Canon EOS R6 Mark II実写レビュー。正当な進化を遂げ次世代のベストセラー機としての可能性を感じる1台
更新日2024/04/24
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各メーカーで高性能ミラーレス一眼の選択肢が増えてきましたが、シリーズによっては早くもマイナーチェンジが行われた2代目以降のモデルの誕生も聞くようになりました。
今回ご紹介していくのは、まさにキヤノンが誇るミラーレス一眼「EOS Rシリーズ」においてスタンダードモデルと呼べる「EOS R6シリーズ」の2代目となる「EOS R6 Mark II」です。
EOS Rシリーズにとって2代目の「Mark II」が誕生するのは初めてのことで、初代EOS R6のヒットを受けてキヤノンの更新スパンとしては非常に短い間隔で2代目の発売となりました。
今回はそんなEOS R6 Mark IIを使用して沖縄・宮古島などで撮影した豊富な作例と、従来のEOS R6との比較を交えた徹底レビューを展開していきます。
もくじ
ミラーレス一眼の展開を進めるキヤノン
カメラメーカー最大手のCanon(キヤノン)では、近年ミラーレス一眼の開発に注力しています。
キヤノンでは、2018年よりミラーレス一眼シリーズとしてEOS Rシリーズの展開を開始し、これまで一眼レフ主体であったラインナップを大きく刷新しています。
レンズマウントに関しても、長年親しまれてきたEFマウントではなく、新規格となるRFマウントを採用しており、対応するRFマウント用のレンズの開発も同時に急ピッチで進められています。
まさにキヤノンの主力製品であり、これからの一眼カメラ市場を牽引していく存在になるでしょう。
Canon EOS Rシリーズ徹底解説。現行9モデルの性能や特徴、価格を比較してご紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
早くもEOS R6シリーズに2代目が登場
今回ご紹介していくのは、キヤノンのEOS Rシリーズの中でも画素数や性能面でバランスが取れていることで人気を集めているEOS R6シリーズの2代目「Canon EOS R6 Mark II」となります。
初代EOS R6の発売は2020年8月ですが、2代目となるCanon EOS R6 Mark IIの発売は2022年12月と、一般的な更新スパンと比較すると早い段階で2代目が登場しました。
EOS Rシリーズで2代目が登場したのは、今回のEOS R6シリーズが初めてのことで、それだけ初代から人気を集め、期待の大きい存在であったと言えるでしょう。
ちなみに私自身も初代EOS R6ユーザーのため、今回のCanon EOS R6 Mark IIと比較したレビューも展開していこうと思います。
従来のCanon EOS R6の実写レビューはこちら
Canon EOS R6実写レビュー。次元の違いを感じる圧倒的な完成度を叶えた最新ミラーレス一眼カメラ – Rentio PRESS[レンティオプレス]
外観レビュー
まずは、ハイアマチュアモデルに位置するEOS R6 Mark IIの大きさや重さ、操作性、機能性など使い勝手を左右する外観面についてご紹介していきます。
現時点では従来のEOS R6も現行モデルであることから、比較対象とされる方もいらっしゃると思いますので、EOS R6との使用感の比較部分についてもご紹介していきます。
フィット感も感じられるコンパクトなサイズ
近年誕生するミラーレス一眼では、持ち運びやすさや撮影時の負担など、携帯性の面も重要視されることが多くなりました。
高性能の一眼レフにおいては、大きくて重いことが当たり前だっただけに、性能を求めるのであれば携帯性が犠牲になることは致しかたないという認識の方も少なくなかったのではないでしょうか。
今回ご紹介していくEOS R6 Mark IIの様な、高性能の一眼カメラにおいても携帯性を両立させたモデルがミラーレス一眼中心の時代になってから急増しました。
フィット感も考えられて設計された小型・軽量のサイズ感
EOS R6 Mark IIにおいても、従来のハイアマチュア~プロフェッショナル向けのレベル機材から考えると、小型軽量化を実現しており、持ち運びや撮影中の負担が大きく軽減しています。
しかし、カメラはただ小さくて軽ければ良いというものでもないことも事実です。
特に撮影時の撮りやすさや安定性というのは重要で、EOS R6 Mark IIは深めのグリップが搭載されていることから、フィット感があり、ホールド性も増していることから、カメラを構えた際の安定性について求められる方にもおすすめできるモデルです。
大半の操作が右手で完結できる操作性
EOS R6 Mark IIのボタン・ダイヤル配置は、カメラボディ裏面から見て右側に集中しています。
ファインダーを覗きながらでもほとんどの操作が行える配慮
右側にボタン類が集まっているとはいえ、ボタンの数自体もさほど多くなく、それぞれの役割についても明確であることから操作性において迷うことはほとんどないと言えるでしょう。
そしてミラーレス一眼特有の電子ビューファインダーを搭載していることから、ファインダーを覗きながらでも右手を動かすだけで簡単に設定変更などを行うことができることも、撮影における俊敏性に長けたポイントです。
左側には「静止画/動画モード切替」、「MEMUボタン」、「RATEボタン」のみを搭載しており、撮影に直接関係性のあるボタンやダイヤルの大半が右側に集中していることが分かるでしょう。
従来モデルから定評のある電子ビューファインダー
従来モデルEOS R6から信頼できた電子ビューファインダー
ミラーレス一眼における重要な機能の1つに「電子ビューファインダー」が存在します。
EOS R6 Mark IIでは、0.5型OLEDカラー電子ビューファインダーを搭載しており、ファインダーを覗いた際にも自然な写りを特徴としています。
電子ビューファインダーの仕様については、従来のEOS R6から変更がありませんが、EOS R6時代から不満点を感じることのない性能であったことから、後継モデルでも同仕様を採用したことで、ファインダーを信頼して撮影を行うことができます。
そしてキヤノンにおける他のEOS Rシリーズと比較しても、0.5型は電子ビューファインダーとして大き目のサイズとなっており、0.39型を採用しているEOS R8よりも大きく優れた点の一つです。
性能レビュー
ここからは、カメラの本質の迫る画質やAF性能などの性能面について細かくご紹介していきます。
近年のミラーレス一眼は、進化の勢いゆえに簡単に差が付きにくいほどの基本水準を達成してしまった印象ですが、そんな中でも私が作例撮影を通じて感じたEOS R6 Mark IIにおける性能の魅力を作品とともにご紹介していきます。
約2420万画素、最新の映像エンジンとイメージセンサー
従来モデルのウィークポイントを克服
EOS R6 Mark IIでは、有効画素数約2420万画素の35mmフルサイズCMOSイメージセンサーを搭載しており、従来のEOS R6よりも画素数が向上しています。
EOS R6は、オールラウンドタイプのモデルとして人気を集め、私自身も愛用者の1人ですが、現代のミラーレス一眼の平均的な画素数よりも劣ることが1つのマイナスポイントでした。
しかし、約2420万画素を実現したことで多すぎず、少なすぎない程よい画素数を叶え、解像感も向上しています。
EOS R6では、画素数が少ないメリットとして圧倒的な高感度耐性を特徴としていましたが、体感としては画素数が向上したEOS R6 Mark IIにおいても、変わらない高感度性能を実現していると感じました。
電子シャッター時最高40コマ/秒の高速連続撮影
ミラーレス一眼が主流になってから連写性能についても一眼レフ時代からは考えられない速度での撮影が可能になりました。
その一因として電子シャッターの採用ですが、従来のEOS R6では約20コマ/秒の高速連続撮影性能を実現し、フラッグシップモデルではないのに驚異的な性能が話題となりました。
人の目でも判別できない一瞬を切り取る
後継モデルとなるEOS R6 Mark IIでは、更に連写性能が向上した最高40コマ/秒の撮影を実現しています。
より細かくコマ数を残すことができることから、コンマ何秒で違った作品となる撮影シーンにおいても決定的瞬間を絶対に逃さない信頼も生まれてきます。
ただ、電子シャッターの弊害であるローリングシャッター歪みについては、高速の被写体を追従するような撮影シーンで見られるため、背景が存在する流し撮り等の撮影シーンにおいては、電子先幕やメカシャッターでの撮影がおすすめです。
ちなみにメカシャッターにおいては、従来のEOS R6から変わらない12コマ/秒の連写性能となっています。
検出する被写体が増え更なる進化を遂げたAF性能
EOS R6 Mark IIでは、キヤノンが伝統的に技術向上を重ねてきた独自のAFシステム「デュアルピクセルCMOS AF II」を搭載しており、他の最新EOS Rシリーズ同様にオートフォーカスにおけるピント合わせが正確かつ高速だけでなく、被写体検出能力も向上しています。
従来のEOS R6においても、被写体を検出して特定の被写体に合わせてトラッキングを行う性能を備えていましたが、EOS R6 Mark IIにおいてはその性能が更に向上しました。
検出することのできる被写体が急増
従来から備わっている人物、犬、猫、鳥、車、バイクに加えて、被写体としての人気の高い馬、鉄道、飛行機を新たに搭載しています。
また、これまでは検出する被写体を自分自身で設定する必要がありましたが、カメラ側が被写体を判別してくれる「自動」にも対応したことで、より賢くなったカメラと言えるでしょう。
私自身、飛行機を被写体として撮影する機会が多いのですが、「自動」で設定した場合にも、しっかりと飛行機を検出し、スポット検出時にはコックピット付近を認知してフォーカスを合わせ続けてくれます。
Canon EOS R6 Mark IIフォトギャラリー
初代EOS R6との違い
既にこれまでの解説等で従来モデル「EOS R6」との比較もご紹介してきましたが、ここからはEOS R6とEOS R6 Mark IIの両モデルの違いだけにフォーカスした解説を展開していきます。
画素数の増加
EOS R6とEOS R6 Mark IIの両者の明確な違いの一つが「画素数の違い」です。
EOS R6では、有効画素数が約2010万画素と、他の最新ミラーレス一眼と比較すると少ないことがウィークポイントとして挙げられていました。
EOS R6 Mark IIでは、しっかりとそこを補う意味でも有効2420万画素を実現しており、近年発売されているミラーレス一眼の平均的な画素数を確保することで、ウィークポイントを克服していると言えるでしょう。
AF性能の向上
両者で搭載されているAFシステムについては、「デュアルピクセルCMOS AF II」と違いが存在しないものの、EOS R6 Mark IIでは、被写体検出性能が大幅に向上しています。
EOS R6では、発売当時は人物(瞳、顔、頭部)または動物(犬、猫、鳥)のみの被写体検出(後のファームウェアアップデートで乗り物にも対応)でしたが、EOS R6 Mark IIでは、検出することのできる被写体が増加しており、新たに馬、鉄道、飛行機の検出が可能となりました。
また、人物に足しても瞳AFで右目、左目などの切り替えも可能となっており、より細かく被写体検出を行うことができる様になっています。
更にカメラ側にどの被写体を撮影しているか判別させ、自動でその被写体に合わせたフォーカスを行ってくれる「自動」機能も搭載されていることから、基本的なAF性能に違いがないとは言え、より緻密なフォーカス合わせを必要とする被写体で違いを感じられる性能を実現しました。
マルチコントローラー、電源ボタンの違い
外観面の違いについては、ボディ背面に搭載されているマルチコントローラーの形状が変更されています。
写真上でも分かりにくい僅かな違いとなりますが、感覚としてはマルチコントローラーを中央にプッシュしやすくなったことが改良点となっています。
また、電源スイッチの場所が従来ボディ上部左側に位置していたことに対して、右側へと移動させ、サブ電子ダイヤル2付近に設置されたため、あらゆる操作が右手のみで行うことができる様になりました。
ボディ内手振れ補正やメカシャッター時の連写速度は変わらない
EOS R6とEOS R6 Mark IIの違いについてご紹介してきましたが、変わらない部分についても数多く存在します。
撮影性能の一つであるボディ内手ブレ補正については、従来から大きな違いはなく、5軸対応最大8.0段の効果となっています。
既にEOS R6の時点で突出した効果を誇る性能であったことから、これ以上の性能向上を現時点で行う必要がないというキヤノン側の判断と言えるでしょう。
また、電子シャッター時における連写速度は40コマ/秒に増加したことも特徴の一つでしたが、メカシャッター時の連写速度はEOS R6と変わらない12コマ/秒となっており、ローリングシャッター歪みが気になる撮影においては、従来と連写速度も変わらないと言えます。
製品仕様表
モデル名 | Canon EOS R6 Mark II |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約36.0×24.0mm) |
映像素子型式 | フルサイズCMOSセンサー |
画像処理エンジン | DIGIC X |
有効画素数 | 約2420万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF II |
フォーカスポイント | 最大4897ポジション |
常用ISO感度 | ISO100~102400 |
シャッター速度 | 1/16000秒※Tv/Mモードのみ、1/8000秒~30秒、バルブ(電子シャッター設定時)/1/8000~30秒、バルブ(メカシャッター、電子先幕設定時) | ボディ内手ブレ補正 | 〇 |
連続撮影速度 | 最高約40コマ/秒(電子シャッター)、最高12コマ/秒(メカシャッター、電子先幕) |
画面 | ワイド3.0型/約162万ドット |
ファインダー | 0.5型/約369万ドットOLEDカラー電子ビューファインダー |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約138.4(幅)×98.4(高さ)×88.4(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約670g |
正統に進化を遂げ王道への道を進む
今回ご紹介してきたEOS R6 Mark IIは、従来モデルEOS R6を正統に進化させ、キヤノンのミラーレス一眼の中でも王道としての道を歩むモデルになると感じました。
EOS Rシリーズのフルサイズモデルでは、上位モデルにEOS R3、高画素モデルにEOS R5、小型軽量としてEOS R8が展開されていますが、最もバランスが取れたオールラウンド機として使えるのは今回ご紹介してきたEOS R6 Mark IIだと思います。
EOS R6のウィークポイントであった画素数も改善させ、進化を感じられるAFにおける被写体検出といった部分が主な従来モデルとの違いになりますが、EOS R6の時点で高い完成度を誇っていただけに、EOS R6 Mark IIで更に磨きがかかったと今回の作例撮影を通して感じるところでした。
バランスに長けたフルサイズミラーレス一眼を探しているのであれば、EOS R6 Mark IIは候補に入れておきたいおすすめの1台となります。
気になるカメラはお試しレンタルで
今回ご紹介してきたEOS R6 Mark IIをはじめ、気になるカメラやレンズはお試しでレンタルすることができます。
カメラ機材は決して安い買い物ではないため、機材選びの時点で失敗は避けたいところです。
そんなとき、カメラのレンタルサービスを活用することで、短期間でも色々なシーンで撮影してみることがおすすめです。
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是非この機会にRentioで気になる機材をレンタルして、失敗しないカメラ選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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