Canon EOS R6実写レビュー。次元の違いを感じる圧倒的な完成度を叶えた最新ミラーレス一眼カメラ
更新日2023/08/10
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一世を風靡した最新ミラーレス一眼「EOS R5」の発売から1ヵ月。
キヤノンは立て続けにミラーレス一眼市場における存在感を示すために新製品となる「EOS R6」を発売しました。
EOS R6は、EOS R5と同時に発表されたモデルですが、キヤノンの行方を占うと言っても過言ではないほど重要なモデルです。
Rentio PRESSでは、既にEOS R5の実写レビューを展開していますが、今回はEOS R6を実際に使ってその魅力を徹底的にご紹介していきます。
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もくじ
キヤノンから誕生した新たなフルサイズミラーレス一眼
今回ご紹介していくEOS R6は、キヤノンから新たに発売されたフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラです。
キヤノンでは、2018年10月より、新たなマウント規格を採用した「EOS Rシリーズ」を展開しており、今回のEOS R6も、EOS Rシリーズにおける最新モデルとなります。
同時に発表となったEOS R5とともに注目の最新モデルとなっているEOS R6ですが、後ほど詳しくご紹介していくように、これまでの常識を覆す圧倒的な性能を実現したミラーレス一眼カメラです。
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EOS R5よりも低価格版として発売
同時に発表になったことEOS R5とはどのような違いがあるのか気になる方も多いかと思います。
細かい比較に関しては後ほど行っていきますが、EOS R6は、EOS R5と比較して低価格で販売されており、EOS R5では、高すぎる印象を持つユーザーにとっても、EOS R6は手の届きやすい存在となっています。
基本的な性能に関してはそこまで大きな変化はなく、画素数と動画撮影性能が最大の違いとなっています。
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外観レビュー
まずは、大きさや重さ、デザイン性を中心とした外観面および機能面についてご紹介していきます。
おそらくEOS R6の購入を検討されている方の中には、一眼レフからの乗り換えを検討されている方もいらっしゃると思いますので、一眼レフモデルとの違いについてもご紹介していきます。
一眼レフよりも大幅に小型・軽量化
EOS R6では、ミラーレス一眼タイプが採用されていることで、一眼レフからミラー構造が撤廃され、その分小型・軽量化を実現しています。
仮にEOS R6と同等の性能を保有した一眼レフカメラを開発した場合は、EOS R6よりも大型化することが予測でき、ミラーレス一眼であることの恩恵は、携帯性においても感じることができます。
ミラーレス一眼全体を通して見ると、EOS R6は特段優れた携帯性を保有している訳ではありませんが、これまで一眼レフを中心に使用されてきた方にとっては、持ち運びにおける優位性を感じることができるでしょう。
EOS R5よりも一眼レフのスタイルに近い操作性
キヤノンでは、今回ご紹介するEOS R6よりも先にEOS R5というモデルを発売しています。
EOS R5では、主にカメラ上部の操作系統でEOS Rと同様に新たなモードダイヤル、小型液晶モニターが搭載されていましたが、EOS R6では、それらのスタイルとは異なり、従来の一眼レフに近いダイヤル式のモードダイヤルを搭載するなど、一眼レフユーザーにとっても違和感なく使用することができます。
記録媒体はSDカード×2を採用
EOS R6では、記録媒体としてSDカードを2枚挿入することができるダブルスロットを採用しています。
2枚同時に記録することや、2枚を順番に使用するなどの設定を行うこともでき、2枚体制にしておくことで撮影におけるデータ保存の信頼性が向上します。
従来のEOS Rでは、SDカード1枚のみのシングルスロットであったことから、ダブルスロットになることでプロフェッショナルの現場でも使用できる信頼性も大きなポイントの一つです。
SDカードを使用している以上、100%安全なデータ保管というのは難しいため、少しでも安全性を高めるために、ダブルスロットによる同時記録は個人的にもおすすめです。
性能レビュー
EOS R6の核心部に迫るべく、撮影性能についてご紹介していきます。
既にEOS R5で圧倒的な性能を体感した私ですが、EOS R6に関しても変わらない衝撃を受けました。
魅力ある撮影性能面を、作例とともにじっくりご紹介していきます。
標準的な約2010万の画素数
EOS R6では、一眼カメラとして標準的かつ十分な約2010万の画素数を保有しています。
高画素とは言えないものの、決して少ない画素数ではなく、実用的でカメラの性能を存分に体感することのできる仕様です。
EOS Rシリーズでは、APS-Cサイズ(1.6倍)へとクロップすることのできる機能が存在しますが、唯一クロップ機能を使用した場合は画素数がさらに低下するため、この場合のみ画素数が欠点となります。
最高常用ISO102400が魅せる優れた高感度耐性
画素数が多すぎないことによるメリットも存在します。
EOS R6では、最新の映像エンジン「DIGIC X」を搭載していることで、高感度撮影時における描写能力も大幅に向上しています。
これによって最高の常用ISO感度はISO102400を実現し、実用的に使用する機会のあるISO3200~12800の数値においては、従来モデルとは比較にならないほどノイズが少なく、高感度とは思えないディティール表現を実現しています。
これまで試してきた一眼カメラの中でもダントツ
近年発売される一眼カメラにおいて、この高感度耐性はカメラの性能における一つの基準となりますが、今回ご紹介しているEOS R6の高感度耐性は、これまでの一眼カメラの中でも突出した性能を誇ります。
高感度撮影におけるノイズ発生は、主に「黒」が目立つ暗部において発生しますが、EOS R6では、ISO感度を高めに設定してもノイズが目立たない印象です。
私自身これまで様々なフルサイズ一眼のレビューを行ってきましたが、今回ほど高感度撮影における感動を味わったことがありません。
正直な話、この高感度撮影だけを目的でEOS R6を導入することも考えられるほど、高感度撮影で圧倒的な能力を発揮します。
8.0段分のボディ内手ブレ補正と合わせた夜間撮影
優れた高感度耐性を誇るEOS R6ですが、EOS R5同様に、新たに搭載されたボディ内手ブレ補正機構によって夜間撮影においては更に力を発揮します。
8.0段分の手ブレ補正効果を実現したEOS R6のボディ内手ブレ補正は、感度を大幅に上げる必要もなく、低速シャッタースピードでもブレのない撮影を行うことが可能なため、夜間撮影においては、これまでよりも積極的に行うことができるでしょう。
AIサーボ時でも最高約12コマ/秒の高速連続撮影性能
動く被写体などに効果的な連続撮影性能ですが、EOS R6では、AFを追随するAIサーボ指定時でも約12コマ/秒の性能を実現しています。
更に電子シャッター使用時には、約20コマ/秒の高速連続撮影を叶えており、決定的瞬間を逃す心配はほとんどないと言えるでしょう。
EOS Rでは、AIサーボにすることで連続撮影速度が低下するデメリットがありましたが、EOS R5/R6では、その辺りも改善することで、理想により近づきました。
一眼レフユーザーにとっては慣れるまで苦労する可能性
今回実際にAIサーボを指定して動く被写体を相手にした高速連続撮影性能を試しましたが、シャッターを切る毎にファインダー内の映像が静止するため、被写体を構図に収めるには慣れが必要だと感じました。
光学ファインダーは一時的にファインダー内が暗くなるだけでしたが、EOS R6の電子ビューファインダーでは、シャッターを切っている間、ファインダーがコマ送りのような映像になるため、連続撮影中の被写体の動きが掴みにくいのが正直なところです。
実際に撮影していても一眼レフでは、構図からはみ出さないような場面でも、ファインダーの見え方の違いから被写体を正しいフレームへと収めることができない場面もありました。
EOS R6で写す沖縄・宮古島夏の終わり
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EOS R5との違い
今回ご紹介しているEOS R6ですが、EOS R5と同時に発表されたことで、両モデルにおける違いというのも気になる方も多いかと思います。
ここからはEOS R6をEOS R5と比較した違いについてご紹介していきます。
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画素数の違い
EOS R6では、画素数が約2010万画素とご紹介しましたが、EOS R5とは画素数が最大の違いと言えます。
EOS R5とは、実売価格においても20万円近くの差がありますが、同等の性能を保有しながら約4500万画素と2倍以上の画素数を実現していることが最大の要因です。
基本的には約2010万画素のEOS R6で十分ですが、クロップを機能を使用する場合や、より繊細な画を求める場合などは、高画素であるEOS R5が有利となります。
動画撮影性能の違い
EOS R6とEOS R5の違いの一つに動画撮影性能もあります。
Rentio PRESSでは、基本的に静止画に特化したレビューを行っており、動画撮影性能に関してはあまり紹介していませんが、EOS R6で最大4K UHDに対応していることに対して、EOS R5では、8K DCIまでの撮影に対応しています。
EOS R5やR6を使用して動画撮影を検討されている方にとっては、EOS R5がおすすめであることは間違いありません。
記録スロットの違い
EOS R6の記録媒体は、SDカード×2となっており、2枚のSDカードを使用した同時記録や、順番に記録していくなどの設定をお好みで調整することができます。
もちろん、1枚だけを使用した撮影も可能であり、ダブルスロットは、重要な撮影時にバックアップとして記録することのできる頼りになる存在です。
一方でEOS R5では、SDカード×1とCFexpressカード×1のダブルスロットが記録媒体となっており、片方はより高速な書き込みが可能となるCFexpressカードが採用されました。
画素数が増加していることで、単純に1ファイル辺りのサイズも大きくなり、対応している記録媒体にも若干の違いがあります。
大きさ・重さの違い
EOS R6とEOS R5では、大きさには違いがほとんど存在しないと言えます。
- EOS R6 : 約138.4×97.5×88.4mm
- EOS R5 : 約138.5×97.5×88.0mm
一方で、重さに関してはEOS R6とEOS R5では、大きな違いが生じています。
- EOS R6 : 約680g
- EOS R5 : 約738g
数値上でも約60g程度の違いがあり、EOS R5の方が同じ大きさでも重くなっています。
とはいえ、どちらも同クラスの一眼レフモデルと比較すると十分な軽量化を実感することができるため、携帯性に関しては問題がないと言えます。
基本性能に大きな違いはない
EOS R6とEOS R5の違いに関してはこれまでご紹介してきたところが中心となっています。
逆に基本的な性能に関してはほとんど差がないと言え、画素数による違いや8K動画撮影の可否くらいが性能における違いと言えるでしょう。
静止画の撮影に関してはどちらも非常に高い性能を実現しており、数あるミラーレス一眼カメラの中でも、突出した存在であることは間違いありません。
製品仕様表
モデル名 | Canon EOS R6 |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約35.9×23.9mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | DIGIC X |
有効画素数 | 約2010万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF |
AFフレーム選択可能ポジション | 最大6072ポジション |
常用ISO感度 | ISO100~102400 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 約8.0段 |
連続撮影速度 | 最高約20コマ/秒(電子シャッター使用時) |
画面 | 3.0型/約162万ドット |
ファインダー | 0.5型/約369万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約138.4(幅)×97.5(高さ)×88.4(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約680g |
静止画メインであれば選ぶべき1台
今回ご紹介してきたEOS R6ですが、私個人的にも今最も気になるカメラです。
やはり選定の比較対象としてもEOS R5が気になるところですが、クロップ以外の性能において高画素であることは価格以上のメリットがないというのも私個人の感覚です。
ここは一般論としての良し悪しではなく、撮影するユーザーによって選ぶべきカメラというのは変わってくるところです。
高画素であることを必要とせず、高感度撮影を積極的に行うことや、動体撮影において連続撮影を多用される方にとってはEOS R6は、これまでキヤノンで愛され続けてきたEOS 5DやEOS 7Dシリーズのような感覚で操作することができるため、おすすめです。
EOS R6は、長年EOSシリーズを愛用してきた方にとっても馴染みやすいモデルでもあるのです。
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気になるカメラをまずはレンタルでお試し
今回ご紹介してきたEOS R6をはじめ、最新のカメラはまずレンタルでお試しすることもおすすめです。
注目の新製品は数多く登場していますが、全てを購入することは困難と言えるでしょう。
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是非この機会にRentioで気になるカメラをレンタルして、最新モデルの実力を体感されてみてください。