Nikon ZR 実写レビュー | REDの魂が宿るフルサイズシネマカメラ
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様々なミラーレス一眼が誕生し、性能は日々向上するばかりですが、近年では、動画撮影を主軸においたカメラも注目を集めています。
YouTubeなど動画プラットフォームサイトの充実によって、映像作品がより身近になり、それに伴ってこれまではプロフェッショナル仕様のシネマカメラなどでしか撮影できなかった映像を気軽にミラーレス一眼で楽しめるコンセプトを有したカメラを各メーカーが開発するようになりました。
今回ご紹介していくのもまさに動画クリエイターに最適なミラーレス一眼としてNikon(ニコン)が開発し、2025年10月に発売となったNikon ZRです。
もくじ
ニコン×REDの本格シネマカメラ
今回ご紹介していくNikon ZRは、ニコンがこれまで培ってきたカメラとしての基本性能と、ニコン社が完全子会社化したRED社が特徴とするシネマカメラとしての発色などを融合させた本格的かつ気軽に使うことのできるフルサイズセンサー搭載のシネマカメラです。
REDのカメラは、様々な映画撮影でも活用され、映画制作においても大きな影響を与えた、映像界において知らない人はいないと言えるほど偉大な存在です。
そんなRED社がニコンの傘下に入ったからこそ実現したカメラ開発がこのNikon ZRには凝縮されており、REDのカメラには手が届かなくとも、本格的かつREDのカメラより気軽にシネマ作品を撮影できる製品として、発売当初から大きな注目を集めています。
ニコンのミラーレス一眼についてはこちらで詳しく解説
[2025最新] Nikon(ニコン)のミラーレス一眼を徹底解説。全10モデルの比較や特徴、目的に合わせたおすすめモデルをご紹介 – Rentio PRESS [レンティオプレス]
外観レビュー
どこでも気軽に小型・軽量ボディ
Nikon ZRは、静止画向けのミラーレス一眼と同様に小型・軽量のサイズ感を実現しています。
ファインダーを搭載していないことや、大きくグリップ部分を展開させていないことで、フラットで収納のしやすさが際立つフォルムです。
動画は静止画と比べて意図的にカメラを構え続けるシーンも多いことから、約630g(バッテリーおよびメモリーカードを含む)という軽量感もおすすめポイントです。
動画撮影に特化したバリアングル液晶
撮影時から液晶画面で仕上がりを注意深く確認する必要のある動画撮影ですが、動画向けカメラらしく他のZシリーズとは異なる液晶画面も特筆すべきポイントです。
一般的なミラーレス一眼では、3.0型の大きさが採用されることが多いですが、こちらのNikon ZRでは、4.0型約307万ドットかつバリアングル液晶という超大型のモニターを搭載しています。
液晶モニターのアスペクト比は16:10を採用していますが、これは基本16:9で撮影する動画のアスペクト比を想定しており、残りのスペースで撮影に関する情報を表示する工夫が凝らされています。
性能レビュー
設定不要で簡単にハイクオリティ動画の撮影機能
正直、筆者自身は動画撮影に関しては静止画撮影と比較するとまるで素人と言っても良いレベルです。
そんな筆者でも、自分が質の高い映像作品を作り込むことができているという錯覚を味わえる素材の良さが、Nikon ZRを使って特別な設定をしないで撮影した映像作品から感じられます。
動画メインのカメラだからといって操作面で静止画メインのミラーレス一眼と大きな違いがある訳でもなく、シネマティック動画モードなど、オートで撮影を簡単に行うことができ、シネマティックな作風を簡単に表現することのできる、映像表現力が大きな魅力です。
気軽に使えるREDの魅力ある色表現力
Nikon ZRの最大の魅力は、シネマカメラとして名高いREDのカラーサイエンスを使用することができることです。
ZRでは、ニコンのカメラ向けに設計されたRAWフォーマットである「R3D NE」の内部収録を可能としており、「シネマティック動画モード」を活用することで、簡単に複雑な設定をすることなく、まるで映画を撮影している様な、動画クリエイターが憧れる仕上がりを実現します。
高品質の動画を撮影することのできるミラーレス一眼は、多くのカメラで既に実現していますが、ZRでは、やはりREDのカラーサイエンスを活用していることが何よりもメリットとして感じられるポイントでしょう。
動画だからこそより気にしておきたい手ブレ補正
動画撮影の場合、三脚やジンバルを活用して撮影することがおすすめですが、旅先のVLOGなど気軽に撮影したいシーンでもNikon ZRは十分に活用することができます。
手持ち撮影においては、カメラやレンズ側の手ブレ補正機構が重要になりますが、5軸のボディー内手ブレ補正機構を搭載していることで、細かいブレを中心に動画撮影でも手持ちで十分に活用できる性能を実現しています。
作例においても基本的に手持ちでの撮影を行いましたが、三脚やジンバルほどの安定性は無いですが、臨場感のある作風へと仕上げられるメリットも感じられました。
クリアな音声録音
動画用カメラとして、音声録音の性能にも長けています。
搭載された高性能の内蔵マイクに加えて、幅広いダイナミックレンジを持ち、音割れにも強い32bit floatでの記録に対応していることで、手動で音声の微調整をすることなく、音質面でもこだわった録音を行うことができます。
とはいえ強風の吹く環境下では、風切り音が目立つこともあったため、屋外でより安定的な記録を行うのであれば、別売のショットガンマイクロホン「ME-D10」などを活用することも良さそうです。
Nikon ZR × VLOG “YOKOHAMA”
Nikon ZR × VLOG “Xiamen Airport”
製品仕様表
| モデル名 | Nikon ZR |
|---|---|
| 撮像画面サイズ | フルサイズ(35.9×23.9mm) |
| 撮像素子型式 | 部分積層型CMOSセンサー |
| 画像処理エンジン | EXPEED 7 |
| 有効画素数 | 2450万画素 |
| オートフォーカス方式 | ハイブリッドAF |
| フォーカスポイント | 273点(シングルポイントAF時)、299点(オートエリアAF時) |
| 常用ISO感度 | ISO100~64000 |
| シャッター速度 | 1/16000~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 中央7.5段、周辺6.0段 |
| 連続撮影速度 | 最高約20コマ/秒(拡張) 、約16コマ/秒(高速連続撮影) |
| 画面 | バリアングル式4.0型/約307万ドット |
| ファインダー | 非搭載 |
| Wi-Fi搭載 | 〇 |
| NFC搭載 | – |
| Bluetooth搭載 | 〇 |
| 大きさ | 約134(幅)× 80.5(高さ)× 49(奥行)mm |
| 質量(バッテリー等含む) | 約630g |
気軽に本格的な動画作品を
Nikon ZRは、初心者向けというには高価な価格設定ですが、シネマカメラというジャンルで見ると入門に最適な存在といえるでしょう。
シネマカメラとして憧れの存在であるRED社のノウハウが活きたカラーサイエンスが最大の特徴であり、これまで気軽には再現できなかった部分をNikon ZRでは、気軽に使える存在として特に難しい設定を必要とすることなく、高品位な映像を撮影することができます。
筆者自身は、日頃静止画撮影をメインにしているため、動画撮影に関しては初心者になりますが、シネマティックモードや様々な色味を活用することで、初心者の私でもシネマらしい雰囲気を簡単に作り出すことができました。
まだまだ経験不足ではありますが、Nikon ZRと一緒なら動画撮影を続けたいと思える存在で、初心者の方でも自信をもって愛用でき、スキルアップした将来的にも使い続けることのできる機能の充実具合にも優れています。
Nikon ZRはレンタルでお試しできる
今回ご紹介してきたNikon ZRは、Rentio(レンティオ)においてレンタルすることができます。
製品の特徴をお伝えしようと今回のレビュー記事でも解説してきましたが、やはり自分の感性に合うかどうかは、実際に使ってみないとわかりません。
そこでお試しできるおすすめの手段は、カメラのレンタルサービスです。
Rentio(レンティオ)では、豊富なカメラやレンズのラインナップから自由に選んで最短3泊4日からレンタルすることが可能です。
是非この機会にRentio(レンティオ)で気になるカメラやレンズをレンタルして、失敗しない機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。



