デジタルカメラ最大手のキヤノンは、ここ数年で大きな変化を見せています。
これまでは一眼レフカメラの開発が中心でしたが、時代の流れとともにキヤノンにおいてもミラーレス一眼の開発に注力するようになりました。
今回は2018年10月より、キヤノンの最新シリーズとして存在する「EOS R」シリーズについてラインナップの特徴や、おすすめポイント、将来性についてご紹介していきます。
キヤノンの最新ミラーレス一眼シリーズ
キヤノンでは、一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラにておいてそれぞれシリーズを展開していましたが、ミラーレス一眼においてかつてから存在したEF-Mシリーズとは別にEOS Rシリーズを新たに開発しました。
世間ではミラーレス一眼カメラへの注目が高まっており、ここ数年にてミラーレス一眼カメラを中心にこだわって製品開発を行ってきたソニーが急激にシェアを伸ばしてきたことで、デジタルカメラ最大手であるキヤノンも黙っていられない状況になりました。
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2018年10月に最初のモデルとなるEOS Rを発売して以来、キヤノンはEOS Rに対応するレンズとともに製品開発を進めています。
EOS Rシリーズでは現段階においてフルサイズセンサーを搭載したモデルのみが存在しますが、今後は一眼レフシリーズのように、幅広いユーザー層に対応するラインナップの展開が予想されます。
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新規格となるRFマウントを採用
EOS Rは、今後展開されることが予想される製品ラインナップとしても一眼レフシリーズに似たモデルが登場することが期待されます。
これまでフィルム時代から伝統的に採用されてきたEFマウントをEOS Rシリーズでは採用せず、全く新たな規格となったRFマウントを新開発しました。
それに伴って対応レンズにも違いが
一眼レフとは異なったレンズマウントが採用されたことで、これまで長い歴史を誇り、多くの製品が展開されてきたEFレンズを直接使用することができなくなりました。
EOS Rシリーズを使用する場合は、RFマウントを採用したレンズを使用する必要があり、これまでEOSにおける一眼レフにて使用していたEFレンズをそのまま使うことができないというデメリットも存在します。
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EFレンズを使用する場合はマウントアダプターを使用
これまで保有していたEFレンズが全て無駄になってしまう訳ではありません。
EOS RシリーズにおいてEFマウントのレンズを使用したい場合は、販売されているマウントアダプターを装着することで使用することができます。
今後はRFマウントのレンズラインナップも充実することが予想できますが、既にお持ちのEFマウントレンズも無駄にすることなく、撮影において有効活用することができます。
現行ラインナップ解説
ここからはEOS Rシリーズにおいて現行モデルとして販売されているラインナップをご紹介していきます。
2020年9月現在で、5つのモデルがEOS Rシリーズにおけるラインナップとして存在します。
EOS R5
高画素、優れた高感度耐性、強力なボディ内手ブレ補正、8K動画撮影など、あらゆる性能面で一気に突出させたEOS R5。
有効画素数は、約4500万画素と、これまで高画素に特化したモデルで採用されてきたレベルを、オールラウンドモデルで実現しました。
高画素ながら常用最高ISO感度はISO51200を実現し、「高画素=高感度撮影に弱い」という認識も過去のものになりつつあります。
そして、EOS初のボディー内5軸手ブレ補正を搭載したことで、夜間や室内など、暗くシャッタースピードが落ちやすい環境下においても安定した撮影を行うことができるようになりました。
また、動画撮影においても世界初となる8K/30Pの記録を実現し、一眼カメラとしては突出した性能を誇るモデルです。
製品仕様
- 撮像画面サイズ : 36.0×24.0mm(フルサイズ)
- 映像素子型式 : CMOSセンサー
- 有効画素数 : 約4500万画素
- オートフォーカス方式 : デュアルピクセル CMOS AF方式
- AFポジション数 : 最大5940
- 常用ISO感度 : ISO100~51200
- シャッター速度 : 1/8000~30秒、バルブ
- 連写性能 : 最高約12.0コマ/秒(メカシャッター/電子先幕)
- 画面 : 3.2型/約210万ドット
- 通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth
- 大きさ : 138.5×97.5×88.0mm
- 質量 : 約738g
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EOS R6
EOS R5よりも画素数と動画撮影性能を低下させたモデルがEOS R6です。
有効画素数は、約2010万画素ですが、これまで一般的な一眼カメラで採用されてきた画素数を十分にクリアしており、最新のDIGIC Xをこちらでも搭載していることから、仕上がる画に問題は全くありません。
画素数が低下したことで、高感度撮影においてもEOS R5よりも優位になっており、最高常用ISO感度はISO102400を叶えました。
EOS R5同様にEOSにおける最新技術となるボディ内手ブレ補正によって8.0段分の手ブレ補正を実現しています。
EOS R6では、EOS R5ほど動画撮影には適していないものの、動画撮影を行わない方にとってはEOS R5よりも低価格ながら、最新モデルにおいて静止画撮影で良い性能を体感することができる理想のモデルと言えるでしょう。
製品仕様
- 撮像画面サイズ : 35.9×23.9mm(フルサイズ)
- 映像素子型式 : CMOSセンサー
- 有効画素数 : 約2010万画素
- オートフォーカス方式 : デュアルピクセル CMOS AF方式
- AFポジション数 : 最大6072
- 常用ISO感度 : ISO100~102400
- シャッター速度 : 1/8000~30秒、バルブ
- 連写性能 : 最高約12.0コマ/秒(メカシャッター/電子先幕)
- 画面 : 3.0型/約162万ドット
- 通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth
- 大きさ : 138.4×97.5×88.4mm
- 質量 : 約680g
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EOS R
2018年10月25日に発売となったEOS Rシリーズにおける最初のモデルである「EOS R」。
キヤノンにおける初のフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラとして大きな注目を集めました。
一眼レフ時代の良さをそのままの斬新な機能類
カメラにおける撮影性能に関しては、キヤノンがこれまで一眼レフの開発において培ってきた技術力が活かされており、高画質かつ高速撮影を実現するための高性能を実現しています。
私はこれまでキヤノンの一眼レフシリーズを愛用してきましたが、EOS Rにおいても写真の「写り」において期待以上の仕上がりを実現してくれます。
特に夜間の撮影における高感度撮影においては、圧倒的なノイズの低減能力および階調の豊かさから、常に持ち歩きたい機材の一つです。
また、新たにカメラの機能類として搭載されているマルチファンクションバーは、複雑なボタン操作をほとんど必要としないシンプルな操作感を実現しています。
製品仕様
- 撮像画面サイズ : 36.0×24.0mm(フルサイズ)
- 映像素子型式 : CMOSセンサー
- 有効画素数 : 約3030万画素
- オートフォーカス方式 : デュアルピクセル CMOS AF方式
- 測距点 : 5655点
- 常用ISO感度 : ISO100~40000
- シャッター速度 : 1/8000~30秒、バルブ
- 連写性能 : 最高約8.0コマ/秒(ワンショットAF使用時)
- 画面 : ワイド3.15型/約210万ドット
- 通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth
- 大きさ : 135.8×98.3×84.4mm
- 質量 : 約660g
EOS R実写レビューはこちら
Canon EOS R実写レビュー。総合力でフルサイズミラーレス一眼を選ぶならおすすめしたい万能モデル – Rentio PRESS[レンティオプレス]
EOS RP
2019年3月には、EOS Rシリーズにおける第二弾として下位モデルとなるこちらの「EOS RP」が発売となりました。
EOS Rよりも価格が抑えられており、更に小型・軽量化を実現したフルサイズミラーレスにおける入門機として発売されました。
フルサイズ搭載として魅力的な価格設定
通常、フルサイズセンサーを搭載したモデルは、APS-Cセンサー搭載モデルと比較して大幅に異なる価格となることが大半ですが、EOS RPは、リーズナブルにフルサイズ機を使うことができる貴重な存在です。
実売価格においても新品で10万円台半ばを実現しているモデルはあまり存在せず、フルサイズセンサーらしい画質を気軽に体感できるモデルとして人気を集めています。
EOS Rよりも画素数や連写性能、機能面の充実具合などで違いが存在しますが、はじめてのフルサイズモデルとして大変おすすめできるカメラです。
製品仕様
- 撮像画面サイズ : 35.9×24.0mm(フルサイズ)
- 映像素子型式 : CMOSセンサー
- 有効画素数 : 約2620万画素
- オートフォーカス方式 : デュアルピクセル CMOS AF方式
- 測距点 : 4779点
- 常用ISO感度 : ISO100~40000
- シャッター速度 : 1/4000~30秒、バルブ
- 連写性能 : 最高約5.0コマ/秒(ワンショットAF使用時)
- 画面 : 3.0型/約104万ドット
- 通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth
- 大きさ : 132.5×85.×70.0mm
- 質量 : 約485g
EOS RP実写レビューはこちら
Canon EOS RP実写レビュー。初心者が気軽に使えるフルサイズミラーレス一眼が誕生 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
EOS Ra
2019年12月に発売となった「EOS Ra」は、天体撮影専用のモデルとして発売されました。
基本的なベースはEOS Rとなっていますが、通常の撮影においては使用のおすすめができません。
Hα輝線透過率約4倍
撮影ジャンルの中でも天体撮影というのは非常に人気のジャンルです。
EOS Raは、多くの天体ファンに向けて開発された天体撮影専用のフルサイズミラーレス一眼カメラで、Hα輝線透過率約4倍と赤味の強い星雲をフィルターなど使用することなく、高精細に撮影することが可能です。
このような星雲を撮影することに適した特殊な性能となっているため、通常の撮影で使用するには赤味の強い仕上がりとなるためおすすめができません。
製品仕様
- 撮像画面サイズ : 36.0×24.0mm(フルサイズ)
- 映像素子型式 : CMOSセンサー
- 有効画素数 : 約3030万画素
- オートフォーカス方式 : デュアルピクセル CMOS AF方式
- 測距点 : 5655点
- 常用ISO感度 : ISO100~40000
- シャッター速度 : 1/8000~30秒、バルブ
- 連写性能 : 最高約8.0コマ/秒(ワンショットAF使用時)
- 画面 : ワイド3.15型/約210万ドット
- 通信機能 : Wi-Fi/Bluetooth
- 大きさ : 135.8×98.3×84.4mm
- 質量 : 約660g
各モデル製品仕様比較表
モデル名 | EOS R5 | EOS R6 | EOS R | EOS RP | EOS Ra | 価格帯 | 50万円程度 | 30万円程度 | 23万7千円 | 16万円~ | 30万円 |
---|---|---|---|---|---|
撮像画面サイズ | 約36.0×24.0mm(フルサイズ) | 約35.9×23.9mm(フルサイズ) | 約36.0×24.0mm(フルサイズ) | 約35.9×24.0mm(フルサイズ) | 約36.0×24.0mm(フルサイズ) |
映像素子型式 | CMOSセンサー | ||||
有効画素数 | 約4500万画素 | 約2010万画素 | 約3030万画素 | 約2620万画素 | 約3030万画素 | ファインダー有 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセル CMOS AF | ||||
測距点 | 最大5940点 | 最大5940点 | 最大5655点 | 最大4779点 | 最大5655点 |
常用ISO感度 | ISO100~51200 | ISO100~102400 | ISO100~40000 | ||
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | 1/4000秒~30秒、バルブ | 1/8000秒~30秒、バルブ | ||
連続撮影速度 | 最高約20コマ/秒(電子シャッター使用時) | 最高約20コマ/秒(電子シャッター使用時) | 最高約8.0コマ/秒 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約8.0コマ/秒 |
画面 | 3.2型/約210万ドット | 3.0型/約160万ドット | 3.15型/約210万ドット | 3.0型/約104万ドット | 3.15型/約210万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
NFC搭載 | – | – | – | – | – |
Bluetooth搭載 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
大きさ | 138.5×97.5×88.0mm | 138.4×97.5×88.4mm | 135.8×98.3×84.4mm | 132.5×85.0×70.0mm | 135.8×98.3×84.4mm |
質量 | 約738g | 約680g | 約660g | 約485g | 約660g |
RFレンズ紹介
ここからはEOS Rシリーズにおける新規格となったRFマウント専用レンズについてご紹介していきます。
2020年11月現在、15種類のレンズが販売されており、9種類のLレンズと6種類の非Lレンズが存在します。
- RF15-35mm F2.8 L IS USM
- RF24-70mm F2.8 L IS USM
- RF24-105mm F4 L IS USM – 実写レビュー
- RF24-105mm F4-7.1 IS STM – 実写レビュー
- RF28-70mm F2 L USM
- RF70-200mm F2.8 L IS USM – 実写レビュー
- RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
- RF85mm F1.2 L USM
- RF85mm F1.2 L USM DS
- RF50mm F1.2 L USM – 実写レビュー
- RF24-240mm F4-6.3 IS USM – 実写レビュー
- RF35mm F1.8 MACRO IS STM – 実写レビュー
- RF85mm F2 MACRO IS STM
- RF600mm F11 IS STM
- RF800mm F11 IS STM
次第に増加するRFレンズ群
RFレンズは、EFレンズと比較するとラインナップの数がまだ少なく、特に広角系や望遠系のレンズが乏しい状況です。
しかし、これらのレンズ群に関しても今後は開発される予定で、RFマウント専用レンズにおけるラインナップの拡大は急速に進むものと思われます。
最新ミラーレス一眼「Canon EOS R」におすすめのレンズ10選。EFレンズの使い方も徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
競争激しいミラーレス一眼の中でもおすすめできるシリーズ
フルサイズミラーレス一眼は各社が力を入れて開発を進めている激戦区となっています。
今現状ではソニーのαシリーズが圧倒的に支持を得ている状況ですが、私個人としてはEOS Rシリーズの方が好みに合っていました。
これはこれまでキヤノンの一眼を愛用してきたこともありますが、単純にカメラとしてEOS Rを使用して撮影した際の仕上がりが抜群なのです。
電子ビューファインダーにおける改善の余地やレンズラインナップの乏しさなど、発展途上のところも目立ちますが、カメラにおいて最も重要なのは「仕上がりのクオリティ」です。
ハード面は、今後間違いなく改善されていくことが期待され、レンズラインナップの充実などを考えても、EOS Rシリーズはフルサイズミラーレス一眼を選ぶ上で良い選択肢になると言えるでしょう。
EOS Rシリーズはレンタルで気軽に体感
今回ご紹介してきたキヤノンのミラーレス一眼シリーズ「EOS Rシリーズ」は、レンタルで気軽にお試しすることができます。
高級なカメラほど、実際に試してみて失敗のないカメラ選びを行いたいものです。
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