Panasonic LUMIX DC-G9実写レビュー。動体撮影と4K動画で違いを魅せるハイエンドミラーレス一眼
更新日2022/10/31
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長い一眼レフ一強の時代が続きましたが、その流れにもついに変化が訪れました。
近年になってカメラメーカー各社ではミラーレス一眼カメラの開発を強化し、さまざまなミラーレス一眼カメラが発売されました。
LUMIXシリーズというベストセラーシリーズを展開するパナソニックでもミラーレス一眼カメラの開発は力を入れている分野で、さまざまなクラスに合わせたカメララインナップが存在します。
今回はパナソニックのLUMIXミラーレス一眼カメラの中でも高性能ハイエンドモデルとなるPanasonic LUMIX DC-G9 PROを実際に使用してレビューしていきます。
もくじ
LUMIXが誇るハイエンドミラーレス一眼カメラ「DC-G9」
パナソニックが展開するカメラブランド「LUMIX」からハイエンドミラーレス一眼カメラとして2018年1月に発売されたLUMIX DC-G9 PRO。
LUMIXのミラーレス一眼では、フラッグシップ系であるGHシリーズが最上位シリーズとして存在しますが、DC-G9が属するGシリーズはLUMIXのミラーレス一眼の中でも最も歴史のあるシリーズで、現在ではスタンダードモデルとしてDC-G9が存在します。
ミラーレス一眼カメラとして様々な性能を実現し、撮影者の理想に近づけてくれるカメラとして人気を集めています。
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DC-G9外観レビュー
ここからはLUMIX DC-G9 PROの実機を見ながらデザインなどの外観面をレビューしていきます。
気になる大きさや重量、ホールド感など、実際に手に取って使った感覚を基に感想をご紹介していきます。
ハイエンドモデルとして上質なボディを実現
LUMIX DC-G9 PROは、初心者向けのカメラとは言えず中級・上級者向けのモデルといえるでしょう。
初心者向けのモデルでは、小型で軽量のコンパクトボディが採用されていることが多いですが、DC-G9ではハイエンドモデルらしい上質なボディを実現しています。
黒を基調としたデザインに、がっちりとしたサイズ感は、高級感を感じることのできるデザインで、モードダイヤルに入る赤色の線は控えめながらデザインへの影響力を感じる、大きなアクセントとなっています。
分かりやすいボタン配置
LUMIX DC-G9 PROに配置されたボタンは非常に分かりやすい位置関係となっています。
普段はキヤノンの一眼レフを使用する私ですが、DC-G9のボタン配置や操作面で迷うことはありませんでした。
特に設定面において連写設定やセルフタイマーなどのドライブ面をモードダイヤルの下に存在するもう一つのダイヤルで調整することができるのは、とても利便性の高い機能だと感じました。
3.0型104万ドットのフリーアングルモニターを搭載
ミラーレス一眼カメラとしては珍しくチルト式よりも自由度の高いフリーアングルモニター(バリアングル式)を搭載しています。
ミラーレス一眼カメラでは一般的に上下のみに展開できるチルト式液晶が採用されることが大半ですが、こちらのLUMIX DC-G9 PROでは、フリーアングルモニターを搭載することでローアングル撮影やハイアングル撮影における自由度の高い撮影を実現します。
タッチ操作も可能なモニター
LUMIX DC-G9 PROで搭載されているモニターにはタッチパネルも搭載しており、タッチ操作による撮影も可能です。
構図を決めた後にモニター上にて被写体をタッチするだけでフォーカスを合わせることが可能です。タッチシャッターの設定をONにすることによりタッチシャッターを有効にすることも可能です。
ファインダーをのぞくことのできない環境下や、三脚などで構図を完全に指定した場合の撮影などに効果的な機能です。
高精細368万ドットOLEDファインダー
ミラーレス一眼カメラの悩みとして違和感を覚える電子ビューファインダーがあげられることが多いです。
モデルによっては電子ビューファインダーにおいて応答速度が遅いなどのタイムラグが発生することもあり、一眼レフから乗り換える際に気になるという話もよく聞きます。
一眼レフを使っているような自然さ
一眼レフでは光学ファインダーと呼ばれる「見たままの景色」を映し出してくれますが、ミラーレス一眼カメラではカメラ内部にミラーが存在しないことによりファインダー内に液晶を配置する電子ビューファインダーが採用されています。
電子ビューファインダーではどうしても映像として映し出されるため、一眼レフと比較して不自然さが目立つところですが、LUMIX DC-G9 PROでは高いドット数を実現し、業界最大クラス倍率約0.83倍の大型ファインダーを採用し、不自然さを極限まで抑えて自然体で撮影することが可能です。
トラブルにも安心できるダブルSDカードスロットを搭載
LUMIX DC-G9 PROでは、SDカードを挿入することのできるスロットが2つ搭載されており、単純に同時記録ができるだけでなく、ダブルスロットを活かした様々な記録方法を選択することが可能です。
2つのSDカードの活用方法は主に3つに分かれ、下記のタイプが存在します。
- 順次(リレー)記録 : 1つ目のSDカードがいっぱいになった段階で自動的に2つ目のSDカードへと移行
- バックアップ(サイマル)機能 : 2つのSDカードに撮影したデータを同時に記録。2枚体制になるため、バックアップとしておすすめ
- 振り分け記録 : データのタイプによって記録するSDカードを振り分ける機能。JPEGやRAWを別々に記録することが可能
ダブルスロットを活用して安全性の高い撮影を行うことができるのもDC-G9の大きな魅力です。
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DC-G9の撮影能力を検証
ここまで外観のレビューを行ってきましたが、ここからは実際に撮影を行っていく上で気になる撮影性能面をレビューしていきます。
世界最高ボディ内手ブレ補正6.5段
近年のカメラでは、レンズ以外にもボディ内に手ブレ補正機構を搭載することも多く、LUMIX DC-G9 PROでもボディ内手ブレ補正機構を自信としています。
DC-G9では、シャッター速度6.5段分の手ブレ補正性能を実現していることで、手ブレが発生しやすい低速シャッター時などで手ブレ補正機構が大きく活躍します。
高速で正確なAF性能
LUMIX DC-G9 PROでは、高速で正確なAF性能も持ち味の一つです。かつてのミラーレス一眼カメラは、AF性能が大きなデメリットとされており、特に動く被写体を撮影する際などのAF追従性能は一眼レフに比べると極めて劣るものでした。
独自のAFシステムは従来モデルに搭載されているものよりも大幅に空間認識技術で進化を遂げました。
これにより動く被写体の追従性能も向上し、動体撮影において素早いフォーカスと外す事のない精度を実現しています。また、AF性能で重要な測距点でも従来から大幅に増加させた225点の測距点でより細かいフォーカスポイントの選択が可能となりました。
高速連写と豊富なバッファ容量
LUMIX DC-G9 PROではAF性能が優秀とご紹介しましたが、いくら高速で正確なAF性能を実現していても、それを活かすための高速連続撮影があってこその高速撮影性能だと感じます。
DC-G9では、AF追従撮影時でも約20M画素の状態を維持しながら約20コマ/秒の高速連続撮影性能を実現しています。そして高速連続撮影の場合、一度に連写できる枚数が限られていますが、RAW+JPEG記録時でも一度に50枚まで連続撮影を行うことができる大容量バッファを搭載しています。
またAF固定の撮影では、約60コマ/秒の高速連続撮影を実現しており、超高速の連写性能を実現しています。
最新画像処理エンジンの搭載で魅せる高画質
LUMIX DC-G9 PROに搭載されているイメージセンサーは、一眼カメラとしては小型の部類に入るマイクロフォーサーズとなっています。
上位カメラに搭載されるようなセンサーはフルサイズやAPS-Cなどのサイズが一般的ですが、マイクロフォーサーズはそれらと比較すると小さいサイズのセンサーで、写真を生成するための光の情報を多く含むことができないため、大型センサーと比較して画質で劣るとされていました。
しかしDC-G9では、伝統のマイクロフォーサーズセンサーを上位モデルでも採用し、独自開発の最新画像処理エンジンである「ヴィーナスエンジン」により、画像生成において高い能力を発揮します。
イメージセンサーが進化していることももちろんなのですが、高解像・高感度・色再現処理などの「良い作品」を生み出すために必要な性能を大幅に強化しています。
性能の向上で広がったダイナミックレンジの幅
最新のイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載することであらゆる性能が向上しましたが、写真の階調を左右するダイナミックレンジの幅も大きく広がっています。
明暗差の激しい場面などで能力を発揮するダイナミックレンジの幅ですが、従来モデル(GH4)に比べてハイライト側のダイナミックレンジが約25%拡大しています。
これにより画像の階調がより豊かになり、ディティールの表現力も大幅に向上しました。
動画撮影機としても優れている
今のところミラーレス一眼カメラというと、静止画の撮影が一般的とされており、静止画における画質や性能が大きく評価されている部分が目立ちます。
もちろんLUMIX DC-G9 PROでも静止画撮影における能力は十分保有しながら、動画撮影における撮影性能も非常に高く、ムービーをメインで撮影されている方にもおすすめできるモデルです。
4K/60pの超高画質撮影
パナソニックではビデオカメラの製品もラインナップとして数多く存在し、4K撮影や強力な手ブレ補正を特長としたモデルが数多く存在し、これらのビデオカメラ開発で培った技術をミラーレス一眼カメラでも活かしています。
DC-G9では最大記録画質4K/60pを実現しているだけでなく、クロップできる機能やカメラの動作音、ズーム音、風切り音などを極限まで抑えてくれる「ノイズキャンセリングマイク」も搭載されています。
一般的なミラーレス一眼カメラよりも動画撮影において機能面でも優れたカメラとなっています。
Panasonic DC-G9で写す冬の東京
ここからは今回ご紹介しているパナソニックのLUMIXミラーレス一眼カメラPanasonic DC-G9 PROを使って実際に私が撮影した「冬の東京」を作例としてご紹介していきます。
Panasonic LUMIX DC-G9性能仕様表
モデル名 | LUMIX DC-G9 |
---|---|
撮像画面サイズ | マイクロフォーサーズ |
映像素子型式 | 4/3型Live MOSセンサー |
映像エンジン | ヴィーナスエンジン |
有効画素数 | 2033万画素 |
オートフォーカス方式 | 映像検出によるTTL方式 |
測距点 | 225点 |
常用ISO感度 | ISO200~25600 |
シャッター速度 | 1/32,000秒~60秒、バルブ |
連続撮影速度 | 最高約60コマ/秒(AFS/MF時) |
画面 | ワイド3.0型/約104万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約136.9(幅)×97.3(高さ)×91.6(奥行)mm |
質量(CIPA) | 約658g |
オールラウンドで活躍するハイエンドミラーレス一眼カメラ
これまでご紹介してきたPanasonic LUMIX DC-G9 PROは、あらゆる撮影シーンにおいて活躍が期待できる最新のハイエンドミラーレス一眼カメラです。
マイクロフォーサーズセンサーとハイエンドモデルにしては小さめのイメージセンサーを搭載しながら、小さいセンサーのデメリットを感じさせることのない高画質を実現しています。
カメラというのは、年々更新が続けられ、その都度大きな性能向上があるものですが、DC-G9も従来のモデルから最新のイメージセンサーや画像処理エンジン「ヴィーナスエンジン」を搭載することで、写真撮影におけるすべての性能が向上したと言えるでしょう。
「ハイエンド」と名乗るからこそ実現できる高画質・高解像力・高感度耐性・正確な色再現能力は、要求の高い撮影スタイルにも応える万能カメラです。
ハイエンドながらミラーレス一眼カメラらしいコンパクトなサイズ感と、簡単に撮影できる操作性もLUMIX DC-G9を使う大きなメリットといえるでしょう。
気になるカメラをレンタル
一眼カメラが多数存在する今、カメラ選びというのは選択肢の多さから迷う要素の一つだと思われます。
そして見れば見るほど気になるカメラの数が増えていくばかりです。
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