れが大きくなります。

ブレやすくなる懸念がありますが、流し撮りは特定の動きをすることが多く、その動きに合わせた手ブレ補正機構となっています。

ファインダー内では「1」に比べて小刻みな揺れが収まっている印象は感じることはできませんが、シャッタースピードを落として動く被写体などを撮影した際に手ブレにより微妙なブレが軽減されています。

AF性能と周辺減光に難あり

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 周辺減光
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/2500sec, F8, ISO200, 焦点距離:484mm, 東京国際空港

このクラスで低価格を実現している点はとても魅力的なレンズです。

しかし難点も少なからず存在し、その代表として「AF性能」と「周辺減光」です。

正確性は十分だが、速度に難あり

AF性能についてはピントを合わせるための速さや正確性の性能ですが、正確性はしっかりしているものの、速度に関しては少々もの足りない印象を受けました。

特に一度大きくピントを外した状態からAFを使用し、ピントを合わせようとしても少々迷う場合も多く、最悪の場合、決定的瞬間を取り損ねてしまう可能性もあります。

修正できる周辺減光は許容範囲か

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 周辺減光
左)周辺減光補正前 右)Lightroom Classic CCにて周辺減光補正後

もう一つの周辺減光はサードパーティ製レンズによくみられる現象です。

画像の四隅が中央に比べて暗くなる現象ですが、テレ端に近づくほどこの現象は目立つようになります。

またアンダーな露出で撮影した際は更に四隅の周辺減光が目立ちます。

しかし、現代ではPC上で現像作業にてレンズプロファイルの指定などでこの問題を解決することができます。

周辺減光に関してはあまり気にする必要はないのかもしれませんが、撮って出しのスタイルにこだわる方には少々不満を感じるポイントだと思われます。

TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2との違い

150-600mm SIGMA TAMRON 比較

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryが発売した約1年半後にタムロンからSP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2という全く同クラスのレンズが発売されました。

実はタムロンではSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryが発売される前にSP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD (Model A011)という600mmを保有するレンズを既に販売していました。

その更新版としてSP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2が発売され、SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryとの比較は常に行われています。

SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2の方が後に発売されていますが、性能面に大きく差をつけたところはなく、あまり変わりのない印象です。

描写力はどちらも似たような印象です。大きく差が出たのは機能性の豊富さです。

機能面で便利なシグマモデル

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryでは、AF/MFの切り替えスイッチの真ん中に「MO」という項目があります。

これを使うと、AIサーボなどの追従式AFの場合でもフォーカスリングを回すことでMFに切り替えることが可能なモードです。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryにはさまざまなスイッチ類があるため、お好みの設定を保存してすぐ使うことができる、カスタムスイッチがあります。

カスタムスイッチに登録する設定は、別売りのSIGMA USB DOCKが必要となりますが、こちらを使うことで細かいピントの調整や、ファームウェアのアップデートなども行うことができます。

USB DOCK | アクセサリー | SIGMA GLOBAL VISION

気軽に超望遠の世界を体感できるレンズ

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM レビュー
Canon EOS 6D, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary, 1/1000sec, F8, ISO200, 焦点距離:600mm, 東京国際空港

望遠レンズを必要とする方が被写体とするのは飛行機や野鳥などの動きものや遠くのものです。

ある程度の望遠であればキットレンズでも十分ですが、超望遠レンズの世界を一度体感してしまうと、その魅力には大きく惹かれるものがあります。

私自身も250mmが限界だったキットレンズから400mmまで保有するレンズに変わった時、自分の作品に大きな変化が生まれました。

これまで超望遠レンズは高級であるイメージがありましたが、サードパーティ製レンズの登場でとても身近な存在になりました。

10万円程度でこのクラスのレンズが購入できるようになったのは、一眼カメラの世界でも大きな変化が現れたことでしょう。

まさに気軽に超望遠の世界を楽しむことができる、身近な存在である超望遠ズームレンズです。

SIGMAのおすすめレンズ紹介はこちら

シグマのおすすめレンズ6選!安さと画質から選ぶ人気カメラレンズをご紹介 – RentioPress

その他おすすめ望遠レンズはこちらでご紹介

[2020最新]おすすめ望遠レンズ11選。実際に使って感じた望遠レンズの魅力や選び方を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryはレンタルできる

実際のところ、ここまでの焦点距離を必要とするのかという疑問が出てくると思います。

被写体が明確な方であれば問題はありませんが、「少しだけ試してみたい」「購入を迷っている」という方におすすめなのがRentioのレンタルサービスです。

重く、大きいレンズは日頃収納するだけでも邪魔になることや、持ち歩く際も重すぎて疲れてしまうことが多々あるでしょう。

そんなときレンタルサービスを使うことで、短期間だけの使用やお試しとしてレンズを使用することができます。

ぜひこの機会にRentioでSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryをレンタルサービスをご利用ください。

[レンタル] Sigma 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary (キヤノンEFマウント) – Rentio[レンティオ]

[レンタル] Sigma 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary (ニコンFマウント) – Rentio[レンティオ]

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