BOOX MAX3の実機レビュー!13.3インチのAndroid E-inkタブレットの実力とは
更新日2022/10/27
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液晶よりも目に優しく、紙のような質感で使うことができるE-inkタブレット。電子書籍リーダーとしてだけでなく、電子ペーパーとしてノートの代わりに活用することができます。
そんなE-inkタブレット業界で徐々に人気を高めているのが、2008年から開発/製造を続けている外資系メーカー「Onyx International」の電子リーダー「BOOX シリーズ」です。
そこで、この記事ではBOOXシリーズでも一際大きなディスプレイサイズを誇るBOOX MAX3の特長と実機レビューをまとめました。
もくじ
BOOX MAX3の特長
BOOX MAX3は電子書籍リーダー・電子ペーパーという役割だけでなく、自由度の高い使い方ができる電子ペーパータブレットです。
主な特長として以下7ポイントを紹介します。
- 13.3インチの大画面
- 4096段階の筆圧検知ができるワコムスタイラスペン
- 高パフォーマンスな基本スペック
- 指紋認証でロック解除が可能
- パソコンのデュアルディスプレイに対応
- Android9.0搭載でアプリインストールも可能
- QC3.0の急速充電にも対応した大容量バッテリー
13.3インチの大画面
BOOX MAX3最大の特長とも言えるのが13.3インチ、解像度2200×1650のE-ink液晶であることです。日光下でも書籍や書類など見やすいので非常に便利です。
ノートパソコン同等のサイズ感でありながら、約490gと軽量なので携行品としても優れています。
4096段階の筆圧検知ができるワコムスタイラス
BOOX MAX3に付属のペン(ワコムスタイラス)は4096段階の筆圧検知ができるため、力の入れ加減で線の太さを細かく調整することができます。
ペンのお尻は消しゴム機能となっており、該当箇所をタッチすると消すことができます。
PDFの書き込みやオリジナルのノートアプリの利用時はパームリジェクション機能が自動適用されるので、手や指が触れた状態でもペン先のみを認識するので書き心地もばっちりです。
なお、[設定]-[電源管理]-[パームリジェクション]にチェックを入れると、全ての動作(アイコンタッチやページ送り etc.)をペン先のみの認識にさせることも可能です。
高パフォーマンスな基本スペック
CPUはQualcomm オクタコア(2.0GHz)、メモリは4GB、ストレージは64GBと、BOOX MAX3は電子ペーパータブレットの中でも高い基本性能を誇ります。動画のように書き込みやページ送りもサクサク動きます。
大量のPDFファイルや書籍類を持ち運ぶのもよし、重いファイルもすぐ開けるのでビジネスシーンでも活用しやすいでしょう。
指紋認証でロック解除が可能
画面下部のボタンは「戻るボタン」と指紋認証を兼ねています。
4桁のパスワード登録とは別に最大5つの指紋を登録することで、スムーズなログインが可能になります。
ホームボタンへの切り替えについて
BOOX MAX3のボタンは「戻る」ボタンなので、ボタンを押すと1つ前の画面に戻ります。
iPadのようにホーム画面に一気に戻れるようにしたい場合は、[設定]-[アプリ]-[「戻る」ボタンの機能を「ホーム」ボタンの機能に変更します。]にチェックを入れると使えるようになります。
パソコンのデュアルディスプレイに対応
付属のMicro-HDMI to HDMIケーブルをパソコンに繋げば、デュアルディスプレイとしても使うことができます。
あくまでも簡易的なE-ink液晶ディスプレイとなりますので、通常のデュアルディスプレイに期待しているパフォーマンスは望めません。
PDFビューワーとして複数の書類を展開したり、文章量の多い資料に目を通す場合に活用するのが良いでしょう。
Android9.0搭載でアプリインストールも可能
独自OSが搭載されていることが多い電子ペーパー端末ですが、BOOX MAX3にはAndroid9.0が搭載されています。
DropboxやEvernoteなどのクラウドストレージサービス、KindleやKoboなど電子書籍アプリをGoogle Playからダウンロードして使うことができますので、高い汎用性を持ちます。
QC3.0の急速充電にも対応した大容量バッテリー
BOOX MAV3は急速充電規格の「Quick Charge3.0」(QC3.0)に対応しており、約2.5時間で4,300mAhのフル充電を可能にしています。(端子はUSB-C)
フル充電の状態であればスタンバイモードで最大4週間もつとされているので、少ない充電機会で使い続けることができます。
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製品スペック一覧表
BOOX MAX3の製品スペックを一覧表にまとめました。
製品項目 | スペック詳細 |
---|---|
画面サイズ | 13.3インチ(Einkフレキシブルスクリーン) |
ディスプレイ解像度 | 2,200×1,650 |
OS | Android 9.0 |
プロセッサ | Qualcomn Octa-core 2.0GHz |
メモリ(RAM) | 4GB LPDDR3 |
ストレージ | 64GB |
通信規格 | Wi-Fi(2.4GHz/5GHz)/Bluetooth4.1 |
バッテリー容量 | 4,300mAh |
タッチ方式 | 静電容量式タッチ/ワコム電磁ペンタッチ (4096レベル筆圧検知) |
書籍フォーマット | PDF/EPUB/TXT/DJVU/HTML/FB2/DOC/MOBI/CHM etc. |
画像フォーマット | PNG/JPG/BMP |
音声フォーマット | WAV/MP3 |
本体サイズ | 309.8mmx227.8mmx6.8mm |
重さ | 約490g |
BOOX MAX3の外観レビュー
BOOX MAX3の主な特長の補足までに、実際に触った製品の外観レビューもしたいと思います。
初めてBOOX MAX3の実機を触った感想はとにかく薄くて軽いということでした。13.3インチの大型タブレットでありながら片手でも楽に持てる重さは大きな魅力に感じます。
同梱するセット内容
同梱するセット内容を左の本体から時計回りに紹介します。
- BOOX MAX3本体(左)
- USB-A to USB-Cケーブル
- Micro-HDMI to HDMIケーブル
- 説明書(中国語と英語)
- Type-CプラグのmicroSDカードリーダー
- ワコムスタイラス
スピーカーも内蔵
製品裏側にはデュアルスピーカーが内蔵されています。
ダウンロード完了の着信音や音楽アプリの再生も可能です。
持ちやすいワコムスタイラス
付属のペンは三角柱の形状で軽く、持ちやすい感じます。
電池やバッテリー不要で使えます。
ペンのお尻には消しゴム機能がついています。
接続端子
BOOX MAX3の接続端子はUSB-CとMicro-HDMIです。
USB-Cポートは充電だけでなく、直接パソコンに接続することでデータの読み書きも可能です。
BOOX MAX3を実際に使ってみた
実際にBOOX MAX3を使って電子書籍やPDFの閲覧、ノートアプリの使い勝手を検証しました。
筆者個人的にはかなり満足度の高いE-inkタブレットだったので、ぜひ一度使ってみることをおすすめします。
電子書籍やPDFビューワーは大画面で読みやすい&メモしやすい
EPUBのようなリフローコンテンツの電子書籍なら、フォントサイズ・フォント・インデントの調整、さらにテキストや画像のコントラスト調整にも対応しており、元ページがカラーの場合でも読みやすいように変更することができます。
フィックス型のPDFファイルはフォントサイズの調整はできませんが、コラム・向き・拡大/縮小・コントラスト調整などが可能です。
最大9分割の閲覧モード
ビューワーは最大9分割(通常1分割・4分割・9分割)で閲覧することができます。
まとめて複数の書類やファイルを見たいときに便利な機能です。
スクリーン分割機能
BOOX MAX3には画面を2つに分けて閲覧・書き込みができるスクリーン分割機能が4種類用意されています。
ドキュメントに直接書き込んだり、ノートをメモ用として使うのが非常に便利です。
- 現在のドキュメント:同じドキュメント/書籍からそれぞれ任意のページを表示する
- 別のドキュメント:異なるドキュメント/書籍を開き、それぞれ任意のページを表示する
- ドキュメント&ノート:ドキュメントとノートアプリをそれぞれ表示する
- ページ翻訳:原本と翻訳ページを分けて表示する(翻訳アプリは百度翻訳もしくはBing翻訳、要Wi-Fi接続)
Kindleアプリとも相性良し
Google PlayからインストールしたKindleアプリを使ってみましたが、画像やテキストは問題なく表示され、Kindle本来の機能もそのまま使うことができました。
普段はKindle PaperwhiteやスマホのKindleアプリで見ることも多いのですが、大画面のBOOX MAX3を使うなら漫画との相性が抜群です。
ノートアプリの使い勝手
ノートアプリでは3種類のブラシ(万年筆・筆・鉛筆)と4種類の図形(線・三角・丸・四角)と使い分けることができます。表示自体はモノクロですが、赤や緑、青のペン先も用意されています。
画像を挿入することもできますので、事前に画像を読み込んでいれば簡単な資料作成も可能です。
また作成したノートはPNG(単ページ)もしくはPDF(全ページ)でエクスポートすることができます。
書き心地はかなりスムーズで、早書きでも遅延を感じることはありませんでした。
電子ペーパー端末としても満足のいくパフォーマンスです。
16種類のテンプレートが用意
BOOX MAX3には予め16種類のノートテンプレートが用意されています。
筆者のようにRHODIAの方眼ノートとリーガルパッドを使い分けるような人なら、BOOX MAX3一台で複数のノートをまとめられることに魅力を感じると思います。
ナビボール設定が便利
BOOX MAX3は物理キーが電源ボタンと戻るボタンの2つしかありませんので、ナビボールの活用がおすすめです。
[アプリ]-[ナビボール]でカスタムキー設定ができますので、最大9つのボタンに機能を割り当てることができます。
色々試しましたが、「Wi-Fi」「スクリーンショット」「マルチタスクスイッチ」「アプリ最適化」「ホーム(もしくは戻る)」の5つは割り当てたほうが使いやすくなるのでおすすめです。
BOOX MAX3の注意点
電子書籍リーダー・電子ペーパー端末として満足度の高い製品でしたが、使ってみて不満を感じる部分もいくつかありました。
デメリットというほどではありませんが、改善してほしいという期待も込めて紹介したいと思います。
内蔵ライトがない
BOOX MAX3には内蔵ライトがありませんので、夜間の電子書籍閲覧に向いていません。
ある程度の明るさがあれば問題ありませんが、消灯した部屋での読書を嗜みたい方は選択肢に入ることはないでしょう。
日本語に最適化していない
BOOXシリーズを製造するOnyx International社は創業がアメリカで本社を中国に置く外資系メーカーです。
そのためデフォルトのキーボード入力は英語/中国語しかありません。
キーボードも活用するなら、Google Playから「Google日本語入力」をダウンロードして使いましょう。
ドキュメント&ノート機能とノートアプリの連携
スクリーン分割機能の「ドキュメント&ノート」で書き込んだファイルに後で付け足したり確認したい場合、再度同じドキュメントを開いてスクリーン分割機能の「ドキュメント&ノート」設定にする必要があります。
動画で見ても分かるように書き込んだノートは、ノート一覧に保存されることはありません。
「ドキュメント&ノート」機能で書き込んだノートも一覧に保存されるようになると、アーカイブとしての利便性が高くなると思いました。
使い勝手の良いBOOX MAX3だが販売価格がネックに
SONYやキングジム、富士通などの電子ペーパータブレットは独自OSを搭載しているのに対して、BOOX MAX3はAndroid OSという極めて汎用性の高いOSを搭載していることから使い勝手は非常に高いタブレット端末であると言えます。
実際、Google Playからアプリをインストールすることで日本語化やその他機能を補完することができたことも事実です。
一方で、E-ink液晶ということを除けばiPadのようなタブレット端末で代用できるため、約10万円という製品価格はどうしても尻込みしてしまいます。
BOOX MAX3を購入するかどうかは、まず実生活でベネフィットを得られる製品なのかどうか、試しに使ってみてから購入するかどうか判断するのが良いでしょう。
BOOXシリーズはレンタルもできる
期間限定の利用はもちろん、購入判断のためにBOOX MAX3を使いたいならお試しレンタルがおすすめです。
家電レンタルのRentio(レンティオ)では14泊15日〜の短期レンタルや月額レンタル(3ヶ月〜)でBOOXシリーズのレンタルを用意しています。
実際に借りて気に入ればそのまま購入できる対象品でもありますので、ぜひお試しください。
[レンタル] オニキス(Onyx) 製品の一覧 – Rentio[レンティオ]
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