Canon EOS RP実写レビュー。初心者が気軽に使えるエントリーフルサイズミラーレス一眼が誕生
更新日2022/10/31
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カメラメーカー各社が力を入れているミラーレス一眼カメラというジャンル。
デジタルカメラ最大手であるキヤノンも2018年にフルサイズミラーレス一眼である「EOS R」を発売したことで、本格的にミラーレス一眼カメラ市場への参入を果たしました。
そして2019年3月14日には、早くも最新モデルとしてエントリーフルサイズミラーレス一眼に位置する「EOS RP」が発売になりました。
今回は新製品であるEOS RPを実際に使用して、私が感じたカメラの実力や、どのようなユーザーにおすすめかを徹底レビューしていきます。
もくじ
EOS Rシリーズから最新モデル「EOS RP」が誕生
キヤノンが2018年より展開しているEOS Rシリーズ。
これまで一眼レフカメラの開発が中心であったキヤノンがミラーレス一眼カメラ市場へ本格参入果たした最新シリーズです。
最初のモデルである「EOS R」は、2018年9月に発売されましたが、今回発売となった「EOS RP」はEOS Rシリーズで2つ目のモデルです。
最初のモデルからわずか半年後に発売となるため、キヤノンがEOS Rシリーズに力を入れて早いペースで開発を進めていることが分かります。
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EOS Rより下位モデルとして入門フルサイズミラーレス一眼の役目を
今回発売となったEOS RPは、先に発売となったEOS Rよりも性能を落とした下位モデルとして発売されました。
EOS Rでは、高画素・高性能AFなど、プロフェッショナルの現場でも活躍できる高性能を実現しましたが、EOS RPでは、EOS Rの性能から少し落として初心者でも扱いやすい機能面などに力を入れている印象です。
初心者向けとして誕生したEOS RPは、一眼カメラで憧れの存在となるフルサイズのセンサーを搭載しているため、フルサイズ一眼の入門機としてもおすすめできる新製品です。
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外観レビュー
今回EOS RPの発売日に早速使用することができましたので、実際に製品を使用したレビューも展開していきます。
まずは小型軽量おしゃれというイメージの強いミラーレス一眼カメラだけに、デザイン性など外観も気になると思います。
実際の写真とともに外観のレビューを行っていきます。
EOS Rより小さくなったボディサイズ
ミラーレス一眼カメラの中にはファインダーを搭載しないことでコンパクトデジカメのようなデザイン性が採用されたモデルも存在しますが、EOS Rシリーズでは見た目はあまり一眼レフから変わらないという認識で良いでしょう。
それでもミラーレス一眼カメラとして、小型・軽量化は必要な条件として先に発売となったEOS Rでも性能に対しての本体の大きさや重さが話題となりました。
今回発売となったEOS RPでは、EOS Rよりもさらに小さく、軽いボディを実現しています。
500gを下回る質量を実現
一眼カメラで大きなデメリットとされていた携帯性の悪さですが、ミラーレス一眼カメラではその悩みを解決してくれることが大半です。
今回発売となったEOS RPでも質量は500gを下回る約485gを実現しています。
仮に同じ性能を保有した一眼レフがあった場合は、これよりも大幅に重さのあるボディになると思われるため、携帯性に優れたカメラであることは間違いありません。
撮影シーンの幅を広げてくれるバリングル液晶
撮影していく上で、いろいろな構図で工夫を加えていくことになると思います。
そのような場合、地表近くで撮影する場合や、持ち上げて撮影するというシーンも増えてくると思います。
正面からモニターを見られない場合、正しい露出が分からないことや、光の反射によって液晶画面自体見ることができない場面にも遭遇すると思われます。
EOS RPではそんなトラブルを避けるためにもバリアングル式の液晶モニターが採用され、常に液晶画面を自分の見やすい方向へと調整が可能です。
露出の変化が分かる電子ビューファインダー
ミラーレス一眼カメラのメリットでもあり、デメリットでもあるとされている電子ビューファインダー。
EOS RPもミラーレス一眼カメラとして0.39型約236万ドットの電子ビューファインダーを搭載しています。
電子ビューファインダーのデメリットで、一眼レフで採用されている光学式と比較して液晶が採用されているため、違和感を覚えることや、見づらさなどがありました。
しかし電子ビューファインダーは、露出設定などによる仕上がりが一目でわかるなど、撮影において便利な機能となるメリットも多く存在します。
そしてEOS RPでは、約236万ドットの液晶をファインダーに搭載していることから、ファインダーを覗いた撮影時でも滑らかで光学ファインダーをこれまで使っていた方でも違和感のない撮影が可能です。
ファインダーから目を離す必要がないボタン・ダイヤル配置
光学ファインダーを採用している一眼レフカメラでは、カメラに関する設定(AFモードや露出設定も含む)を行う場合は、一度ファインダーから目を離して、カメラ本体の液晶モニターや上部のディスプレイにて確認する必要がありました。
しかし電子ビューファインダーを搭載していることから、撮影設定に関する情報もすべてファインダーを覗いたまま、ファインダー内の液晶で確認しながら設定することが可能です。
EOS RPでは、ファインダーを覗いたままの操作性が強く意識されており、ボタンやダイヤルなどもシャッターを押すための右手周辺に集中させ、操作性の向上も実現しています。
これらの操作には個人的に慣れが必要だと感じましたが、慣れることで素早い撮影設定の変更などに対応しやすくなると感じました。
性能レビュー
外観や機能の面でのレビューを行ってきましたが、ここからは画質やカメラの役目である写真撮影における性能についてレビューを行っていきます。
カメラ愛好家の憧れ「フルサイズセンサー」を搭載
フルサイズ一眼というのは一眼カメラを使っている方なら憧れの存在といえるでしょう。
プロフェッショナルモデルやハイアマチュア向けのモデルでフルサイズセンサーを搭載したモデルが数多く存在し、高性能のカメラが主体となっています。
EOS RPでもフルサイズセンサーを搭載していますが、他のフルサイズ一眼カメラよりも安く、気軽に使えることが大きなメリットです。
そしてフルサイズセンサーを搭載していることで、画質はより高画質で、ボケ味の表現も豊かになります。
約2620万画素の高画質
近年では高画素カメラと呼ばれ5000万画素を超えるようなカメラも存在しますが、これらは画素数が多いということに留まることが多く、オールマイティなカメラは少ない印象です。
EOS RPでは、現代の一眼カメラとして平均より少し大きめの約2620万画素を実現し、程よい画素数というのを実現しています。
入門としても最適な「ビジュアルガイド」を搭載
先ほどもご紹介した通り、EOS RPはフルサイズ一眼の入門機という位置ですが、そのためのカメラ機能も充実しています。
初心者の方が一眼カメラを使った撮影をスムーズに行うためにEOS RPでは「ビジュアルガイド」が搭載され、撮影モードの基礎解説や、EOS RPで行うことができるそれぞれの機能について解説文から分かりやすく理解することができます。
EOS Kiss Mで話題を呼んだ「クリエイティブアシスト」も搭載
キヤノンの入門ミラーレス一眼カメラといえば2018年3月に発売されたEOS Kiss Mが今も人気を集めており、初心者が選ぶカメラとして定着しています。
そのEOS Kiss Mで初搭載となり、高い利便性から話題となった「クリエイティブアシスト」がEOS RPでも搭載されました。
撮影設定をゲージ上で思い通りに設定可能
クリエイティブアシストは、カメラ初心者でも思い通りに設定を行うことができる便利で優しい機能です。
例えば「少し明るめの仕上がりで背景をぼかしたい」といったイメージに対してもクリエイティブアシストのメニュー項目の「明るさ」と「背景ぼかし」で表示されるそれぞれのゲージ上でスライドさせて調整するだけで思い通りの撮影が可能です。
これまで一眼カメラでは、「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」でそれぞれの役目や関係性を理解する必要がありましたが、視覚的で思い通りに仕上がりを調整できるクリエイティブアシストは、キヤノンが誇る画期的な機能です。
EOS Rで好評のAFシステムを採用
先の発売となったEOS Rでは、圧倒的なAF性能で話題を呼びました。
一眼レフカメラの頃から高速AF性能を自信としていたキヤノンは、EOS Rシリーズでもその力を継続して発揮し、今回発売となったEOS RPでも優秀なAF性能を実現しています。
世界最速0.05秒AFと4799のAFポジション
EOS RPでは、優秀なAF性能としてEOS R同様世界最速となる0.05秒の高速オートフォーカスを実現し、必要とする瞬間でオートフォーカスを逃すことがありません。
被写体によっては突然飛び出してくるものや、動きの予測がつかず、たびたびファインダーから姿を消しては現すような難しいシーンも存在します。
そんな厳しい撮影環境下でも高速AFと高密度に配置された4799のAFポジションから、高速で正確なピント合わせを実現します。
EOS Rを使用した際に良い意味で大きな驚きを感じたAF性能でしたが、実際にEOS RPを使って撮影した際も遜色なくAF能力の高さを感じることができました。
対応レンズでカメラ側と合わせた強力な手ブレ補正
EOS Rマウント用として販売されているRF24-105mm F4 L IS USMとRF35mm F1.8 MACRO IS STMに限定されますが、レンズで搭載されている手ブレ補正機構に加えてCMOSセンサーの画像情報から検知したブレ量によってカメラとレンズを合わせて最大5段分の手ブレ補正を実現しています。
EOS RPでもボディ内の手ブレ補正が搭載されることはありませんでしたが、このような連携によって、かつてのカメラよりも手ブレに強いカメラといえるようになりました。
キヤノン伝統の高感度撮影への強さ
私がキヤノンを長年愛用してきた理由の一つに「高感度撮影」への強さがあります。
高感度撮影では暗い場所の撮影においてISO感度の値を上げていく撮影を意味しますが、キヤノンの一眼カメラは伝統的に高いISO感度を指定した場合でもノイズが少なく、ディティールもしっかりした仕上がりを実現している印象です。
先の発売となったEOS Rは、優れた高感度耐性と電子ビューファインダーによって夜間撮影における成功率と楽しさというのを大きく感じることができるカメラでした。
EOS RPでも同じキヤノン製品、EOS Rシリーズとして高感度撮影にとても優れており、最新の映像エンジンDIGIC8の力を感じる瞬間でもあります。
カメラ内で回析収差などを補正
撮影した画像ではレンズの特性によって収差が出やすくなります。RFマウントのレンズでは、デジタルレンズオプティマイザのデータを大量に保有し、カメラ内で自動的に収差関連を補正してくれます。
撮影と同時にこちらの処理を行うため、連続撮影枚数などにも影響が出やすいと思われる方も少なくないかと思いますが、EOS RPでは連続撮影枚数に影響を及ぼすのではないかと考えてしみますが、その心配は無用です。
EOS RPの大きなメリットとしてこちらの収差補正は初期状態からONになっています。
画面全体でピントが合う「フォーカスブラケット」
被写体に近づいて撮影した場合、どうしても手前にピントを合わせた際に背景はボケてしまうカメラの特性があります。
何かオブジェクトを撮影したいという場合では、小さな被写体に近づいて撮影する場面ほど、このような被写界深度の問題が出てきます。
EOS RPでは、フォーカスブラケットという機能を搭載し、1度のレリーズでピントの位置を自動で変えながら連続撮影を行います。
撮影した画像をPCへと取り込み、キヤノンが無料で提供している「Digital Photo Professional」を使用することで複数枚を合成し、全体にピントが合った写真へと仕上げることが可能です。
EOS RPで写す東京春の訪れ
上位モデル「EOS R」との違い
ここまでも先に発売でありEOS RPの上位モデルであるEOS Rの話題がたびたび挙がりましたが、一体両者の違いはどこにあるのか気になるところかと思います。
ここからはEOS RとEOS RPの違いについてご紹介していきます。
EOS Rについてはこちらをチェック
Canon EOS R実写レビュー。伝統を受け継いだフルサイズミラーレス一眼カメラが誕生 – RentioPress
画素数の違い
まず一番大きな違いとしては画素数の違いがあります。
EOS Rでは高画素約3030万画素を実現していますが、EOS RPでは少し低く設定された約2620万画素となっています。
約400万画素程度、違いが存在する両モデルですが、目に見えるほどの画質の変化はありません。
強いて言えばEOS Rの方が高画素であるため、撮影後のトリミングなどで有利となります。
最高連続撮影性能を違い
動きものの被写体に対して特に必要になるであろう最高連続撮影性能も違いが出てきます。
上位モデルEOS Rでは最高8コマ/秒を実現していましたが、EOS RPでは最高5コマ/秒と約3コマ/秒分、性能に差があります。
秒間5コマの差があるというのは正直なところ、EOS RPが動きものを撮影する際に優れていえない要因となります。1コマ/秒の差でも大きな違いを感じることです。
EOS RPは最高連続撮影の性能において少し難点があるというイメージです。
AFポジション数の違い
EOS Rで5000を超える驚きのAFポイント数を実現していましたが、EOS RPでは4799点のAFポジションとして上位モデルEOS Rよりも少ないAFポジション数となります。
しかし、EOS Rにおいて5000を超えるAFポイントを最大限に使用することはなく、EOS RPでも4799点存在することから大きな性能の違いとは言えないでしょう。
細かい部分で違いのある両モデル
クラス的には上位モデルと下位モデルという位置付けとなるEOS RとEOS RPですが、大きな性能の違いというのは存在せず、両モデルで細かい部分の違いが見受けられるという印象です。
しかし、連続撮影性能や最大シャッタースピードなどの細かい違いは、撮影シーンによっては影響を及ぼす性能差といえるでしょう。
より詳しくEOS RとEOS RPを比較した記事はこちら
Canon EOS RとEOS RPを比較して分かった7つの違いを徹底解説。実際に使って感じた最新ミラーレスを検証 – RentioPress
EOS RP製品仕様表
モデル名 | EOS RP |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約35.9×24.0mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | DIGIC8 |
有効画素数 | 約2620万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセル CMOS AF方式 |
測距点 | 最大4779ポイント |
常用ISO感度 | ISO100~40000 |
シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ |
連続撮影速度 | 最高約5.0コマ/秒 |
画面 | 3.0型/約104万ドット |
ファインダー | 0.39型/約236万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約132.5(幅)×85.0(高さ)×70.0(奥行)mm |
質量(CIPA) | 約485g |
はじめてのフルサイズデビューにおすすめ「EOS RP」
今回ご紹介してきたEOS RPですが、最初に選ぶべきフルサイズミラーレス一眼カメラとしておすすめできるモデルの誕生だと感じました。
各カメラメーカーでは、高性能にこだわった上位モデルの開発に偏りがちですが、まずはエントリー層もしっかり固めていくキヤノンらしさも感じることができました。
もちろんプロフェッショナル向けのカメラでも定評のあるキヤノンですが、初心者に寄り添ったカメラ開発を行うのもキヤノンにおいて1つの特徴です。
EOS RPも、フルサイズ一眼というこれまでのハードルの高さを大きく引き下げてくれるエントリー向けミラーレス一眼カメラとしておすすめできます。
十分な性能、使いやすい操作性、持ち運びに最適な携帯性など、さまざまなメリットをバランスよく実現しているEOS RPは2019年注目のカメラにもなるでしょう。
新製品「EOS RP」は早速レンタルできる
エントリー向けフルサイズ一眼として他のフルサイズセンサーを搭載したカメラと比較して安い価格を実現していますが、それでも10万円を超えることは少なくありません。
カメラ選びに失敗しないためにも、まずは購入前にお試しされることがおすすめです。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」では、新製品であるEOS RPを早速レンタルすることが可能です。
EOS RPの他にも人気のデジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラを豊富なラインナップから選んで気軽にレンタルすることが可能です。
ぜひこの機会に最新カメラの実力をRentioでレンタルして体感されてみてください。
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