Canon EOS 90D実写レビュー。久々のキヤノン最新一眼レフを使って感じた圧倒的な性能の進化

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2019年9月20日に発売となったCanon EOSシリーズによる一眼レフ最新モデルとなった「EOS 90D」。
近年ではミラーレス一眼カメラが盛り上がりを見せており、キヤノンにおいてもEOS Rシリーズの開発など、ミラーレス一眼カメラ開発への積極性を見せていましたが、今回は久々の一眼レフにおいける中上位モデルの発売となりました。
そして従来モデルEOS 80Dの後継機となるEOS 90Dでは、どのような進化を遂げたのかなど、従来モデルとの比較も踏まえて最新モデルEOS 90Dをレビューしていきます。
もくじ
新たなAPS-Cセンサー搭載一眼レフ
久々の最新モデル
もっとも直近で発売されたキヤノンの一眼レフは2019年4月発売のEOS Kiss X10ですが、その前を辿ると2018年3月のEOS Kiss X90や2017年8月発売のEOS 6D Mark IIまでさかのぼり、一眼レフの開発はしばらく停滞していたと言えるでしょう。
中でもAPS-Cセンサー搭載の中上位モデルに関しては2016年3月発売のEOS 80D以来、新商品が発売されていない状況でした。
今回発売となったEOS 90Dは、キヤノンのAPS-Cセンサー搭載の中上位一眼レフモデルとして久しぶりの新製品となります。
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従来モデルから目に見える進化
冒頭の通り、今回ご紹介しているEOS 90Dは、EOS 80Dの後継機として従来から性能を向上させたモデルになります。
詳しい性能の差については後ほど詳しくご紹介していきますが、EOS 90Dではあらゆる面で従来モデルのEOS 80Dから進化を遂げています。
カメラとしての性能はもちろん、操作性などの機能面においても最新カメラとして大きく改善された点が目立ちます。
従来モデルEOS 80Dについてはこちら
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EOS 90D外観レビュー
まずはEOS 90Dの大きさや重さから外観面をレビューしていきます。
ミラーレス一眼ではない、一眼レフとしてどれほどの携帯性を実現しているのか、従来モデルEOS 80Dとの違いについてもご紹介していきます。
従来モデルEOS 80Dより若干の小型・軽量化
最新のEOS 90Dでは、従来のEOS 80Dよりも性能は大きく向上したものの、若干の小型・軽量化を実現しています。
とはいえ、数値上においても僅かな差であるため、サイズ感というのは従来のEOS 80Dからあまり変わりはないと言えるでしょう。
近年ではミラーレス一眼が普及してきましたが、EOS 90Dでは、一眼レフタイプとしてミラーレス一眼ほどの小型・軽量化を実現していません。
ミラーレス一眼を日頃から愛用されている方にとっては、大きく重い存在であるかもしれませんが、一眼レフならではの重量感というのは、撮影時におけるホールド性に大きく貢献するため、望遠レンズなどを構えた撮影などではカメラボディが小さすぎない方が良いこともあります。
EOS 7D Mark IIよりも携帯性で間違いなく優れている
今回EOS 90Dの比較対象として従来モデルであるEOS 80Dはもちろんですが、EOS 80D時代の上位モデルであったEOS 7D Mark IIも比較の対象になると言えるでしょう。
EOS 90Dでは、EOS 80Dより性能を大きく進化させたことにより、これまでの上位モデルであったEOS 7D Mark IIよりも優れた性能との評価もあるほどです。
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サイズ感そのままに性能を向上
撮影性能面では非常に優秀な能力を保有していますが、EOS 90Dは先ほどご紹介した通り、大きさや重さなどの携帯性の面でEOS 80Dとほとんど変わりません。
撮影性能を向上させ、携帯性はそのままを実現したEOS 90Dは、EOS 7D Mark IIよりも明らかに携帯性の面では優れています。
EOS 7D Mark II同様にスティック状のマルチコントローラーも設置
EOS 5DシリーズやEOS 7Dシリーズなど、上位モデルシリーズに搭載されているスティック状のマルチコントローラーをEOS 90Dに搭載しました。
操作性が向上し高速撮影に貢献
スティック状であることから、上下左右にスティックを操作することでファインダーを覗いた状態など、マルチコントローラーを直接見ることができないシーンでもAFポイントの移動などの操作が可能となります。
このマルチコントローラーの設置により、EOS 90Dで向上させた撮影性能も更に活かすことのできる「高速撮影能力」の向上にも貢献しています。
便利なバリアングル液晶&タッチパネル機能
今や一眼カメラにおいて一般的となったカメラ本体に搭載されている可動式の液晶モニターですが、EOS 90Dでもバリアングル液晶が搭載されています。
バリアングル液晶は、チルト式液晶よりも左右の動きを行うことができるため、ファインダーを覗いた撮影ができないような角度でも、液晶モニターの角度調整の幅が広がります。
更に、液晶モニターではタッチパネル機能も搭載されているため、スマートフォン感覚で設定や撮影を行うこともできます。
EOS 90D撮影性能レビュー
ここからはCanon EOS 90Dを実際に使用して撮影した作例を基に、最新APS-Cセンサー搭載の一眼レフカメラの実力に迫ります。
大幅に増加した約3250万画素の画素数
APS-Cセンサー搭載の一眼レフとしては珍しく、3000万画素を超える高画素化を実現しています。
これまでのラインナップでは、2000万画素台を採用したモデルが大半でしたが、EOS 90Dでは画素数を大幅に増加させたことが特徴の一つです。
画素数は画質を決定付ける性能ではありませんが、中上位モデルとしてLレンズなどの高品位レンズを使用した際に、高級レンズの良さを更に引き出すことのできる解像感を体感することができます。
これまではフルサイズセンサーでの採用が一般的であった高画素化をAPS-Cセンサー搭載モデルで実現したことで、一眼レフの新たな一面を見るモデルでもあるのです。
最新DIGIC8搭載で強化された高感度耐性
カメラの性能は搭載されている映像エンジンによって大きく左右されます。
今回ご紹介しているEOS 90Dでは、キヤノンが独自に開発する映像エンジンにおいて最新である「DIGIC8」を搭載し、画質の向上や高速撮影への貢献以外にも高感度耐性の強化にも貢献しています。
一眼カメラにおいて常用ISO感度という目安となる数値はあるものの、映像エンジンによって高感度撮影時の仕上がりというのは大きく変わります。
EOS 90Dでは、APS-Cセンサー搭載モデルながら常用最高ISO25600を実現し、高感度撮影時でもノイズを軽減しながら、ディティールを維持した実用的な高感度撮影を実現してくれます。
高速連写は上位モデルに通用する約10コマ/秒
一眼カメラの性能において高速連写性能というのも大きく違いの出る性能です。
上位モデル同等の性能を実現
これまでキヤノンの一眼レフにおいて10コマ/秒を超える高速連写性能を実現していたモデルは、EOS 7D Mark IIのみでしたが、EOS 90Dでも最高10コマ/秒を実現しました。
そしてライブビュー撮影時においても約11コマ/秒の高速連写も実現し、従来モデルEOS 80Dより大きく進化した点でもあります。
広範囲・高密度で幅広いAFを実現するオールクロス45点AFセンサー
描写に並んで重要視すべき点として挙げられるAF性能。
オートフォーカスというのは精度、速度も重要になってきますが、オートフォーカスの判断基準となるAFポイントの範囲と細かさも重要になります。
写真撮影は様々なジャンルが存在しますが、AF性能が優れているカメラほど、幅広いジャンルに対応する証でもあります。
EOS 90Dでは、オールクロス45点AFセンサーを採用し、ピントを合わせたい被写体が画角のどの場所にいてもしっかりと捉えることが可能です。
初心者にも使いやすさで人気の「クリエイティブアシスト」
キヤノンが初心者向けEOS Kissシリーズにおいて初のミラーレス一眼カメラとして発売した、EOS Kiss Mにおいて新搭載となった「クリエイティブアシスト」がEOS 90Dにも採用されました。
初心者でも楽々の直感操作が可能
「クリエイティブアシスト」は、カメラの液晶画面上に撮影に関する設定をゲージの調整にて簡単設定を行うことができる初心者に優しい機能です。
EOS 90Dは、クラスとしては初心者向けのエントリーモデルではなく、ハイアマチュア以上を対象したカメラですが、仮に初心者が最初のカメラとして選んだ場合でも、使いやすい機能性と充実の撮影性能が合わさった長く使えるカメラとしての役割を果たしてくれます。
光学ファインダー対応の流し撮りアシスト機能を搭載
動きモノの撮影シーンでは、スピード感を感じることのできる「流し撮り」を行うこともあるでしょう。
EOS 90Dでは、光学ファインダーに対応した流し撮りアシスト機能をEOSシリーズではじめて搭載し、効果を大・中・小の3段階にて指定することで、カメラ側がシャッタースピードを自動的に設定してくれます。
EF24-105mm F4 L IS II USM、EF70-200mm F4L IS II USM、EF85mm F1.4 L USM、EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS USMにおける4つのレンズでは被写体の速度とパンニング速度の間のズレをカメラ自身が判断し、自動的に補正してくれる優秀な機能なのです。
EOS 90Dを使用した作例



従来モデルEOS 80Dとの違い
ここからは従来モデルであるEOS 80Dとの違いについてご紹介していきます。
画素数が大幅に増加
従来のEOS 80Dでは、有効画素数が約2420万であったことに対して、EOS 90Dでは約3250万画素と、画素数が大幅に増加しました。
これまでキヤノンのAPS-Cセンサーを搭載した、EOSシリーズにおいて3000万画素を超える性能を実現したモデルは存在せず、EOS 90Dにおいて新たな領域に踏み入れたことになるほど大きな進化です。
高速連写性能が向上
EOS 80Dでは、EOS 90Dで搭載されている最新映像エンジンよりも2世代も前となり、高速撮影性能においても大きな違いが出てきます。
従来モデルEOS 80Dでは、最高約7.0コマ/秒の高速連写性能であったことに対して、今回のEOS 90Dでは、上位モデルの性能に限りなく近い約10コマ/秒の高速連写性能を実現しています。
高速連続撮影速度における1コマ/秒の違いというのは非常に大きく、今回7コマから10コマへ変化したことは、非常に大きな進化であることが分かります。
EOS 90Dでは上位EOS 7D Mark2に迫るAF性能
最新の映像エンジンによる変化はAF性能にも大きく影響を与えています。
APS-Cセンサー搭載のEOSとして上位モデルとなるEOS 7D Mark IIでは、動きものの被写体に対しても非常に優れたAF性能を実現するカメラとしてスポーツ撮影や乗り物撮影における定番として人気を集めていました。
今回のEOS 90Dでは、そのEOS 7D Mark IIに迫るAF性能を保有し、更に最新のEOS Rシステムなどで採用された優秀なデュアルピクセルCMOS AFを採用したことで、AF性能でも従来モデルであるEOS 80Dより大きく進化したカメラです。
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Bluetoothを採用
EOS 90Dでは、EOS 80Dで搭載されていなかったBluetoothによる通信機能も搭載し、電源OFFにした状態でもカメラをリモート操作することを実現しました。
例えば、これまでカメラ側の設定も調整しながらWi-Fi接続を行うことでカメラのリモート操作や画像の転送などを行っていましたが、Bluetoothでは一度ペアリング設定を行っておくことでバッグに収納した場合でもスマートフォン上からカメラを操作することが可能です。
このような細かい操作性の面でもEOS 80Dより改善が行われています。
製品仕様表
モデル名 | Canon EOS 90D |
---|---|
撮像画面サイズ | APS-C(約22.3×14.8mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | DIGIC8 |
有効画素数 | 約3250万画素 |
オートフォーカス方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 |
測距点 | クロス測距点:最大45点 |
常用ISO感度 | ISO100~25600 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | – |
連続撮影速度 | 最高約10コマ/秒 (ライブビュー撮影時 最高約11コマ/秒) |
画面 | ワイド3.0型/約104万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約140.7(幅)×104.8(高さ)×76.8(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約701g |
飛躍的な進化を遂げたキヤノンらしい最新一眼レフ
EOS Rシリーズの勢いが増す中、突如として発表されたEOS 90D。
EOS Rも実際に使用してみて、素晴らしいカメラであることを体感できましたが、やはりキヤノンの一眼レフにおける安心を改めて感じるほどEOS 90Dにも可能性を感じる最新モデルです。
画素数の増加、最新の映像エンジン搭載による性能は目に見える形で進化し、更にEOS Rの開発で培った最新技術も採用された、一眼レフながら使われるべきカメラだと感じました。
気になるのは今後のEOS 7Dシリーズの行方ですが、今回EOS 90Dが飛躍的進化を遂げたことでEOS 7Dシリーズにおいても大きなかかるところと言えるでしょう。
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EOS 90Dはレンタルでお試し
今回ご紹介してきたCanon EOS 90Dは、購入前に早速お試しすることも可能です。
カメラの購入はリスクを伴う一大イベントです。その一大イベントを失敗しないためにもまずはカメラのレンタルサービスを利用してレンタルされることがおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたEOS 90Dを最短3泊4日から早速レンタルすることが可能です。
購入を検討されている方にはもちろん、少し気になって使ってみたいという方にも気軽に利用することができる便利なサービスです。
もちろんEOS 90D以外にも豊富な一眼カメララインナップから選ぶことができるので、ぜひこの機会にRentioで気になるカメラをレンタルされてみてください。