キヤノン「EOS Kiss M」と「EOS M100」を徹底比較!最新入門ミラーレス一眼の違いから選び方を解説
更新日2024/05/22
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2018年になり大手カメラメーカーであるキヤノンは、これまで控えめであったミラーレス一眼市場に本格参入しました。3月23日に発売となった「EOS Kiss M」は、キヤノンの代表シリーズであるEOS Kissシリーズで初のミラーレス一眼として発売されたカメラです。
一方でキヤノンはこれまでもミラーレス一眼を全く開発してこなかったという訳ではありません。今回EOS Kiss Mともう一つご紹介するモデルであるEOS M100は、2017年10月発売と、こちらも非常に新しいモデルになっています。
どちらもエントリーユーザーに向けたミラーレス一眼ですが、どのような差があるのか。そしてどちらを購入すべきなのか、それぞれのメリットやデメリットを比較検証していきます。
もくじ
それぞれのモデルのご紹介
EOS Kiss M
キヤノンのエントリーモデルとして知られるEOS Kissシリーズ。同シリーズではじめてのミラーレス一眼となったのがEOS Kiss Mです。
これまでキヤノンは段階を踏んでカメラの性能向上を進めてきましたが、EOS Kiss Mは、出し惜しみのないキヤノンの最新技術をつぎ込んだ初心者モデルとして最高峰のカメラです。
キヤノンのカメラで唯一最新映像エンジン「DIGIC8」を搭載(※)
EOS Kiss Mでは、エントリーモデルとして初めて最新の映像エンジンが最初に搭載されるカメラとして選定されました。
2018年6月現在、DIGIC8を搭載しているカメラはEOS Kiss Mのみで、ハイスペックの処理能力を実現している映像エンジンを搭載しているEOS Kiss Mは、上位機種にも劣らないスペックを誇ります。
(※)2018年6月22日現在
使い勝手の良い新機能「クリエイティブアシスト」
EOS Kiss Mで新搭載となった「クリエイティブアシスト」は初心者にとても優しい機能です。
スライダーを操作して「背景ぼかし」「明るさ」「コントラスト」「鮮やかさ」「色合い1(ブルーとアンバーの調整)」「色合い2(マゼンタとグリーンの調整)」などの項目を直感で自由に調整することができます。
これまでアプリなどで加工する必要のあった写真も撮影時にクリエイティブアシストを使うことで思い通りの写真を撮影することができます。
EOS Kiss M製品スペック表
モデル名 | EOS Kiss M |
---|---|
撮像画面サイズ | 約22.3×14.9mm(APS-C) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
有効画素数 | 約2410万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF |
測距点 | 最大143点 |
常用ISO感度 | ISO100~25600 |
シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ |
連続撮影速度 | 最高約10コマ/秒 |
画面 | ワイド3.0型/約104万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 116.3×88.1×58.7mm |
撮影時質量 | 約387g(ブラック) |
EOS Kiss Mのより詳しいレビュー記事はこちら
「Canon EOS Kiss M」を発売日に実写レビュー!最新ミラーレス一眼カメラを使用して感じたキヤノンの本気 | RentioPress
EOS M100
EOS Kiss Mが登場する約半年前に発売されたEOS M100。こちらはキヤノンのミラーレス一眼でエントリーモデルとして販売されていたEOS M10の後継機として発売されたモデルです。
クラス分けとしてはEOS Kiss Mと同じエントリーモデルですが、EOS Kiss Mとの性能差は意外にも大きく、立ち位置としては少々難しいところです。
カメラ本体電源OFFでもスマートフォンと簡単連携
スマートフォンアプリである「Camera Connect」と一度ペアリングすれば、その後の接続の手間は必要なくなります。
Bluetooth機能の新搭載で、ペアリング設定をしておけばカメラの電源をOFFにした状態でもスマートフォンアプリにて操作が可能です。移動中、鞄の中に入れていても撮影した写真をスマートフォン上で確認できる非常に便利な機能です。
自分好みのデザインに自由自在アレンジ
EOS M100では、3色のボディカラーバリエーションから選択できると同時に、別売りのフェイスジャケットを取り付けることが可能で、カメラのデザインを自分の思い通りにアレンジすることができます。
フェイスジャケットの種類は全部で9つ。お好きな雰囲気に合わせたコーディネートが可能です。
EOS M100 製品スペック表
モデル名 | EOS M100 |
---|---|
撮像画面サイズ | 約22.3×14.9mm(APS-C) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
有効画素数 | 約2420万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF |
測距点 | 最大49点 |
常用ISO感度 | ISO100~25600 |
シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ |
連続撮影速度 | 最高約6.1コマ/秒 |
画面 | ワイド3.0型/約104万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 108.2×67.1×35.1mm |
撮影時質量 | 約302g |
EOS M100のより詳しいレビュー記事はこちら
Canon EOS M100実写レビュー。キヤノンで一番小さくて軽い初心者におすすめのミラーレス一眼 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
EOS Kiss MとEOS M100の違い
同じミラーレス一眼、同じエントリーモデルとして両モデルにはどのような違いがあるのか、一見同じようなカメラに見える両モデルの違いをご紹介していきます。
性能は圧倒的にEOS Kiss Mが上
EOS M100で撮影性能に関してご紹介しなかったのは、全ての面でEOS Kiss Mが同等もしくは上回っているからです。
EOS M100で実現している撮影性能はEOS Kiss Mでも実現していると言えるでしょう。
この大きな差は最新映像エンジン「DIGIC8」も大きく影響しており、処理能力が大幅に向上したDIGIC8では同じ常用ISO感度の範囲でも、EOS Kiss Mの方が高感度時のノイズ除去や解像力に優れています。
また連写性能では、EOS M100が最高約6.1コマ/秒なのに対してEOS Kiss Mでは、最高約10コマ/秒を実現しました。
これまでKissという名前が付くと、「所詮エントリーモデル」と思われがちでしたが、近年のEOS Kissシリーズは、操作性を保ちながら、カメラとしての性能を大幅に向上させています。
大きさ、重さなどのコンパクト性
コンパクト性が重要視されているミラーレス一眼ですが、EOS Kiss MとEOS M100では、大きさや重さに大きな違いがあります。
小型・軽量を求めるならEOS M100
EOS Kiss Mは、最新モデルとして様々な性能を搭載した、写真を本格的に撮るためのミラーレス一眼という印象がありますが、その分カメラ本体は大きくなり、重さも増加しています。
実際に比較してみましょう。
- EOS Kiss M 寸法 : 116.3(幅)×88.1(高さ)×58.7(奥行)mm
- EOS M100 寸法 : 約108.2(幅)×67.1(高さ)×35.1(奥行)mm
- EOS Kiss M 撮影時重量 : 約387g(ブラック)
- EOS M100 撮影時重量 : 約302g
大きさに関しても幅、高さ、奥行の各項目で1cm程度の差があることが分かります。特に奥行の違いは一番大きく、EOS Kiss Mは厚みのあるカメラと言えるでしょう。
重量に関しても約85gの差があります。とはいえミラーレス一眼の平均的な重さは350g~400gであるため、EOS Kiss Mが極端に重いという訳ではなく、EOS M100の軽さがストロングポイントとして挙げられます。
ファインダーのないEOS M100
EOS M100がコンパクトを実現している理由の一つとして「ファインダー」を搭載していないことがあります。
一眼レフカメラなどでは、ファインダーを覗いて撮影することが一般的でしたが、ミラーレス一眼カメラの中にはファインダーをなくして液晶ディスプレイのみで撮影するスタイルのカメラも少なくありません。
撮影感覚としては、コンパクトデジタルカメラに近い形となります。ファインダーを無くすことで厚みや突起部分を無くすことができ、コンパクト性を実現しています。
そのため同じエントリーモデルでも、携帯性に優れているのはEOS M100です。
液晶タイプの違い
EOS Kiss MとEOS M100では、撮影の際に確認などで使用する背面の液晶ディスプレイのタイプが異なります。
液晶のタイプには主に、「バリアングル液晶」と「チルト式液晶」の2つに分かれます。
一般的にミラーレス一眼カメラには「チルト式液晶」が採用されることが多く、液晶が上下方向に180°回転するタイプになります。
EOS Kiss Mの液晶の方が自由度が高い
実際にEOS M100には「チルト式液晶」が採用されており、セルフィーなどの自分撮りや、低い位置から撮影するローアングル時に液晶を見ながら撮影することができます。
一方でEOS Kiss Mでは、デジタル一眼レフカメラに数多く採用されている「バリアングル液晶」を採用しています。
「バリアングル液晶」の方が自由度は高く、上下左右に液晶を回転させることができ、これまで難しい体勢を強いられた撮影シーンでも液晶の角度を変えることで、楽になることもあります。
そして「チルト式液晶」では、液晶を下に向けることができなかったため、ハイアングル撮影を苦手としていましたが、「バリアングル液晶」は自由度の高さからローアングル、ハイアングルどちらにも対応します。
その点を考えるとEOS Kiss Mの方が、バリアングル液晶をうまく利用した作品のバリエーションが増えると言えるでしょう。
どちらもタッチパネル式に液晶を採用しており、画面上をタッチすることで設定を変更できたり、直感操作の利便性に優れています。
コーディネート性の違い
EOS Kiss MとEOS M100では、拡張のアクセサリー類の種類でも違いがあります。
バリエーションの多さならEOS M100
出典 : キヤノン公式サイト
EOS Kiss M、EOS M100ともにカメラをよりオシャレにするためのデザイン性も重要視しています。
まずカメラボディのカラーバリエーションがEOS Kiss Mがホワイトとブラックの2種類なのに対して、EOS M100では、ホワイト・ブラック・グレーの3種類となっています。
そして両モデルともにボディに取り付けてコーディネートするジャケットは存在しますが、EOS Kiss Mは最近発売された2種類だけなのに対し、EOS M100は、9種類の中から選ぶことのできるコーディネート性に優れています。
コーディネート性に優れたモデルを選ぶのであればEOS M100がおすすめです。
価格の違い
ここまででも両モデルの違いというのは見えてきましたが、価格の違いもカメラ選びにおいて重要なポイントになるでしょう。
両モデルとも記事公開段階で、1年以内に発売された最新モデルですが、EOS Kiss Mは売れ行きも好調で少々高値が付いている印象です。
逆にEOS M100は、EOS Kiss M発売の影響を受け、売れ行きは下降気味。「キヤノンのエントリーミラーレス一眼=EOS Kiss M」というイメージもだんだん浸透してきており、人気のあるモデルとは言えない状況です。
両モデルで人気のある「EF-M15-45 IS STM レンズキット」の価格を比較してみます。
- EOS Kiss M EF-M15-45 IS STM レンズキット : 72,000円程度
- EOS M100 EF-M15-45 IS STM レンズキット : 53,000円程度
約2万円の差がある両モデルですが、性能面を考えるとEOS Kiss Mの高騰は仕方ないのかもしれません。
EOS Kiss Mのメリット
価格は高く、コーディネート性で劣るEOS Kiss M。しかし性能面で圧倒しているこちらは「しっかり撮影派」に向いているモデルです。
撮影性能として、エントリーモデルには十分すぎる機能や性能を保有しています。更にそれらの能力を使いこなすための優しい設定機能やオートモードは、EOS Kiss Mだからこそできる特権です。
これから写真撮影を本気でやっていきたいという方や、ステップアップを目指す方々にはとてもおすすめできるモデルです。
EOS M100のメリット
EOS Kiss Mとは対象的にEOS M100は「気軽さを求める派」に向いているモデルです。
撮影性能面では、搭載映像エンジンによる性能数値の低下により、大きく劣る部分がありますが、普通に撮影していて大きな不便を感じることはないでしょう。
これから一眼カメラライフをはじめられる方やあくまで簡単な趣味程度でやる方にとっては小型・軽量・安価であるEOS M100はおすすめできるモデルです。
製品スペック比較表
モデル名 | EOS Kiss M | EOS M100 |
---|---|---|
撮像画面サイズ | 約22.3×14.9mm(APS-C) | |
映像素子型式 | CMOSセンサー | |
有効画素数 | 約2410万画素 | 約2420万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF | |
測距点 | 最大143点 | 最大49点 |
常用ISO感度 | ISO100~25600 | |
シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ | |
連続撮影速度 | 最高約10コマ/秒 | 最高約6.1コマ/秒 |
画面 | ワイド3.0型/約104万ドット | |
Wi-Fi搭載 | 〇 | |
NFC搭載 | 〇 | |
Bluetooth搭載 | 〇 | |
大きさ | 116.3×88.1×58.7mm | 108.2×67.1×35.1mm |
質量(撮影時) | 約387g(ブラック) | 約302g |
まとめ
わずか半年差で発売された両モデル。どちらもエントリーモデルとしての位置付けのため、はじめてキヤノンのラインナップを見た方には少し難しいと思います。
そんな中でも今回の記事で両モデルの違いというのをご理解いただけると幸いです。
EOS Kiss Mは、大きさ重量ともにEOS M100に携帯性で敵いませんが、最新映像エンジンや完全新設計のミラーレス一眼として撮影時に大きな効果を発揮してくれます。
EOS M100は、気軽に撮影するのにベストなミラーレス一眼です。小さく軽いボディは撮影者の負担にもならず、撮影したいときにすぐ取り出して撮影することができるコンパクト性が大きな魅力です。
EOS Kiss MとEOS M100をレンタル
今回ご紹介したEOS Kiss MとEOS M100は、家電レンタル「レンティオ」にて気軽にレンタルすることができます。
購入前のお試しや、短期の旅行などで、最短3泊4日からレンタルできるお得なサービスを使い、ぜひミラーレス一眼EOS Kiss MとEOS M100での写真撮影をお楽しみください。
EOS Kiss M レンズキット (EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM)
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