PENTAX K-1 Mark II実写レビュー。オンリーワンな機能を詰め込んだ「フルサイズ一眼レフ」
更新日2023/02/03
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防塵、防滴、高感度に優れたAPS-Cセンサー機種を数多く打ち出してきたPENTAXですが、APS-Cセンサーの良さを引継ぎながら更に格段に性能を向上したフルサイズ機が誕生しました。
伝統の小型・頑丈なボディ、高画質、PENTAXにしかない多彩な撮影・色合い、野外や動体撮影に欠かせない操作機能を更に高めた「フルサイズ機デジタル一眼レフKシリーズ」
今回は「PENTAX K-1」の後継機として発売された「PENTAX K-1 Mark II」をご紹介します。
もくじ
「PENTAX K-1 Mark II」更に進化した描写力と性能
2018年4月20日に発売された「PENTAX K-1 Mark II」。
フルサイズ機として人気を得た「PENTAX K-1」から複数の性能を追加・向上させたことから、現在もPENTAXを使用されている方からは高い評価を得ています。
圧倒的となった高感度、AF性能の向上、従来品にはなかった手持ちでのリアル・レゾリューションに対応した点など、従来から高評価されている点や、新機能についてにレビューしていきます。
「PENTAX K-1 Mark II」外観レビュー
他社にはあまり見られない直線的なデザインと高級な質感で、率直にかっこいいと思える仕上がり。
フルサイズ機種のため重量は重めでぎゅっと詰まっている形ではありますが、構えた際のホールド感は良好で手にはまるように感じます。
フルサイズセンサーでありながら、APS-Cセンサーの「PENTAX KP」と比較してもサイズ感に違いは大きく感じられません。
またファインダーを覗いたまま、各種設定を直感的に行える操作性(ダイヤル・ボタン)は健在となっています。
防塵防滴機能
PENTAXの一眼レフシリーズとしてはもはや当たり前となっている防塵防滴機能。
各ダイヤルやボタン部、ボディの接合部、開閉部など87個所にシーリングを施し、外装にはマグネシウム合金を使用して、高い耐久性と信頼性を本機「K-1 markⅡ」でも実現しています。
寒冷地での撮影を想定し、氷点下10度以下という厳しい環境試験を今回の機器でも実施。
動作精度や安定性、応答性、バッテリーの電圧変化、30万ショットの耐久テストなどボディの耐久力もPENTAXの魅力の1つですね。
フレキシブルチルト式液晶モニター搭載
本機では4本の支柱を取り入れた「上下左右、どの方向にも向けられる」液晶モニターフレキシブルチルト式液晶モニターを搭載しました。
様々な環境での撮影を行うPENTAXではこちらも強みの1つ。
液晶は内部反射を抑制するエアギャップレスモニターとなっており、すばやく液晶モニターの輝度設定が出来るアウトドアモニター機能と併せて使用頂く事で日差しの中でも負担を抑えて撮影が可能となります。
上下約44度・ウェストレベル時は上方向約90度・左右約35度の稼働が出来、ローアングル時には、液晶モニターを上方向約90度まで調整する事が出来ます。
また天体撮影時にも目に負担の少ないように「赤色画面表示」の表示も可能です。
デュアルスロット装備
「PENTAX K-1 Mark II」ではメモリーカードを2枚挿入する事ができます。
設定は一方の空き容量がなくなった場合もう一方に保存する「順次記録」、RAWとJPEGを別々のカードに保存する「振り分け記録」、2枚のカードに同一内容を保存することでトラブルを防ぎやすい「同時記録」の3つ。
カード間での画像コピーなども行なえるため、大量の撮影やファイル破損の心配や、後々もう1方にデータを追加したい際など重宝する機能です。
操作部アシストライト採用
レンズマウント上部、カードスロット・ケーブルスイッチ端子部、液晶モニターの背面にLEDが搭載。暗がりでも操作部分が見やすくなりました。
夜間のアウトドアや暗い室内でも、レンズの交換や、ボタン操作が可能になるため、撮影効率と快適性がアップします。夜のAFに強いPENTAXでは嬉しい機能ですね。
カメラ上部にある照明ボタンを押すと点灯しますが、初期設定ではオフになっているので、使用の際には設定する必要があります。(1つ1つ点灯の有無の設定可能)
「PENTAX K-1 Mark II」性能レビュー
従来品の良さと併せて「PENTAX K-1 Mark II」から新たに新ユニットが追加され、更に高感度耐性が向上した性能面についてレビューししていきます。
描写力の向上・最高ISO 819200
従来品の「K-1」にアクセラレーターユニットが追加され、K-1では「ISO100~204800」だったものから、K-1Ⅱでは「ISO100~819200」まで驚くほど向上しました。
新ユニットがセンサーと画像処理エンジンの間に追加されたことで、好感度の撮影でもノイズの減少と色彩力を更に向上。
画像処理パラメーターが全面的に見直されているようで、特に「深い青」や「鮮やかな緑」の再現性を高めてPENTAXならではの仕上がりが追及されています。
高めにしてしまうとやはりノイズは出てしまうものの、個人的にはSNSにアップする程度であれば、ISO6400程までは上げてしまってもいいと感じました。
撮影場所も選ばす、被写体の撮影の幅を更に広げる事が可能になっています。
リアル・レゾリューション・システムII
「リアル・レゾリューション・システム」はPENTAXの独自の技術で、4枚の写真を連続撮影し超高精細の写真を作り出す機能です。
解像度や色彩の差異限度が上がり、好感度のノイズが大幅に低減されPENTAXの人気機能の1つです。
従来ではこの機能は三脚にしっかりと固定して撮影を行わなくてはいけませんでした。
しかし本機「PENTAX K-1 Mark II」に新たに搭載された「リアル・レゾリューション・システムII」では、従来機能に「手振れ補正モード」機能が追加され、手持ちでもこの機能が利用可能になりました。
三脚の用意をしなくても、手軽にこの機能を使う事が出来ます。
RAW保存にも対応しているので、後でソフトウェアから各種パラメーターの調整や、リアル・レゾリューションのオン・オフを行う事も可能です。
多様なカスタムイメージ/デジタルフィルター
最適な設定にしてくれる[オートセレクト]や、レタッチ体制に優れた[フラット]を加えた13種類(オートセレクト、鮮やか、ナチュラル、人物、風景、雅(MIYABI)、ポップチューン、ほのか、フラット、銀残し、リバーサルフィルム、モノトーン、クロスプロセス)のカスタムイメージを搭載しています。
各カスタムイメージは彩度や色相、キー、コントラスト、シャープネスなどのパラメーターの微調整も可能です。
フィルターも再生時に適応できる9種類(オリジナル、色抽出、色の置換え、トイカメラ、レトロ、ハイコントラスト、シェーディング、ネガポジ反転、ソリッドモノカラー、ハードモノクローム)、データ再生時に適応できる21種類(ベースメイク、色抽出、色の置換え、トイカメラ、レトロ、ハイコントラスト、シェーディング、ネガポジ反転、ソリッドモノカラー、ハードモノクローム、ドラマチックアート、デッサン、水彩画、パステル、ポスタリゼーション、ミニチュア、ソフト、クロス、フィッシュアイ、スリム、モノトーン)など多数搭載されており、本体とキットレンズだけでもかなりの遊び写真が撮れるのは嬉しいですね。
こちらのカスタムイメージ・フィルターは動画にも適応できます。
またホワイトバランス各種の中では「CTE」と言われる色を強調するPENTAX独自の設定が人気です。
通常のホワイトバランスではどんな環境下でも「白いものを白く」映るように補正してくれる機能ですが、この「CTE」では逆に色を強調する方向にホワイトバランスを設定します。
朝焼けや夕焼け、曇天の雪景色などを濃く、鮮やかに写したい時に使われる方が多く、自然を撮影する事が多いPENTAXをの中では重宝されています。
APS-Cサイズデジタル一眼レフのKマウントレンズが装着できる
本フルサイズ機では、APS-Cサイズデジタル一眼レフのKマウントレンズ(DA★/DA Limited/DAレンズ)が装着可能になりました。
手持ちのレンズを装着するとクロップ枠が自動作成・切り替えされ、すぐに撮影開始できます。
約1536万画素の高品位な写真が撮影出来るほか、測距点が撮影範囲内広くなるため、より自由な構図に。
今までAPS-Cのボディを使っていたという方でも、そのまま手持ちのレンズをお使い頂けます。
「PENTAX K-1」と「PENTAX K-1 Mark II」の違い
外観面にはボディ右上の製品名ロゴが異なるのみで、サイズや重量にも違いはありません。
性能面で写真に大きく現れる部分としては新ユニット「アクセラレーターユニット」が追加されたことが、一番異なりメリットのある点と言えます。
その他にはリアル・レゾリューション・システムⅡ((手持ち撮影に対応)、動体補正可)、オートフォーカス性能の向上があげられるでしょう。
デメリットとしては若干の連射性能の低下、またバッテリー持ちが「PENTAX K-1」は撮影可能枚数が「約760枚・再生時間が約390分」だったものから、K-1Ⅱは「約670枚・再生時間が約340分」になっている点です。
K-1を使用頂いていた方からすると、こちらの100枚に近い違いは気になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
「PENTAX K-1 Mark II」フォトギャラリー
「PENTAX K-1 Mark II」スペック表
モデル名 | PENTAX K-1 Mark II |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(35.9mm×24mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | PRIME IV |
有効画素数 | 約3640万画素 |
オートフォーカス方式 | TTL位相差検出式 |
測距点 | 33点測距(中央25点はクロスタイプ) |
常用ISO感度 | ISO AUTO/100~819200 (1EVステップ、1/2EVステップまたは1/3EVステップ) |
シャッター速度 | オート:1/8000秒~30秒、マニュアル:1/8000秒~30秒(1/3EVステップまたは1/2EVステップ)、バルブ(タイマー露光設定可能:10秒~20分) |
連続撮影速度 | 35ミリフルサイズ:最高約4.4コマ/秒 APS-Cサイズ:最高約6.4コマ/秒 |
画面 | 3.2型(インチ)103.7万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | × |
大きさ | 約136.5mm(幅)×110mm(高)×85.5mm(厚) (突起部を除く) |
質量(バッテリー、 SDメモリーカード含む) | 約1010g |
PENTAX K-1 Mark II は「撮影を味わいたい方」におすすめ
操作の利便性や、どのような天候であっても安心して持ち出せるので、なにより野外での撮影を楽しみたいと考える方であれば、一度使用してみて損はないカメラではないでしょうか。
ミラーレス一眼、携帯でも綺麗な写真が残せる時代になりましたが、「PENTAX」独自の色、撮影力を感じたい方におすすめしたいです。
フルサイズ一眼レフとしては小さめではありますがサイズや重量感についてはないとは言えません。
しかし防塵防滴や耐久性、高感度の撮影に重きを置けば気にならないかと思います。
1台で様々な作品作りが出来、飽きがこないことがPENTAXの一番の魅力です。
PENTAX K-1 Mark IIはレンタルできる
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