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フルサイズ機を選ぶ理由を語る!初心者モデルからはじめたカメラマンだから分かるフルサイズの本当の魅力

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フルサイズ機を選ぶ理由を語る!初心者モデルからはじめたカメラマンだから分かるフルサイズの本当の魅力

一般的に普及されているデジタル一眼レフカメラの内、エントリーモデルとして人気を集めるカメラはほぼ全てAPS-C規格(焦点距離×1.6倍にクロップされる※Canon製)が採用されていますが、カメラメーカー各社が提供するシリーズには必ずフルサイズ一眼という種類が存在します。

フルサイズ一眼はAPS-Cと比べて望遠は効きませんが、プロや上級者を中心に絶大な人気を集める種類として有名です。フォトグラファーである私もフルサイズ一眼を好んで使用しています。

今回は私がフルサイズ一眼を選ぶ理由を少し変わった独自の視点でご紹介していきます。

階調の豊かさ、ボケ具合「フルサイズの魅力」

フルサイズ機の魅力は、「画質」「ボケ具合」「階調の豊かさ」などが挙げられます。

フルサイズ一眼とAPS-C規格の一眼の最大の違いはセンサーサイズの違いにあります。フルサイズ一眼はAPS-C規格に比べて、センサーが大きく「光を多く取り込める」のが特長です。

「光を多く取り込める」ことで得られるメリットは、明部や暗部の階調を調整する「ダイナミックレンジ」の幅が広くなります。明部や暗部でも階調豊かに表現できるため、白飛びや黒つぶれをAPS-C機に比べて抑えることができます。しかしぱっと見ではなかなか区別がつかない場合もあります。

ダイナミックレンジに幅があると、明部や暗部での色の情報量が増えます。このような場合はAPS-Cとフルサイズで撮って出しで見分けがつかない場合でも現像作業で大きく差が出ることがあります。

フルサイズ 現像前後
古家の屋根付近のシャドウ部に注目すると、シャドウを上げても形状がしっかり出てくれます。

シルエットのようにはっきり見えない暗部では、ダイナミックレンジの幅が大きい方に見えない情報が多く含まれています。例えば暗部の明るさを上げるためにシャドウ値を上げると、差は歴然です。

階調の豊かさは画像をキレイに美しく見せてくれるため、重要項目となります。

フルサイズの醍醐味「ボケ」

フルサイズ一眼 ボケ

また、フルサイズ愛用者の大半が「ボケ具合」を魅力の一つに挙げる方が多いと思います。先ほども記載したセンサーサイズの違いにより、「ボケ具合」というのは大きく変わってきます。被写体までの距離と焦点距離などの関係性から成り立つ「被写界深度」が大きく影響します。一般的には焦点距離が長い分、ボケの量は多くなると言われています。

実際に全く同じ条件で撮影したとき、APS-Cで焦点距離50mmの画角の場合、フルサイズでは1.6倍の80mmの焦点距離となります。冒頭でAPS-Cはフルサイズの1.6倍の画角を写すとご紹介しました。少し複雑ですが、その理論を逆算してAPS-C機でフルサイズの焦点距離と同じ画角をするにはフルサイズの焦点距離÷1.6で表すことができます。

この数字から分かるように必然的に同じ画角で撮影したとき、フルサイズの方が焦点距離が長くなるのでボケやすいということになります。

夜間撮影で圧倒的能力

フルサイズ 夜間撮影

私がフルサイズ一眼を好んで使用する理由で「夜間撮影への対応」があります。

フルサイズ一眼として発売されている製品は高感度撮影を得意とするモデルが多く存在します。一般的に高感度撮影には画質低下の大きな要因である「ノイズ発生」が避けられませんが、フルサイズ一眼ではAPS-C機に比べてノイズを抑えることができます

例えばフルサイズとAPS-C機の常用ISO感度の範囲が同じでも、夜間撮影ではフルサイズ一眼が圧倒的な差をつけてノイズが目立たなくなる場合がほとんどです。高感度撮影の性能は、カメラメーカーが新製品を出す度に改良が進められ、かつてはISO1600までが実用範囲と考えている方もいましたが、ここ1年以内に発売された製品に関してはISO12800まで実用として使えるとカメラ愛好家が口をそろえる場面も増えてきました。

またノイズの粗が目立たないようなカメラ内のノイズリダクションにより、高感度撮影時でも限度はありますが、ノイズを気にすることなくISO感度を上げやすくなりました。高感度によるノイズが問題として挙げられる夜間撮影ですが、フルサイズ機はノイズ発生防止や暗い場所での撮影を楽にしてくれる機能として知られるモデルでもあります。

広角時に有利

APS-C機では、フルサイズ機に比べて1.6倍拡大(Canon製品)した画角になります。これは先ほどもご紹介したセンサーサイズによる影響で、100mmの焦点距離を使用した場合、フルサイズでは1.0倍の100mm、CanonのAPS-C機を使った場合は160mmの画角になります。

望遠側では遠くを写すことができるAPS-C機にメリットがありますが、広角側ではより広く写すことができるフルサイズ一眼が有利となります。望遠側は極端な話、フルサイズでも欲しい焦点距離までレンズを揃えてしまえば撮影できるので(予算は高くつきますが)望遠側の欲しい画角というのは叶えられる条件になります。

しかしAPS-C用のレンズの広角側には限界があります。APS-C機はAPS-C専用のレンズも存在するほどレンズレパートリーに優れていますが、1.6倍という倍率が逆に広角側では悪影響を及ぼすことがあります。フルサイズ対応レンズでの最小焦点距離は現存するレンズで見ると10mmですが、APS-Cの場合は8mmです。APS-Cの場合はこの値から1.6倍されるため、実際フルサイズ換算すると12.8mmとフルサイズの画角にかなわないことが分かります。

特に広角側の場合は1mmの差が非常に目立ちます。そして広角の場合、できるだけ絞って画像の隅までピントを合わせることも大切になるため、シャッタースピードは落ち、ISO感度を上げて対応しなければならない場合もあります。

先ほどご紹介した高感度耐性はここでも役に立つことになります。

撮影意欲を上げるレンズレパートリー

先ほどAPS-C機は専用レンズがあるほどレパートリーに優れているとご紹介しました。

確かに種類だけ見ればAPS-C機で使用できるレンズは、フルサイズ機で使用できるレンズを圧倒する数です。逆にフルサイズ機で使用できないレンズはAPS-C専用レンズのみということになります。

APS-C専用のレンズ一覧などを見て頂けると分かりますが、10万円を超えるような高級レンズはあまり存在しません。一方でフルサイズ対応とするレンズの中には軽く20万円を超えるような高級レンズが多く存在します。単焦点の望遠レンズなどでは、100万円を超えるレンズも存在し、それと同時にレンズの重さや大きさも増加する場合がほとんどです。

カメラマンを職業としている人はフルサイズを持つ方が多く、プロで撮影する以上は画質などの品質も求められます。そのためカメラメーカー各社は、高級レンズをフルサイズ対応にする必要性を重要視しています。

Canonは独自の高級ブランドを展開

実際にCanonが販売しているレンズでシリーズとして「Lレンズ」を提供しています。「Lレンズ」のLはLuxury(豪華)を意味する文字で、名前通り見た目から豪華な高級レンズを提供しています。発色が派手と言われているCanonだからかどうかは不明ですが、望遠系のLレンズは、目立つ白いボディが大きな特徴となっています。

キヤノン:EF L SERIES

白レンズはブランド力を保有していることはもちろんですが、太陽光などの熱により膨張し、ピント合わせなどの精度を低下させないことがボディを白くした最大の目的とされています。

価格や重量などは跳ね上がるものの、レンズ品質はもちろん、写りも格段に良くなります。フルサイズ機での使用を想定として作られているため、相性も抜群で驚くべき描写力を発揮してくれます。

APS-C専用レンズは使用不可

フルサイズ機にAPS-C専用レンズは、実質的には装着可能なレンズが存在します。

しかし装着する意味は全くありません。仮にAPS-C専用レンズをフルサイズに装着したとして、ファインダーに見えてくるのは四隅に目立つ「ケラレ」です。近年ではあえて周辺減光を施し、写真をオシャレにする技法もありますが、それとは全く違い、グラデーションのないただの邪魔者です。

作品として成り立つわけでもなく、無理やり撮影した感が見た瞬間に伝わってきます。フルサイズ機にはフルサイズ対応のレンズを使用しましょう。せっかくフルサイズを持っても、レンズとの組み合わせを失敗するとフルサイズ機の魅力が激減します。

エントリー機では出せない「白」

JTA 737-400 ISG
白い機体に強い日差しが当たっても白飛びの心配はありません。

私は普段Canon機を使用していますが、Canon機の特長として「白」に強いと長年言われています。このように元々「白」の階調を得意とするCanonですが、エントリー機と上級機での差も大きく存在します。

私は初めての一眼レフとして「Canon EOS Kiss X5」を使用していました。当時はコンパクトデジカメからの変化だったため、画質の向上に驚いたのをよく覚えています。それから5年ほど経ち、「Canon EOS 7D」を導入しましが、連写性能などの全体的性能の向上を感じることはできましたが、階調の差は驚くほどではありませんでした。

階調の広さだからこその「白表現」

その後「Canon EOS 6D」を導入しましたが、そこで初めて感じる「階調の広さ」でした。特に「白」の出方には感動した記憶があります。一眼レフを使い始めた頃は、APS-C機でJPEG撮影といったスタイルでした。今になるとこのスタイルは写真の魅力を半減させていると感じるばかりです。

APS-C機は現在でも選択肢の一つとして使用することは多いですが、JPEGのみの記録というのは一切なくなりました。JPEGからRAWへ変更したことによる白飛びや黒つぶれへの対応という意味での効果も多少あることでRAWでの撮影は絶対条件としています。

そしてフルサイズに変えて「階調の広さ」には驚きを隠せませんでした。先述で「フルサイズは光を多く取り込める」と記載しましたが、まさにそれがここでも効果を発揮しています。フルサイズ機の特長であるダイナミックレンジの広さによりAPS-C機では明るい部分が白飛びしていたこともフルサイズ機ではハイライト部にしっかり階調が残り、白飛びによる失敗を大幅に減らしてくれます

この「白」の部分での表現はフルサイズ機を選んでよかったと思える最大要因の一つです。

フルサイズ機は財産

EOS 6D

価格も高くボディも大きい、重い。最初は購入を躊躇することの多いフルサイズ機ですが、一度導入すると様々な場面で圧倒的な性能を発揮するでしょう。

これから写真を始めるという方には価格的な意味でハードルの高いカメラですが、写真撮影を日常的に行われている方にはフルサイズ機を導入することで財産になることは間違いないでしょう。

しかしカメラの性能は「撮影をサポートするための性能」ということを忘れないことが大切です。

カメラの性能が上がったからいい写真が撮れるではなく、撮影者のスキルが最重要です。画質や階調は直接的に恩恵を感じることができますが、ファインダー越しに見える景色や切り取るシーンは変わらないのです。例えば同じシーンをエントリー機とフラッグシップ機で撮影しても撮影者によってはエントリー機の方が魅力的な仕上がることもあります。

写真は表現芸術の1つとなるため、技術面は切っても切れない存在です。撮影技術の向上意識は常に持ち続けることを最優先に考える事をオススメします。

しかしフルサイズ機を持つことにより撮影のモチベーションが上がることは間違いないでしょう。そしてモチベーションが技術力向上の助けにもなるでしょう。私自身もフルサイズを手にしてから作風が変わったり、納得いく写真が増えてきました。「フルサイズ」というブランド力は決して名前だけではないと感じました。

様々な相乗効果をもたらしてくれるフルサイズ一眼。私は今も好んで使用しています。

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