Canon RF600mm F11 IS STM実写レビュー。前代未聞の携帯性と実用的な性能を叶えた超望遠単焦点レンズ
更新日2024/07/17
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続々と新製品の発表が行われるミラーレス一眼関連の商品。
あまりの発表ペースに追いきれていないということもあるのではないでしょうか。
今回は、キヤノンが展開するミラーレス一眼「RFマウント」において、新しいコンセプトを採用した単焦点レンズ「RF600mm F11 IS STM」をご紹介していきます。
超望遠域をカバーしたレンズながら、携帯性も兼ね備えており、気になるF値の暗さを含めて実際に撮影した作例を基に実力をご紹介していきます。
もくじ
ラインナップが続々と増加するRFマウント
一眼カメラ市場で常に存在感を示しているキヤノンが近年力を入れて開発を行っているのが、ミラーレス一眼である「RFマウント」です。
2018年に新規格として誕生したRFマウントですが、すっかりキヤノンにおける主力製品としての存在感を高めており、急ピッチで製品開発が進められている印象です。
今回ご紹介していくRF600mm F11 IS STMもRFマウント用の単焦点レンズとして開発され、次世代を担うマウントのラインナップを充実させる存在です。
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EFマウントでは存在しなかったライトな超望遠単焦点レンズ
RFマウントで展開されるレンズの多くは、EFマウント時代のラインナップをカバーする形で新開発が行われた製品が多いですが、今回ご紹介するRF600mm F11 IS STMは、EFマウント時代にも存在することのなかった新しいコンセプトで開発されました。
これまでも超望遠域をカバーした単焦点レンズは存在したものの、どれもが桁違いの価格で明るさも兼ね備えた超大型の存在でした。
しかし、RF600mm F11 IS STMは、超望遠の単焦点レンズとしては、非常にコンパクトで価格も低価格を叶えたライトな超望遠単焦点レンズとして新たに誕生しました。
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外観レビュー
ここからはRF600mm F11 IS STMの実機を使用してレビューを行っていきます。
まずは全く新たなコンセプトとなったRF600mm F11 IS STMにおける、大きさや重さ、デザイン性などの外観面について実機写真を基に解説していきます。
超望遠単焦点レンズとして驚異的な携帯性
通常、超望遠レンズは大きく重くなる傾向にあり、単焦点レンズの場合は更にその傾向が顕著になります。
しかし、今回ご紹介するRF600mm F11 IS STMは、持ち運びや手持ち撮影でも実用範囲の携帯性を実現しています。
写真の通り、EOS R6に取り付けた場合でも大き過ぎる印象はなく、日常の撮影における選択肢の一つになります。
重さも930gと、これまでの超望遠単焦点レンズとは比較にならない軽量化を実現しました。
収納時は沈胴構造を採用
RF600mm F11 IS STMでは、持ち運びの際など収納時にはレンズ自体が伸縮する沈胴構造を採用しており、撮影時以外は更にコンパクトになる仕様となっています。
撮影時には、レンズを伸ばして撮影可能状態にする必要があるため、一手間かかりますが、この構造こおかげで収納時は約199.5mmまで全長の縮めることができます。
これまで600mmクラスのレンズは、必要な撮影以外ではできれば持ち歩きたくない存在でしたが、こちらのRF600mm F11 IS STMは、気軽に持ち歩くことのできる超望遠レンズとして重宝するでしょう。
性能レビュー
続いて、RF600mm F11 IS STMを使用して撮影した作例を基に、画質や気になる暗さの影響など、性能面のレビューを行っていきます。
大幅に小型・軽量化を叶えた超望遠単焦点レンズという新しいジャンルだけに、撮影できるシーンも例に挙げながらご紹介していきます。
携帯性の代わりに犠牲となった明るさ
驚異的な携帯性を叶えたRF600mm F11 IS STMですが、その傍ら犠牲になった部分も存在します。
RF600mm F11 IS STMでは、レンズ名の通り、開放F11という暗いレンズであることも特徴的です。
このことからシャッタースピードが自ずと低下する傾向にあり、ISO感度を上げるなどの対策が必要となります。
近年のEOS Rシステムにおける高感度耐性は非常に優秀で、ISO100とISO800で大きく変わることのない高感度撮影を叶えています。
このことからF11という暗くシャッタースピードの稼ぎにくいF値においても、撮影に支障のない性能を有しているからこそキヤノンが新たに開拓したジャンルと言えるでしょう。
唯一、暗いレンズであることから、ボケ表現で活用できるレンズではないことがデメリットと言えるでしょうか。
単焦点レンズとしての解像力は特徴的
RF600mm F11 IS USMは、これまでの600mmの単焦点レンズと比較して、圧倒的に安価で軽量化が行われていることから、画質に対する心配は誰しもが感じることかと思います。
今回実際にRF600mm F11 IS USMを使用してみて、結論として想像以上の解像性能を体感することができました。
もちろんEF600mm F4L IS III USMなど、純正Lレンズと比較すると、その画質には差が出てきますが、RF600mm F11 IS USMは、非常にシャープな仕上がりで、とても10万円以下で購入できるレンズとは思えない画質を実現しています。
今回撮影シーンの一つとして、釣り船から離陸する飛行機を狙う撮影を行いましたが、EOS R6との組み合わせでピントは中央部分でしか合焦しませんが、AFが迷うこともなく、安定した描写へと仕上がっていました。
暗さを補う手ブレ補正機構
RF600mm F11 IS USMでは、約5段分の手ブレ補正機構を搭載しており、暗さでシャッタースピードが低下する際の手ブレ抑制をサポートしています。
望遠撮影において、手ブレの発生は常に課題であり、手ブレ補正機構の有無による写真への変化は非常に大きいと言えるでしょう。
RFマウントでは、EOS R5やEOS R6、EOS R3などのボディ内手ブレ補正と協調して手ブレ補正効果が増加する協調IS機能も特徴としていますが、残念ながらRF600mm F11 IS USMにおいては、この協調ISには非対応となっており、レンズ側のみの手ブレ補正となります。
RF600mm F11 IS STMで写す超望遠
製品仕様表
モデル名 | Canon RF600mm F11 IS STM |
---|---|
焦点距離 | 600mm |
明るさ | F11 |
レンズ構成 | 7群10枚 |
絞り羽根 | なし |
最短撮影距離 | 4.5m |
最大撮影倍率 | 0.14倍 |
最小絞り | F11(絞りF11固定) |
手ぶれ補正効果 | 5段分 |
フィルター径 | 82mm |
最大径 | φ93.0mm |
長さ | 269.5mm |
質量 | 約930g |
敷居の下がった超望遠単焦点レンズ
今回ご紹介してきたRF600mm F11 IS STMおよび同時期に発表となったRF800mm F11 IS USMは、超望遠域をカバーする単焦点レンズの敷居を大きく下げる存在と言えるでしょう。
これまで超望遠域をカバーした単焦点レンズは、100万円を軽く超えてくるようなとても気軽に使っことのできる存在ではありませんでしたが、大幅に価格が抑えられていることも敷居の下がった点でもあります。
また、持ち運びの面でも難点としていた超望遠の単焦点レンズですが、1kgを下回る軽量化を実現したことで、気軽に使えるという面でも新しい存在になりました。
元々使えるシーンが限られる超望遠の単焦点レンズですが、気軽に使うことのできる存在としておすすめです。
気になるカメラレンズはお試しできる
今回ご紹介してきたRF600mm F11 IS STMですが、購入前にお試しされることがおすすめです。
数あるレンズから自分に合ったレンズを選ぶことは非常に難しいことで、実際に使ってみることがレンズ探しにおける最大の近道と言えるでしょう。
そんな時、カメラレンズのレンタルサービスがおすすめです。
RF600mm F11 IS STMの様に、使うシーンが限られるレンズにおいては、購入前のお試し以外にも、使いたいときだけレンタルするという活用法もおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、RF600mm F11 IS STMをはじめ、カメラレンズを豊富なラインナップから自由に選んでレンタルすることができます。
是非この機会にRentioで気になるレンズをレンタルし、自分に合ったレンズ選びに役立ててみてはいかがでしょうか。