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一眼カメラを使えばボケ味に優れた撮影が行えると思われる方が多いでしょう。
確かに一眼カメラを使用することでボケの表現に優れた撮影を行うことができますが、美しいボケを出すためには、カメラの設定を知る必要があります。
今回はそんな美しいボケ味を出すために知っておくべき「絞り」の設定について、初心者でも分かりやすく解説していきます。
もくじ
一眼カメラを使った撮影の設定
一眼カメラを使った撮影を行うとき、様々な数値を目にすると思います。
一眼カメラでは、主に「ISO感度」「シャッタースピード」「絞り」の数値を調整して撮影を行いますが、近年販売されているカメラにおいては、オートモードで撮影した場合でもシーンに合わせた綺麗な写真を撮影することができます。
しかし、今回ご紹介するようなボケ味に優れた撮影を行う場合、オートモードでの撮影では、理想的なボケ味が自動の設定によって出ない場合があります。
そんなときでもご自身で理想的な写真撮影を行うためにも、カメラ設定に関する基礎知識を知っておくことで、撮影の幅も大きく広がると言えるでしょう。
初心者向けにカメラ設定の基本を完全ガイド!3つの関係性で分かる写真のすべて – Rentio PRESS[レンティオプレス]
絞りとはピントの合う範囲を決める
今回解説していく「絞り」は、単純に表現すると「ピントの合う範囲を決める」設定になります。
ピントの範囲というと想像しにくいかと思いますが、更に大雑把な表現をするのであれば「写真でどれだけボケを出すのか」という設定になります。
そのため、SNSなどで背景がぼけた写真などを撮影する場合は、絞りを設定することになりますが、絞りは「F値」とも呼ばれており、F値における数値を変更することで、設定を変えることができます。
背景をぼかした撮影を行いたいとき
先ほどの通り、絞りの設定を行う上で最も変化が出るのは「ボケ具合」です。
例えば人物を撮影するポートレートにおいて、被写体である人の顔にピントを合わせて、それ以外の背景はボケるなどといった写真を撮影する場合は、絞り(F値)の設定が欠かせません。
ボケを表現することで、「一眼カメラらしさ」を感じられるシーンでもあり、美しい写真へと仕上がりやすい傾向にもあります。
広角レンズを使って画角全体にピントを合わせたいとき
先ほどのボケを表現したいときとは対照的に、ボケを出したくない場面でも絞りの設定が必要となります。
例えば、広大な景色を写す際に、画面の四隅までくっきりとピントを合わせた場面など、絞り(F値)を変えることで対応することができます。
特に広角レンズを使用した撮影では、写る範囲も広くなるため、絞りの設定には注意が必要です。
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シャッタースピードが足りないとき
夜間など、光量が少ない場所で撮影を行う場合、シャッタースピードの低下は撮影においてブレが発生する大きな問題となります。
そんなとき、ISO感度を上げることと同じく、絞り(F値)を下げることで、シャッタースピードを補うことができます。
絞りはシャッタースピードとの関係が非常に深く、シャッタースピードを上げれば絞り値は下がり、絞り値を上げるとシャッタースピードは低下する関係性があります。
しかし、レンズには下げられる限界のF値が存在するため、それ以上はISO感度を上げること以外に対応する方法はないと言えるでしょう。
初心者でもすぐ分かる「ISO感度」の基本。夜景や室内の撮影で活用できる高感度撮影を解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
F値を低くする
ここからは実践編として、カメラの設定においてF値を低くすることでどのような変化が起きるのかを解説していきます。
ピントが合う範囲が狭くなりボケの表現ができる
F値を下げることで、ピントが合う範囲が狭くなり、ピントが合った部分以外がボケた写真を撮影することができます。
先ほどもご紹介した通り、レンズによって開放絞り値(下げることのできる限界のF値)が異なり、F2.8のものもあれば、F4のレンズも存在するため、そのレンズによってボケ方が異なります。
また、焦点距離やカメラと被写体の距離感、更に背景の距離によってもボケ方は変化するため注意が必要です。
F値が低くなるほどフォーカスの場所に注意が必要
開放絞り値がF1.4やF1.8など、非常に低いレンズにおいては、ピントを合わせる場所に注意が必要です。
何か特定の被写体にピントを合わせて撮影を行う場合、その被写体にしっかりピントを合わせるように調整する必要があり、少しでもピントの位置がずれてしまうと、被写体自体がボケてしまう可能性があります。
F値を高くする
続いて、F値を高く設定することでどのような変化があるのかをご紹介していきます。
ピントが合う範囲が全体まで広がり風景写真におすすめ
F値を上げることで、F値を低くしたときとは対照的に、画面全体でボケのないクッキリとした写真を撮影することができます。
ピントが合う範囲が広がることで、近くのものも遠くのものも同じようにピントを合わせることができ、風景写真や広角レンズを使用した室内の雰囲気を写す撮影において活用できます。
風景写真においては、F10~13程度の設定がおすすめで、ある程度絞る(F値を上げる)ことで、画面の四隅までピントが合った、高画質を体感することができます。
絞り開放と比較して解像度が向上する
先ほどの高画質と少し被るところがありますが、絞り値を上げることで、画像における解像度(どれだけクッキリ写るか)が向上する傾向にあります。
レンズの性能は数段階絞った際に現れると言われるほど、画質にこだわった撮影を行う場合は、数段階F値を上げる設定を行う方が多い印象です。
これは絞り開放で撮影した場合、なるべく多くの光を集めようと、レンズ全体に光を通すような設計になっていますが、少し絞ることでレンズにおいて光が通過する部分が中央に集中し、レンズにおいて性能を発揮する中心部のみを活用することができることから解像力が向上します。
F値の上げすぎにも注意
F値を上げることで解像力が良くなるのであれば限界まで上げれば良いと思うこともあるかもしれません。
しかし、F値を極端に上げてしまうことで、今度は画質の低下にも繋がります。
F値を上げていくことで、レンズにおいて光が通る範囲が狭くなりますが、F値を上げて狭くなりすぎることで、今度は光が広がってしまう「回析現象」という問題が発生してしまいます。
あくまで絞りは適度な設定を行うことが大切なのです。
絞りを上げるとシャッタースピードの低下に注意
絞りの基本の解説の場所でシャッタースピードを稼ぐことができるとご紹介しましたが、逆にF値を上げることでシャッタースピードは低下するため注意が必要です。
絞り値を上げることで、光を取り込む範囲が狭くなるため、その分同じシャッタースピードでも低いF値と高いF値では、画像における明るさが大きく異なります。
F値を上げて適切な明るさ(露出)を実現するためには、シャッタースピードが低下する弊害があることも覚えておきましょう。
ボケ表現におすすめレンズ3選
ここからは、ボケ味豊かな写真へと仕上がりやすいレンズ3点をご紹介していきます。
キットレンズ以外において、追加で導入を検討されている方にもおすすめのレンズとなっています。
Canon EF50mm F1.8 STM
単焦点レンズは開放絞り値が低く、ボケ表現に優れたレンズが多いことで人気を集めていますが、こちらの「EF50mm F1.8 STM」は、初心者がはじめに導入する単焦点レンズとして高い人気を集めています。
開放F1.8という数値から表現できるボケ味の魅力はさることながら、単焦点レンズとしての高画質、更には1万円台で購入することができる価格から初心者層に大きな人気を集めています。
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SIGMA 135mm F1.8 DG HSM Art
こちらのSIGMA 135mm F1.8 DG HSM Artも単焦点レンズとして高い品質を誇るモデルです。
先ほどご紹介した50mmの焦点距離よりも望遠の画角を保有しており、更にボケ味豊かな作品を撮影することができます。
また、ピントが合った部分に解像力や、メリハリのある描写はシグマが展開するArtシリーズの特徴でもあり、純正よりも安く、劣らない性能を誇るサードパーティー製レンズとして非常におすすめです。
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TAMRON 35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD
先ほど2つの単焦点レンズとは対照的に、こちらのTAMRON 35-150mm F/2.8-4 Di VC OSDは、焦点距離域を保有するズームレンズです。
ズームレンズながら広角側の開放絞り値はF2.8を実現しており、望遠側に関してもF4が採用されています。
ズームレンズの良いところは画角の調整が可能なところで、単焦点レンズよりも撮影に自由が効きます。
ボケ具合に関しては、単焦点レンズと比較すると開放絞り値の兼ね合いから劣る部分もありますが、それでも十分なボケを表現してくれる万能ズームレンズです。
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絞りを使いこなして一眼カメラらしい撮影を
今回ご紹介してきた「絞りの基本」。
一眼カメラらしい写真の一つである、ボケ味を活かした撮影では、絞りの設定を覚えておく必要があります。
絞りを覚えることは決して難しいことではありません。
逆に絞りを覚えることで、シャッタースピードとの関係性や、ISO感度の活用方法など、関連する設定についても自然と身についていくはずです。
もし今、一眼カメラを始めてみたいもしくは始めたばかりでこちらの記事をご覧になられたのであれば、どうか気楽で楽しむことを忘れずに写真撮影の趣味を行ってくださいね。
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ボケ味を活かせるレンズはレンタルでお試しも
色々なレンズを見ていると、欲しいと思うレンズも出てくることでしょう。
しかし、その全てを購入するにはお金がかかりすぎてしまう…という悩みも出てくるはずです。
そんな時におすすめなのがカメラやレンズのレンタルサービスです。
Rentio(レンティオ)では、今回おすすめとしてご紹介してきたレンズはもちろん、豊富なレンズラインナップから選んでレンタルすることができます。
是非この機会に気になるレンズはRentioでお試しして、自分に合ったレンズを見つけられてみてはいかがでしょうか。