Canon EOS R7実写レビュー。高速撮影に優れた性能を特徴とした待望のRFマウント初のAPS-Cモデル
更新日2024/04/29
ミラーレス一眼カメラカテゴリの人気記事
2018年のEOS Rシリーズ誕生以降、4年目とは思えないスピードで新製品のラインナップが増え続けています。
ラインナップの種類も様々で、今回はEOS Rシリーズとして初となるAPS-Cセンサーを搭載したモデル「Canon EOS R7」をご紹介していきます。
これまでフルサイズセンサー搭載モデルのみ展開されてきたEOS Rシリーズですが、ついにEFマウント同様にAPS-Cセンサーを搭載したモデルの展開も始まります。
今回はキヤノンマーケティングジャパン株式会社様より新製品「Canon EOS R7」をお借りする機会を頂戴し、夏が訪れた沖縄での作例を中心に、EOS Rシリーズ初となるAPS-Cセンサー搭載モデルの実力に迫ります。
もくじ
急速にラインナップ拡充を進めるキヤノンRFマウント
近年急速にラインナップ拡充が進められているキヤノンのミラーレス一眼RFマウント。
2018年に誕生したまだ歴史の浅いシリーズですが、既にレベルに合わせたラインナップが用意されており、現在のキヤノンにおける主力製品として、急速に新商品の開発が進められています。
今回ご紹介していくCanon EOS R7もキヤノンRFマウントで展開されるカメラとして、キヤノンのさらなる躍進を支える存在になります。
Canon EOS Rシリーズ徹底解説。現行8モデルの性能や特徴、価格を比較してご紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
EOS Rシリーズ初のAPS-Cセンサー搭載モデル
今回ご紹介していくCanon EOS R7は、EOS Rシリーズにおいて初めてAPS-Cセンサーを搭載したモデルとなります。
APS-Cセンサーでは、フルサイズセンサーよりも小型のセンサーですが、その分カメラボディの小型化に貢献し、焦点距離もフルサイズの焦点距離×1.6の画角となるため、望遠撮影を多用する方にとって大きなメリットになることも特徴です。
一眼レフEFマウント時代では、APS-Cセンサーを搭載していたモデルも数多く展開されていましたが、ミラーレスRFマウントでも同じようにフルサイズセンサー搭載モデルとして並行して展開されていくことになります。
今回ご紹介していくEOS R7は、EFマウントでのEOS 7DシリーズやEOS 90Dや80Dなどの2桁DシリーズのRFマウント版というイメージが一番近いでしょう。
初心者が気になる「フルサイズ」と「APS-C」の違いを徹底解説。画質、画角、対応レンズに大きな違い – Rentio PRESS[レンティオプレス]
外観レビュー
APS-Cセンサー搭載モデルは基本的にフルサイズセンサー搭載モデルよりも小さく、軽くなる傾向にありますが、RFマウントにおいては初の製品であるため、どれほどの携帯性を実現しているか気になるところでしょう。
ここからは、実際に私がCanon EOS R7の実機を使用した感想と実機写真を基に、外観面についてレビューを行なっていきます。
上位モデルとは思えない小型・軽量ボディ
Canon EOS R7は、EOS Rシリーズ初のAPS-Cセンサー搭載モデルとして誕生しましたが、APS-Cセンサー搭載モデルのラインナップの中では、最上位に位置するモデルとして開発されました。
これまでEFマウントで展開されてきたEOS 7Dシリーズの後継に当たるモデルとなりますが、EOS 7Dシリーズは、エントリーモデルと比較すると大きく、重量感のある携帯性が特徴的でした。
Canon EOS R7を初めて手にしたときの印象は、まるでEOS Kissシリーズの様なコンパクトさを感じました。
これはミラーレス一眼であることに加えて、フルサイズよりも小さいAPS-Cサイズのセンサーを搭載したことで実現した携帯性であることが明確に示されており、「上位モデル=大きく重い」という概念を打ち砕いてくれる存在になります。
バッテリーグリップは未採用
一方でこれまで上位モデルには、オプションとして用意されることの多かったバッテリーグリップがEOS R7では用意されていないことは、これまで一眼レフのEOS 7Dシリーズなどでバッテリーグリップを愛用されていた方にとっては要注意です。
バッテリーの容量に関しては非常に優秀だと感じ、今回1週間程度の宮古島撮影で700枚程度撮影を行いましたが、充電を行ったのは1回のみでした。
加えてCanon EOS R7では、モバイルバッテリーなどの外部給電も可能となっていることから、バッテリーグリップに頼る必要性も低下していることから、採用が見送られた可能性が考えられます。
使いやすさが更に意識されたボタン・ダイヤル配置
Canon EOS R7では、操作性についても変化が見られ、従来液晶画面の横に配置されていたサブ電子ダイヤルをマルチコントローラーと融合させています。
AFポイントの調整などで使う頻度の高いマルチコントローラーですが、ダイヤルが合わさったことでより利便性が高くなり、ファインダーから目を離す必要がなく、素早く設定を行うことに貢献しています。
EOSでは、進化を重ねる毎にボタンやダイヤルの配置がシンプルになっており、使いやすさが追及された結果というのが窺えます。
一眼レフ時代よりもよりスピーディーに設定を行うことができる様になり、高速撮影への対応は、このような操作性からも考えられています。
安心感が増すダブルスロットの採用
Canon EOS R7では、2枚のSDカードを挿入することのできるダブルスロットを採用しており、重要なデータの紛失のリスクを極限まで軽減させることができます。
2枚のSDカードを同時に挿入した場合の記録方法も様々で、「同時書き込み」はもちろん「静止画/動画の振り分け」や「自動切り換え」などにも対応しており、自身のスタイルに合わせて活用することができます。
個人的には、「同時書き込み」できることによって、SDカードの破損などによるデータの消失リスクが大きく軽減できることがダブルスロットにおける大きな強みだと感じていて、安心した撮影を行うことができるメリットとしておすすめです。
性能レビュー
これまで展開されてきたEFマウントの上位APS-Cモデルと比較しても驚きの携帯性を叶えたCanon EOS R7ですが、小型化されていることによる性能面への影響も気になるところでしょう。
ここからは、Canon EOS R7の発売から間もない梅雨明け7月の沖縄・宮古島で私が実際に撮影した作例を中心に、撮影感覚とともに性能面について細かくレビューしていきます。
APS-Cモデルとして高画素約3250万画素
Canon EOS R7では、APS-Cセンサーを搭載していますが、これまでEFマウントでのモデルで採用されてきた画素数は、2000万画素台が一般的(EOS 90Dを除く)でした。
しかし、Canon EOS R7では、約3250万画素とAPS-Cセンサーモデルとしては高画素を採用していることも特徴です。
描写面では、フルサイズ機同様にキヤノンの安定した発色と、DIGIC Xが魅せる圧倒的な解像力は、これまで一眼レフを含めるEOSシリーズで展開されてきたAPS-Cセンサー搭載モデルの中でも最高クラスを誇ります。
今回、作例撮影を行ってみて、特に感動したのが高感度撮影時における写真の仕上がりです。
基本的に高感度撮影において、APS-Cセンサーはフルサイズセンサーに大きく劣り、ノイズの増加やディティールの消失が顕著になりますが、EOS R7においてはこれまでよりも数段階ISOを上げた撮影が可能になっていると感じました。
感覚的な話にはなりますが、EOS R7はフルサイズ一眼レフのEOS 5D Mark IVと同レベルの高感度耐性を実現していると感じました。
動体撮影に最適なAF性能を実現
EFマウント時代のAPS-Cセンサー搭載の最上位モデルであったEOS 7Dシリーズの後継に当たるEOS R7ですが、EOS 7D時代から動体撮影に最適なAF性能を特徴としていました。
EOS R7でもその特徴は健在で、最新技術を採用することにより一眼レフ時代よりも更に高速で正確なAF動作も体感することができます。
採用されているデュアルピクセルCMOS AF Ⅱは、まさに動体撮影を配慮してトラッキングを前提としたシステムで、被写体の種類に応じた検出性能を有しています。
測距可能エリアも横最大100%×縦最大100%と広範囲で、被写体が画面のどの場所に配置しても正確かつ高速なオートフォーカスを実現しています。
日頃から私のメインの被写体である旅客機の撮影を今回のEOS R7でも行いましたが、AFの速度や追随性能については申し分なく、いかなるシーンにおいてもピントが外れる様なことはありませんでした。
基本的にAIサーボの設定で撮影を行いますが、ファインダーを覗きながらAF動作の様子を見ても、機首・尾翼など認識するフォーカスポイントにバラつきはあるものの、しっかりと機体胴体にフォーカスを捉え、機体全体が鮮明に写るAF性能を体感しました。
メカシャッター時でも最高約15コマ/秒の高速連続撮影
Canon EOS R7では、高速で精度の高いAF性能に加えて高速で動く被写体の決定的瞬間を逃さない高速連続撮影性能も大きな魅力です。
電子シャッター時には、他のEOS Rシリーズにおける上位モデル同様に最高30コマ/秒の性能を叶えており、瞬間を捉える必要のある撮影シーンで違いを見せてくれます。
また、モータースポーツやゴルフや球技などスポーツ撮影においては、ローリングシャッター歪みが気になることもあり、メカシャッターでの撮影を好まれる方もいらっしゃると思います。
Canon EOS R7では、メカシャッター使用時の連続撮影速度が、EOS Rシリーズ史上最速の約15コマ/秒を実現しました。
これだけの高速連続撮影性能を実現したことからバッファ容量についても懸念される方も少なくないと思いますが、RAW+JPEGの記録でも連続撮影可能枚数は約46枚(条件や使用するメモリーカードに応じて異なります)と、必要十分な性能であると感じました。
実際に撮影を行っていてもバッファ不足による連続撮影速度の低下に悩まされることはありませんでした。
Canon EOS R7は、高速AFと高速連写で、まさに動体撮影に最適な性能を備えた1台と言えるでしょう。
最高8.0段分の効果を叶えたボディ内手ブレ補正
EOS R5/R6でキヤノンのEOS初搭載となったボディ内手ブレ補正機構ですが、今回ご紹介しているCanon EOS R7においても一つの特徴としています。
Canon EOS R7では、最高8.0段分の手ブレ補正効果を実装しており、ボディ内手ブレ補正機構未搭載のモデルと比較すると大きな違いがあります。
特にCanon EOS R7の場合、APS-Cセンサーを搭載していることで、焦点距離の面でも望遠側でフルサイズセンサー機よりもメリットが存在することから、超望遠撮影を目的とされる方も多いと思います。
超望遠撮影になるほど手ブレが生じやすくなることから強力な手ブレ補正効果を実現していることは、Canon EOS R7にとっても大きな魅力となります。
Canon EOS R7を使って写す夏の情景
今回の作例撮影を行った沖縄・宮古島の撮影ガイドはこちら
[2022最新] 沖縄・宮古島絶景スポット12選。通い詰めた筆者がおすすめする離島の必見ポイントをご紹介 | Rentio TRAVEL
製品仕様表
モデル名 | Canon EOS R7 |
---|---|
撮像画面サイズ | APS-C(約22.3×14.8mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
画像処理エンジン | DIGIC X |
有効画素数 | 約3250万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF |
フォーカスポイント | 最大5915ポジション(静止画) |
常用ISO感度 | ISO100~32000 |
シャッター速度 | 1/16000秒~30秒・バルブ(電子シャッター設定時)、1/8000~30秒・バルブ(メカシャッター/電子先幕設定時) | ボディ内手ブレ補正 | 最大8.0段 |
連続撮影速度 | 最高約30コマ/秒(電子シャッター)、最高約15コマ/秒(メカシャッター/電子先幕) |
画面 | バリアングル式3.0型/約162万ドット |
ファインダー | 0.39型/約236万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約132.0(幅)×90.4(高さ)×91.7(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約612g |
フルサイズと2台持ちの候補におすすめ
今回ご紹介してきたCanon EOS R7ですが、初のAPS-Cセンサー搭載モデルながら、期待以上の性能を叶えている印象です。
私自身、EFマウント時代にEOS 6Dシリーズ(フルサイズ)とEOS 7Dシリーズ(APS-C)の2台体制で撮影に臨むことが多かったのですが、今回のEOS R7の登場を受けて、フルサイズ機との2台持ちを真剣に検討するようになりました。
APS-C機といえど、これまでのAPS-C機とは比にならないほどの性能を特徴としており、高画素化、より動く被写体に特化したAF性能、決定的瞬間を逃さない驚異的な高速連続撮影性能など、EOS R7を1台持っているだけでもあらゆる撮影シーンで圧倒的な能力を発揮します。
とはいえ、改善した高感度撮影に関してもEOS R6には到底及ばないところではあるため、このあたりのバランスを考えるとフルサイズ、APS-Cの2台体制がおすすめなところです。
Canon EOS R7はレンタルできる
今回ご紹介してきたCanon EOS R7をはじめ、気になるカメラはお試しでレンタルすることもおすすめです。
カメラの良さというのは、個人によって感じ方も変わってくるので実際に購入前に使ってみるというのは後悔しないためにも大切です。
そんなとき、カメラのレンタルサービスを利用することで、自分に合った機材であるかを確かめることができます。
Rentio(レンティオ)では、気になるカメラやレンズを最短3泊4日から気軽にレンタルすることができます。
是非この機会にRentioで気になるカメラをレンタルして、失敗しないカメラ機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
[レンタル] CANON EOS R7 ボディ ミラーレス一眼|中古・点検済み・保証付き – Rentio[レンティオ]
おすすめのミラーレス一眼紹介はこちら
2023年最新おすすめミラーレス一眼カメラ15選!初心者でも失敗しないカメラの選び方 – Rentio PRESS[レンティオプレス]