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初心者が気になる「フルサイズ」と「APS-C」の違いを徹底解説。画質、画角、対応レンズに大きな違い

Atsushi Yoshioka
Atsushi Yoshioka

更新日2024/07/17

初心者が気になる「フルサイズ」と「APS-C」の違いを徹底解説。画質、画角、対応レンズに大きな違い

一眼カメラの性能を見る上で、必ず目にするのが「センサーサイズ」。

一眼カメラでは、イメージセンサーの大きさがそれぞれのモデルで異なりますが、これからカメラをはじめられる方にとっては、どのような違いがあるのか分からないかと思います。

今回はイメージセンサーの中でも多くのモデルに搭載されている「フルサイズセンサー」と「APS-Cセンサー」における違いについて優しく解説していきます。


一眼カメラ選びで気になる「センサーサイズ」

センサーサイズ 違い

一眼レフやミラーレス一眼カメラの総称として「一眼カメラ」と呼ばれていますが、一眼カメラには必ず画像を生成するためのイメージセンサーが搭載されています。

写真というのは「光」の情報を基に創り出されますが、イメージセンサーはその光を受け止める場所としての役割になります。

そしてイメージセンサーは、カメラによってサイズが異なります。

イメージセンサーでどのような違いが出るの?

サイズの異なるイメージセンサーですが、サイズの違いによって写真においてどのような変化があるのか気になるところだと思います。

画角、画質、使うことのできるレンズで違いが

結論から言うと、イメージセンサーによって現れる写真の変化は絶大です。

同じ焦点距離のレンズを使用した場合でも画角の違いがあり、センサーサイズの違いから光を一度に取り込むことのできる量も異なるので階調の幅広さなどの画質における変化も生じてきます。

また、後ほど詳しく解説していきますが、センサーサイズに合わせた専用レンズなども存在するため、使用することのできるレンズにも違いが出てきます。

イメージセンサーの種類

イメージセンサーサイズ 比較

一般的に一眼カメラで採用されているイメージセンサーは3つに分かれます。

ここからは種類の紹介と、それぞれのイメージセンサーの特徴などを解説していきます。

フルサイズ

フルサイズセンサー

富士フイルムやRICOH PENTAXブランドの一部で展開されている中判サイズのイメージセンサーを除いて、一般的な一眼カメラのセンサーとしては最大となる「フルサイズセンサー」。

デジタルカメラが誕生する前のフィルムカメラにて35mmフィルムを使用するカメラで用いられることの多かった24mm×36mmのサイズに近いことから35mmフルサイズセンサーの名称が付けられています。

製造コストが高いものの、生成される写真の質は他のセンサーと比較しても非常に高いため、中上位モデル以上の高級機に搭載されることの多い傾向にあります。

APS-C

APS-Cセンサー

デジタル一眼カメラの誕生時にデジタルカメラ向けのセンサーとして新開発された「APS-Cセンサー」。

フルサイズよりも小型化を実現しながら、画質に関しては極力落とすことなく、カメラボディの小型化や製造コスト削減に貢献しました。

初心者向けのデジタル一眼レフカメラなどに搭載されることが多く、一眼カメラの中でも最も多くのモデルに搭載されているイメージセンサーと言えるでしょう。

マイクロフォーサーズ

マイクロフォーサーズセンサー

今回は詳しくご紹介しませんが、APS-Cセンサーよりも更に小さいセンサーとして存在する「マイクロフォーサーズセンサー」。

こちらはパナソニックとオリンパスのミラーレス一眼カメラのみに搭載されている専用のイメージセンサーです。

ミラーレス一眼カメラの携帯性を維持したまま、高画質を実現するなど、イメージセンサーとしては特殊な分類となります。

フルサイズは中上位モデルに搭載されることが多い

フルサイズセンサー 上位モデル

一般的にフルサイズセンサーは、各メーカーのラインナップの中でもハイアマチュアやプロフェッショナル向けの機材である中上位モデルに搭載されることが多いです。

フルサイズセンサーはセンサーサイズが大きいことにより、一度に取り込むことのできる光の量が多くなり、画像を生成する上での情報量も多くなるため、より質が高く、明暗差や色の階調に優れた描写を行うことができるのが特徴的です。

よりクオリティの高い写真撮影を行うためにフルサイズセンサーを搭載した上位モデルが、上級者やプロカメラマンに支持を集めています。

APS-Cは初心者モデルや機動性に優れたモデルに搭載されやすい

APS-Cセンサー 一眼カメラ

一方でAPS-Cセンサーは一眼レフ、ミラーレス一眼カメラにかかわらず初心者向けのエントリーモデルやカメラとしての機動性を意識したモデルに搭載されることが多いです。

フルサイズセンサーに比べて低コストで小型であることから、フルサイズセンサー搭載モデルに見られることの多いカメラボディの巨大化を防ぎます。

そしてデジタルカメラの特色に合わせたセンサー開発が行われていることで、十分な高画質と進化を続ける性能も魅力的です。

最初に選ぶ一眼カメラとしてはAPS-Cセンサー搭載モデルがコストパフォーマンスの高い選択肢となるでしょう。

フルサイズとAPS-Cの違いを徹底検証

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの基本をご紹介したところで、両者における違いについてここから細かくご紹介していきます。

同じレンズでも画角が異なる

フルサイズ APS-C 画角比較

フルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの最大の違いというのはレンズ上において同じ焦点距離でも画角が異なるということです。

フルサイズセンサーの場合、レンズ上での焦点距離がそのまま35mm換算(焦点距離の基準)での焦点距離として反映されます。

しかしAPS-Cセンサー搭載モデルの場合、フルサイズセンサーよりもセンサーサイズが小さいことからレンズ上の焦点距離×1.6(ニコンの場合は×1.5)が35mm換算の焦点距離となります。

例えばレンズにおいて100mmの焦点距離を指定した場合、APS-Cセンサーでは1.6倍となり、フルサイズセンサーにおける160mmと同じ画角になります。

35mm換算についてこちらで詳しく解説

「35mm換算」を初心者向けに徹底解説。焦点距離とセンサーサイズから考える画角の変化 – Rentio PRESS[レンティオプレス]

遠い場所を写すならAPS-Cが有利

SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM in Tokyo

Canon EOS 7D Mark II, SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports, 1/1600sec, F7.1, ISO200, 600mm, 城南島海浜公園

フルサイズの画角から1.6倍に拡大されたものがAPS-Cセンサーを使用した際の画角になるのですが、拡大される画角を活かした遠い被写体の撮影には向いていると言えます。

望遠レンズになるほど、撮影時に感じるフルサイズセンサーとAPS-Cセンサーにおける焦点距離の差というのは大きく、600mmのレンズで撮影した場合には、APS-Cセンサーでは約960mmの画角を実現します。

日中はあまり画質の差を感じない

Canon EOS Kiss X10 Shooting in Tokyo

Canon EOS Kiss X10, EF-S10-18mm f/4.5-5.6 IS STM, 1/400秒, F10, ISO-100, 焦点距離 10mm, 東京駅周辺

Canon EOS RP in Tokyo

Canon EOS RP, RF24-105mm F4 L IS USM, 1/1000秒, F13, ISO-200, 焦点距離 24mm, 東京都内

先ほどもご紹介した通り、フルサイズセンサーでは一度に取り込むことのできる光の量が多いことがメリットですが、光量が十分である日中の野外などでは、その恩恵を感じる機会は少ないと言えるでしょう。

近年ではAPS-Cセンサー搭載機による性能向上も著しく、画角の面以外でフルサイズセンサーとの劣度を感じる機会が激減したと言えるでしょう。

夜間など暗い場所での撮影はフルサイズが圧倒的有利

Canon EOS 6D Mark II Shooting in Tokyo

Canon EOS 6D Mark II, EF70-200mm F2.8L IS III USM, 1/15sec, F2.8, ISO4000, 140mm, 東京国際空港

光量が十分な日中時間帯においては差を感じることの少ないフルサイズセンサーとAPS-Cセンサーですが、夜間など光量の少ない環境でISOを上げた撮影性能は圧倒的にフルサイズセンサーが有利となります。

度々ご紹介している通り、フルサイズセンサーは一度に取り込むことのできる光の量が多いのですが、その影響で僅かな光でもAPS-Cセンサーよりも光を集めることができます。

光の情報が少しでも多いほど、画質の向上につながるため、フルサイズセンサーは光の少ない夜間や暗い環境において優れた能力を発揮します。

高感度撮影に優れたおすすめ一眼カメラ5選。暗い場所でも明るく美しく撮影できる高性能モデルを紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]

APS-C専用レンズはフルサイズのカメラで使えない

APS-C専用レンズ フルサイズ一眼

フルサイズセンサーは写真撮影において質を高めることのできる最適な選択肢のように思われますが、レンズ選択の面で制限が加えられます。

近年ではAPS-Cセンサーを搭載したカメラが増えているため、APS-Cセンサー搭載モデル専用のレンズも各メーカーのレンズラインナップに数多く存在します。

しかし、これらのレンズはフルサイズセンサー搭載モデルには使用することができません。

例えばキヤノンのAPS-C専用レンズであるEF-Sレンズをフルサイズセンサー搭載のカメラにて使用しようとすると、マウントサイズは同じであるため、取り付けることはできても、ファインダーを覗いた際、四隅にケラレと呼ばれる黒く描写されない部分が発生します。

また、オートフォーカスが作動しないことや手ブレ補正効果を得ることのできない弊害も多く発生するため、撮影において使用することは不可能です。

フルサイズ対応のレンズはAPS-Cカメラでも使用できる

フルサイズ対応レンズ APS-C

一方でよく通販サイトなどで「フルサイズ対応」という紹介のあるレンズが存在しますが、これらのレンズはフルサイズセンサー搭載モデルでもAPS-Cセンサー搭載モデルでも使用することが可能です。

APS-C専用レンズはフルサイズセンサー搭載モデルにて使用することはできませんが、フルサイズ対応と書かれたレンズはどちらでも使用することができるため、フルサイズ対応として開発されているキヤノンの高級LレンズなどもEOS Kissなど初心者向けAPS-Cセンサー搭載モデルでも使用することが可能です。

フルサイズとAPS-Cの違い総括

ここまでフルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違いについてご紹介してきました。

ここで今回ご紹介したフルサイズセンサーとAPS-Cセンサーの違いをまとめます。

  • APS-Cセンサーでは画角がフルサイズセンサーの1.6倍(ニコンは1.5倍)になる
  • フルサイズセンサー搭載モデルは中上位モデルが大半
  • 望遠性能を優先するならAPS-Cセンサー搭載モデルがおすすめ
  • 夜間など高感度撮影においてはフルサイズセンサーが圧倒的有利
  • APS-C専用レンズは、フルサイズセンサー搭載モデルにおいて使用できない

また、フルサイズセンサー搭載モデルとAPS-Cセンサー搭載モデルではボディの価格面でも大きな違いがありますが、フルサイズセンサー搭載モデルでは使用することのできるレンズも制限されるため、これまでAPS-C専用レンズを中心に使用されていた方は、機材を新たに揃えなおす必要もあります。

もちろんフルサイズセンサーは、フォトグラファーとして憧れの存在であり、より質の高い撮影を実現してくれるイメージセンサーですが、恩恵を感じることのできるシーンも限られるのでご自身が撮影されるシーンの環境を考えた上でカメラ選びを行うと良いでしょう。

初心者におすすめのカメラまとめはこちら

[2019年]初心者向けおすすめ一眼レフ6選!カメラ選びで大切なポイントを解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]

2019年最新おすすめミラーレス一眼カメラ7選!初心者でも失敗しないカメラの選び方 – Rentio PRESS[レンティオプレス]

カメラはレンタルがおすすめ

カメラ選びに悩まれているのであれば、まずは気になるカメラをレンタルされることがおすすめです。

家電レンタル「Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたフルサイズセンサーやAPS-Cセンサーを搭載した一眼レフやミラーレス一眼カメラを最短3泊4日からレンタルすることができます。

今回ご紹介してきた違いを感じるのであれば、まずはお試しで使ってみることが最適です。

ぜひこの機会にRentioでカメラをレンタルして、自分に合ったカメラを見つけてくださいね。

[レンタル] 一眼カメラ 一覧 – Rentio[レンティオ]

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