キヤノン初心者モデルEOS Kiss X9とX7の気になる違いを徹底解説。意外にも大きな差が開いた両モデル
更新日2022/04/29
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2017年9月にベストセラーモデルEOS Kiss X7の後継機として発売されたEOS Kiss X9。X7では世界最小最軽量一眼レフとして販売され、その携帯性やかわいらしさで大きな注目を浴びました。
現在のスタンダードシリーズの最新モデルであるX9は、X7からどのような点が変わったのか、実際に両者を使用したことがある筆者が比較して検証していきます。
もくじ
それぞれの商品紹介
まずはそれぞれ発売当時に特長として挙げられていた性能や機能をご紹介していきます。
EOS Kiss X9
2017年6月に発売されたキヤノンの人気エントリーモデルEOS KissシリーズのスタンダードモデルであるEOS Kiss X9。
EOS Kissシリーズは初心者に優しいカメラとして販売されてきましたが、EOS Kiss X9は歴代シリーズの中で最も初心者に寄り添ったカメラになっています。
これまで一眼カメラは画面上に数値が並んでおり、それぞれ異なる役目を果たしますが、仕組みを理解するところで挫折してしまう方も見られました。しかしEOS Kiss X9では、液晶画面上で表示される設定画面がイラストなどで分かりやすく視覚的に調整できるようになりました。
EOS Kiss Mの登場で一世代の映像エンジンとなりましたが、高性能映像エンジンであるDIGIC7を搭載しました。これにより高画質の実現はもちろん、暗い場所に強い高感度耐性も強化されました。
意外にも一眼カメラで撮影した写真は加工なしでは味気ないさっぱりした印象を受けます。EOS Kiss X9では、手軽にその場で撮影画像にエフェクトをかけることができる「クリエイティブフィルター」を搭載しています。
EOS Kiss X9のレビュー記事はこちら
現役カメラマンが使って感じた”Canon EOS Kiss X9″最新レビュー! | RentioPress
EOS Kiss X7
2013年4月に発売されたEOS Kiss X7。こちらは現在のスタンダードモデルであるEOS Kiss X9の従来機として人気を集めていました。
EOS Kiss X7の特長は何より小型軽量ボディ―です。公式サイト商品ページにも記載がありますが、「世界最小、最軽量の一眼レフ。」と売り出すほどコンパクト性に自信があるカメラです。
片手に収まるほどのサイズ感は女性の間でも人気となりました。そして最新モデルであるEOS Kiss X9が発売されるまでの約4年もの間、常に各家電量販店や通販サイトで上位に位置したベストセラーモデルです。
現代のカメラと比較すると性能面では劣る部分もありますが、一眼カメラとして十分の画質を誇り、何より持ち歩くのに便利なため、旅行やレジャーシーンでおすすめのカメラです。
EOS Kiss X9とEOS Kiss X7の性能比較表
モデル名 | EOS Kiss X9 | EOS Kiss X9i |
---|---|---|
発売時期 | 2017年7月28日 | 2017年4月7日 |
参考価格(ボディのみ) | 6万5千円程度 | 9万円程度 |
有効センサーサイズ | APS-C | |
撮像素子 | 高感度・高解像度大型単板CMOSセンサー | |
カメラ部有効画素 | 約2420万画素 | 約2410万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 |
測距点 | 9点 | 45点 |
測距輝度範囲 | EV-0.5~18(*) | EV-3~18(*) |
常用ISO感度 | ISO100~25600 | ISO100~12800 |
シャッター速度 | 1/4000~30秒、バルブ | |
連続撮影速度 | 最高約5.0コマ/秒 | 最高約4.0コマ/秒 |
液晶モニター | ワイド3.0型/TFT式カラー液晶モニター | |
画面サイズ/ドット数 | 約104万ドット | |
Wi-Fi | 〇 | – |
NFC | 〇 | – |
Bluetooth | 〇 | – |
大きさ | 約122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mm(CIPA基準) | 約131.0(幅)×99.9(高さ)×76.2(奥行)mm(CIPA基準) |
質量 | 約453g(ブラック) | 約532g |
EOS Kiss X9とEOS Kiss X7を徹底比較!
ここからは比較表かそれぞれの特長を踏まえて、新旧モデルの比較を進めていきます。
外観比較
EOS Kiss X9、EOS Kiss X7ともに小型軽量ボディが特長ですが、EOS Kiss X7は世界最小・最軽量一眼レフだけに最新モデルよりも小さいことがわかります。
サイズとしてはEOS Kiss X9が約122.4(幅)×92.6(高さ)×69.8(奥行)mmで、EOS Kiss X7が約116.8(幅)×90.7(高さ)×69.4(奥行)mmと、奥行以外は1cm以上も大きさに違いがあることが分かります。特に幅は約6cmも違いがあるため、手で持った感覚も大幅に異なります。
重量ではEOS Kiss X9が約453g(ブラック)、EOS Kiss X7が約407g(ブラック)と、50gほどX9が重い結果となりました。一眼レフとしてX7は世界最小、最軽量を実現しているだけあって、その軽さはミラーレス一眼にも迫る勢いです。
搭載映像エンジンによる影響
EOS Kiss X9とEOS Kiss X7では、世代が異なるカメラのため搭載されている映像エンジンも異なります。
当然ながらEOS Kiss X9の方が最新モデルであるため、最新技術が搭載された映像エンジンが搭載され、この影響は画質、連写性能、高感度耐性などの重要な性能に関わります。
画素数の増加
EOS Kiss X7で約1800万画素だった画素数は、EOS Kiss X9で約2420万画素まで増加しました。これにより1枚の画像サイズが大きくなり、きめ細かな画像を実現します。
連写性能の向上
映像エンジンの進化により、処理能力が向上しました。
その内の連写性能では従来のEOS Kiss X7では約4コマ/秒だったのに対して、EOS Kiss X9では約5コマ/秒まで連写性能が向上しました。
連写性能が向上することで撮影できる瞬間が増えるため、決定的な場面も逃しにくくなります。
暗い場所で重要な高感度耐性の差
映像エンジンでは画像に関する処理能力を大きく左右する重要な部分ですが、その中でも暗い場所で使用する高感度撮影に大きな影響をもたらします。
高感度はISO感度という数値で表され、ISO100やISO6400などの表記となります。数字が大きいほど夜間などの暗い場所でも電子的に光を増幅させ、シャッタースピードを落とさず明るい写真を撮影することができます。
しかし、ISO感度を上げると画像上にノイズが発生しやすくなります。そのノイズ発生の具合が高感度耐性の基準となります。
EOS Kiss X7では、最高ISO12800(拡張ISO25600)としていましたが、EOS Kiss X9では最高ISO25600(拡張ISO51200)を実現し、より暗い場所での撮影に強くなり、ノイズ発生も目立たなくなりました。
撮影を手助けする機能
もともとEOS Kissシリーズでは初心者に優しい一眼カメラとして提供されてきましたが、EOS Kiss X9とEOS Kiss X7では、撮影をサポートする機能にも違いがあります。
EOS Kiss X9で実現した切り替え可能な設定メニュー
これまで一眼カメラではこのような数値が並んでいるだけの設定画面が一般的でした。しかしEOS Kiss X9では、下のような設定画面へと切り替えることが可能になりました。
このように設定を変えることでどのような効果を得られるのかイラストで解説してくれます。
例えば絞りであればF値を小さくすればボケやすくなり、F値を大きくすれば全体にピントが合いやすくなるというカメラの仕組みを視覚的に理解することができます。
これはその場で撮影に活かされるだけでなく、写真撮影の基礎知識として勉強にもなります。
液晶ディスプレイ方式の違い
EOS Kiss X9、EOS Kiss X7ともにワイド3.0型の液晶ディスプレイを搭載していますが、EOS Kiss X7が固定式なのに対して、EOS Kiss X9は液晶が可動するバリアングル液晶を採用しています。
バリアングル液晶はカメラから開くような形で広げることができ、その際に液晶を180度上下に角度を変えることもできます。
例えば運動会などで最前列が取れなかった場合、ファインダーを覗くと人の頭がどうしても写ってしまいますが、液晶画面に撮影画面を表示させるライブビュー機能を利用して、カメラを持ち上げて撮影するハイアングル撮影時にバリアングル液晶を調整すれば、人の頭を気にすることなく、撮影することができます。
ライブビュー機能はEOS Kiss X9、EOS Kiss X7両方に搭載されていますが、EOS Kiss X7の固定式では、カメラを持ち上げると液晶に対して斜めの角度になるため、見づらくなり、場合によっては光の反射などで何も見えない場合もあります。
そのようなこともあり、角度調整のできるバリアングル液晶は有利なのです。
大きく異なる通信機能
現代のカメラでは一般的となったスマートフォンなどと連携させるための通信機能。
EOS Kiss X9ではWi-Fi、Bluetoothともに標準搭載ですが、EOS Kiss X7は、通信機能を一切搭載していません。
そのためEOS Kiss X7では、撮影後に直接スマートフォンなどへ転送することはできず、PCなどに移すことが大前提でした。
初心者向け一眼カメラとして通信機能が存在しなかったのは大きな欠点で、EOS Kiss X9で対応したことは大きな進化といえるでしょう。
スマートフォンアプリ「Camera Connect」を使うことでスマートフォン内の画像の保存や、カメラを直接操作しないリモート撮影も可能となります。リモート撮影は手ブレを抑えたいシャッタースピード超低速時などで効果的に使うことができます。
価格の違い
EOS Kiss X7は生産終了モデルとして、今後新規生産することはありませんが、2018年6月現在でも新品が在庫として販売されています。
もちろんEOS Kiss X9は、現在も最新モデルとして生産が行われており、売上ランキングでも上位をキープする人気モデルとなっています。
EOS Kiss X9は、2018年5月14日現在でボディ本体56,780円(税込)、レンズキット64,570円(税込)、ダブルズームキット76,200円(税込)となっています。※全てAmazonでの価格
EOS Kiss X7は、2018年5月14日現在でボディ本体53,858円(税込)、レンズキット58,000円(税込)、ダブルズームキット71,480円(税込)となっています。※全てAmazonでの価格
EOS Kiss X9は発売からまだ1年が経過していませんが、発売当初からだいぶ値段が下がった印象です。EOS Kiss X7との差も大きく広がることはなく、EOS Kiss X9もお得に購入できる印象です。
Canon EOS Kiss X9とX7の比較検証まとめ
最新モデルになってさまざまな面で進化を見せたEOS Kiss X9。
基本的な画質などの撮影面での性能向上はもちろん、更に初心者に優しくなったカメラの操作面でも、大変おすすめできるカメラです。
これだけ機能を改善しているので、世界最小・最軽量の記録を更新することはありませんでしたが、EOS Kiss X9は一眼レフとして小型、軽量のカメラとしての地位を確立しています。
少しでも安く、コンパクト性を求める方であればEOS Kiss X7は今なお選択肢の一つとして良いでしょう。
現行EOS Kissシリーズのラインナップを比較
こちらの記事では現在ラインナップとして存在するEOS Kissシリーズ全モデルの比較を行っています。
シリーズ初のミラーレス一眼であるEOS Kiss Mをはじめ、シリーズ最廉価モデルのEOS Kiss X90まで、それぞれどのような特長があるのか、あなたに合った買うべきEOS Kissをご紹介しています。
[2018年最新版]一眼レフ初心者が知りたいEOS Kissシリーズの選び方と全ラインナップの比較 | RentioPress
2019年4月に最新モデル「EOS Kiss X10」が誕生
これまでEOS Kiss X9が最新モデルでしたが、発売から2年も経たずして最新モデルとなるEOS Kiss X10が2019年4月に発売されました。
こちらはEOS Kiss X9で好評であった性能を受け継ぎ、最新技術も取り入れた後継モデルとなります。
詳しいレビューは、こちらからご覧ください。
Canon EOS Kiss X10実写レビュー!初心者向け最新モデルを現役カメラマンが使って徹底解説 – Rentio PRESS
EOS Kiss X9はレンタルできる
今回ご紹介したEOS Kiss X9とEOS Kiss X7ですが、レンタルがおすすめです。
例えば旅行のときだけ良い写真を撮影したいや、試しで使ってみたい時はレンタルでカメラを使うことで購入するよりも低価格に抑えることができます。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」では、EOS Kiss X9がレンタル大人気商品として取り扱っています。
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