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DJI Osmo Pocket 4Pは、これまでのOsmo Pocketシリーズの日常の記録用という枠を超え、プロクオリティの映像制作を求める人のために生まれたフラッグシップモデルです。
新設計の1インチCMOSセンサーにより17ストップの広大なダイナミックレンジを実現。さらにシリーズ初となる60mm中望遠レンズを組み合わせたデュアルレンズ構成が最大の魅力となっています。
これまでのジンバルカメラが「手軽さ」に軸足を置いてきたのに対し、Pocket 4Pはそこに一眼カメラのような表現力と階調の深さを上乗せし、作品撮りのメイン機として十分に通用する性能へと昇華させています。
本記事ではOsmo Pocket 4Pの真価を、ライバル機「Insta360 Luna Ultra」との同時使用レビューや比較表で解き明かします。
ハイエンドなジンバルカメラを導入したい方、前機種からの大幅なステップアップを検討している方は、ぜひ機材選びの参考にしてみてください。
もくじ
Osmo Pocket 4PはDJI初のデュアルレンズジンバルカメラ
2026年6月29日に国内発売された「DJI Osmo Pocket 4P」は、Pocketシリーズとして初めて2眼デュアルレンズ構造を採用したフラッグシップモデル。
広角レンズに加えて中望遠レンズを搭載したことで、これまでの単焦点ジンバルカメラでは難しかった多彩な映像表現が可能になりました。
スペック早見表
主要なスペックを以下の表にまとめました。
| 項目 | 詳細スペック |
|---|---|
| カメラ構成 | デュアルレンズ(広角20mm + 中望遠60mm) |
| イメージセンサー | 広角:1インチCMOS(LOFIC対応) / 中望遠:1/1.28インチCMOS |
| ダイナミックレンジ | 最大17ストップ(広角レンズ・LOFIC技術適用時) |
| 最大動画解像度 | 4K |
| スローモーション(最大) | 4K/240fps |
| ズーム機能 | 最大12倍 |
| カラープロファイル | 10-bit D-Log 2(広角専用)/ D-Log |
| 内蔵ストレージ | 103GB |
| バッテリー駆動時間 | 最大210分(1080p/24fps条件) |
| 充電時間 | 約32分(DJI 65W PD充電器使用時) |
| 重量 | 約230g |
| 価格 | 99,000円 |
スタンダード・Vlogコンボの違い
Pocket 4Pには用途に合わせて2つのコンボが展開されています。
| 項目 | スタンダードコンボ | Vlogコンボ |
|---|---|---|
| 価格 (税込) | 99,000円 | 113,300円 |
| 基本セット内容 | 本体、補助ライト、ハンドル、キャリーポーチ、USB-Cケーブル、DJIリストストラップ | スタンダードコンボの全内容を含む |
| 主な追加アクセサリー | なし | DJI Mic Mini 2トランスミッター、FrameTap (遠隔操作用)、ミニ三脚、キャリーバッグなど |
| 主な用途 | 基本性能を試したい方、既にマイク等をお持ちの方 | 本格的なVlog・YouTube撮影を即座に始めたい方 |
スタンダードコンボ(99,000円)は本体、補助ライト、ハンドル、ポーチ、ケーブルの基本セット。
Vlogコンボ(113,300円)はスタンダードの内容に加え、DJI Mic Mini 2トランスミッター、遠隔操作用のFrameTap、ミニ三脚、キャリーバッグなどが付属します。
マイクといったアクセサリーを購入しておらず、本格的なVlog・YouTube撮影などをゼロから始めたい方はVlogコンボが推奨といったところです。
Osmo Pocket 4Pの特徴
ここからは、Pocket 4Pの具体的な性能を見ていきます。
デュアルレンズ構成をはじめ、ジンバル性能、ダイナミックレンジ、カラープロファイルなどについて紹介しています。
Pocketシリーズ初のデュアルレンズ搭載モデル
Pocket 4Pの最大の特徴は、広角(20mm相当)と中望遠(60mm相当)を縦に配列した構造です。
従来機種のデジタルズームによる画質劣化という欠点を、光学的なレンズの追加によって克服。
風景からポートレートまで1台でプロクオリティの撮影が可能です。
1インチセンサー+60mm中望遠レンズを搭載
メインの広角カメラには新設計の1インチCMOSセンサーを採用。
注目の60mm中望遠レンズ(f/1.8)は、35mm換算で光学3倍に相当する画角を持ち、被写体を歪ませることなく背景を美しくボケさせることも可能。
被写体のクローズアップや人物のインタビュー撮影において性能を発揮します。
3軸ジンバルによる強力な手ブレ補正
DJIの伝統である物理3軸メカニカルジンバルを搭載しており、歩き撮りや激しい動きの中でも滑らかなシネマティック映像を記録可能。
電子補正による歪みがなく、進化したActiveTrack 8.0との組み合わせにより、望遠撮影時でも被写体を逃さず捉え続けます。
最大17ストップのダイナミックレンジ
広角レンズには、光の白飛びを物理的に防ぐLOFIC(横型オーバーフロー積分容量)技術が投入され、シネマカメラ級の17ストップのダイナミックレンジを実現。
直射日光下のような明暗差の激しい環境でも、空の階調やシャドウ部分のディテールを美しく記録することができます。
新しい10-bit D-Log 2に対応
広角カメラ側は、より高度なカラーグレーディングが可能な10-bit D-Log 2に対応しました。
D-Log 2は、撮影時にあえてコントラストや彩度を抑えた”フラットな映像”で記録することで、明部から暗部までの階調データを最大限に保持するカラープロファイルです。
10-bit記録により約10億色の色情報を持つため、編集時の色調整で色が破綻しにくく、17ストップの広大なダイナミックレンジを活かした映画のような色再現を追求できます。
なお、D-Log 2は広角専用となっており、中望遠側は通常のD-Log(D-Log 2より階調の幅は狭いものの、同様にフラットな映像で記録し編集で追い込めるカラープロファイル)での対応となります。
Luna Ultra・Pocket 4・Pocket 3との比較
ここまでPocket 4Pの特徴を見てきましたが、競合機や旧モデルとの位置関係が気になるところですよね。
そこで、ライバル機のInsta360 Luna Ultra、同シリーズのPocket 4・Pocket 3と比べてどうなのかを整理します。
3機種のスペック比較表
| 比較項目 | Osmo Pocket 4P | Insta360 Luna Ultra | Osmo Pocket 4 |
|---|---|---|---|
| レンズ構成 | 2眼 (20mm/60mm) | 2眼 (20mm/60mm) | 1眼 (20mm) |
| センサーサイズ | 広角1インチ / 望遠1/1.28 | メイン1インチ / 望遠1/1.3 | 1インチ |
| ダイナミックレンジ | 最大17ストップ | 14ストップ | 最大14ストップ |
| 最大動画解像度 | 4K / 240fps | 8K / 30fps | 4K / 240fps |
| ズーム性能 | 光学3倍 / デジタル12倍 | ロスレス6倍 / デジタル12倍 | ロスレス2倍 / デジタル4倍 |
| システム重量 | 230g | 233g | 190.5g |
| 内蔵ストレージ | 103GB | 47GB | 107GB |
| 国内定価(税込) | 99,000円 | 119,800円 | 79,200円 |
Luna UltraはLeicaと共同開発したSummicronレンズを搭載しており、色の深みや発色の良さに定評があります。
一方のPocket 4Pは、17ストップのダイナミックレンジとD-Log 2による階調の広さが強みです。
後述の同時撮影レビューでも、この性格の違いが色味の差としてはっきり表れています。
3機種を整理すると、コストと階調のバランス重視ならPocket 4P、Leicaの色味と8K解像度を求めるならLuna Ultra、軽さと価格重視ならPocket 4という並びです。
Pocket 3からの買い替えはありか?
Pocket 4Pの購入を検討している方のなかには、Pocket 3からの買い替えを検討している方もいるのではないでしょうか?
筆者の結論としては、「買い替えは大いにあり」といえます。
Pocket 3から見れば、単なるアップデートではなく「2眼レンズ」「17ストップDR」「10-bit D-Log 2」「高速USB転送」など、2〜3世代分の進化を享受できることになります。
特に望遠撮影を求める人や、映像制作のクオリティを一段階引き上げたいクリエイターにとって、4Pへの投資は大きなリターンにつながるはずです。
Osmo Pocket 4PとLuna Ultraと同時撮影してレビュー
それでは実際にPocket 4Pをライバル機のLuna Ultraと共に2台同時撮影を行い、下記のポイントを中心にチェックしてみました。
比較ポイント
- 4K 30fpsの動画の画質
- 自撮りの仕上がり
- トラッキング性能
- 静止画の画質
- ズーム性能
ひとつずつ見ていきましょう。
動画画質を比較
同時持ちで撮影した映像がこちら。
両者共にクリアな画質ですが、色合いの違いが見られます。
Luna Ultraは暖色系であるのに対しPocket 4Pは寒色系の仕上がりで、デフォルトの色合いは好みによるところ。
明るさについてもPocket 4Pの方が明るめな印象で、仕上がりの違いは10-bit D-Log 2カラープロファイル対応による編集を前提とした設計によるものかもしれません。
自撮り・トラッキング性能を比較
両者共に顔認識させて自撮りしてみたところ、明るさの差によるものかPocket 4Pのほうが肌の色が白い仕上がりで、Luna Ultraは赤みが強い印象。
トラッキングについて、上下左右にカメラを振ってみたところ、Pocket 4Pは下からのアングル(カメラを顔より下に持っていった時)でやや被写体を見失いがちです。
観察するとPocket 4Pのほうがジンバルの動きが大きいのが主な要因で、縦型レイアウトのレンズ位置も影響していると思われます。
大きくカメラを振った際、両者ともジンバル終点に到達してしまっているため、通常使用における性能差とはいえないですが、差が生まれたのは事実です。
静止画とズーム性能を比較
両機のズーム性能をスペック上で比較すると、以下の通りです。
| 項目 | Osmo Pocket 4P | Insta360 Luna Ultra |
|---|---|---|
| 動画の最大ズーム | 12倍 | 12倍 |
| 静止画の最大ズーム | 9倍 | 12倍 |
静止画についてはスペック値通り、Luna Ultraのほうが被写体に寄れています。
- 最大ズーム時の比較
一方で興味深いのは動画のズームで、両者ともに最大12倍表記であるにもかかわらず、Pocket 4Pのほうが被写体に寄れているという結果に。
望遠レンズの焦点距離は共に60mmのため、同じ12倍でも実際の画角には差があることになります。
ズーム処理の設計によるものと思われますが、カタログスペックだけでは判断できない部分といえるでしょう。
暗所性能を比較
暗所での同時撮影を行ったところ、Pocket 4Pの明るさが顕著に表れています。
そのためか、Luna Ultraより黒つぶれを抑えた仕上がりで、Pocket 4Pのほうが暗所での視認性は高いように見えます。
昼間の撮影と同様にLuna Ultraは色合いの深さを重視している印象で、2つのカメラの性格をわかりやすく表しているように感じます。
用途として言い換えるなら、暗いところをわかりやすく撮影したいならPocket 4P、夜間の色合いやムードを忠実に表現したいならLuna Ultraといったところではないでしょうか。
Osmo Pocket 4Pのメリット・デメリット
Osmo Pocket 4Pの最大のメリットは、シリーズ初のデュアルレンズ(20mm広角/60mm中望遠)により、1台で風景からポートレートまでカバーできる汎用性の高さです。
ここに最大17ストップのダイナミックレンジと10bit D-Log 2が加わることで、「気軽に撮れるカメラ」から「作品を作れるカメラ」へと立ち位置が変わったのがPocket 4Pの本質といえます。
一方のデメリットは、デュアルレンズ化により本体重量が約230gまで増えた点。Pocket 4(190.5g)やPocket 3(179g)と比べると、長時間の手持ち撮影で重みを感じやすくなっています。
またスタンダードコンボで99,000円(税込)という価格帯は、手軽さを重視するエントリーユーザーにはハードルが高く、望遠撮影や高度な編集を必要としない場合はPocket 4で十分に事足りるでしょう。
Luna Ultraと比較した場合のメリット・デメリット
同じデュアルレンズ機であるLuna Ultraと比べた場合、両者の得意分野はかなり異なります。
Luna Ultraに対するメリットとしては価格であり、「Luna Ultra 119,800円」に対して「Pocket 4P 99,000円」という安さ。
またOsmoシリーズならではのスローモーション撮影4K240fpsに対応している点に加えて、103GBの大きなストレージ、駆動時間の長さといったメリットもあります。
Osmoならではの17ストップのダイナミックレンジとD-Log 2による画づくりの幅広さは、プロのような映像制作を行う人にとって大きなメリットとなるのではないでしょうか。
逆にデメリットとしては、Luna Ultraの最高画質8Kに対して4Kにとどまっていることや、リモートコントロールが標準装備ではない点(Vlogコンボに同梱のOsmo FrameTap、または別途購入で対応可能)が挙げられます。
言い換えると8K撮影画像をクロップ(切り取る)して取り逃しを防いだり、リモート撮影で遠隔操作するといった機能が不要な人は、コストパフォーマンスに優れたPocket 4Pの方が合っているでしょう。
実際に使って気になった点
スペック表には表れないものの、実際に使ってみて気になったのがズーム操作の手順です。
Pocket 4PにはLuna Ultraにあるズーム専用スライダーがありません。
Pocket 4Pは無段階ズームする際に、タッチパネルでズーム操作をジョイスティックに割りあてる必要があるため、Luna Ultraに比べて手順が多くなってしまいます。
ただPocket 4Pにも段階的にズームできる専用ボタンがモニター下に用意されているため、ワンタッチでのズーム操作は可能となっています。
またD-Log 2が広角レンズ専用という仕様上、広角と中望遠を混ぜて1本の動画に編集する場合、レンズごとに色味を合わせる手間が発生します。
カラーグレーディングを前提に撮影する場合は、あらかじめどちらのレンズで撮るかを決めておくとスムーズです。
Osmo Pocket 4Pはデュアルレンズジンバルカメラの新たな選択肢
Vlogで重宝するジンバルカメラにおいて、新たな定番となりそうなデュアルレンズ構造のOsmo Pocket 4P。
性能と価格のバランスが良く、画質にこだわるLuna Ultraと並んで有力な選択肢となるはず。
光学3倍の望遠レンズと最大12倍のズームでズーム撮影やボケ感を楽しむことができるので、これからジンバルカメラを導入しようという方は、ぜひ本記事を参考にOsmo Pocket 4Pを利用してみてはいかがでしょうか。
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