Austrian Audio OC18を収録音源で聴き比べレビュー!1万円のマイクと高級コンデンサーマイクの実力差とは
更新日2023/06/30
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テレワークが進み、ビデオ通話やオンラインレッスン、企業面接でマイクとカメラを使う機会が増えてきました。
最近では個人が配信できるラジオサービスも人気を博したりと、YoutuberやVtuberと並び音声のコンテンツも発達してきていますよね。
では、いざ自分も音声を収録してコンテンツ配信しよう、テレワークに導入しようと思っても、マイクは種類も多く、値段もピンからキリまで。どれを選べばよいのか悩んでしまうかもしれません。
そこで、この記事ではまず約10万円の高級コンデンサーマイク「Austrian Audio OC18」の実機レビューを紹介します。その後に、10分の1の価格で購入できるマイクと音質面等を比較検証しますので、ピンとキリとでどのくらい性能差があるのか参考になれば幸いです。
もくじ
Austrian AudioのOC18とは
OC18は、オーストリア・ウィーンで生まれた新興オーディオメーカー「Austrian Audio」で誕生したマイクです。
セラミック素材を採用した独自開発のカプセルを搭載している単一指向性のコンデンサーマイクです。
コンデンサーマイクとは?特徴と注意点を簡単に解説
数あるマイクの中で、コンデンサーマイクは音質重視のマイクです。アフレコやレコーディング等で使われたりもします。
一方で、高価・デリケート(湿気や衝撃に弱い)・ファンタム電源が必要(オーディオインターフェースから供給できる特殊な微弱な電源)と、ある程度知識がないと持て余してしまうマイクです。
そのため、USBケーブルでパソコンに接続すればすぐに使える、という代物ではないことに注意しなければいけません。
手軽に使えるコンデンサーマイクがほしい方は、オーディオテクニカのAT2020USB+をチェックしてみてください!
種類 | 形状 | 特徴 |
---|---|---|
コンデンサマイク | 声優やナレーターによるアフレコ、楽曲レコーディングなどの収録スタジオでより良い音質でとる際に使うマイク | |
ダイナミックマイク | ライブやカラオケなどで使われているマイク | |
ピンマイク | スタジオ収録やロケなどで胸元につける小さいマイク | |
ヘッドセットマイク | コールセンター等でオペレーターが付けているマイク | |
ガンマイク | ピンポイントで音を拾うときに使う、超単一指向性のマイク |
Austrian AudioのOC18を実機レビュー
約10万円のコンデンサーマイクともなると、入っている箱もレベルが違います。
正面にシンプルにオーストリアンオーディオの文字。 余白からにじみ出る高級感。
外カバーを外すと出てきたのは、ジュラルミンケースのような箱で衝撃からもしっかり守ってくれそうです。
金属製の箱に入ってるだけで、ちょっとテンションが上がってしまいました。
いざ開封、同梱物の中身をチェック
金具を外して中を開けると衝撃吸収材が敷き詰められており、デリケートなマイクを守ってくれていました。
気になる中身はご覧のとおりです。
- OC18(本体)
- OCS8スパイダー・マウント(ショックマウント)
- OCW8ウインドスクリーン(ウィンドスクリーン)
- OCH8マイク・クリップ(マイククリップ)
- 取扱説明書
3段階切り替えの音量パッドとハイパスフィルターを搭載
「Austrian Audio OC18」の側面には2種類の切り替えスイッチが備わっています。
写真向かって左側のスイッチが、ハイパスフィルターです。
コンデンサーマイクは性能が良いが故に空調の音や環境音なども拾いやすいため、は特定の周波数の音域をカットして音を収録できる機能がハイパスフィルターです。
単位はHz(ヘルツ)で、「Austrian Audio OC18」は0(オフ)・40Hz・80Hz・160Hzで調整できます。
右側のスイッチは音量パッドです。
dB(デシベル)が音の大きさを表しており、0(通常)・-10(25%カット)・-20(50%カット)の3段階で収録する音量調整ができます。(%の基準は元の音の大きさで変わりますのであくまで参考値となります。)
Austrian Audio OC18と1万円のコンデンサーマイクを比較してみた
筆者が愛用しているのは、約1万円の神コスパコンデンサーマイク「オーディオテクニカ AT2020」ですが、「Austrian Audio OC18」と収録音源の聴き比べをしました。
約10倍の価格差がある両製品ですが、果たして音質もそれ以上の差を感じることができるのでしょうか。
収録環境
「オーディオテクニカ AT2020」は喋るとボフっとしたポップノイズも入ってしまうため、ポップガードを付けて収録しました。
「Austrian Audio OC18」はポップガードがなくてもウィンドスクリーンでポップノイズを十分軽減できるため、原稿を読みやすくて快適でした。
収録した音源で聴き比べしてみよう
「オーディオテクニカ AT2020」と「Austrian Audio OC18」で、童話「桃太郎」の冒頭分のナレーション収録を行いました。
各音源をSoundCloudにアップロードしたので、実際に聴き比べてみてください。
より違いを検証するためには、ヘッドホンやイヤホンで視聴することをおすすめします。
オーディオテクニカ AT2020の音質
「オーディオテクニカ AT2020」にはハイパスフィルターが付いていないため、ヘッドホンで聞いてみると声の後ろ側に「サーッ」という環境音/ノイズが乗っていることに気づくと思います。
とはいえ、パソコンやスマホのスピーカーで聞く分には差は感じにくく、その辺のマイクで収録した音よりははるかに音質は優れているように感じました。
Austrian Audio OC18
普段から「オーディオテクニカ AT2020」を愛用している筆者にとって、「Austrian Audio OC18」は高いだけあって音質もめっちゃ良いと感じます。
特に、反射音の対策をほぼしていない先ほどの収録環境でも反響や環境音はカット(ハイパスフィルターが活きてる)されており、しっかり声を拾っています。
価格差以上の性能の違いはあるのか
「オーディオテクニカ AT2020」は反響音まで拾っていたり環境音が入り込んでしまうため、どうしても後加工が必要になりますが、「Austrian Audio OC18」で収録した音源であれば無加工でそのまま提出できるくらい音源そのもののクオリティが高いと感じます。
しかし、正直なところ、スマホやパソコンのスピーカーで聞く分には、価格差ほどの音質の違いは感じにくいかもしれません。
スタジオ収録ならまだしも、少なくとも自宅で収録する動画配信やリモート会議用のマイクとしてはオーバースペックと言える代物でしょう。
プロやプロを目指す方に使って欲しいコンデンサーマイク
「声優を目指してボイスサンプルを作りたい。」
「少しでもいいマイクで歌を収録したい。」
「仕事道具のランクをグレードアップしたい。」
「Austrian Audio OC18」は、まさに声を仕事道具にしている(これからしようとしている)方におすすめのコンデンサーマイクです。
まずは気軽にお試し利用してみてから、自分に必要な仕事のパートナーとなりうるのか検討してみてください。
高級コンデンサマイクは試してから購入できる
「リモートワークは期間限定だから購入するほどでもない」
「実際にどんなものなのか、自分のパソコンで試してみたい」
そんな方にはマイクのお試しレンタルをおすすめします。
カメラ・家電レンタルサービスの「レンティオ(Rentio)」では、マイクのレンタルも提供しています。
レンタル期間中に気に入った製品があれば、そのまま購入もできますので、いくつか試してみてから購入を決めてはいかがでしょうか。