ビクセンの本格双眼鏡「アトレックII HR8×32WP」で天体観測使用レビュー!初心者に向けた使用ポ イントも紹介
公開日2024/08/06
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天体観測を行うには天体望遠鏡だけではなく、双眼鏡を利用して手軽に楽しめることをご存じでしょうか。
双眼鏡があれば難しい操作を必要とせずに、肉眼では見にくい天体を観測することが可能です。
今回は光学製品メーカーであるビクセンの双眼鏡「アトレックII HR8×32W」で実際に天体を観察してレビューします。
初心者でも使用できるように使い方や天体観察のポイントも含めて解説していきます。
夏休みの自由研究や新しい趣味の発見に役立てることができるので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
もくじ
ビクセン アトレックII HR8×32WPの特徴
ビクセンは1949年に日本で創業された光学製品メーカーで、2003年にはドイツにおいて現地法人ビクセンヨーロッパを設立するなど世界的に有名な企業となっています。
アトレックII HR8×32WPはコンパクトでありながら本格的な観測が可能な32口径の双眼鏡です。
次から製品の特徴について解説していきます。
PFMコート搭載
アトレックII HR8×32WPはPFMコート(パーフェクトフーリーマルチコート)と呼ばれるレンズコーティングが施されているため、明るく高コントラストな視界を実現しています。
レンズコーティングとは光の乱反射によるコントラストや明るさの低下を防ぐために行われるコーティング処理のことで、3層以上の多層コーティングのことをマルチコーティングと呼びます。
PFMコートが施されたレンズは、2つのレンズ(対物レンズおよび接眼レンズ)にマルチコーティングが施された、高コントラストの映像が確認できる仕様となっています。
ハイアイポイント設計
アトレックII HR8×32WPはアイレリーフ(接眼部からレンズまでの距離)が15mm以上のハイアイポイント設計になっているため、メガネをかけたままでも広い視野を確保できるようになっています。
ポップアップ式の接眼部を動かすことで、裸眼やコンタクトで使用やメガネ着用での使用に対応することできます。
ハイアイポイントは長時間の観察でも目が疲れにくく、低温下でもレンズが曇りにくいといったメリットもあります。
ダハプリズムを採用
アトレックII HR8×32WPは接眼レンズと対物レンズが直線的な位置関係にある、ダハタイプのプリズムを採用しています。
プリズムは逆さまに投影される対物レンズの像を正立させるための機構のことで、配置スペースが必要なポロプリズムに対して直線的なダハタイプの採用によりコンパクトな設計を実現しています。
防水機能搭載
アトレックII HR8×32WPはアウトドアでの使用にも耐えうるラバーボディを採用した防水設計になっています。
コンパクトさに加えて、アウトドア向けの耐久性が高い仕様となっています。
スペック
アトレックII HR8×32WPのスペックを以下にまとめました
項目 | スペック詳細 |
---|---|
倍率 | 8倍 |
対物レンズ有効径 | 32mm |
プリズム材質 | BaK4 |
コーティング | PFMマルチコート |
実視界 | 7.5度 |
見掛視界 | 55.3度 |
1000m先視界 | 131m |
ひとみ径 | 4.0mm |
明るさ | 16 |
アイレリーフ | 15.0mm |
至近距離 | 約1.2m |
眼幅 | 約57-75mm |
高さ×幅×厚さ | 10.9×11.9×4.0cm |
重さ | 390g |
その他 | 防水 |
ビクセン アトレックII HR8×32WPを使用して天体観測してみた
実際に製品を利用して「みずがめ座δ(デルタ)南流星群」と「やぎ座α(アルファ)流星群」の観測を自宅で行ってみました。
双眼鏡の基本的な使い方と合わせて、性能をレビューしていきます。
[2024]彗星の観測はいつ?注目の天体観測の年間スケジュールと双眼鏡や天体望遠鏡の選び方を解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
アトレックII HR8×32WPの使用方法
双眼鏡の基本的な設定方法は以下の通りです。
- まずは接眼部にある繰り出し式目当てを裸眼やコンタクトレンズの場合は伸ばし、メガネの場合は伸ばさずにセッティングします。
- レンズをのぞいて左右の視野がピッタリ重なるように本体を開閉して、目の幅に合わせる目幅調整を行います。
- 左目と右目の視力差を調整するため左目で接眼レンズをのぞきながらピント合わせレンズを回し、対象物のピントに合わせ、次に右目でのぞきながら視度調整リングを回してピント調整します。
これで基本的なセッティングは完了です。
ストラップや別売りのスタンドを使用したい場合は、以下の説明書を確認してみてください。
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天体の探し方
天体には彗星のように淡い光のものがあるため、山頂のように街灯がなく星の明かりが届きやすい場所が適しています。
見たい天体が出現する方向や高さを調べてから双眼鏡を向け、近くに明るい星がある場合は目安にして探しましょう。
今回はARを利用して星座の位置を主観で知ることができる「Sky Guide」というアプリを使用しました。
設定で位置情報の利用をONにするだけで、自分が向いている方角の天体の種類が確認できるのでとても便利です。
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実際にアトレックII HR8×32WPを使用して観測してみた
結果から述べると製品の使い勝手の確認や星の観測はできましたが、状況が悪く彗星の観測はできませんでした。
流星群が最も観測しやすい日の前後で湿気が多く、雲量が多かったことが主な原因で、さらに自宅付近が建物に囲まれているため流星群の方角が隠れることや、街灯の影響を受けてしまうという点も影響したと思われます。
本題の製品の性能についてですが、アトレックII HR8×32WPを使用したところ、とてもクリアな視界で天体が観測できました。
明るい星のそばにある見えにくい天体を確認して、星の並びから星座を認識できるのが楽しかったです。
またピント調整がしやすく、右目の視度調整リングが回すとカチカチ音が鳴る段階式となっているため、はじめての利用でもピントの微調整がしやすいです。
さらにハイアイポイント設計の性能確認のためメガネ着用での製品使用を行ったところ、メガネ越しでも小さな天体の光がくっきりと映るため、メガネ着用でも特にストレスを感じることなく使用できました。
目からの距離が遠くなるため、感覚が慣れるまで少し時間が必要です。
観測してわかった気になる点
実際に観測してみて感じた気になる点について解説します。
手振れについて
双眼鏡は倍率が高いものほど遠くのものが見えやすくなる分、手振れが起きやすいとされています。
アトレックII HR8×32WPも倍率が高めのモデルであり天体も小さな点で映るため、手振れが気になりました。
椅子やマットを利用して手や体が動きにくい体勢を作るのがおすすめです。
観測する場所
星の光は街灯や家の明かりに比べると弱いため、街灯がない標高の高い場所で観測するのが一番です。
自分の目で確認する際についても明るい光を見てしまうと星の光が見えにくくなるため、星以外の明かりが極力ない場所のほうが適しています。
肉眼でも星がきれいに見えるような場所で双眼鏡を使用すれば、普段では見ることができない夜空を目の当たりにすることができるはずです。
アトレックII HR8×32WPは初心者でも扱いやすい双眼鏡
アトレックII HR8×32WPは初心者でも初期設定がしやすく、クリアな映像が楽しめる高性能な双眼鏡です。
防水機能も搭載されているため、星空の観測を趣味にしたい方だけではなく、お子さんの自由研究や親子の交流ツールとしても役立つ製品です。
長期の休みに星空を楽しむ際は、本記事を参考にアトレックII HR8×32WPを利用してみてはいかがでしょうか。
双眼鏡はお試しレンタルがおすすめ
アウトドア、ライブ・コンサートイベントに短期間だけ使いたいなら双眼鏡のレンタルがおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、様々な倍率の防振双眼鏡も用意しているので、利用シーンに応じて好きな倍率を使い分けられます。
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