Canon EOS R10実写レビュー。初心者にも優しい操作性とワンランク上の性能を両立させたミラーレス一眼
更新日2024/11/14
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2020年から2021年にかけてはフルサイズミラーレス一眼の発売ラッシュだったと言えるでしょう。
2022年になると、ミラーレス一眼におけるラインナップの幅は更に広がり、最大手のキヤノンではEOS Rシリーズで初となる「APS-Cセンサー」搭載モデルを発売しました。
6月にはCanon EOS R7が発売となりましたが、今回ご紹介していくのは7月28日に発売となった同じくAPS-Cセンサーを搭載した「Canon EOS R10」です。
EOS R7より下位モデルとなるEOS R10ですが、キヤノンのラインナップにおいてどのような位置付けであるのか、どのような特徴を有しているのか、実機写真や実際に私が撮影した作例を基に、解説を行っていきます。
今回もキヤノンマーケティングジャパン株式会社様より、発売前に機材をお借りする機会を頂戴し、沖縄や東京都内で撮影したスナップ写真を中心に作例も豊富にご紹介していきます。
もくじ
拡充進むキヤノンのミラーレス一眼シリーズ
キヤノンは直近でミラーレス一眼に特化したラインナップの展開を進めています。
2018年より展開が進められているEOS Rシリーズは、展開開始当初から最近までフルサイズセンサー搭載モデルのみのラインナップで、中上級者向けのモデルの開発に注力してきた印象です。
今回ご紹介していくEOS R10と同時発表で、先に発売となったEOS R7では、同社が展開するEOS Rシリーズで初のAPS-Cセンサー搭載モデルとして話題を呼びましたが、今回ご紹介するEOS R10もAPS-Cセンサーを搭載し、EOS R7よりも下位モデルとして価格が抑えられたモデルとなります。
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エントリー層にもおすすめのAPS-Cモデル
今回ご紹介していくCanon EOS R10は、キヤノン公式サイト上ではミドルクラスに位置するモデルとして掲載されていますが、初心者にもおすすめのモデルだと私自身は感じています。
キヤノンでは、初心者向けのカメラシリーズとしてEOS Kissシリーズを展開していますが、EOS Kissシリーズよりもワンランク上も求める方におすすめのカメラです。
EOS Kissは、どちらかというと日々の記録(子どもの成長や家族、友人との思い出)に適したカメラですが、EOS R10は、これからカメラをはじめるけど趣味としてカメラを続けていきたいという方に最適なモデルと言えるでしょう。
上位モデルとして既にEOS R7が発売となっていますが、それよりも価格を抑え、小型・軽量のサイズ感ながらも本格的な撮影を叶えてくれる存在として、今回のレビューでも魅力を存分にご紹介していきます。
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外観レビュー
ここからは、Canon EOS R10の実機を使用して私が実際に感じた点を中心にレビューを展開していきます。
まずは、EOS RシリーズにおいてEOS R7と同じくAPS-Cセンサー搭載モデルとして誕生したEOS R10の大きさや重さ、機能性における外観面に特化して解説を行っていきます。
EOS Rシリーズ最小・最軽量ボディ
Canon EOS R10は、発売時点でEOS Rシリーズの中で最小・最軽量を実現しています。
Canon EOS R10では、イメージセンサーにAPS-Cサイズを採用し、これまでEOS Rシリーズで展開されてきたフルサイズセンサーよりも小さいセンサーとなっています。
このセンサーサイズによってカメラボディの小型化にも貢献しており、収納スペースにも困らない携帯性を叶えています。
また、重さに関してもバッテリーやSDカードを含めても約429gと、軽量化も実現しており、持ち運びに負担になることはなく、いつでも持ち歩きやすいことで撮影のモチベーション向上にも繋がってきます。
シンプルながらも優れたカスタマイズ性
Canon EOS R10のボタンやダイヤル類は非常にシンプルな構成となっており、使い方を迷う心配はあまり無いと言えるでしょう。
シンプルな配置ながらも自分好みの設定などを割り当てることのできるカスタマイズ性にも優れている印象を受けました。
カメラ上部のモードダイヤル横に設置されたサブ電子ダイヤルには、「絞り値」「シャッタースピード」「ISO感度」「露出補正」「AFエリア選択」「ピクチャースタイル選択」などの機能を割り当てることができ、ご自身が特によく使う機能を割り当てることがおすすめです。
今回の宮古島での撮影においては、PLフィルターの有無によるISO感度の切り換えの頻度が高かったので、ISO感度調整をサブ電子ダイヤルへと割り当てましたが、スピーディーに調整することができるメリットを感じました。
また、サブ電子ダイヤルの近くにはマルチコントローラーも設置されており、AFポイントの調整などはマルチコントローラー側でスムーズに行えることから、コントローラーやダイヤルを探すことなく、ファインダーを覗いたまま感覚的に設定を行えることに感動しました。
0.39型、約236万ドットの電子ビューファインダー
ミラーレス一眼の場合、電子ビューファインダーが搭載されていますが、歴代で展開されてきたEOS Rシリーズ同様に、非常に見やすく、はじめてミラーレス一眼を使用される方にとっても違和感を覚えることは無いでしょう。
視野率は約100%を実現し、ファインダーで見えているそのままの姿を写真として収めることができ、撮影時と仕上がる写真で画角が異なる様な心配もありません。
また、電子ビューファインダーは、通常センサーが反応した際のみ表示されますが、誤作動を防ぐためにも電子ビューファインダーの常時表示や、モニター常時使用、バリアングルモニター展開時はモニター固定などの設定もカメラ側で行うことができます。
性能レビュー
EOS Rシリーズ史上最小・最軽量を叶えたEOS R10ですが、当然ながらカメラとしての性能も気になるところかと思います。
ここからは、私が実際に沖縄や東京都内で撮影した作例とともにCanon EOS R10における撮影性能面について解説していきます。
高画質を叶えるイメージセンサーと映像エンジンDIGIC X
Canon EOS R10では、新開発の有効約2420万画素のAPS-CサイズのCMOSセンサーを搭載しています。
フルサイズには及ばないものの、大型のセンサーであることから繊細な解像感や階調豊かな描写力を特徴としており、一眼カメラらしい高画質を体感することができます。
そしてEOS R10では、最新の映像エンジン「DIGIC X」を採用し、新開発のCMOSセンサーと組み合わせたことによる高画質化が著しく、APS-Cセンサーとフルサイズセンサーの間で差が出やすい高感度撮影においても、EOS R7ほどではないものの、従来のAPS-Cセンサー搭載モデルよりも大幅な進化を感じられました。
価格帯からは想像もつかないAF性能
Canon EOS R10の性能で最も特徴的なのが、価格帯からは考えられない驚異的なAF性能です。
これまでAF性能は、グレードが低下するのと並行して性能も低下することが一般的でしたが、EOS R10におけるAF性能は、これまでのミドルクラスの常識を覆す性能を叶えました。
EOS R10では、「デュアルピクセルCMOS AF II」を採用しており、被写体を検出している場合には画面全域でフォーカスのトラッキングが可能で、一度捕まえた被写体へのフォーカスが外れることはありません。
また、カメラ側が被写体を判断してトラッキングを行う「EOS iTR AF X」を搭載していることで、人物、動物、乗り物に対する追随性能が特に優れています。
元々、オートフォーカスには定評のあるキヤノンの一眼カメラですが、直近における技術力の進化は特に著しく、最上位モデルでなくても想像以上に優れた性能を実現しています。
上位モデルに劣らない高速連写速度
Canon EOS R10では、クラスからは考えられないAF性能を実現しているとご紹介してきましたが、AF性能を活用した高速連続撮影速度も特徴の一つです。
メカシャッター/電子先幕使用時においては、上位モデルであるEOS R7と並んでEOS Rシリーズ最速(※EOS R10発売時点)となる最高約15コマ/秒の高速連続撮影速度を叶えています。
かつてサーボAFを使用することで連続撮影速度が低下するモデルも珍しくありませんでしたが、EOS R10においてはサーボAF使用時でも対応レンズ等による制約はあるものの、速度が低下することなく撮影することができます。
また、電子シャッターを使用する場合には最高23コマ/秒の高速連続撮影に対応しており、こちらもこれまでミドルクラスでは実現することの無かった領域を実装しています。
AF性能と合わせて高速撮影性能に優れていることから、飛行機やモータースポーツ、スポーツ、鳥、動物といった動きが俊敏な被写体に撮影におすすめなカメラなのです。
Canon EOS R10で写す夏の沖縄
製品仕様表
モデル名 | Canon EOS R10 |
---|---|
撮像画面サイズ | APS-C(約22.3×14.9mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
画像処理エンジン | DIGIC X |
有効画素数 | 約2420万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF |
フォーカスポイント | 最大4503ポジション(静止画) |
常用ISO感度 | ISO100~32000 |
シャッター速度 | 1/16000秒~30秒・バルブ(電子シャッター設定時)、1/4000~30秒・バルブ(メカシャッター/電子先幕設定時) | ボディ内手ブレ補正 | – |
連続撮影速度 | 最高約23コマ/秒(電子シャッター)、最高約15コマ/秒(メカシャッター/電子先幕) |
画面 | バリアングル式3.0型/約104万ドット |
ファインダー | 0.39型/約236万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約122.5(幅)×87.8(高さ)×83.4(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約429g |
使いやすさと性能を両立させたミラーレス一眼
今回ご紹介してきたCanon EOS R10ですが、初心者でも使いやすくエントリー向けとしてもおすすめできますが、従来のエントリーモデルとは比較にならない高性能を叶えたモデルです。
EOS Rシリーズとしては、最小・最軽量のコンパクトさを実現し、片手でも十分に撮影できるほどの軽さは、撮影への負担を大きく軽減してくれます。
この携帯性を誇りながらもEOS Rシリーズだからこその画質、AF性能、高速連続撮影速度が失われていないのは、技術力の進化を感じられるところです。
EOS Kissシリーズほど初心者向けに特化している訳ではないものの、中上位機に迫る性能を有しながら初心者でも使いやすさが意識された操作性や携帯性がEOS R10における魅力と言えるでしょう。
当然ながら上位モデルとの価格差についても配慮されていることから、予算や自分の求めるレベルに合わせた選び方も行うことができます。
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Canon EOS R10はレンタルできる
今回ご紹介してきたCanon EOS R10をはじめ、気になるカメラやレンズはレンタルでお試しすることもできます。
カメラの実力や自分に合ったかどうか見極めるためには、一定期間使ってみることが一番おすすめの手段となります。
そんな時に有効活用することができるのが、カメラのレンタルサービスなのです。
Rentio(レンティオ)では、EOS R10以外にも豊富なラインナップから自由でお得にレンタルすることができます。
例えば、先の発売となったEOS R7との比較なども購入するよりも遥かに低価格で行うことができ、どちらを購入するか迷われている方にもおすすめのサービスです。
是非この機会にRentioで気になるカメラやレンズをレンタルして、カメラ機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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