「35mm換算」を初心者向けに徹底解説。焦点距離とセンサーサイズから考える画角の変化
更新日2022/10/13
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一眼カメラを使っていく内に様々な専門用語を聞くことが増えると思います。
ただでさえカメラ選びやレンズ選びで最初の壁を感じるところでしたが、実際に使っていくことで新たな壁に当たってしまうケースも少なくありません。
今回は、レンズ選定や画角の話で耳にすることの多い「35mm換算」について、初心者向けに優しく解説していきます。
もくじ
カメラ用語で耳にする「35mm換算」
一眼カメラを使う上で耳にすることの多い「35mm換算」という言葉。
これはカメラレンズにおける「焦点距離」と関わってくるものですが、一体どのようなシーンで35mm換算を知っておく必要があるのか、気になる方も少なくないでしょう。
35mm換算は焦点距離の基準
35mm換算というのは、カメラレンズにおける焦点距離の基準となるものですが、焦点距離というのは、センサーサイズによって変化する特徴があります。
センサーサイズが異なる場合、同じレンズで同じ焦点距離を使用した場合でも、実際に写される画角が変わってしまうため、焦点距離の数値が参考になりません。
センサーサイズが異なる場合でも、焦点距離による数値に統一性を持たすことができるのが「35mm換算」というもので、センサーサイズに合わせて35mm換算では、レンズの焦点距離から数値が変化することが特徴的です。
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センサーサイズによって焦点距離の計算に注意
一眼カメラにはセンサーサイズが大きく分けて、「フルサイズ」、「APS-C」、「マイクロフォーサーズ」の3種類が存在し、それぞれで35mm換算における焦点距離の計算方法が異なります。
特に「APS-C」と「マイクロフォーサーズ」のセンサーを搭載した一眼カメラにおいては、焦点距離でレンズの数値から変化するため、35mm換算に直すときは注意が必要です。
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フルサイズセンサー機であれば気にする必要はない
フルサイズセンサーを搭載したカメラに関しては、特に35mm換算という言葉を気にする必要はありません。
フルサイズセンサーこそデジタル一眼カメラにおける基準となる存在で、フルサイズセンサーを搭載したカメラは、レンズ側の焦点距離数値がそのまま35mm換算の数値となります。
逆を言えば、35mm換算という表現は、これからご紹介していく「APS-C」や「マイクロフォーサーズ」サイズのセンサーを搭載したカメラと焦点距離数値による画角を統一させるためのものと言えます。
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APS-Cの場合
基本的には焦点距離の1.5倍
お手持ちのカメラが「APS-C」サイズのセンサーを搭載していた場合、基本的に35mm換算に直す場合は、「レンズ側の焦点距離」×「1.5」が35mm換算の焦点距離数値となります。
例えばAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したカメラボディに、50mmの単焦点レンズを装着した場合、「50×1.5」の計算で、35mm換算では75mmの焦点距離数値となります。
これは、フルサイズセンサーを搭載したカメラボディで75mmの焦点距離を指定したときの画角と同じになります。
キヤノンだけは1.6倍になるため注意
同じAPS-Cセンサーでも、キヤノンでAPS-Cセンサーを搭載した一眼カメラには更に注意が必要です。
ニコンやソニー、富士フイルムの各社が販売するモデルでは、レンズ側の焦点距離を1.5倍することで35mm換算の数値を計算することができましたが、キヤノンの場合は「レンズ側の焦点距離」×「1.6」が35mm換算の焦点距離数値となります。
このため、先ほどの例同様にキヤノンのAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したカメラボディに、50mmの単焦点レンズを装着した場合、「50×1.6」の計算で、35mm換算では80mmの焦点距離数値となります。
35mm換算での数値で画角は統一されているので、同じセンサーサイズとレンズの組み合わせでも、キヤノン製のカメラでは、ニコンやソニー、富士フイルムと比較しても少しだけ画角が狭まる特徴があります。
マイクロフォーサーズの場合
焦点距離の2倍が35mm換算での数値
オリンパスやパナソニックのミラーレス一眼で採用されているマイクロフォーサーズセンサーの場合、35mm換算に直す際の計算が先ほどのAPS-Cとは変わり、「レンズ側の焦点距離」×「2」が35mm換算の焦点距離数値となります。
レンズ側の焦点距離数値から2倍の数値が35mm換算の焦点距離となるため、オリンパスやパナソニックから販売されているレンズも、標準レンズで広角側14mm開始など、センサーに合わせたことによるレンズ側の焦点距離にも違いが生じてきます。
先程と同じようにマイクロフォーサーズのイメージセンサーを搭載したモデルに、50mmの単焦点レンズを装着した場合、35mm換算では100mmとなり、より画角が狭まる形になります。
このようにセンサーサイズによって35mm換算における焦点距離が変化するため、特に複数のセンサーサイズのカメラをお持ちの方や、センサーサイズの違うカメラへ乗り換えを検討されている方は、レンズを選ぶ際にレンズ側の焦点距離だけで判断しないように注意する必要があります。
結果的には「フルサイズでの焦点距離=35mm換算」
これまでご紹介してきた通り、35mm換算というのはフルサイズセンサーを搭載したカメラを使用した際の焦点距離の画角に合わせるための数値で、「35mm換算の焦点距離=フルサイズ機を使った時の焦点距離」という認識になります。
APS-Cセンサー搭載モデルのみをお持ち場合においては、35mm換算というのは気になるほどのことではありませんが、フルサイズセンサーを搭載したカメラを併用されている方にとっては、焦点距離から画角を考えることもあるため、35mm換算での計算というのが重要になります。
レンズ選びは35mm換算で考えよう
画角の問題などをご紹介してきましたが、どのセンサーサイズのカメラをお持ちの際でも、レンズを新たに選ばれる際には、「35mm換算」から検討されることがおすすめです。
今回の記事で例に出した通り、同じ50mmの単焦点レンズでも、「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」で画角は全く異なります。
そのため、ご自身のカメラに装着した際は、35mm換算に焦点距離を直して、自分が理想とするカットを撮るためのレンズ選びがおすすめです。
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気になるレンズやカメラはレンタルでお試し
今回は「35mm換算」に関する解説を行ってきましたが、カメラ選びにおいても、レンズ選びにおいても、やはり使ってみた感覚の方が重要と言えます。
気になるカメラやレンズは、まずレンタルでお試しされてみることはいかがでしょうか。
Rentio(レンティオ)では、豊富なラインナップの中から自由に選んで、購入前に実力をお試しすることができます。
実際に使うことで、焦点距離だけではわからなかった画角に気づくこともでき、失敗のないカメラ、レンズ選びを行うことができます。
ぜひこの機会にRentioで、気になるカメラやレンズをレンタルされてみてはいかがでしょうか。