Canon RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM実写レビュー。伝統と進化が感じられる次世代の王道超望遠ズームレンズ
更新日2024/07/17
交換レンズカテゴリの人気記事
デジタルカメラ最大手のキヤノンでは、2018年以降、主力製品をミラーレス一眼へと大きくシフトしました。
新たに誕生した「RFマウント」は、ミラーレス一眼用に設計されたマウントで、新たな規格に伴ってレンズの開発も急速に進められています。
RFレンズでは、EFレンズにも存在した伝統的な仕様を継承していることはもちろん、新たな技術力からEFレンズとは異なる仕様が採用されているレンズも存在します。
今回ご紹介していくのは、キヤノンが誇る高級Lレンズから超望遠域をカバーするズームレンズ「RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM」です。
EFレンズにおけるEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMの実質的な後継モデルとなるレンズですが、その実力を今回ヨーロッパで撮影した旅客機の写真とともに、徹底レビューを行っていきます。
もくじ
急速にラインナップ拡充を進めるRFレンズ
今キヤノンにおける一眼カメラの主力は、ミラーレス一眼のRFマウントとなっています。
RFマウントは2018年に新開発されたマウント規格で、新しさを感じるマウントですが、既に数多くのレンズラインナップが展開されています。
これまで一眼レフのEFマウントで展開されていたレンズジャンルをカバーしながら、EFマウント時代から焦点距離域や性能に変化を加えた製品が誕生していることもRFマウントにおける特徴です。
今回ご紹介していくRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMも最新のRFマウント用レンズとして開発され、RFマウントにおける初の超望遠ズームレンズとして誕生しました。
Canon(キヤノン)RFマウントおすすめのレンズ14選。次世代を担う高性能レンズから厳選してご紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
伝統を更に進化させた超望遠Lレンズ
今回ご紹介していくRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMをEFマウントのレンズで例えるなら、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMが該当するでしょう。
しかし、EFマウント時代の仕様をそのまま採用した訳ではなく、焦点距離域の違いや明るさの違いが生じています。
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMの発売から既に7年以上が経過していますが、その間にRFマウントの誕生だけでなく、メーカー側の技術力にも大きな進歩が見られます。
RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMでは、EFマウント時代のEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMで人気のあったポイントを継承しながら、更に焦点距離域の幅が広がったことや、光学性能が向上しているなどのレンズとしての進化が見られます。
[2022最新]おすすめ望遠レンズ14選。実際に使って感じた望遠レンズの魅力や選び方を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
初心者でもすぐ分かる「望遠レンズ」の使い方。癖のある望遠撮影の注意点やテクニックを徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM実写レビュー記事はこちら
Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM実写レビュー。誰もが憧れる王道レンズの実力を現役カメラマンが紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
外観レビュー
ここからは、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMの実機を使用したレビューを展開していきます。
まずは、100mm焦点距離域が広がったことによる大きさ等の変化が気になる外観面について、実機写真とともにご紹介していきます。
伝統の白レンズデザイン
キヤノンでは、伝統的に高級レンズにおけるブランドの差別化を行っており、「Lレンズ」や「白レンズ」の愛称で親しまれています。
「白レンズ」と呼ばれるのは、Lレンズの中でも望遠系の製品で、通常黒を基調としたデザインとは対照的に白を基調としたデザインであることから名付けられています。
この白を基調としたデザインは、高級・高性能の証でもあり、キヤノンユーザーなら誰もが憧れる存在と言えるでしょう。
今回ご紹介していくRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMも高級「Lレンズ」に属する超望遠ズームレンズで、伝統のデザインがそのまま採用されています。
EF100-400mmのユーザーなら違和感のないサイズ感
今回ご紹介しているRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMは、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMのRFマウント版の様にご紹介しましたが、望遠側で100mm伸びていることがお分かり頂けると思います。
望遠側を強化したことでレンズのサイズ感にどのような変化がもたらされるのか、EFマウントからRFマウントへ乗り換えを検討されている方にとっては特に気になるでしょう。
EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMでは、(寸法)であったことに対して、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMでは(寸法)と両者に大きな違いはないことが数字上からも分かります。
私自身、日頃からEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMを使用する機会が多いですが、今回RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMを使ってみても、携帯性や手持ち撮影における感覚の違いは、ほとんど感じることがありませんでした。
望遠側が強化されながらも、携帯性は維持されたため、焦点距離域の拡大は、単純なメリットとなっています。
使い心地の良いリング類の滑らかさ
RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMでは、レンズに3つのリングが搭載されています。
焦点距離を変えるズームリング、ズームリングの回転の緩さを調整するリング、マニュアルフォーカス時のフォーカスリングが搭載されています。
このリング類における微調整のしやすさもレンズによって異なる性能ですが、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMでは、どのリングも緩すぎず、硬すぎずとストレスを感じることはありませんでした。
ズームリングにおいては、硬さを自分の好みやシーンによって調整することができるため、画角の調整については自分好みへとカスタマイズすることもできます。
性能レビュー
ここからは、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMを使って撮影した旅客機の作例を基に、性能面についてご紹介していきます。
RFマウントが主流となった今、様々なレンズのレビューを行ってきましたが、超望遠域のレンズについてもどれほどの品質を叶えているのか、検証していきます。
Lレンズだからこその解像力
Lレンズを使ったことのある方であれば、その優れた解像力に一度は感動しているでしょう。
RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMも高級Lレンズに属するモデルとして安定かつ抜群の解像力を魅力としています。
正直、昔からLレンズでは最高峰の解像力を叶えていたことから、画質における目に見えるほど劇的な変化というのは無いですが、遠くの被写体の小さい文字などもしっかりと解像するほど、等倍表示にしたときの感動が大きいです。
焦点距離域が広がったことで望遠側の画質を懸念とされる方もいらっしゃると思いますが、ズーム全域で解像力か低下するということはなく、どの焦点距離においても周辺減光の影響も少なく、安定した高画質を実現しています。
フルサイズで恩恵を受ける100mm分の余裕
発売時点でRFマウントに対応するカメラは全てフルサイズセンサーを搭載したモデルとなります。
EFマウントでは、APS-Cサイズのセンサーを搭載し、焦点距離が実質1.6倍された画角になることで、望遠側が欲しいときはエクステンダーの他にAPS-Cセンサー搭載モデルを使うという解決策もありました。
しかし、現状RFマウントでその解決策を行うことができず、撮影シーンによっては「400mm」では足りないという場面も出てくるでしょう。
そしてEFマウント時代から、サードパーティ製レンズメーカーによる超望遠ズームレンズが人気を集めており、400mmが限界であった純正の超望遠ズームレンズは、画角の面で劣っている印象もありました。
そして、焦点距離における「100mm」の違いは非常に大きく、「400mm」から「500mm」になったことで、表現の幅は更に広がったと実際に使ってみても感じました。
EOS Rで超望遠撮影するならという1本
今回ご紹介してきたRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMは、キヤノンのおける次世代「EOS R」シリーズと超望遠レンズの組み合わせで最適な存在となります。
超望遠域では、RF100-400mmも存在しますが、今回のRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMでは、「Lレンズ」としての描写力が光る性能の高さは、大きな魅力で、カメラ性能で優れたEOS Rシリーズにおいては、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMの方が適していると言えるでしょう。
私自身、航空機をメインに撮影する機会が多く、今回のRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMのテストは非常に楽しみでしたが、期待通りの性能を叶えており、EF100-400mm F4.5-5.6L IS USMを愛用していた身からしても、違和感の無い操作感や、使い勝手の良さを感じました。
RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMで写す欧州エアライナー
製品仕様表
モデル名 | Canon RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM |
---|---|
焦点距離 | 100-500mm |
明るさ | F4.5-7.1 |
レンズ構成 | 14群20枚 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.9m(100mm時) |
最大撮影倍率 | 0.33倍(500mm時) |
最小絞り | F32-51 |
手ぶれ補正効果 | 最大6.0段分(ボディー内手ブレ補正との連携) |
フィルター径 | 77mm |
最大径 | 約φ93.8mm |
長さ | 207.6mm |
質量 | 約1,370g |
超望遠Lレンズの王道的存在に
今回ご紹介してきたRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMは、まさにEFマウントのEF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMと同じように王道的存在になることが期待されています。
キヤノンが誇る高級Lレンズに属しており、圧巻の描写力はもちろん、EFマウント時代よりも100mm望遠側が広がったことによる画角の余裕もRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMにおける大きなメリットと言えるでしょう。
私自身も長年EF100-400mm F4.5-5.6L IS USMを愛用してきましたが、RFマウントが主流になった今、RF100-500mm F4.5-7.1L IS USMへの乗り換えには全く違和感がなく、感覚を維持したまま撮影に臨むことができるレンズだと感じました。
今回は、航空機の写真を中心に作例を展開してきましたが、もちろん航空機以外にも鉄道や車、動物、風景写真などでも存分に活用できる存在としておすすめです。
気になるカメラレンズはお試しできる
今回ご紹介してきたRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMですが、EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMを愛用される方にとっては、乗り換えるべきか非常に悩ましいところでしょう。
これから望遠レンズを新たに購入を検討されている方にとっても、本当に自分に必要な機材であるのかという悩みは少なからずあると思います。
そんなときにおすすめなのが、購入前に一定期間お試し利用することのできるカメラのレンタルサービスです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたRF100-500mm F4.5-7.1L IS USMをはじめ、気になるカメラやレンズを豊富なラインナップから自由に選んでレンタルすることができます。
じっくり試したい方には、月額プラン(最低3ヵ月~)もおすすめです。
是非この機会にRentioで気になるカメラやレンズをレンタルして、本当に自分に合った機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。