Canon EOS R5実写レビュー。あらゆる性能で“理想”を体現した最新フルサイズミラーレス一眼が誕生
更新日2022/10/31
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カメラの進化の勢いは衰えることを知りません。
2020年7月30日に発売となったキヤノンの新たなフルサイズミラーレス一眼「EOS R5」は、一眼カメラにおける最高のレベルというのを更に引き上げるほど、驚くべき性能とともに誕生しました。
今回のEOS R5の発売とともに、ミラーレス一眼市場においてキヤノンが本気の勝負に出てきたとも言えるほど、今回のEOS R5で実現した性能の水準や新機能が満載です。
Rentio PRESSでは、これまでも様々なミラーレス一眼カメラのレビューを展開してきましたが、今回のCanon EOS R5も、実際に撮影した作例とともに、余すことなくその魅力をご紹介していきます。
もくじ
EOS Rシリーズ待望の最新モデル
キヤノンでは、2018年10月よりミラーレス一眼の最新シリーズ「EOS R」シリーズの展開を進めています。
新たにRFマウントを開発し、これまでのEFマウントと並行してキヤノンにおける代表的なモデルが展開される予定で、シリーズ初代となったEOS Rも、フルサイズセンサーを搭載し、中上位モデルクラスの性能を実現したことで話題を呼びました。
今回ご紹介していくEOS R5は、EOS Rシリーズにおいても更に上位に位置するモデルで、キヤノンの最新技術を結集させ、今まで届かなった領域まで叶えたあらゆることに新しさを感じることができる最新モデルです。
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EOS Rの衝撃の更に上を行く圧倒的な完成度
Rentio PRESSでは、EOS R発売時の実写レビューも展開し、素晴らしいカメラであることをご紹介してきましたが、今回ご紹介するEOS R5は、更にその上を行く完成度です。
カメラは、新しいモデルであるほど性能が向上していきますが、EOS R5で実現した性能はこれまでの進化とは次元が違うレベルとなっています。
これまで一眼レフを使用してきてミラーレス一眼への移行をためらっていた方にも、今回のEOS R5の存在をぜひとも知って頂きたいほど素晴らしい完成度となっています。
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外観レビュー
ここからは、実際にEOS R5を使用してレビューを行っていきます。
まずは、大きさや重さ、デザイン性などにおける外観面について実機の写真とともに特徴をご紹介していきます。
これまでの一眼レフよりも小型・軽量化
今回のEOS R5は、これまでEOSにおいて一眼レフシリーズとして開発されてきたモデルのうち、EOS 5Dシリーズをミラーレス一眼で対応させたモデルと言えるでしょう。
EOS 5Dシリーズは、ハイアマチュアからプロカメラマンまで、上級ユーザーから愛されるシリーズとして人気を集めていましたが、今回のEOS R5においても性能を更に向上させ、ミラーレス一眼のメリットでもある携帯性の向上も意識されたモデルとなります。
初のフルサイズミラーレス一眼として発売されたEOS Rが存在しますが、EOS R5は、EOS Rよりも上位モデルであることもあり、EOS Rよりは大きく重いボディとなっています。
それでも738gまで軽量化を実現しており、これはEOS 5D Mark IVの約890gよりも約150g軽いボディとなっており、これまでの一眼レフよりも大幅に携帯性の面で優れています。
EOS伝統のボタン配置を採用し、一眼レフユーザーも違和感なく操作が可能
背面のボタン類の操作は、EOS 5Dや7Dシリーズで採用されていたタイプのものが搭載され、EOS Rからはかけ離れている印象です。
しかし、これまで一眼レフを中心に使用してきたユーザーにとっては、EOS Rよりも操作性に関しては馴染みあるボタン操作を行うことができるため、一眼レフからの乗り換え時の戸惑いというのは感じにくいと思います。
EOS Rで初搭載されたお好みの設定を割り当てることのできる「マルチファンクションバー」は撤廃され、一眼レフで好評であった「マルチコントローラー」を搭載し、使い慣れた感覚で操作を行うことができます。
モードダイヤル部分周辺はEOS Rのデザインを採用
カメラ上部に存在するモードダイヤルの部分は、これまで一眼レフで採用されてきたモードダイヤル自体が廃止され、EOS Rのデザインが採用されています。
今選択しているモードや、撮影設定、残り撮影可能枚数などを確認することができる小型の液晶画面が配置され、その横にはダイヤルが配置されていますが、モードを変更することができますが、ダイヤル中央部を一度押してダイヤルを回すことでモードを変更することができます。
ダイヤルはモード変更以外にも使用することができ、標準ではISO感度の数値変更などに割り当てられています。
3.2型の大型タッチパネル液晶を搭載
キヤノンの一眼カメラでは、これまで3.0型の液晶モニターが搭載されることが多かったですが、EOS R5では、更に大型の液晶モニターとして3.2型のタッチパネル液晶が搭載されました。
3.0型と比較しても直感的に大きくなったことが分かるほどで、液晶画面を見ながらの撮影や、撮影後のデータ確認などで有利になる大きさで、よりカメラ背面部において無駄なスペースが削減された印象です。
もちろんタッチ操作に対応していることから、画面上をタッチすることで撮影設定を行うことも可能です。
より見やすさが向上した電子ビューファインダー
ミラーレス一眼では、一眼レフタイプのカメラと異なり、ファインダーにも液晶画面が使用される電子ビューファインダーが搭載されています。
この電子ビューファインダーもカメラによって性能が異なり、どれだけ自然に見せることができるかが重要なポイントとなります。
ミラーレス一眼は、カメラ背面の大型液晶モニターを見ながら撮影することも可能ですが、ファインダーを覗くことを必要とする撮影スタイルもまだまだ主流です。
EOS R5では、0.5型の約576万ドットの電子ビューファインダーを搭載し、動く被写体に対して追従しているシーンでも滑らかなファインダー表示を実現し、光学ファインダーと大きな変化を感じることなく撮影することができます。
唯一気になる点とすれば、撮影毎に一旦映像の流れが止まってしまうため、連写を行いながら動く被写体を追いかけることは、光学ファインダーと比較すると少し不便を感じるところです。
性能レビュー
外観面では、進化というよりも従来からのスタイルの良い部分を継承しながら新技術を融合させた設計となりました。
ここからご紹介していく性能こそEOS R5における性能の高さを体感することのできる部分で、作例を基に優れた性能をじっくり解説していきます。
万能モデルながら約4500万画素を実現
EOS R5では、有効画素数で約4500万画素を実現しており、一見高画素モデルと見間違えるほどの数値です。
これまで一般的に高画素モデルは、高感度耐性や連続撮影性能など、他の性能が低下する傾向にありましたが、EOS R5では、高画素ながら他の性能においても高い水準を実現しました。
高画素だから妥協しなければいけない点があるという常識は既に過去のものとなり、一眼カメラにおける新たなスタンダードを予感させる性能です。
高画素を叶えながら優れた高感度性能
先ほどもご紹介した通り、EOS R5では約4500万画素の高画素を実現しながら、一眼カメラにおけるあらゆる性能で高い水準を実現しています。
そのうちの一つである高感度耐性では、最高常用ISO感度ISO51200と非常に優れた能力を誇ります。
EOS R5では、最新も映像エンジン「DIGIC X」を搭載していることもあり、高感度撮影におけるノイズの少なさや、ディティールの繊細さは、これまでキヤノンが展開してきたモデルよりも遥かに高い完成度を誇ります。
EOS史上最高クラスのAFと高速連続撮影性能
一眼カメラにおいて、ピントを合わせるためのオートフォーカス性能と、一瞬のシャッターチャンスを逃さない連続撮影性能も、モデルによって大きな差が出るところです。
EOS R5では、これらの性能においても非常に優れた能力を発揮し、キヤノンが昔から特徴とする素早いフォーカスや、精度の高いピント合わせを実現しています。
「デュアルピクセルCMOS AF II」のオートフォーカス方式を採用し、従来通り高速・高精度で広範囲のオートフォーカスを叶えながら、ディープラーニング技術を使用したアルゴリズム「EOS iTR AF X」の搭載によって見えない場所から飛び出してくるような被写体に対しても素早く正確にピント合わせを行います。
また、EOS R5では、電子シャッターの使用を選択することで最高約20コマ/秒の高速連続撮影も実現しており、決定的瞬間を逃すことはありません。
それ以外のシャッターモードにおいても、最高約12コマ/秒の高速連続撮影を実現しており、この速度は、フォーカスを追いかけ続けるサーボAF使用時でも使うことができます。
EOS Rでは、サーボAF使用時に連続撮影速度が大幅に低下する問題があったため、この辺りは大きな進歩と言えます。
EOS初のボディ内手ブレ補正機構を搭載
EOS R5の目玉の機能の一つにEOS初の搭載となったボディ内手ブレ補正機構があります。
これまでキヤノンの一眼カメラでは、ボディ内による手ブレ補正機構は存在せず、全てレンズにおける光学式手ブレ補正のみでの対応でしたが、ソニーをはじめとして各社がボディ内手ブレ補正機構を一般的にし始めていることを受け、キヤノンも開発したものと思われます。
今回EOS R5で実装されたボディ内手ブレ補正機構は、初めてのボディ内手ブレ補正とは思えないほど強力な効果を発揮し、約8.0段分の効果を実現しました。
実際に使用してみても低速シャッター時でも格段に手ブレが抑制されていることが分かりました。
特にRFレンズとの組み合わせでは、レンズ内の手ブレ補正とのコンビネーションもあり、これまで意識していた手ブレが生じる基準も大きく変わってくるでしょう。
EOS R5を使って写す
EOSの一眼レフユーザーが知りたい違い
今回のEOS R5が発表されたことで、これまで一眼レフのモデルを使用されていた方も、これを機にミラーレスへの乗り換えを検討されている方も少なくないと思われます。
私も実際にEOSシリーズにおいて一眼レフのモデルを使用しているユーザーの一人でしたが、今回のEOS R5を使用した上で、歴代一眼レフモデルとの互換性などについて解説していきます。
バッテリーはLP-E6シリーズと互換性あり
EOS R5で実装されているバッテリーは、これまでEOS 5D、EOS 6D、EOS 7Dなど中上位シリーズにおいて採用されていたLP-E6シリーズの最新版となる「LP-E6NH」が付属されています。
LP-E6における新たなバッテリーモデルとなりますが、歴代のLP-E6やLP-E6Nにも互換性があり、昔からのEOSユーザーにとっても、愛用していたカメラのバッテリーをそのまま使用することができる互換性があります。
電子ビューファインダーの見え方はより自然に
EOS R5では、ミラーレス一眼であることから電子ビューファインダーが採用されており、そのままの光景を写す光学ファインダーよりも違和感を覚えることがあります。
電子ビューファインダーは、一眼レフユーザーがミラーレス一眼に対する懸念の一つですが、EOS R5におけるファインダーは、明るさや滑らかさともに光学ファインダーに近い感覚で撮影を行うことができます。
そして電子ビューファインダーのメリットでもある、仕上がり後の様子を確認することができるため、露出による変化も反映され、設定におけるミスを大幅に軽減させることができます。
ボタン類の配置はEOS 5D/7Dシリーズのスタイルを継承
初代となったEOS Rでは、ボタンやダイヤル類の配置についても新たなスタイルで誕生しました。
しかし、新たなスタイルは、これまでキヤノンのカメラを愛用してきたユーザーにとっては慣れにくく、あまり好評ではない印象でした。
今回EOS R5では、一眼レフユーザーからの乗り換えでも操作感にすぐ慣れることができるように、EOS 5DやEOS 7Dで採用されていたボディ背面のボタン配置が採用されており、新たに操作性を確認する必要がなく、慣れ親しんだ操作感のまま撮影することができます。
基本的な性能は圧倒的に向上
カメラは新しいほど性能が良くなることは間違いありません。
近年キヤノンでは、一眼レフタイプによる最新モデルの開発を行っておらず、EOS Rシリーズにおいて新しい技術も多く投入されています。
今回のEOS R5では、特に性能における進化が際立っており、画質や高感度耐性など、あらゆる性能において一眼レフのモデルよりも優れています。
製品仕様表
モデル名 | Canon EOS R5 |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約36.0×24.0mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | DIGIC X |
有効画素数 | 約4500万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF |
AFフレーム選択可能ポジション | 最大4500ポジション |
常用ISO感度 | ISO100~51200 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 約8.0段 |
連続撮影速度 | 最高約20コマ/秒(電子シャッター使用時) |
画面 | 3.2型/約210万ドット |
ファインダー | 0.5型/約576万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約138.5(幅)×97.5(高さ)×88.0(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約738g |
ミラーレス一眼の中でも卓越した存在に
発売前から様々な噂が飛び交い、大きく期待されていたEOS R5。
その期待を裏切るどころか、期待以上の完成度を実現していると実際に使ってみて感じました。
一眼カメラにおいてソニーが攻勢を強め、フルサイズミラーレス一眼市場のシェアで圧倒的な存在感を放っていましたが、EOS R5の登場は、これまで王道の存在であったキヤノンだからこその完成度で、今後フルサイズミラーレス一眼市場の巻き返しが狙えるモデルと言えます。
私自身も実際にEOS R5を使ってみて、あらゆる面で優れた性能を実感し、ミラーレス一眼カメラとしての完成度の高さに驚きました。
これまで一眼レフを使用していた方にとって、乗り換えに最適なカメラが誕生したと言えます。
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まずはレンタルでお試し
今回ご紹介してきたEOS R5ですが、発売時点の実売価格で45万円程度と性能と同時に価格も非常に高いものです。
EOS R5に関しては、購入して後悔することはないと言い切れるほどの逸品ですが、やはり購入前に試す機会があればより安全と言えます。
購入前のお試しはカメラのレンタルのサービスがおすすめで、ボディ本体だけでなく、レンズセットでお試しすることも可能です。
やはりEOS R5は、RFレンズを使用してこそ最大限の能力を発揮するので、存分に性能を体感することができるレンズとの組み合わせもおすすめです。
ぜひこの機会にRentio(レンティオ)でレンタルして、気になるカメラやレンズを試して、カメラ選びに役立ててみてください。