Canon EOS R7とEOS R10を徹底比較。APS-Cセンサー搭載の2モデルの違いや選び方を解説
公開日2024/11/25
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数が増え続けるミラーレス一眼のラインナップですが、選択肢が多いほどどのカメラを選ぶべきか悩む機会も増えてくると思います。
同じメーカー内でも比較対象となるカメラは非常に多く、一体どのカメラを選ぶべきかというのはカメラ選びでは尽きない悩みとなります。
今回は、昔から一眼カメラ市場をリードしてきた「キヤノン」が展開するミラーレス一眼EOS Rシリーズにおいて、APS-Cセンサーを搭載する「EOS R7」「EOS R10」の2モデルを比較してそれぞれの特徴をご紹介していきます。
もくじ
キヤノンのミラーレス一眼APS-Cモデル
キヤノンでは、現在ミラーレス一眼を中心にラインナップを展開していますが、その中でもAPS-Cセンサーを搭載したモデルの開発も積極的に進められています。
プロフェッショナルやハイアマチュア層向けにフルサイズセンサー搭載モデルも充実させていますが、APS-Cセンサーにおいては初心者も気軽に使うことのできるモデルも数多く存在します。
一眼レフEFマウントの時代には、初心者向けのシリーズとして「EOS Kiss」が展開されていましたが、RFマウントでは継承されず、初心者向けでも特にモデル名に違いを生み出すようなことは行われていません。
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今回ご紹介するEOS R7とR10
今回比較してご紹介していくのは、キヤノンのミラーレス一眼RFマウントにおいて、APS-Cセンサーを搭載したモデルとなるEOS R7とEOS R10です。
APS-Cセンサー搭載モデルの中では上位に位置する2モデルですが、まずは2モデルの概要をご紹介していきます。
Canon EOS R7
キヤノンが展開するEOS Rシリーズにおいて、APS-Cセンサーを搭載したモデルの中では、最上位モデルとなるのがこちらのEOS R7です。
発売は2022年6月23日で実売価格は、2024年11月時点で18万円程度となっています。
一眼レフ時代にもAPS-Cの上位モデルとしてEOS 7Dシリーズが展開されていましたが、まさにその後継にあたるシリーズで、シリーズ名の「7」も継承されています。
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Canon EOS R10
先ほどのEOS R7よりもラインナップ上では、ワンランク下位モデルとなるのがEOS R10です。
同じくAPS-Cセンサーを搭載しており、発売は2022年7月28日で、実売価格は、2024年11月時点で11万円程度となっています。
APS-C最上位のEOS R7と、エントリー向けのEOS R50やR100の中間を意識したモデルで、エントリーモデルからのステップアップにもおすすめのモデルとなります。
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両モデルの違い(外観編)
まずはEOS R7、EOS R10両モデルにおける大きさや重さ、機能面など外観を中心に比較していきます。
大きさ、重さについて
まずは、外観面で一番見た目に影響のある大きさについて比較していきます。
- EOS R7 : 約132.0(幅)×90.4(高さ)×91.7(奥行)mm
- EOS R10 : 約122.5(幅)×87.8(高さ)×83.4(奥行)mm
大きさについては、圧倒的にEOS R10の方が小さいというのが数値にも現れています。
特に幅は1cm程度もEOS R10の方がコンパクトで、EOS R7も決して大きいカメラではないのですが、EOS R10の携帯性が際立っています。
- EOS R7 : 約612g
- EOS R10 : 約429g
続いて、重さについて比較してみても、大きさと比例するようにしてEOS R10の方が軽量であることが分かります。
実際に手にとってみてもEOS R10の方が軽いというのが分かるレベルで、持ち運び面での負担を気にされる方はEOS R10の方がおすすめとなります。
液晶モニターについて
カメラボディ背面に搭載されている液晶モニターについて比較していきます。
- EOS R7 : バリアングル式3.0型/約162万ドット
- EOS R10 : バリアングル式3.0型/約104万ドット
液晶モニターについては、どちらのモデルもバリアングル式が採用されており、液晶モニターを見ながらの撮影においても、液晶の角度を調整する自由度が高くなっています。
大きさについてはどちらも3.0型と同じですが、EOS R7の方がドット数が多くなっていることから、液晶画面がより見やすく精細な映りを実現しています。
ファインダーについて
ミラーレス一眼では、ミラーが存在しないことで、ファインダー内にも画面を搭載しており、この性能についても各モデルで差が出てきます。
- EOS R7 : 0.39型/約236万ドット
- EOS R10 : 0.39型/約236万ドット
しかし、EOS R7とEOS R10では、搭載されている電子ビューファインダーに差が存在せず、どちらも0.39型のサイズで約236万ドットのファインダーとなっています。
フルサイズ機で搭載されているファインダーを見たことのある方からすると、ファインダー自体が小さく感じるかもしれませんが、最上位のEOS R7だからといってファインダー面で優位になることはありません。
バッテリーについて
使用バッテリーについても各モデルで違いが生じてきます。
他のカメラボディを併用されている方は、バッテリーの互換性があるかどうかも気になるところかと思いますので、どのバッテリーを使用しているのかも要チェックです。
- EOS R7 : LP-E6NH (LP-E6系対応)
- EOS R10 : LP-E17
EOS R7においては、フルサイズ機などでも採用されている一眼レフ時代から伝統的なLP-E6シリーズにおけるLP-E6NHを標準バッテリーとしています。
EOS R7の他にもEOS R5シリーズやEOS R6シリーズ、一眼レフ時代のEOS 5D、EOS 6D、EOS 7Dシリーズなどで採用されていたバッテリーであるため、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
一方でEOS R10では、小型ボディがあるがゆえにバッテリーも小型のLP-E17が採用されています。
こちらもキヤノンの一眼カメラではおなじみのバッテリーですが、コンパクトを特徴としたモデルで採用される傾向にあり、EOS R8やEOS R50、EOS R100、一眼レフではEOS Kissシリーズを中心に採用されていた小型バッテリーとなります。
そのため容量にも違いが存在し、バッテリー自体の持ちについてはLP-E6を採用しているEOS R7の方が良く、LP-E17を採用したEOS R10の方がもちが悪いため長時間の撮影時には気を付けたいところです。
メモリーカードスロットについて
趣味で楽しむ程度ではあまり必要とすることのない、メモリーカードにおけるスロット数ですが、重要な撮影などで2つのメモリーカードに記録しておきたいなどの場合には、意識しておきたい機能です。
- EOS R7 : ダブルスロット
- EOS R10 : シングルスロット
EOS R7においては、APS-Cセンサー搭載モデルで唯一ダブルスロットを採用しているモデルになります。
ダブルスロットを採用していることで、SDカードを2枚同時に挿入することが可能になり、同時記録はもちろん、拡張子による記録メモリーカードの振り分け、1枚目のメモリーカードの容量が一杯になったら自動的にもう1枚へと切り替える機能など、撮影者の好みに合わせて設定することも可能になります。
EOS R100については、一般的なSDカード1枚を挿入することのできるシングルスロットを採用しています。
両モデルの違い(性能編)
続いてカメラの内面に迫るべく、性能面についてEOS R7とEOS R10でどのような違いがあるのかご紹介していきます。
画素数について
- EOS R7 : 約3250万画素
- EOS R10 : 約2420万画素
両モデルにおいて画素数には大きな違いがあり、EOS R7は、約3250万画素と高画素モデルに近いレベルを実現しています。
EOS R10は、一眼カメラとしてごく平均的である約2420万画素となっており、画素数が大き過ぎず小さすぎない標準モデルです。
プリントの際に大きく引き伸ばすことや、トリミングを前提とした撮影を行う場合にはEOS R7の高画素の方がおすすめとなります。
映像エンジン、イメージセンサーについて
画質や性能を大きく左右するのが映像エンジンおよびイメージセンサーとなります。
特に映像エンジンは、カメラにおける心臓部分でここで高性能であるかどうかの分かれ道になります。
- EOS R7 : DIGIC X / CMOSセンサー
- EOS R10 : DIGIC X / CMOSセンサー
EOS R7とEOS R10においては、どちらもキヤノンの中で執筆時点で最新である映像エンジン「DIGIC X」が採用されています。
これはフルサイズセンサーで展開されている上位モデルにも搭載されており、キヤノンが誇る最新技術が詰め込まれた優秀な映像エンジンです。
EOS R7に搭載されることは想定内でしたが、EOS R10にも搭載されることはサプライズでした。
AF性能について
- EOS R7 : デュアルピクセルCMOS AF II
- EOS R10 : デュアルピクセルCMOS AF II
AF性能については、EOS R7、EOS R10ともに上位モデルを継承する優秀なシステムとしてデュアルピクセルCMOS AF IIが搭載されています。
基本的には、EOS R7、EOS R10どちらもAF性能については同等となっており、横最大約100%×縦最大約100%の広範囲AFエリアやEOS iTR AF Xを活用した高精度の被写体認識能力を実装しています。
連続撮影速度について
動く被写体においては、決定的瞬間をのがさないための連続撮影速度の性能面も重要になってきます。
主に1秒間あたりに撮影できる枚数が性能判断の基準となります。
- EOS R7 : 電子シャッター30コマ/秒、メカシャッター15コマ/秒
- EOS R10 : 電子シャッター23コマ/秒、メカシャッター15コマ/秒
EOS R7とEOS R10では、メカシャッター使用時にはEOS Rシリーズの中でも特に優秀な15コマ/秒の連続撮影速度を叶えています。
電子シャッターの場合は、EOS R7が30コマ/秒、EOS R10が23コマ/秒とEOS R10の方が若干速度が遅くなりますが、いずれにしても決定的瞬間を逃すことのない優れた性能を誇ります。
動く被写体を撮影される方にとっては、ローリングシャッター歪みが気になるため、メカシャッターを優先するのがおすすめですが、そのメカシャッターでこれだけの連続撮影速度を実現しているのは、両モデルの大きな強みとなっており、EOS R7とEOS R10で違いは存在しません。
ボディ内手ブレ補正について
- EOS R7 : あり
- EOS R10 : 非搭載
近年、キヤノンのカメラボディには、手ブレ補正を内蔵しているモデルが増えてきています。
ボディ内手ブレ補正が搭載されているかどうかもカメラ性能を左右する大きな存在となりますが、EOS R7のみボディ内手ブレ補正機構が搭載されています。
EOS R10には、ボディ内手ブレ補正機構が搭載されていないので、この点もEOS R7とEOS R10との違いにおける大きな部分となります。
製品仕様比較表
カメラ名 | EOS R7 | EOS R10 |
---|---|---|
撮像素子 | CMOSセンサー | CMOSセンサー |
有効画素数 | 最大約3250万画素 | 最大約2420万画素 |
センサーサイズ | 約22.3×14.8mm(APS-C) | 約22.3×14.9mm(APS-C) |
画像処理エンジン | DIGIC X | DIGIC X |
記録媒体 | SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II、UHS-I対応) | SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II、UHS-I対応) |
スロット数 | 2 | 1 |
シャッター速度 | 1/8000~30秒(すべての撮影モードを合わせて)、バルブ | 1/16000~30秒(すべての撮影モードを合わせて)、バルブ |
連写速度(電子シャッター時) | 最高約30コマ/秒 | 最高約23コマ/秒 |
連続撮影可能枚数 | RAW:約46枚(メカシャッター/電子先幕時:約59枚) | RAW:約21枚(メカシャッター/電子先幕時:約29枚) |
ISO感度 | ISO100~32000 | ISO100~32000 |
フォーカス方式 | デュアルピクセルCMOS AF方式 | デュアルピクセルCMOS AF方式 |
測距点 | 最大5915ポジション | 最大4503ポジション |
ファインダー | 0.39型/約236万ドット | 0.39型/約236万ドット |
液晶モニター | 3.0型/約162万ドット | 3.0型/約104万ドット |
Wi-Fi | 〇 | 〇 |
Bluetooth | 〇 | 〇 |
バッテリー | LP-E6NH | LP-E17 |
大きさ | 約132.0(幅)×90.4(高さ)×91.7(奥行)mm | 約122.5(幅)×87.8(高さ)×83.4(奥行)mm |
質量(バッテリー、カード含む) | 約612g | 約429g |
ハイレベルなモデル同士の比較
今回、キヤノンのAPS-Cミラーレス一眼であるEOS R7とEOS R10を比較してきました。
EOS R7は、APS-Cシリーズのモデルとして最上位になりますが、EOS R10については初心者向けに展開されているカメラであることから、両モデルには大きな違いが生じていると思われた方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、実際には性能面において想像以上にEOS R10が非常に優秀で、EOS R7との差が大きくないことがお分かりいただけたかと思います。
機能面で細かい部分はやはりハイアマチュア向けのEOS R7の方が優れていますが、画作りの面ではEOS R10はEOS R7とあまり変わることのない実力を誇ります。
やはり大きな違いといったところでは、画素数や手ブレ補正機構の有無になってくるため、この辺りの重要性を踏まえてどちらのモデルを選ぶべきか検討してみるのが良いでしょう。
気になるカメラはレンタルでお試しできる
今回ご紹介してきたEOS R7とEOS R10ですが、両者の違いについては今回の記事である程度お分かりいただけたかと思います。
しかし、カメラというのは、実際に使ってみないとわからないことが多いのも事実です。
どちらのモデルを導入すべきか迷った際におすすめなのがカメラのレンタルサービスの活用です。
Rentioでは、今回ご紹介してきたEOS R7、EOS R10の両モデルはもちろん、豊富なミラーレス一眼のラインナップから自由に選んで最短3泊4日からお得にレンタルすることが可能です。
是非この機会にカメラ選びの段階でRentioを活用して、自分に合うカメラ選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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