REMOVU K1実写レビュー。3軸ジンバル一体型4Kカメラの実力を徹底検証
更新日2022/12/21
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カメラの手振れを抑えるのに最も効果的な手段として「ジンバル」を使う方法が一般的でした。そしてDJI OSMOなどのカメラ一体型のジンバルも登場し、一台のみで気軽に手ブレのない映像や画像を撮影できるようになりました。
今回ご紹介するのは、REMOVU製の3軸ジンバル一体型4Kカメラである「K1」は、2018年4月より日本国内でも販売が始まった最新のジンバル一体型のカメラです。
新製品としてどのような特徴があるのか、実際に使用して感じたことを基にレビューしていきます。
もくじ
3軸ジンバル一体型4Kカメラ「REMOVU K1」
REMOVU K1 | REMOVU K1は、ハンドヘルド型のジンバル/LCDスクリーン搭載型の4Kカメラです。
REMOVU K1は、2018年4月より日本国内での販売が開始された3軸ジンバル一体型4Kカメラです。
最高動画画質は4K(3840×2160)@30fpsを実現し、静止画においても1200万画素の写真撮影を実現します。4K撮影以外にもWQHD、FullHD、HDの撮影に対応しており、画質を低下させる毎に高フレームレートでの撮影が可能となります。
この高フレームレート撮影を利用してスローモーション撮影にも対応しており、映像表現としての幅が大きく広がります。
液晶が搭載されたジンバル付4Kカメラ
1.5インチの液晶スクリーンを搭載
世の中には様々なジンバルが存在し、カメラと一体型になっているモデルも存在しますが、液晶ディスプレイを搭載したジンバル一体型カメラはこれまであまり存在しませんでした。
360度カメラなどでも液晶ディスプレイを搭載せずにスマートフォンと連携した撮影が一般的ですが、こちらのREMOVU K1は、液晶ディスプレイが搭載されているため、1台のみで映像を確認しながら撮影することが可能です。
1台でさまざまなシーンに対応する多彩な撮影機能
REMOVU K1に搭載されているカメラは、低性能のカメラではなく、実用性をしっかり考えられえた高性能カメラです。
3タイプの撮影スタイル
先ほどご紹介した通り、動画最高画質は4K (3840×2160) @30fpsを実現し、大画面で再生した際も滑らかで描写の美しい映像を体感することができます。
通常の動画撮影だけでなく、各HD画質で撮影する際に使用することができる高フレームレートでの撮影を利用したスローモーション撮影も可能としています。1280×720のHD画質まで低下させることで240fpsを実現するため、スローモーション映像は非常に滑らかで記録されるコマ数が多いことから臨場感にあふれたスローモーション撮影を可能とします。
また、一定間隔で撮影を自動的に行う「タイムラプス撮影」にも対応しており、通常撮影・スローモーション撮影・タイムラプス撮影の3種類に対応した撮影機能で、幅広い撮影スタイルに対応します。
撮影モードの切換は、設定画面より行う
これらの撮影画質などの設定は「MENU」の設定画面から変更することが可能です。残念ながらREMOVU K1は日本語表記に対応していないため、英語のガイド表記となります。
MENUの設定項目では6つに分かれ、左上がビデオ撮影の設定、中央上が静止画撮影の設定となります。動画のModeでは通常・スローモーション・タイムラプスの切換が可能で、RESでは記録画質の設定が可能です。
トリガーボタンを操作して撮影時の操作調整
カメラ本体の裏側(ディスプレイの面とは反対側)に位置するトリガーボタンですが、こちらのボタンは撮影時においても非常に重要な役目を果たします。
撮影時にボタンを1回押すと「Pan Mode」と「Follow Mode」の切換が行われます。Panモードの場合、横ふりの撮影に対応しており、上下の動きはジンバル制御によってカメラを傾けても動かないモードになっています。Followモードの場合、上下の動きも自由となり、平行維持と手ブレ補正のみを実現しています。
トリガーボタンを2回連続で押すと、自動的にセンターポジションへとカメラの向きが変わります。
自撮りを考えて搭載された「セルフィーモード」
通常の撮影では、一般的なカメラと同じように、液晶ディスプレイと逆方向にレンズが配置され、ディスプレイ確認しながら目の前に広がる景色を写すスタイルです。
ミラーレス一眼などではチルト式液晶などを採用することでレンズと液晶を同じ方向に向け、自撮り撮影(セルフィー)に対応していましたが、REMOVU K1では、カメラが180度自分の方向へと反転し、自撮り撮影を行うことができる「セルフィーモード」を搭載しています。
カメラが反転することで液晶画面に写る自分の姿を確認しながら撮影することが可能です。
セルフィーモードへの切換方法
メニューの設定画面などからはセルフィーモードに変更することができず、撮影の調整時で使用したトリガーボタンを操作する必要があります。
こちらにトリガーボタンを3回連続で押すことでセルフィーモードへと切り換わります。モードが変更されるとカメラが自動的に反転する仕組みとなっています。
長持ちするバッテリーで長時間撮影も可能
REMOVU K1は、取り外しが可能なリチウムイオン電池(2,850mAh)を搭載しており、連続4時間の撮影を可能とするバッテリーを使用します。
この長持ちするバッテリーを使うことで、旅行の際にたくさん使用した場合でも電池残量をあまり気にすることなく撮影を行うことができます。
さらにmicroUSB充電に対応しているため、バッテリー残量が減少した際も、USBを使って気軽に充電を行うことができます。
簡単リモート操作を実現する日本語対応アプリ
REMOVU K1では、Wi-Fi機能使用したスマートフォンなどの機器との接続を可能としています。
スマートフォンアプリ「REMOVU K1」を使用することでリモート操作を可能としますが、iOS端末・Android端末どちらにも対応しており、カメラ本体では対応していない日本語表記にも対応しています。
スマートフォンのアプリで操作することでカメラ本体の操作よりもタッチパネル操作となるため、簡単でシンプルな操作を実現します。
REMOVU K1を実際に使って撮影
ここからは実際にREMOVU K1を使用して撮影した作例をご紹介していきます。
最新のファームウェアをチェック
REMOVU K1は、最新のカメラとして随時ファームウェアのアップデートを行っています。ファームウェアがアップデートされた際は、公式サイト上で告知されるので、カメラを常に最新の状態を保つためにもチェックしておきましょう。
ファームウェアのインストールは、空のmicroSDカードにダウンロードしたzipに入っているbinファイルを入れます。そのmicroSDカードをカメラに差し込み、電源を入れることでカメラにファームウェアが自動でアップデートされます。
K1 info | REMOVU K1 | 最新ファームウェアをチェック
キャリブレーションを忘れずに
REMOVU K1を正常に使用するためにまずは「キャリブレーション」作業を忘れずに行いましょう。
この作業は、ジンバルとして映像の平行を保つ上で最も大切な作業となり、正しい手順で行う必要があります。
まずカメラ本体の中央に存在する「MENU」ボタンを押し、6つある項目の右下に存在する「Gimbal Setting」を選択します。
上から3段目に「Auto Calibration」という項目があるので選択します。その際赤文字の注意書きとして「平らな場所に置き、動かさないようにする」という表記があるので、カメラは平らな机などに置いた状態で「Start」させましょう。
キャリブレーションが完了すると「Restart」を選択できるため、選択することでキャリブレーションが完了します。
ジンバルの効果
こちらの作例では、実際にREMOVU K1を使用して撮影した映像になります。
ジンバルらしく手ブレ補正の効果をしっかり感じることのできる滑らかな映像を実現します。中央に存在するスティックで画角も変更できますが、機械制御であるため、動作速度を一定にすることができます。
タイムラプスの作例
REMOVU K1では、タイムラプス撮影にも対応しています。基本的には定点撮影を行うためのタイムラプス撮影ですが、ジンバル特有の手ブレ補正を利用して動きながらもタイムラプス撮影も面白みがあります。
こちらは1秒間隔で撮影したコマをタイムラプス動画として掲載しています。
最近発売されたばかりのGoPro HERO7 BlackのTimeWarp機能が話題を呼んでいますが、REMOVU K1はあくまでタイムラプス撮影なので、左右の振りなどの動きにはあまり対応できておらず、滑らかとは言い難い仕上がりになっています。
静止画での仕上がり
静止画撮影では1200万画素ということもあり、状況によってはスマートフォンより写りが悪く感じることもあるかもしれません。
しかしジンバル機構を保有しているため、手ブレへの耐性は非常に強く、さらに平行感覚が検知されているため、写真の傾きが発生することはありません。
せっかくの美しい景色などでも手ブレや傾きで悩むことはないでしょう。
REMOVU K1 スペック仕様表
モデル名 | REMOVU K1 |
---|---|
センサー | 1/2.3″ CMOS 12MP(Sony IMX377) |
レンズ | F2.8 FOV 101°(D) |
焦点距離 | 適正距離 50cm~∞ |
最大解像度 | 4000×3000 pixels |
動画解像度 | 4K(3840×2160)@30fps WQHD(2560×1440)@30/60fps FHD(1920×1080)@30/60/120fps HD(1280×720)@30/60/120/240fps |
ジンバル機構 | 3軸 BLDCモータージンバル |
バッテリー | Li-ion 2,850mAh(10.4Wh)(取り外し可能) micro USB充電 |
駆動時間 | 4時間連続撮影可能 (1080p@30fps、Wi-Fi Off、LCD Off) |
サイズ | 5.8×7.0×21.6(cm) |
重量 | 340g(バッテリー含む) |
これ1台で様々なシーンで活躍「REMOVU K1」
今回ご紹介してきた最新3軸ジンバル一体型4Kカメラ「REMOVU K1」ですが、これ1台を持つだけで様々な撮影シーンに対応する、実用性の高いカメラとなっています。
実用性を考えられた設計
そして細長く、自撮り棒の代わりにもなるボディは、鞄の中などに入れてもかさばることがありません。カメラが入ったボックスには専用のケースも付属されているため、傷つける心配もありません。
小型カメラは旅行などの持ち歩き撮影で人気ですが、ミラーレス一眼カメラやコンパクトデジカメはジンバルほどの手ブレ補正などは搭載しておらず、動画には向いていないカメラとなります。
このREMOVU K1は、ジンバルとしての圧倒的な手ブレ補正を実現し、かさばることのない携帯性を備え、さまざまな動画機能を搭載した、旅行の思い出作りに最適なカメラとなるでしょう。