FUJIFILM X-E3実写レビュー。作品を撮るために理想を表現できるミラーレス一眼カメラ

ミラーレス一眼カメラカテゴリの人気記事
デジタル一眼カメラの幅は広がるばかりです。
大きく分けて初心者向けと上級者向けのモデルが存在しますが、稀に一風変わったコンセプトを特徴とするモデルも存在します。
今回ご紹介していくFUJIFILM X-E3は、ミラーレス一眼カメラとして小型軽量を実現していますが、操作性などで少し特徴的なモデルとなっています。
そんなFUJIFILM X-E3を使って、どのような方に最適なカメラであるかを作例とともに徹底レビューしていきます。
もくじ
オシャレを全面に表現できるミラーレス一眼
一般的なミラーレス一眼カメラでは、基本的な撮影性能を実現していることはもちろん、そこにプラスアルファとしてエフェクト機能など作品作りをサポートする機能が搭載されています。
しかしFUJIFILM X-E3は、はじめからフォトジェニックを実現するための「作品」を生み出すためのカメラとして存在します。
以前Rentio PRESSでは、同じく富士フイルムが販売するコンパクトデジカメであるX100Fについてご紹介しました。
FUJIFILM X100F実写レビュー。おしゃれなデザインで本格撮影を楽しめるコンパクトカメラ – RentioPress
今回ご紹介しているFUJIFILM X-E3もX100Fに近いコンセプトを保有しており、自分がイメージする作品としての写真撮影に適したカメラとなっています。
そのため、ただ日常を写したいというよりも、撮影した作品で何かを伝えたいなど、フォトグラファーとしての想いを持った方や、インスタグラムなどSNSでフォトジェニックを再現したい方におすすめのカメラです。
ここからは実際にFUJIFILM X-E3を使用して実機写真や作例を基にレビューしていきます。
まずはデザインや大きさ、重さなどの外観面からレビューしていきます。
X-E3は、作品を創り出すためのカメラだとご紹介しましたが、デザイン性でもおしゃれを感じることができる上質なデザインとなっています。
カラーは全部で2色存在しますが、「シルバー」と「ブラウン」から選ぶことができ、シルバーがボディにブラック色を際立たせたシックな印象があり、ブラウンはシルバーよりも明るく柔らかい印象のあるカラーデザインとなっています。
その研ぎ澄まされたデザインは少し昔のフィルムカメラを思い返すようなレトロ感のあるデザインとして、おしゃれでちょっとした散歩でも持ち歩きたくなるカメラです。
カメラボディ全体のデザインとしてはPanasonic LUMIX DC-GF10と少し類似点のあるようなデザインですが、配置されているボタンの役割や、配置は他のミラーレス一眼カメラとはかけ離れています。
まずX-E3には通常ミラーレス一眼カメラに搭載されているモードダイヤルが搭載されておらず、本来配置されているような場所には「露出補正ダイヤル」や「シャッタースピードダイヤル」が配置されています。
その姿はまさにフィルムカメラ時代の名残を感じることができるボタン・ダイヤル類となっています。
先ほどボタン・ダイヤルの配置でも触れましたが、FUJIFILM X-E3には純粋なモードダイヤルが搭載されていません。
そのため、他メーカーの一眼カメラとは少し違った操作性となっています。特に絞り値の設定においては、カメラ側で指定せず、レンズ側のリングで設定する場合もあるため、あらゆるモードの切替を自身で行う必要があります。
デジタルカメラとしてオート撮影モードは存在しますが、X-E3は基本的に撮影設定などを自身で行う必要があるカメラという認識が良さそうです。
そのため初心者の方には少しハードルが高く感じることもあるかと思います。カメラの基本を押さえた上で自分が表現したいものを現実に近づけたいシーンではX-E3は理想のカメラとなるでしょう。
富士フイルムでは今回のFUJIFILM X-E3以外にもさまざまなミラーレス一眼カメラを開発していますが、X-E3は数ある富士フイルムのミラーレス一眼カメラの中でも小型・軽量のボディを実現しています。
初めてのカメラとして小さくて軽いカメラを求めることは必然的ですが、写真撮影を長年趣味として行っている方でも携帯性というのは悩みの一つです。
X-E3は、はじめてカメラを持つ方にも、長年色々なカメラで作品を撮影されてきた方の悩みである携帯性を解決し、表現力でも優れた力を発揮するカメラなのです。
小型軽量は初心者のためだけにあるという訳ではないのです。
デザイン性から深みを感じることのできるFUJIFILM X-E3ですが、ここからはカメラとしての本質である撮影性能について触れていきます。
「作品を創り出すためのカメラ」というのはどのようなものなのか、作例とともに解説していきます。
カメラにおいて色の表現というのはカメラによって大きく差が出る場面です。
この発色に関しては、富士フイルムが数あるカメラメーカーの中でもトップクラスであると言えるでしょう。
フィルムカメラ時代は、フィルムから現像作業によってプリントされますが、記録するためのフィルムによって色や仕上がりの質が大きく変わるものでした。
富士フイルムでは、昔からフィルムの製造を行っており、フィルムカメラ時代のフィルム製造で培った色表現の技術に優れています。
培った色表現の技術はデジタルカメラへと受け継がれ、自然な色合いながら奥深い、富士フイルムにしか出せない発色が特徴的です。
先ほどの通り、富士フイルムではフィルム製造で培った技術力を基に色表現に絶対的な自信を保有しています。
その技術が活かされた機能として「フィルムシミュレーション」が存在します。
フィルムシミュレーションは、富士フイルムのミラーレス一眼カメラで定番となった機能ですが、全15種から画像の仕上がり雰囲気を選んで調整することができます。
モノクロやセピアなどのモードも存在するため、カラーでは表現することのできない奥深い世界までFUJIFILM X-E3では様々な表現をイメージ通りに再現できる魅力があります。
外観では、レトロな雰囲気が漂うデザインでしたが、デジタルカメラとしての性能は新しいカメラとして優れています。
センサーではミラーレス一眼カメラとして一般的なAPS-Cサイズを採用しており、有効画素数は約2430万画素を実現しています。
また、撮影に関する機動性に大きく影響を与える画像処理エンジンについても高速の処理能力を保有する「X-Processor Pro」を搭載し、カメラの起動速度や連写速度など、あらゆる撮影性能において高い能力を発揮します。
デザインはレトロながらデジタルカメラとしての性能は、最新技術が結集した近代らしいカメラなのです。
これまでご紹介してきた撮影機能やFUJIFILM X-E3は、ジャンルによってはあまり使い勝手のよくないカメラに可能性があるものの、スナップ撮影やフォトジェニックな撮影には最適なカメラといえるでしょう。
今回私はX-E3を持ち歩いて桜咲く東京都内を歩きましたが、小型・軽量モデルとしての携帯性は街歩きに効果的で、フィルムシミュレーションを使った表現力は、街歩きなどスナップ撮影に最適なカメラだと感じます。
ふとした散歩で使用することもおすすめですが、旅行先などで絶景を撮影する際なども富士フイルムらしい色表現で、一目見て「美しい」と感じられる作品へと仕上げてくれるでしょう。
今回はFUJIFILM X-E3を使って桜が咲く東京を散歩して様々な写真を撮影しました。
撮影当日は日曜日。普段は閑散としている公園にもお花見を目当てに沢山の人が集まっていました。
レンズを使い分けることで桜の写し方も変わってきます。
こちらはXF18-55mmF2.8-4 R LM OIを使用し、桜の花に近寄って撮影しました。
被写体に近づくほど背景のボケ味を感じることができますが、富士フイルム独自の色表現と重なって美しいボケ味を実現します。
一眼カメラの色表現において「青」の表現は、カメラによって大きく変わる色だと感じます。
富士フイルムの「青」の色表現は、他メーカーに比べても絶妙な具合を再現していると感じます。くどくもなく、物足りなくもない、そんな程よさを青空を写したときに感じます。
逆光側に回って撮影することも写真撮影における発想の一つです。
逆光側はどうしても花などの場合、美しい色というのは出にくいため、あえてセピア調のフィルムシミュレーションを使用し、ノスタルジックな雰囲気を意識しました。
こちらも逆光ですが、太陽が直接入るように広角レンズを使用して撮影しました。
太陽光線を浴びてハイライト部分が白飛びしてしまうことはなく、美しい階調を保ったまま、逆光撮影においても表現しやすい印象です。
望遠レンズは奥行きを見せたい場面で大活躍です。
一直線に伸びる道と、その側に立ち並ぶ木々を絡めて密集度を感じる1枚になりました。
まだ満開とはいえない東京の桜ですが、早くも地面に散ってしまった桜も。
木々に咲き誇る華やかな桜とは対照的に哀愁漂う瞬間です。ここでは緑色と黄色の発色が問われる場面ですが、自然で落ち着いた発色を実現します。
撮影を進めているとすぐ近くの1組の親子が話しかけてくれました。
生後10ヵ月のお子さんにとってはじめての春。カメラを持ち歩いていると素敵な出会いにも恵まれることが多いです。
春の天候は難しく、しばらくすると空一面に雲が広がってきました。
曇りの写真撮影というのは個人的に最も難易度が高いと感じるシーンですが、X-E3ではフィルムシミュレーションにより、幅広い表現性をカメラ側から提案してもらっている気分になります。
セピア調の表現は、X-E3の写真表現においてカギを握る存在といえるかもしれません。
時折姿を見せる太陽と青空とにらめっこしながら撮影は続きます。
操作に慣れてくるとカメラ内での設定も素早く行うことができます。“自分で撮るカメラ”とご紹介してきましたが、操作に慣れることで自分らしさを出すためのセッティングが自然と身についてきます。
これまでは自然中心の撮影でしたが、太陽光線が当たらないことからビル群や空模様を絡めた風景写真へとシフトしました。
2枚目は太陽による光は既に届かなくなっていたものの、違う方向を見渡すと青空と雲が広がっていました。
変化のある空に対してはモノクロを使用した撮影もおすすめです。立体的に浮かび上がる雲を表現することに向いているモードです。
春は1年の中でも美しいシーンが数多く存在する季節ですが、桜など期間が限られている印象です。
FUJIFILM X-E3は、春に使いたいカメラだと考えていましたが、彩りのある自然を写すには最適なカメラといえるでしょう。
しかし美しい色彩を写す場面だけでなく、曇天のシーンやどのように撮影すべきか迷った場面でも豊富なカメラの機能によって、迷いから脱出へと導いてくれる多機能性も魅力的です。
これほどまでおしゃれを追及したカメラというのは他に見たことがありませんでした。
このスタイルは「カメラがおしゃれな趣味」である現代だからこそ通用するもので、仮に数年前に存在していたとしても、正直なところ良いカメラとして注目を浴びることはなかったように思います。
写真というのは時代とともにどんどん身近になっています。インスタグラムなどのSNSは、人々がフォトジェニックを追い求めるための原動力になっており、人々が追い求める理想を叶えてくれるカメラこそFUJIFILM X-E3なのかもしれません。
ぜひあなたの写真撮影で必要とする“感動”をFUJIFILM X-E3を使って体感してみてください。
「カメラは購入することが当たり前。」
私の少し前まではこの考えでした。しかし今は使いたいカメラやレンズを都合の良い瞬間だけレンタルできることはご存知でしょうか。
カメラのレンタルサービスを利用することで気になるカメラを短期間だけ試すことができるのはもちろん、使うシーンが限られて購入するほどではないという場面でも活用することができます。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」では、今回ご紹介してきたFUJIFILM X-E3はもちろん、人気の一眼カメラ・カメラレンズを豊富なラインナップから選んで賢くお得にレンタルすることができます。
まさに現代に合ったカメラの使い方をぜひRentioのレンタルサービスを利用して実践してみてくださいね。
X100Fに近いコンセプト
外観レビュー
思わず持ち歩きたくなる研ぎ澄まされたデザイン
フィルム時代を感じさせる少しレトロなボタン類
オートよりも“自分で撮る”カメラ
ミラーレス一眼カメラとして小型・軽量
撮影性能
発色の真骨頂こそ富士フイルム
ノスタルジックな雰囲気を表現するのに最適
レトロの外観とは対照的な最新の撮影性能
街歩きに最適なカメラ
FUJIFILM X-E3を使って歩く桜咲く東京の情景
FUJIFILM X-E3製品仕様表
モデル名
FUJIFILM X-E3
撮像画面サイズ
APS-C(約23.5×15.6mm)
映像素子型式
X-Trans CMOS IIIセンサー
有効画素数
2430万画素
オートフォーカス方式
インテリジェントハイブリッドAF
測距点
最大25×13エリア
常用ISO感度
ISO200~12800
シャッター速度
1/4000秒~30秒、バルブ
連続撮影速度
最高約14コマ/秒
画面
3.0型/約104万ドット
Wi-Fi搭載
〇
Bluetooth搭載
〇
大きさ
(幅)121.3mm×(高さ)73.9mm×(奥行き)42.7mm
質量(CIPA)
約337g
外観から仕上がりまでオシャレを体現するカメラ
カメラのレンタルは現代に合ったスマートな選択肢