Canon RF15-35mm F2.8 L IS USM実写レビュー。焦点距離が広がり手ブレ補正機構を搭載した初の広角RFレンズ
更新日2024/07/17
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デジタルカメラ最大手である「キヤノン」においても、近年ではミラーレス一眼系のラインナップ拡充を進めています。
キヤノンでは新たに「RFマウント」を導入し、それに合わせたレンズ開発も進められています。
今回ご紹介していく「RF15-35mm F2.8 L IS USM」は、RFマウントにおける初の超広角レンズで、EFマウント時代に定番の存在であったEF16-35mm F2.8L III USMのスタイルを受け継ぐ存在です。
EFマウント時代よりも進化している最新の広角ズームレンズの魅力を、実際に私が撮影した作例と共にご紹介していきます。
もくじ
キヤノンに主軸になりつつあるRFマウント
近年キヤノンではミラーレス一眼のラインナップ拡充を積極的に進めています。
キヤノンのミラーレス一眼「EOS R」シリーズでは、新開発のRFマウントを採用しているため、マウントアダプターを使用する以外は専用のレンズを装着する必要があります。
そしてRFマウントに対応したレンズも着実に数を増やしており、まさにキヤノンの次世代を担う存在として注目の存在です。
カメラボディ側でも驚きの性能を搭載したモデルが話題を呼びますが、最新技術を採用した高性能のレンズも魅力的で、今回ご紹介するRF15-35mm F2.8 L IS USMもそのうちの1つです。
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王道化が期待される広角レンズ
キヤノンでは、EFマウント用の広角Lレンズとして王道の「EF16-35mm F2.8L III USM」が存在しましたが、RF15-35mm F2.8 L IS USMは、RFマウントにおける後継モデルと言えるでしょう。
キヤノンが高級ブランドとして限られたレンズのみが名乗ることのできる「L」の称号を得ており、抜群の解像力と、安定感のある描写が多くのフォトグラファーを魅了します。
RF15-35mm F2.8 L IS USMは、今後RFマウントにおける広角レンズの王道的存在になることが期待されている待望の存在です。
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外観レビュー
ここからは実機を使用したレビューを展開していきます。
まずは、大きさや重さ、デザイン等の外観面についてレビューを行っていきます。
広角レンズとして超大型のサイズ感
RF15-35mm F2.8 L IS USMの実物をはじめて見たとき、その大きさにはとても驚きました。
高品質な広角レンズは、確かにレンズ口径も大きくなる傾向にありますが、RF15-35mm F2.8 L IS USMでは、全体的に大きさが際立ち、重量感もあるレンズです。
こうなった背景には高画質を求めるための構造だけでなく、EFマウント時代の同クラスレンズとなるEF16-35mm F2.8L III USMには搭載されなかった「手ブレ補正機構」の搭載によるものと考えられます。
描写に関してはフォトグラファーを魅了する質の高さを感じられますが、携帯性を意識される方にとっては注意すべきサイズ感と言えるでしょう。
RFマウントでは更に洗練されたデザイン性
キヤノンが展開する「Lレンズ」では、ブランド力を感じるデザイン性も魅力的です。
EFマウント時代から広角や標準域をカバーするレンズにおいて、黒を基調としながら口径付近に赤線が付けられたデザインが採用されており、差別化されたシンプルながらも分かりやすいデザインも人気の要因の一つです。
そしてRFマウントでは、そのデザイン性が更に洗練され、ズームリングやフォーカスリングの模様などもシンプルながらも計算された美しさを感じます。
RFレンズで向上した機能性
デザイン性以外にもRFレンズから搭載されている機能も存在し、「コントロールリング」に関しては代表的存在です。
コントロールリングは、カメラ側で好きな設定を割り当てることができる機能で、「絞り」や「ISO感動」、「露出」などといった設定を自由に割り当てることができ、リングを回すことで調整することができます。
個人的にはISO感度の割り当てが好みで、カメラ側で瞬間的に設定を変えることが難しい設定を割り当てることで、急な撮影環境の変化にも対応することができます。
性能レビュー
ここからは沖縄・宮古島で実際にRF15-35mm F2.8 L IS USMを使って撮影した豊富な作例を基に、性能面についてレビューを展開していきます。
風景写真で特に活躍する広角レンズですが、澄み渡る南国の青空と美しい海の色表現にも注目して魅力をご紹介していきます。
EFマウント時代より広がった焦点距離域
比較対象となることが多いのがEFマウントにおける「EF16-35mm F2.8L III USM」ですが、RF15-35mm F2.8 L IS USMは、EF16-35mm F2.8L III USMよりも広角側で1mm画角が広がっています。
広角側における1mmの違いは画角への変化が非常に大きく、1mm画角が広がったことによる広角レンズとしての表現力は向上しています。
もちろん最広角側だけでなく、35mmにかけた画角も風景写真を中心として使い勝手が良く、旅スナップでの活用が特におすすめです。
Lレンズが魅せる描写力
キヤノンのLレンズに属するレンズは、伝統的に解像力などの描写性に優れた性能を保有することで定評があります。
キヤノンユーザーであれば、「Lレンズを選んでおけば間違いない」と思うほど、その信頼と実績は厚いもので、強力なブランド力を誇ります。
RFマウントが主力になってからも「Lレンズ」の価値観というは低下することなく、RF15-35mm F2.8 L IS USMでも抜群に描写力を叶えています。
EF16-35mm F2.8L III USMより1mm画角が広がったことによる画質の変化も気になるところですが、RF15-35mm F2.8 L IS USMでも精細な解像力と、美しい発色を持ち味としています。
開放F2.8から四隅までしっかり解像するレンズとして、RFマウントにおける広角レンズの最有力候補になるでしょう。
F2.8の明るさで広がる表現性
RF15-35mm F2.8 L IS USMでは、大三元レンズの1つとしてズーム全域で開放F2.8を採用しています。
この明るさから撮影における表現力の幅も大きく広がります。
例えば上の作例のように「星空」を撮影するシーンでは、レンズの明るさが非常に重要になるところで、「広角×明るいレンズ」の恩恵を特に受けることができます。
また、被写体に近寄った近接撮影においても、開放値が低いことから、ボケ表現に優れた作品撮影も行うことができるのも、明るいレンズの魅力でもあります。
5段分の補正効果を実現した手ブレ補正を搭載
従来モデルにあたるEF16-35mm F2.8L III USMでは、F2.8の明るさを備えた代わりに手ブレ補正機構は搭載されませんでした。
今回ご紹介するRF15-35mm F2.8 L IS USMでは、F2.8通しを採用しながら手ブレ補正機構も実装した点も新たな特徴の一つです。
元々F2.8という明るさから暗い環境下でも撮影においても、シャッタースピードの低下を抑えることができますが、RF15-35mm F2.8 L IS USMでは、「最大5段分」の補正効果を実現し、より低速シャッタースピード時の撮影に強い存在になりました。
RF15-35mm F2.8 L IS USMで写す沖縄・宮古島
今回の作例撮影を行った沖縄・宮古島の撮影ガイドはこちら
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製品仕様表
モデル名 | Canon RF15-35mm F2.8 L IS USM |
---|---|
焦点距離 | 15-35mm |
明るさ | F2.8 |
レンズ構成 | 12群16枚 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.28m |
最大撮影倍率 | 0.21倍(35mm時) |
最初絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | 最大5段分 |
フィルター径 | 82mm |
最大径 | 約φ88.5mm |
長さ | 126.8mm |
質量 | 約840g |
RFマウントの広角レンズとして最有力
今回ご紹介してきたRF15-35mm F2.8 L IS USMですが、RFマウントにおいて初めて超広角域をカバーしたレンズで、広角レンズの第一候補になると言えるでしょう。
もちろんマウントアダプターを使用することでEFレンズやサードパーティー製レンズを使うこともできますが、最新の光学性能とEOS Rシリーズに合わせた設計に敵うものはありません。
特に1mmの違いの大きい広角レンズだからこそ、15mmまでカバーした画角や、Lレンズだからこその描写力、強力な手ブレ補正は、純正レンズの中でもRF15-35mm F2.8 L IS USMだからこそ感じられる性能で、RFマウントにおける広角レンズの最有力の存在なのです。
気になるカメラレンズはお試しできる
今回ご紹介してきたRF15-35mm F2.8 L IS USMをはじめ、気になるレンズは購入前にお試しされることがおすすめです。
特にRF15-35mm F2.8 L IS USMのような高級で高価なレンズの購入には、自分の理想に近いかどうか、実際に使わないと心配なところです。
お試しの際にはカメラのレンタルサービスがおすすめで、気になるレンズを短期または月単位でお試し利用することが可能です。
Rentio(レンティオ)では、豊富なレンズラインナップから自由にレンタルすることができ、レンズ選びにおける失敗のリスクを大幅に下げることができます。
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