Nikon Z fc実写レビュー。伝統デザインと最新性能を融合させた日常に寄り添うカメラ

ミラーレス一眼カメラカテゴリの人気記事
カメラを始めて選ぶ際、誰も目にすることがある「ニコン」。
フィルムカメラ時から長年に渡ってカメラ業界の中心的存在に居たニコンですが、近年では「ミラーレス一眼」を中心に製品を展開しています。
硬派で堅実な製品を展開する印象のあるニコンですが、近年のラインナップには見られないコンセプトを有したカメラとして「Nikon Z fc」を発売しました。
ニコンで名機としてかつて存在した「Nikon FM2」のイメージを踏襲したデザイン性と、近代に求められる性能や機能を融合させたカメラとして大きな注目を集めています。
今回はニコン様より「Nikon Z fc」の実機をお借りする機会を頂戴し、私が実際に撮影した作例を基に、新製品「Nikon Z fc」の魅力を余すことなくご紹介していきます。
もくじ
競争が激化するミラーレス一眼市場
今、デジタルカメラにおける中心的存在は、「ミラーレス一眼」であると言えます。
近年では、一眼レフを超えるメーカー数がミラーレス一眼の開発を進めており、これまで一眼レフの開発を中心に行っていたニコンもミラーレス一眼中心の製品開発へとシフトしています。
毎月の様に多くの製品が発売されるジャンルだけに、各社注目を集める製品開発が求められ、様々な特徴を有したカメラが誕生しています。
今回ご紹介していく「Nikon Z fc」も、まさに最新で注目のミラーレス一眼かつニコンの伝統と変化の印象を受けるモデルです。
2021年最新おすすめミラーレス一眼カメラ14選!初心者でも失敗しないカメラの選び方 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
Nikon Zシリーズ徹底解説。現行7モデルの特徴や性能、価格を比較しておすすめポイントをご紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
伝統をミラーレス一眼に注ぎ込んだ最新モデル
ニコンでは、長年に渡ってカメラを開発してきた伝統と歴史があります。
ニコンのカメラ史の中でも「Nikon FM2」は、フィルムカメラの時代において多くのユーザーに愛され、当時のニコンの象徴と呼ばれるほどの存在でした。
時代の流れは早く、既にデジタルカメラ、それもミラーレス一眼が主流となった現代ですが、今回ご紹介していく「Nikon Z fc」は、これまでニコンが培ってきた伝統と新たな意気込みが融合した決意を感じるモデルです。
融合とカジュアルがコンセプト
Nikon Z fcの名前のうち、「fc」は「Fusion(融合)」と「Casual(カジュアル)」の頭文字から来ており、歴史あるデザインと最新性能の融合を叶えたカメラをよりカジュアルに使用して欲しいという願いから名付けられました。
Nikon Z fcの開発には先ほどご紹介してきたNikon FM2の影響を大きく受けており、昔のニコンから未来のニコンを繋ぐ、大きな架け橋としての存在感も光ります。
外観レビュー
先程もご紹介してきた通り、「Nikon FM2」のデザイン性を踏襲している「Nikon Z fc」ですが、早速そのこだわりを感じるデザイン性を含めた外観面についてレビューしていきます。
デザイン性だけでなく、使いやすさの意識されたボタン・ダイヤル類を含めた機能性についてもこちらでご紹介していきます。
ニコンの伝統を感じるレトロなデザイン
Nikon Z fcを見た第一印象は、「クラシックな雰囲気」でした。
近年のニコンには無いデザインですが、ニコンの歴史を振り返ることで、このデザイン性がいかに「ニコンらしさ」を表しているのかと感じられるでしょう。
レトロな雰囲気を感じられるNikon Z fcですが、決して古くささが漂うデザインではありません。
伝統を継承しながらも、若い世代にも親しみやすいファッション性を備えたデザインとして、日常的に持ち歩きたいと思わせてくれるオシャレなデザインでもあるのです。
ダイヤルによる直感的操作が特徴的
カメラ上部に存在するダイヤルは、左から順に「ISO感度」「シャッタースピード」「露出補正」を調整することができるダイヤルとなっており、直感的な操作を特徴としています。
撮影モードの切り替えは、ISO感度ダイヤルの横に記された「M(マニュアル)」「A(絞り優先)」「S(シャッタースピード優先)」「P(プログラムオート)」の部分で変更が可能で、ISO感度調整ダイヤルの下段のダイヤルを回すことで切り替えることができます。
シャッタースピード調整ダイヤルの下段には、「静止画撮影モード」と「動画撮影モード」を切り替えることができるダイヤルが存在し、動画撮影性能も特徴としているNikon Z fcにおいて素早く切り替えることのできる操作性を叶えました。
見やすさが重視された大型の液晶ディスプレイ
レトロなデザインながらも機能面は最新のデジタルカメラであることは間違いありません。
その象徴として、液晶ディスプレイがあります。
Nikon Z fcでは、3インチの液晶ディスプレイを採用しており、3インチという大きさは珍しくないものの、パッと見た印象でも大きいと感じるレベルです。
タッチパネルを採用していることから、ボタン操作を最小限に、スマートフォン感覚でカメラの設定を調整することができます。
また、液晶にはOLEDディスプレイを採用していることから、より鮮明で滑らかな映像表示を実現しました。
違和感のない自然な電子ビューファインダー
特にこれまで一眼レフわ使用してきたユーザーにとって、ミラーレス一眼における電子ビューファインダーに抵抗を感じられる方も少なくないはずです。
液晶の解像度、滑らかさ、タイムラグなどミラーレス一眼初期の時代は様々な問題として挙げられていましたが、Nikon Z fcについては、全く違和感なくファインダーの見え方にもすぐ馴染むことができるでしょう。
今回の作例撮影のスタイルや、カメラのコンセプト上、液晶ディスプレイを見ながらの撮影も多くなりますが、液晶ディスプレイが見えにくいシーンや、しっかりカメラを構えた撮影を行う際には、必然的にファインダーを使用する機会も存在しました。
光学ファインダーに慣れた方でも
私自身も以前は一眼レフをメインに使用していたため、光学ファインダーに慣れているタイプの人間ですが、今回Nikon Z fcの使用を通して、電子ビューファインダーであることを忘れるどころか、光学ファインダーよりも良いと感じるほどでした。
他社のミラーレス一眼もこれまで様々なモデルをテストしてきましたが、Zシリーズの電子ビューファインダーは特に優れていると感じます。
お好みのデザインへと変更できるプレミアムエクステリア
そのままでも十分にオシャレなデザイン性を叶えているNikon Z fcですが、「プレミアムエクステリア」とよばれるカラーバリエーションを変えることのできる公式オプションが存在します。
プレミアムエクステリアは、下記の計6色用意されており、好みやライフスタイルに合わせてカメラボディの人工皮革部分を張り替えることができます。
- サンドベージュ
- ミントグリーン
- ナチュラルグレー
- コーラスピンク
- ホワイト
- アンバーブラウン
元々黒色が採用されているNikon Z fcですが、このプレミアムエクステリアを使用することで更に明るい印象へと変えることもできるおすすめのオプションです。
性能レビュー
デザイン性に特徴のあるカメラとご紹介していますが、カメラの本質である撮影性能についても気になるところかと思います。
ここからは、実際に「Nikon Z fc」を使用して私が撮影した作例を基に、Nikon Z fcにおける「画作り」に注目して性能をレビューしていきます。
伝統技術が活かされた充実の基本性能
Zシリーズとしてミラーレス一眼市場への参入は比較的最近ですが、ニコンにおける一眼カメラメーカーとしての実績は歴史の長い老舗メーカーと言えるでしょう。
信頼の基本性能
そのため、カメラ作りの基礎というのは、伝統を感じる優れた開発陣によって築き上げられ、Nikon Z fcでも充実かつ、優れた基本性能を特徴としています。
画素数は2088万画素と一眼カメラとして平均的ですが、APS-Cセンサーモデルながらもノイズを抑えた高感度耐性や、正確で高速なオートフォーカス性能など、ニコンが築き上げてきた伝統技術が搭載されています。
近年のミラーレスカメラでは、どのモデルにおいても高い水準の性能を有した基本性能が充実していますが、ここはメーカーとして「ニコンだからこそ」の堅実な基本性能を感じられるポイントです。
Zシリーズで定評のある新たな発色特性
Rentio PRESSでは、これまでもNikon Zシリーズの製品レビューを展開してきましたが、Zシリーズになって一番の変化は「色味」だと感じます。
Zシリーズ特有の発色
これまでニコンは忠実で自然な色表現を得意としてきましたが、Zシリーズでは鮮やかな仕上がりを特徴としています。
特に「青」の発色は、Fマウント時代とは対照的な仕上がりとなりますが、しつこさを感じない鮮やかさを叶えており、非常に好評な発色です。
仕上がりの雰囲気を調整できる「Creative Picture Control」
Nikon Z fcにおける写真表現で象徴的な機能が「Creative Picture Control」と言えるでしょう。
より表現力が豊かになる機能
写真の仕上がりを調整することのできるCreative Picture Control機能では、従来から存在するビビッドや風景といったプリセットに加えて、よりフォトジェニックな印象へと仕上がる20種類のプリセットから写真の仕上がりイメージを選ぶことができます。
このピクチャーコントロール機能では、よくカメラの機能として搭載されることの多い「フィルター機能」とは異なり、写真に大きな変化を加えることなく、仕上がりの印象を色味によって調整してくれる機能です。
より繊細な色表現に力を入れたことは、ニコンにとっても新たな試みであり、自信の現れとも言えるでしょう。
夜間でも存分に活用できる高感度耐性
日常的に撮影していく上で、「夜景」も撮影シーンに入ってくるでしょう。
夜景など高感度撮影を必要とするシーンでは、「フルサイズセンサー」が有利となりますが、Nikon Z fcでは、「APS-Cセンサー」を採用していることで、高感度撮影時の仕上がりについても気になるところかと思います。
常用ISO感度についてはISO100~51200に対応していますが、一般的なAPS-Cカメラでは、ISO3200辺りからフルサイズセンサー機との大きな差が出てきます。
APS-Cセンサーでも実用的な高感度撮影
実際にNikon Z fcを使用して夜景の撮影も行いましたが、やはりフルサイズ機である「Z6」や「Z5」よりも高感度になるほど、仕上がりに差が出てくる印象ではありますが、これまでのAPS-Cモデルでは考えられない高感度への強さを感じました。
個人的にもISO6400までは実用レベルで、従来のAPS-Cと比較しても高感度撮影での幅が大きく広がった印象を受けました。
Nikon Z fcで写す夏の情景









今回作例撮影を行った「横浜・みなとみらい」の撮影ガイドはこちら
[2023最新] 横浜・みなとみらい周辺おすすめフォトスポット14選。レトロ、現代、近未来が融合した写真撮影に適した美しい街 | Rentio TRAVEL
製品仕様表
モデル名 | Nikon Z fc |
---|---|
撮像画面サイズ | APS-C(約23.5×15.7mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
画像処理エンジン | EXPEED 6 |
有効画素数 | 2088万画素 |
オートフォーカス方式 | ハイブリッドAF |
フォーカスポイント | 209点 |
常用ISO感度 | ISO100~51200 |
シャッター速度 | 1/4000~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | – |
連続撮影速度 | 最高約11コマ/秒(拡張時) |
画面 | バリアングル式3.0型/約104万ドット |
ファインダー | 0.39型XGA OLED/約236万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約134.5(幅)× 93.5(高さ)× 43.5(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約445g |
デザイン、機能性ともに日常に寄り添う存在
近年のニコンには無かったコンセプトを有したカメラだけに、意外性を感じられる方も少なくはなかったと思われます。
しかし、今回ご紹介してきた「Nikon Z fc」は、ニコンらしさがブレることなく、古くからの伝統を継承すると同時に、新たなニコンへの挑戦も感じられるモデルとなっています。
レトロな雰囲気を感じるオシャレなデザインは、日常に溶け込むファッション性を備えており、常に持ち歩きたくなるカメラとして生活を豊かにする存在にもなります。
そして、使いやすさが意識された操作性や機能面から、自分が思い描く表現を、素早く理想の仕上がりへと調整することもできることも魅力的です。
これまでニコンが展開してきた、実戦的な一眼レフとは異なり、緩やかな雰囲気で撮影を楽しむことができ、普段のメインカメラとは別に、サブカメラとして使用する用途にも非常におすすめです。
Nikon Z fcは、まさに幅広い撮影ジャンル、あらゆるユーザーのニーズに応える万能な存在であり、ニコンの新たな決意を感じる最新ミラーレス一眼カメラです。
Nikon Z fcはレンタルできる
今回ご紹介してきたNikon Z fcですが、今回の記事を見て、少しでも気になった方がいらっしゃれば幸いです。
しかし、「いきなり購入するのは躊躇してしまう」という方も少なくないと思います。
そんな方におすすめなのが購入前に短期間でお試しすることができるカメラのレンタルサービスです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたNikon Z fcを最短3泊4日から気軽にレンタルすることができます。
また、じっくり長期間使用したいという方におすすめの月額レンタルサービス(※最短3カ月~)もご用意しております。
自分に合ったカメラかどうかは使ってみることが一番わかりやすく、おすすめの手段となります。
是非この機会にRentioで最新のNikon Z fcをレンタルして、その魅力を体感されてみてはいかがでしょうか。
[レンタル] NIKON Z fc ボディ ミラーレス一眼 – Rentio[レンティオ]
カメラレンタルはおすすめ?レンタルを利用するメリットや活用シーン、レンタル方法をご紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]