王道「70-200mm F2.8」徹底比較。キヤノン、シグマ、タムロンから最も優れたおすすめレンズを検証
更新日2024/07/17
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サードパーティー製レンズメーカーの技術力の進歩が著しい現代。
これまでは品質を求めるのであればカメラメーカー純正のレンズが当たり前でしたが、近年では性能面からサードパーティー製レンズを選ぶ方も増えてきました。
今回はカメラレンズの中でも特に人気があり、伝統ある王道レンズ域とされる「70-200mm F2.8」の望遠ズームレンズにおいて比べられることの多い3つのレンズを比較解説していきます。
もくじ
各メーカーの技術力が試される王道「70-200mm F2.8」レンズ
各レンズメーカーが開発する70-200mm F2.8は、どれもが高い描写力に加えて携帯性も試されるジャンルです。
高性能で小型・軽量化を実現するためには、レンズ開発における技術力が必要となります。
純正レンズメーカーは、昔から質の良いレンズを数多く開発・生産してきた実績から信頼を集めていましたが、高品位のレンズになるほど価格は高騰し、気軽に買うことのできる存在ではありませんでした。
一方でサードパーティー製レンズは、昔から安さで人気を集めていましたが、画質などの性能面では到底純正レンズに敵うものではなく、「安いだけのレンズ」でした。
しかし、近年ではサードパーティー製レンズメーカーが着々と技術力をつけ、純正レンズにも劣らない性能を保有するレンズを開発できる時代になったのです。
今回はCANON、SIGMA、TAMRONに注目
今回は「70-200mm F2.8」のレンズの中でもキヤノン、シグマ、タムロンの3社から発売されているレンズをピックアップしてご紹介していきます。
Canon EF70-200mm F2.8L IS III USM
キヤノン純正かつ、高級レンズの証である「白レンズ」として知られるEF70-200mm F2.8L IS III USM。
既に3代目のモデルとなっており、モデルチェンジ毎に様々な性能がグレードアップされている印象です。
従来の2代目 EF70-200mm F2.8L IS II USMでは、逆光時のフレア・ゴーストに難を抱えていましたが、最新のコーティング技術によりその問題も解決しました。
王道の白レンズとしてキヤノンユーザーから絶大な支持を集める1本です。
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SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM Sports
シグマが開発したSIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM Sportsは、同社が高品位ブランドとして展開する「Sports」のラインで開発されたレンズです。
今回ご紹介している3つのレンズの中では最も新しく、近年シグマが自信としている解像力にとても優れたレンズとなっています。
私自身も3つのレンズをこれまで試してきましたが、大変おすすめできるレンズの1つです。
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TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2
タムロンでは「G2」という高品位ブランドを展開しており、こちらのSP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2も優れた解像力や強力な手ブレ補正機構を自信としているレンズです。
今回ご紹介している3つのレンズの中でも私が最初に試したレンズはこちらでしたが、圧倒的な描写力とファインダーでも分かる強力な手ブレ補正には大きな感動を覚えた記憶があります。
3つのレンズの中では一番古いレンズとなりますが、劣ることのない描写力と、サードパーティー製レンズらしい低価格は大きな魅力と言えるでしょう。
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実写から各レンズを徹底比較
ここからは実際に私が撮影した作例から感じた各レンズの感想を基に、気になるポイント別にそれぞれのレンズを比較していきます。
解像力
レンズにおいてディティールの精細具合に差が出る解像力。
解像力に関しては優劣をつけることが非常に困難なほど、3つのレンズ全てにおいて非常に優れた解像力を実現しています。
シャープネス具合に各モデルで差が
解像力からは少し離れますが、それぞれのレンズにおいてシャープネス具合や発色などに微妙な違いがあり、純正レンズが一番ソフトな仕上がりで、タムロンは程よいシャープネス具合、シグマではシャープネスの効き具合が明確なほどの仕上がりの印象を受けました。
発色に関してはタムロンのみ少しだけ黄色味の強い癖を感じますが、修正が可能な範囲であるため、悪影響を及ぼすほどではありません。
フレア・ゴーストの抑制力
太陽光が撮像範囲に入る場合や、夜間の撮影において照明などの強い光源が存在する場合に生じることの多いフレアやゴースト。
これらの抑制力はレンズによって大きく異なりますが、各レンズでどれだけ質の高いコーティングを採用しているかで左右されます。
フレア・ゴースト耐性はシグマ製がベスト
3つのレンズの中で最もフレア・ゴーストへの耐性に優れているのはシグマの「SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM Sports」だと感じました。
こちらの作例では肉眼で見ても眩しいほどの光の強さでしたが、画像内において強い光源から発生するフレアやゴーストの存在は確認できません。
同じ条件でコーティングに長けていないレンズで撮影した場合、使い物にならないほどのフレアとゴーストが発生し、画像内を埋め尽くしてしまいます。
次点でキヤノンの「Canon EF70-200mm F2.8L IS III USM」、個人的に一番弱いと感じたのは「TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2」でした。
弱いと言えど、しっかりとしたコーティングが行われているため、少々の逆光ではフレアやゴーストの発生は抑制することが可能です。
オートフォーカスの速度・精度
撮影においてピント合わせを行うオートフォーカス性能もレンズによって大きな違いが生じるところです。
カメラの性能を最も理解している純正レンズがベスト
今回はどれもキヤノンの一眼レフであるEFマウントに対応するレンズでの比較となりますが、オートフォーカス性能に関してはやはり純正レンズである「EF70-200mm F2.8L IS III USM」が圧倒的であると感じます。
オートフォーカスは、カメラの性能にも大きく関わる性能であるため、カメラメーカーのレンズが優れているのは当然といえば当然ですが、キヤノンの特徴でもある合焦速度の速さというのも魅力の一つです。
シグマとタムロンのレンズにおいてもオートフォーカス性能において特に不満を感じることはありませんが、安定した性能を求めるのであれば純正レンズの選択が間違いないと言えるでしょう。
手ブレ補正の効果
近年レンズの性能において重要視されることが多くなった「手ブレ補正機構」。
モード選択に注意が必要なほどタムロンの手ブレ補正は強力
今回ご紹介している3つのレンズにおいても手ブレ補正機構はそれぞれ搭載されていますが、タムロンの「SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2」は、個人的に一番手ブレ補正の強さを感じることのできるレンズでした。
タムロンでは3つの手ブレ補正モードを搭載し、止まっている被写体を撮影するためのモード、動いている被写体を撮影するための流し撮りモード、シャッターを切ったタイミングだけ手ブレ補正機構を作動させるモードが存在します。
注意しなければいけないのは、静止物撮影におけるモード1使用時に流し撮りを行うと、あまりにも強すぎる手ブレ補正によって流しているはずの被写体がブレ、背景が止まってしまうというトラブルに見舞われてしまいます。
モード選択に気を付ける必要がありますが、手ブレ補正の効果としては抜群の能力を発揮してくれます。
3つのレンズ製品仕様表
製品名 | Canon EF70-200mm f/2.8L IS III USM | SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM Sports | TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 |
---|---|---|---|
発売時期 | 2018年9月 | 2018年12月 | 2017年2月 |
価格 | 231,473円 | 141,879円 | 130,770円 |
レンズ構成 | 19群23枚 | 22群24枚 | 17群23枚 |
最短撮影距離 | 1.2m | 1.2m | 0.95m |
最大撮影倍率 | 0.21倍 | 1:4.8 | 1:6.1 |
フィルター径 | 77mm | φ82mm | φ77mm |
最大径 | Φ88.8mm | φ94.2mm | φ88mm |
長さ | 199mm | 202.9mm | 193.8mm |
質量 | 約1,480g | 1,805g | 1,500g |
絞り羽根 | 8枚(円形絞り) | 11枚(円形絞り) | 9枚(円形絞り) |
最小絞り | F32 | F22 | F22 |
手ブレ補正効果 | 3.5段分(CIPA準拠) | 約4段分(CIPA準拠) | 約5段分(CIPA準拠) |
どのレンズも非常に優秀
今回3つのレンズの比較を行ってきましたが、単純にどのレンズが一番優れているとご紹介するのは難しいほどどのレンズも非常に優秀です。
しかし、撮影するシーンによっては各レンズにおいて優劣が出てくるので、最後にシーン別で3つのレンズからおすすめできるモデルをご紹介していきます。
総合力ならCANON純正
あらゆる撮影シーンに対応し、全体を通して高い性能を発揮してくれるのは純正レンズである「EF70-200mm F2.8L IS III USM」と言えるでしょう。
どの性能においても突出した能力といえるほどではありませんが、総合的にみると一番安定感があり、どの撮影シーンにおいても質の高い画像を撮影することのできる万能レンズです。
フレア・ゴースト抑制ならSIGMA
逆光シーンや煌びやかな夜間撮影などにおいては「SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM Sports」が最適と言えるでしょう。
実際に私も夜の羽田空港にて撮影しましたが、空港には無数の強い光源がある中で、ほとんどフレア・ゴーストが生じることのないほど優れたコーティングがレンズに行われていることが分かりました。
手ブレ補正であればTAMRON
低速シャッタースピードでの撮影や強風時などの撮影においては手ブレ補正機構が非常に優秀な「TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2」がおすすめです。
実際にファインダーを覗いた際にも手ブレ補正の強さというのをハッキリ感じることができるほど、強力な手ブレ補正は、光源の少ない撮影シーンや、高速な被写体を流して撮影する際に有利な性能となります。
各レンズはレンタルでお試しできる
今回ご紹介してきたキヤノン、シグマ、タムロンにおける「70-200mm F2.8」のレンズは、気軽にレンタルすることでお試し利用することが可能です。
もし購入を検討されているのであればレンズのレンタルというのは、短期間だけお試しできる絶好の機会と言えます。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」では、今回ご紹介した3つのレンズ以外にも性能に優れたレンズを豊富なラインナップと在庫から選んでレンタルすることが可能です。
ぜひこの機会にRentioで気になるレンズをレンタルして、ご自身のレンズ購入に役立ててください。
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