TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD(Xマウント用)実写レビュー。富士フイルムユーザーにとって新たな超望遠レンズの選択肢

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レンズ発売ラッシュを繰り広げる「タムロン」。
ここにきてミラーレス一眼用のレンズを驚異的なスピードで開発を行い、そのどれもが魅力的な性能を有するモデルとして、今最も注目を集めているメーカーの一つです。
今回は、既にソニーEマウント用として2021年6月に発売されていた「TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」の富士フイルムXマウント用が2022年10月に発売されたことを受け、Xマウント用に特化した実写レビューを行っていきます。
富士フイルムのミラーレス一眼は、美しい発色性やフォトジェニックな作品作りを得意としていることからソニーEマウントとは変わったユーザー特性も考えられるところですが、実際に撮影した作例とともに、Xマウントにおける新たな望遠ズームレンズの魅力についてご紹介していきます。

もくじ
対応マウント数も増やし続けるタムロン
ここ最近、怒涛の製品発売ラッシュを繰り広げる「タムロン」。
発表される製品も多岐にわたっており、最近では対応するマウント数も増加しており、ソニーEマウントをはじめ、ニコンZマウントや富士フイルムXマウントに対応したレンズの開発も積極的に行われています。
今、最も勢いを感じられるサードパーティーレンズメーカーと言える存在で、各製品における斬新なコンセプトや、驚愕の光学性能など、レンズとしての魅力も沢山詰められた製品展開を特徴としています。
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Eマウントで好評の望遠ズームレンズがXマウントで
今回ご紹介していく「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」は、既にソニーEマウント用として販売されている製品の富士フイルムXマウント用となります。
ソニーEマウント用のレビューについても、下記リンクでご紹介しているので、ソニーEマウントユーザーの方は、是非ご覧ください。
500mmという超望遠域をカバーしながらも、150mm始まりからズーム全域で優れた解像力に定評があり、純正に劣らない性能を有していることから、高評価を集めているレンズです。
ソニーEマウント用での実績を基に、サードパーティーレンズメーカーがあまり望遠レンズを展開することのない富士フイルムXマウントで「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」を発売することを決定。
純正レンズを含めても望遠レンズの選択肢があまり多いとは言えなかった富士フイルムXマウントにおいて、貴重な選択肢として注目されていくことは間違いありません。
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDメーカー公式サイトはこちら
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (A057) | レンズ | TAMRON(タムロン)
外観レビュー
富士フイルムで展開されるカメラボディやレンズは、コンセプト的な関係性もありますが、コンパクトなモデルが多い印象です。
その中で超望遠というジャンルで今回のTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDを発売したタムロンですが、まずは大きさや重さなどの携帯性、使い勝手などの機能性に迫る外観面について、実機写真とともにご紹介していきます。
Eマウント用とは異なる大きさ、重さ
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、既にソニーEマウント用で発売されており、基本的な仕様については同じとなっていますが、大きさや重さに違いが生じています。
大きさが異なるとはいえ、その差は僅差で、長さの面でソニーEマウントが209.6mmに対して、今回の富士フイルムXマウントでは、209.9mmと少しだけ長くなっています。
また、重さの面では、ソニーEマウント用が1,725gに対して、富士フイルムXマウント用が1,710gと、若干軽い仕様になっています。
とはいえ、両方使用してみた感覚では違いに気がつくほどではありませんでした。
レンズ単体としては、超望遠レンズのジャンルとなり、携帯性で大幅に優れている訳ではありませんが、ジャンル内としてはコンパクトなサイズ感で、500mmの焦点距離を備えながらも気軽に撮影できる存在という意味で貴重なレンズとなります。
装着するカメラによってバランスに注意
今回ご紹介している150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、富士フイルムXマウントに対応したモデルですが、富士フイルムXマウントで展開されるカメラボディのラインナップの中には、小型・軽量が意識されたモデルも多数存在します。
今回の作例撮影では、「FUJIFILM X-T30 II」を使用して撮影を行いましたが、幅118.4mm、高さ82.8mm、奥行46.8mm、質量約378g(SDカードやバッテリー込)と、Xマウントボディの中でも比較的小型・軽量のサイズ感を叶えたモデルとなります
私自身、日頃望遠レンズを使う機会が多いのですが、カメラボディ側のサイズ感や重さとのバランスが非常に重要だと感じるところで、X-T30 IIでは、小さすぎることでホールド性に欠けてしまうことが欠点だと感じました。
レンズ側に重心が偏ってしまうことや、X-T30 IIの形状における右手のグリップ部分が浅いことで、150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDのような大型のレンズを取り付けた際には、携帯性が逆に仇となってしまうこともあります。
カメラボディとのバランスを考えると、X-H2やX-T4など、富士フイルムのラインナップの中でも比較的大きめでグリップ部分が深く、安定性のあるボディを選ぶことが良いでしょう。
富士フイルムのカメラについてはこちらでご紹介
FUJIFILM(富士フイルム)ミラーレス一眼全20機種を徹底解説。全モデルを比較しておすすめモデルをご紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
Eマウントでは搭載のなかったMF SPEED切換スイッチ
基本的な仕様はソニーEマウント用と同じとご紹介しましたが、富士フイルムXマウント用にしか搭載されていない機能も存在します。
富士フイルムXマウント用では、手ブレ補正モード切換などのスイッチ類に並ぶ形で「MF SPEEDスイッチ」が搭載されており、マニュアルフォーカス撮影時のフォーカススピードを2段階から調整することができます。
遅いフォーカススピード(モード2)に設定した場合には、MFを使用した細かいピントを合わせたいシーンなどで活躍し、より精度の高いピント合わせを叶えます。
性能レビュー
ここからは、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD(Xマウント用)を使用して実際に私が撮影した作例から、性能面について解説していきます。
今回の作例撮影では、組み合わせるボディとして「FUJIFILM X-T30 II」を使用しました。
超望遠域35mm換算225mmから750mmをカバー
ソニーEマウント用では、フルサイズセンサーモデルへの装着を想定としているケースが大半でしたが、今回ご紹介する富士フイルムXマウントでは、Xマウントで展開されるミラーレス一眼が、全て「APS-Cセンサー」を搭載していることで、実際の焦点距離域にも違いが出てきます。
富士フイルムのAPS-Cセンサーにおける35mm換算の焦点距離は、「焦点距離×1.5」となるため、150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDの35mm換算における焦点距離は、225mmから750mmとなり、超望遠に特化したレンズと言えます。
実際に撮影してみても、完全に望遠側に寄せたレンズであることを体感することができ、日常における撮影シーンというよりも、乗り物や動物、野鳥など望遠レンズを必要とする特定のジャンルで活躍するレンズと言えるでしょう。
広角側で既に150mm(35mm換算225mm)という望遠域をカバーしていることから、少し引いて撮影するというスタイルには向いていないレンズとなります。
超望遠域でも富士フイルムの発色の良さを体感
富士フイルムのカメラボディの特徴として、他のメーカーにはない「色表現力」があります。
その色表現力に魅力を感じて富士フイルムをカメラとして選ばれる方も少なくないのですが、色表現には少なからず組み合わせるレンズによっても左右されます。
タムロンでは、これまでXマウント用のレンズとして「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」と「18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD」を開発しましたが、どちらも富士フイルムのカメラボディ側における色表現力から魅力を欠かすことなく、美しい色表現力に寄り添うままの発色性を叶えていました。
今回の150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDでも、カメラボディ側のフィルムシミュレーション機能に寄り添って、どのシミュレーションを使用した場合でも、富士フイルムらしさを打ち消すことのない発色性を実現しているため、サードパーティー製レンズだからといって心配する必要はありません。
ズーム全域で感じられる解像力
150mm(35mm換算225mm)から500mm(35mm換算750mm)をカバーする150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDですが、レンズの本質となる解像力や描写面でも優れた性能を発揮している印象です。
しっかりとピントが合った状態であれば、ズーム全域でシャープネスの効いた解像力が感じられる仕上がりとなります。
レンズでは、望遠側になるほど、解像力の低下が見られ、シャープネスにも欠ける眠い解像感となる傾向にありますが、こちらの150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDでは、「500mm」を使用した際にも、中央から四隅まででバランスが取れた、解像力の行き届いた描写力を感じることができ、是非今回こちらの記事で掲載している作例においても等倍表示で見て頂きたいほどです。
重いレンズだからこそ能力が発揮される手ブレ補正機構
外観面のレビューで、望遠レンズとして小型・軽量に特化しているレンズではないとご紹介しましたが、500mmをカバーする望遠レンズとしてそれなりの重量感があることは否めません。
重さを感じるレンズであるということは、その分、支える腕にも負担となり、手ブレが生じやすい状況になると言えます。
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDでは、レンズ内に手ブレ補正機構を搭載していることから、望遠レンズの悩みになりやすい「手ブレ」の発生を大幅に削減してくれている印象です。
作例で配置した猫の写真ですが、手持ち撮影500mmを使用した状況でシャッタースピードは1/60秒まで低下する厳しい環境下でしたが、僅かなブレも感じさせないクッキリとした仕上がりを実現しています。
X-T30 II×150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDフォトギャラリー




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製品仕様表
モデル名 | TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (FUJIFILM Xマウント用) |
---|---|
焦点距離 | 150-500mm(35mm換算225-750mm) |
明るさ | F5-6.7 |
レンズ構成 | 16群25枚 |
絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.6m(ワイド端)/1.8m(テレ端) |
最大撮影倍率 | 1:3.1(ワイド端)/1:3.7(テレ端) |
最初絞り | F22-32 |
手ぶれ補正効果 | 〇 |
フィルター径 | φ82mm |
最大径 | φ93mm |
長さ | 209.9mm |
質量 | 1,710g (三脚座除く) |
富士フイルムで望遠域を広げてくれる貴重な存在に
今回ご紹介してきたTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDの富士フイルムXマウント用は、Xマウントユーザーにとって、これまで無かったサードパーティーレンズにおける選択肢になるでしょう。
元々、望遠レンズジャンルで他社と比較すると控え目であった影響もあり、Xマウントユーザーの中には望遠レンズを使ったことがないという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、望遠レンズは撮影の幅を大きく広げてくれる存在であり、特に超望遠レンズの世界は、自身の写真に対する考え方にも良い影響を与えてくれる違った刺激を受けられることでしょう。
コンパクトなレンズだけを使用されてきた方にとっては、150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは非常に大きく重いレンズだと感じますが、この手のレンズは常に持ち歩くというよりも、目的を持った撮影時に使用することがおすすめのレンズとなります。
富士フイルムの色表現力を活かしながらも、超望遠が活躍するジャンルを撮影することで、またご自身の作品に違った変化をもたらすことのできるレンズとして、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDはおすすめの1本となります。

TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD(Xマウント用)のレンタルはこちら
今回ご紹介してきたTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (富士フイルムXマウント用)をはじめ、気になるカメラやレンズはお試しでレンタルすることもおすすめです。
富士フイルムユーザーにとっては、超望遠レンズというのを使ったことがないという方も少なくないと思います。
そのため、実物の携帯性はもちろん、実際の撮影感覚も想像できないところがあるかと思いますので、購入前にレンタルで一定期間使用することは非常におすすめの手段となります。
Rentio(レンティオ)では、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD以外にも豊富なラインナップをご用意しており、最短3泊4日から気軽にレンタルすることができます。
是非この機会にRentioで気になるカメラ機材をレンタルして、後悔しない機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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