Canon EOS M6 Mark II実写レビュー。進化が止まらないEF-Mマウント最新ミラーレス一眼の実力

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依然として注目度の高い「ミラーレス一眼カメラ」。
各カメラメーカーでは、流行するミラーレス一眼カメラへの開発を積極的に進めており、高性能ながら小型軽量化を実現したカメラとして人気を集めています。
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かつては一眼レフカメラを中心に開発を行っていたキヤノンも、近年ではミラーレス一眼カメラの開発に力を入れており、2018年にはフルサイズセンサーを搭載した最新シリーズ「EOS R」を発売しました。
今回ご紹介していくEOS M6 Mark IIは、EOS Rよりも前から存在するミラーレス一眼シリーズ「EF-Mマウント」における最新モデルで、従来モデルとなるEOS M6の更新版として発売されました。
ここにきてフルサイズセンサーではなく、APS-Cセンサー搭載モデルにおけるラインナップの補充を図るキヤノンの最新モデルの魅力に迫ります。
もくじ
キヤノン最新APS-Cミラーレス一眼
キヤノンでは、これまでもAPS-Cセンサーを搭載したミラーレス一眼の開発は行ってきましたが、今回のEOS M6 Mark IIは、シリーズにおいて久々の新製品となりました。
直近では、フルサイズセンサーを搭載した「EOS R」シリーズの開発が積極的に進められていた印象で、EF-Mマウントを採用したモデルとしては、2018年3月発売の「EOS Kiss M」以来の新製品となりました。
EF-Mマウントを採用したモデルの傾向として、ボディは小型・軽量を実現しており、初心者にも優しい操作性を実現した、エントリー層が扱いやすいモデルとなっています。
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EOS Rシリーズではない、EF-Mマウントを採用
ここ最近におけるキヤノンのミラーレス一眼の傾向は、フルサイズセンサーを搭載し、RFマウントという新規格を採用したEOS Rシリーズが一般的でしたが、EOS M6 Mark IIでは、RFマウントではなく、かつてから存在するEF-Mマウントを採用しています。
これにより対応するレンズもEF-Mマウント用となっており、小さくて機動性に優れたレンズが揃っているため、小型・軽量のボディを合わせた使用感がメリットと言えるでしょう。
一方で、RFマウントほどマウントアダプターを使用してEFレンズを使用するメリットはあまりなく、EFレンズのバリエーションを存分に体感したい方にはおすすめではない選択肢です。
外観レビュー
ここからはEOS M6 Mark IIの実機を使用してレビューを行っていきますが、まずは大きさや重さ、デザイン性などの外観面を中心に細かくご紹介していきます。
ミラーレスらしい小型・軽量ボディ
EOS M6 Mark IIでは、ミラーレス一眼のメリットとして挙げられているコンパクトさを感じることのできるモデルです。
従来モデルのEOS M6よりは大きさ、重さともに増加した形となりましたが、それでも持ち運びに楽で、撮影においても負担にならない携帯性を実現しています。
本体質量はバッテリー、SDメモリーカードを含みCIPAガイドラインに基づいた数値として約408gの軽さを実現しており、ミラーレス一眼らしさを強く感じることができるモデルです。
シンプルな直感操作が可能
EOS M6 Mark IIでは、小型・軽量ボディに搭載されたシンプルなボタン・ダイヤル類も、直感操作から難しさを感じない撮影を実現してくれます。
主に2つの電子ダイヤルとダイヤルファンクションボタン、コントローラーホイールを操作することでほとんどの設定を完結することができます。
ボタンの組み合わせによる操作や、役割の分からないボタンなどが配置されていないため、簡単操作で、思い通りの設定に素早く切り換えることができるのも魅力の一つです。
上下に可動するチルト式液晶モニターを採用
カメラ本体には背面において可動式の液晶モニターが搭載されており、上方向に約180°、下方向に約45°の範囲で自由に画面の角度を調整することができます。
このチルト式液晶モニターの搭載で、カメラを自分に向けて撮影を行う「自分撮り」のスタイルや、目線の高さではないローアングルやハイアングルの撮影においても液晶モニターの角度を変えることで普段使用することのない角度からも見やすさを実現します。
2種類のカラーバリエーション
EOS M6 Mark IIでは、カメラボディに2種類のカラーバリエーションが存在します。
カラーバリエーションには、シルバーとブラックが存在しますが、それぞれの違いはカメラ上部と下部のみで、ボディ中央部のカラーは変わりないため、大きな印象の違いはないと言えるでしょう。
どちらのカラーバリエーションもシックで落ち着いた印象があるため、華やかとは言えませんが、エントリーモデルとは一味違った高級感も感じられるところです。
ファインダーは別売の後付けタイプ
EOS M6 Mark IIでは、従来モデルEOS M6同様にカメラ本体にファインダーは搭載されていません。
しかし、別売で販売されている電子ビューファインダー(EVF-DC2)を装着することができ、ファインダーを覗いた撮影を行いたい場合は、用意する必要があります。
性能レビュー
外観面をご紹介してきたところで、ここからはEOS M6 Mark IIにおける撮影性能についてご紹介していきます。
約3250万画素の高画素を実現
EOS M6 Mark IIでは、これまでAPS-Cセンサーを搭載したキヤノンのミラーレス一眼で一度も実現したことのなかった約3250万画素という3000万画素超えの高画素化を実現しました。
これは同時期に発売となった一眼レフカメラであるEOS 90Dと同じ画素数を誇り、キヤノンの一眼カメラにおける新世代モデルと言えます。
画素数は、写真画質の全てを決定付ける訳ではありませんが、撮像において非常に重要な性能で、高画素を操るスペックも必要となるため、カメラとしてのクオリティが向上していることも意味しています。
最新の映像エンジン「DIGIC8」を搭載
EOS M6 Mark IIでは、キヤノンが開発する最新の映像エンジンである「DIGIC8」を搭載しており、画像処理の能力において大きな力を発揮しています。
映像エンジンは、撮像における画像処理にて解像や色表現、高感度耐性など、あらゆる撮影性能に関わるカメラにおいて心臓部の役割を果たすと言えます。
その心臓において最新かつ高性能の映像エンジンを搭載していることで、EOS M6 Mark IIは、最新のミラーレス一眼カメラとしての能力を遺憾なく発揮してくれます。
高感度撮影性能が向上
先ほどご紹介した最新の映像エンジン「DIGIC8」は、夜間など光量の少ない場面で性能差がでる高感度撮影において大きな力を発揮します。
さすがにセンサーサイズによる限界があるため、フルサイズセンサーを搭載したEOS Rシリーズなどと比較すると高感度撮影における実用度は低く感じますが、ISO2500程度であれば、ノイズも抑えられた非常に優れた描写を実現してくれます。(従来のAPS-C機ではISO1600程度)
高感度撮影というのは、近年の一眼カメラにおいて大きく性能の違いが出る場所として、カメラの性能を見る上でも一つの重要なポイントになるため、APS-Cセンサー搭載ながら優秀な高感度耐性を実現したEOS M6 Mark IIは、高く評価することができます。
手ブレを抑える「デュアルセンシングIS」
小型・軽量のカメラは、その軽さゆえに手ブレが生じやすいのも事実です。
他のカメラメーカーでは、ボディ内において手ブレ補正機構を搭載するなど、手ブレを抑制する工夫が行われてきましたが、EOS M6 Mark IIでもデュアルセンシングISというボディ内手ブレ補正のような効果が体感できます。
ブレが生じやすい手の震えはもちろん、呼吸時など、一瞬だけ大きく揺れるようなブレに関してもカメラが手ブレ補正として対応してくれます。
なお、デュアルセンシングISの効果を体感するためには、下記の対応レンズの組み合わせが必要となります。
クラス最高の約14コマ/秒の高速連写
EOS M6 Mark IIにおける目玉の性能といえば約14コマ/秒の高速連続撮影性能でしょう。
この約14コマ/秒の速度は、これまでキヤノンのAPS-Cセンサーを搭載した一眼カメラにおいて、実現したことのない領域で、はじめてこれほどの高速性能を実現しました。
更にカメラによって高速連続撮影性能は、AFを追従しない固定時の速度で最高速度として記載されることが多いのですが、EOS M6 Mark IIでは、AF固定時およびAF追従撮影時においても最高速度である約14コマ/秒の高速連続撮影性能を実現しています。
※撮影条件によって撮影速度は異なります。
AFも広範囲において高精度で高速性能を実現
ピント合わせもカメラの性能において大きな違いが出るところですが、EOS M6 Mark IIでは、これまでキヤノンが培ってきた技術を基にAF性能においても優れた能力を発揮します。
「デュアルピクセルCMOS AF」を採用し、約3250万の全有効画素がオートフォーカス用のセンサーとしても機能し、画面の広範囲において高精度で素早くピントを合わせてくれます。
更に近年カメラに採用されることの多い、人の瞳を検知する「瞳AF」に関しても、追いかけ続けるほどの優秀な追従能力を誇ります。
初心者でも使いやすい「クリエイティブアシスト」搭載
あらゆる撮影性能において高性能を実現しているEOS M6 Mark IIですが、初心者でも使いやすい機能として「クリエイティブアシスト」を搭載しています。
クリエイティブアシストは、液晶画面において「明るさ」や「コントラスト」、「色味」などの設定をゲージ上で視覚的に調整することができる機能です。
クリエイティブアシストは、初心者向けのモデルである「EOS Kiss M」で初搭載を果たし、カメラの知識がなくても、思い通りの写真が撮影でき、設定を勉強することもできる機能として人気を集めています。
撮ったその瞬間を動画でも記録
モードダイヤルにムービーとカメラが両方記されたアイコンが存在します。
こちらは「プラスムービーオート」と呼ばれる機能で、写真をダイジェスト形式で自動的にムービー化してくれる機能です。
撮影する前約2~3秒をムービーにて記録を行い、これらの動画とその時撮影した写真を組み合わせたダイジェスト動画を自動的に生成します。
写真だけでも良き思い出を振り返ることができますが、撮影したその瞬間が動画として記録されているため、より鮮明に撮影の際に感じた感動などを思い返すことができます。
プラスムービーオート機能は歴代のEOSシリーズやPowerShotシリーズにおいても採用されることがありましたが、今までその存在には気づかれにくく、今回モードダイヤルにて大きく存在感が増しました。
EOS M6 Mark IIで写す

mm, ラフモノクロ, 東品川海上公園

従来モデルEOS M6との違い
後継モデルとして誕生したEOS M6 Mark IIですが、従来モデルであるEOS M6からどのように進化したのかも詳しく気になるかと思います。
ここからは従来モデルEOS M6との撮影性能での変化を中心にピックアップしてご紹介していきます。
画素数の違い
大きな違いの一つとして画素数があります。
EOS M6では、約2420万画素であったことに対して、EOS M6 Mark IIでは約3250万画素と、大幅に画素数を増加させました。
連写性能の違い
元々一眼カメラとして優秀な連続撮影速度を実現していたEOS M6ですが、EOS M6 Mark IIでは、クラス最高となる連続撮影速度を実現しています。
従来のEOS M6では約9.0コマ/秒であったのに対して、最新のEOS M6 Mark IIでは、約14コマ/秒という驚異的な性能となっています。
高速連続撮影性能が向上したことで、当然ながら連写時に切り取ることのできる瞬間が増加するため、決定的瞬間を逃しにくくなります。
AF性能の違い
デュアルピクセルCMOS AFを採用している点では、従来のEOS M6もEOS M6 Mark IIも変化がありませんが、構造上画素数が増加しているEOS M6 Mark IIでは、測距点が増加し、最新映像エンジン「DIGIC8」によるAF性能も向上しています。
更にポートレートや自分撮り撮影に欠かせない「瞳サーボAF」も最新のEOS M6 Mark IIにおける大きな特徴の一つと言えるでしょう。
大きさの違い
こちらは撮影性能における違いではありませんが、カメラ本体における大きさや重さについても若干の違いがあります。
- EOS M6 : 112.0(幅)×68.0(高さ)×44.5(奥行)mm
- EOS M6 Mark II : 119.6(幅)×70.0(高さ)×49.2(奥行)mm
上記の外形寸法の通り、全体を通してEOS M6 Mark IIでは少し大型化されています。
しかし、これは性能向上の上では必然的であり、大型化したとはいえ、携帯性に大きな支障が出るほどではありません。
重さに関してもEOS M6の約390gからEOS M6 Mark IIでは、約408gまで増加しましたが、こちらも手に持った感覚で大きな違いとして感じるほどではないでしょう。
製品仕様表
モデル名 | Canon EOS M6 Mark II |
---|---|
撮像画面サイズ | APS-C(約22.3×14.9mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | DIGIC8 |
有効画素数 | 約3250万画素 |
オートフォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF方式 |
測距点 | 143点 |
常用ISO感度 | ISO100~25600 |
シャッター速度(メカニカルシャッター) | 1/4000秒~30秒、バルブ |
連続撮影速度 | 最高約14コマ/秒 |
画面 | ワイド3.0型/約104万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | (幅)119.6mm×(高さ)70.0mm×(奥行き)49.2mm |
質量(バッテリー、 SDメモリーカード含む) | 約408g |
EOS R登場以降も進化を見せたEOS Mシリーズ
正直なところEOS Rシリーズが登場した際、今後のEF-Mマウントはどうなってしまうのだろうという心配はありました。
しかし、久々の登場となったEOS M6 Mark IIは、新製品として妥協を感じるどころか、キヤノンの最新技術を存分に感じることのできる気合を感じるカメラです。
特に大幅に高画素化されたことや、クラス最高となる高速連続撮影性能を実現していることは、EOS M6 Mark IIにおいて選ぶ価値を感じられる大きなポイントだと感じました。
EF-Mマウントは、EFマウントと比較するとレンズ数において物足りなさを感じる場面もあるかと思いますが、気軽で持ち運びにも楽な撮影を理想としながら、優れた撮影性能を体感したい方におすすめのカメラです。
EOS M6 Mark IIはレンタルも
今回ご紹介してきたEF-MマウントにおけるEOS M6 Mark IIは、早速レンタルにて使用することも可能です。
購入前の検討や、少しだけお試ししてみたい場面などではカメラのレンタルサービスが非常に便利で、今の時代に合ったカメラ選びとなります。
数多くのカメラをレンタルする「Rentio(レンティオ)」では、今回のEOS M6 Mark IIをはじめ、様々な一眼カメラを豊富なラインナップから選んでレンタルすること可能です。
ぜひこの機会にRentioで気になるカメラをレンタルして、自分に合ったカメラ選びに役立ててくださいね。