SONY α7IV実写レビュー。大ベストセラーモデルの後継機として正統な進化を遂げた4代目のα7シリーズ

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現在のフルサイズミラーレス一眼ブームを巻き起こしたのは、ソニーが2018年3月に発売した「α7 III」がきっかけと言えるでしょう。
以降、これまでソニーが地道に展開を行っていたフルサイズミラーレス市場に、デジタルカメラ大手のキヤノン、ニコンが参入することになり、一気にミラーレスの時代が到来しました。
今回はそんなミラーレスブームの火付け役となった「α7 III」の後継機として、約3年9カ月ぶりに誕生したα7シリーズの最新モデル「α7 IV」をご紹介していきます。
従来モデルが大ヒットモデルであったことから、必然的に求められるハードルは高くなるところです。
今回は、ソニー様よりα7 IVの実機を使用して、私が撮影した作例とともに最新α7 IVの実力を検証していきます。
もくじ
躍進が止まらないSONYのα
これまでミラーレス一眼市場を牽引してきたとも言えるソニーの「α」シリーズ。
既に数多くの製品が展開されていますが、現在も勢いが衰えることなく、続々と新製品の開発も進められています。
キヤノン、ニコンによる一眼レフ全盛期の頃から、地道にミラーレス一眼にこだわりを持ち続け、着実に進化を遂げてきたソニーのカメラですが、気が付けばキヤノンやニコンまでミラーレス一眼主体へと方針を変更せざるを得なくなったほどの影響力をもたらしました。
近年では、プロフェッショナルの現場でも使用される機会が増えるほど、信頼性にも優れたカメラが数多く展開されている印象です。
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ベストセラーα7シリーズの最新モデル
今回ご紹介していく「α7 IV」は、ソニーがミラーレス一眼シリーズ「α」において、スタンダードシリーズ「α7」から4代目のモデルとなります。
まさにソニーは「α7シリーズ」とともに成長してきたと言っても過言ではないほど、ソニーを代表するシリーズの最新モデルとして、従来から多くのユーザーに愛用されてきたカメラです。
従来モデルα7 IIIは、ソニーのミラーレス一眼として大ベストセラーモデルとして発売から数年が経っても販売ランキング上位に入るほどの人気モデルとして存在しました。
そのα7 IIIの後継モデルだからこそ、α7 IVへの期待値も高くなり、大きな注目を集めている1台となります。
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外観レビュー
まずはα7 IVの実機を使用して外観や機能面などのレビューを行っていきます。
従来モデルであるα7 IIIとの比較も行いながら、最新モデルの特徴をご紹介していきます。
従来のα7 IIIより大きくなったものの改善点多数
α7 IVは、従来モデル「α7 III」よりも全体的に大型化していることが外観面での特徴です。
とはいえ大きく違和感を覚えるようなサイズ差ではなく、幅は約4.4mm増加した131.3mm、高さは約0.8mm増加した96.4mm、奥行(突起部分を含む)は約6.1mm増加した79.8mmとなっています。
パッと手に持った感覚では、大きいと感じることはなく、携帯性に関しては従来の「α7 III」と大きく変わることはありません。
形状的には、グリップ部分が大きくなり、よりカメラを構える際のフィット感は増している印象です。
また、α7 IVでは、「バリアングル液晶」が採用され、より液晶画面の可動域が広がったことから、撮影における利便性も向上しています。
大幅に改善された電子ビューファインダー
従来モデル「α7 III」で大きな課題とされていたのが、電子ビューファインダーです。
他社のモデルと比較しても、電子ビューファインダーを覗いた際の不自然さは、実際に私がα7 IIIを使ったときにも感じるほどの欠点でした。
α7 IVでは、電子ビューファインダーも大きく改善しており、ファインダー内で「映像を見ている」という感覚が大幅に薄くなりました。
これはファインダーのドット数において、従来の約236万ドットからα7 IVでは約368万ドットへと増加していることも、見易さが向上した要因の一つとなっています。
CFExpress TypeAスロットに対応
α7 IVでは、対応する記録媒体の種類も増加しました。
今回新たに「CFexpress A」メモリーカードの挿入に対応し、秒間10コマの高速連写時や、膨大なデータを高速に書き込むことのできる手段の一つとして、新たに採用されました。
従来通り、SD、SDHC、SDXCメモリーカードの挿入にも対応しており、スロット2ではCFexpress Aに対応していないことから、引き続き、SDカードによる記録が主流になると思います。
性能レビュー
ここからはα7 IVを実際に使って撮影した作例を基に、性能面のレビューを行っていきます。
大ベストセラーとなった従来のα7 IIIより、どれほどの進化を遂げているのか、気になる方は多いと思いますので、様々なシチュエーションからご紹介していきます。
有効約3300万画素の新開発イメージセンサーを搭載
α7 IVでは、有効約3300万画素の新開発イメージセンサーを搭載し、フラッグシップモデルのα1でも採用されている最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載しています。
高画質を叶える基本的な性能が向上しているだけでなく、α7 IVでは、センサーに最新のカラーフィルターを採用し、色再現性も見直しが行われています。
個人的な印象ではありますが、これまでのソニーのセンサーは、「青色」の出方でマゼンタ食が強く出ることで癖のある発色が気になるところでしたが、近年発売されたα7C辺りから大きく改善され、全体的に安定した発色へと仕上がるようになりました。
今回ご紹介している作例においては、RAW現像を行った画像をご紹介していますが、現像時の色彩調整が従来よりも大幅に行いやすく、安定した発色を叶えている印象を受けました。
「クリエイティブルック」機能を搭載
α7 IVでは、写真表現の幅を広げる手段として、新機能「クリエイティブルック」を搭載しています。
これは、これまで「クリエイティブスタイル」として存在した機能を拡張させたもので、写真の雰囲気を調整することができます。
α7 IVでは、10種類のクリエイティブルックを搭載しており、下記の選択肢が存在します。
- ST…スタンダードのモード。標準指定がされています。
- PT…ポートレート用のモード。人物撮影に適したモードとなっています。
- NT…彩度やシャープネスを低下させて滑らかな仕上がりとなるモード。
- VV…ビビッドにあたるモード。彩度やコントラスト高めた風景写真に適したモード。
- VV2…同じく彩度やコントラストを高めているが、VVとは少し雰囲気が異なるモード。
- FL…発色を落ち着かせているが、コントラストを高めた仕上がりとなるモード。
- IN…彩度とコントラストを抑えた落ち着いた仕上がりとなるモード。
- SH…全体的に明るい雰囲気へと仕上がるモード。
- BW…白黒のみのモノトーン。
- SE…セピア調のモノトーン。
より高感度撮影に強く
α7 IVでは、従来のα7 IIIで採用していた約2420万画素より大幅に増加させた約3300万画素を採用しています。
一般的に画素数が増加することで、高感度撮影において性能が低下する要素となりますが、α7 IVでは高画素化を感じさせない高感度耐性も魅力的です。
今回の作例撮影において、様々な夜景シーンでも撮影に挑みましたが、ISO3200程度までは高感度を感じさせないノイズの少ない仕上がりを実現しています。
それ以上のISO6400やISO12800においても、実用的に使用することのできる仕上がりとなっており、高感度における撮影の幅は大きく広がった印象です。
一方で、カメラ市場全体でみると、ISO12800程度の撮影が高感度の評価基準になりつつあるところもあり、その点では高感度で優れた最新モデルなどに劣っているという印象も受けました。
全体的にバランスの良さが意識されたα7シリーズであることから、突出した性能ではないというところも理解する必要があるところです。
α1譲りの優れたAF性能
ソニーでは、2021年に初のフラッグシップモデルとしてα1を発売しましたが、α1で採用されたAF性能を活かした能力をα7 IVで実現しています。
従来のα7 IIIでは、像面位相差AFのカバーエリアが約93%であったことに大して、約94%まで拡大し、測距点数も従来の693点から759点へと増加しています。
正直なところ、普通に撮影したところでこの違いで明確な差が出ることはありませんが、被写体が画角のどこに居てもしっかりと捉える性能を誇ります。
そして定評のある「リアルタイムトラッキング」では、動く被写体においても完全にカメラに頼って被写体へとフォーカスを追いかけ続けてくれます。
また、従来から人気を集める機能として存在する「リアルタイム瞳AF」ですが、これまで「人物」および「動物」のみへの対応だったことに対して、α1と同じく「鳥」へのリアルタイム瞳AFに対応しました。
α7 IVフォトギャラリー






製品仕様表
モデル名 | SONY α7 IV |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約35.9×23.9mm) |
映像素子型式 | Exmor R CMOSセンサー |
画像処理エンジン | BIONZ XR |
有効画素数 | 約3300万画素 |
オートフォーカス方式 | ファストハイブリッドAF |
フォーカスポイント | 759点 |
常用ISO感度 | ISO100~51200 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 5.5段 |
連続撮影速度 | 最高約10コマ/秒(Hi+時) |
画面 | 3.0型/約104万ドット |
ファインダー | 0.5型/約369万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約131.3(幅)×96.4(高さ)×79.8(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約658g |
正当な進化を遂げたα7のスタンダードモデル
今回ご紹介してきたα7のスタンダードシリーズにおける最新モデルの「α7 IV」。
α7 IIIが登場した時ほど、驚きのスペックが採用されている訳ではありませんが、見た目以上に大きな進化を感じました。
画作りの面では、新たなカラーフィルターを採用したことで、色再現力が大幅に向上し、これまでのソニーの印象とは変わっています。
また、α7 IVでは、機能面で使いやすさが意識された改善点が非常に多く、電子ビューファインダーや対応記録媒体の増加など、細かいながらも実際に使ってみることで使いやすさを体感できる改良が行われています。
α7 IVは、まさにα7 IIIの良いところをそのままに、課題であった点もしっかりと改善されている正統な後継機と呼ぶことができるでしょう。
SONY α7IVはレンタルできる
発表と同時に大きな注目を集めた「SONY α7 IV」ですが、早速レンタルでお試しすることも可能です。
カメラ選びにおいて購入前に一定の期間お試しすることは重要なことで、そのカメラが自分に合っているかどうかを確認することができます。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきた「SONY α7 IV」を最短3泊4日から気軽にレンタルすることができます。
最新モデルとして気になる方も多いかと思いますので、是非この機会にRentioで「SONY α7 IV」をレンタルして、実力を体感されてみてください。
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