HUAWEI P40 Pro 5Gを実機レビュー!高性能なLeicaカメラに魅力がある一方で注意点も
更新日2024/11/26
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スマホシェアで世界No.1を獲得したことがある中国メーカー「HUAWEI(ファーウェイ)」。
HUAWEIのスマホはミッドレンジからハイエンドまで主に4つのシリーズを展開しており、どれもが高いカメラ性能に定評があります。
なかでも「Pシリーズ」と呼ばれる製品ラインはカメラ性能に特化して開発されているモデルとして人気があり、気になっている人も少なくないだろうと思います。
そこで、今回は2020年6月に発売されたフラッグシップモデル「HUAWEI P40 Pro」の特長と実機レビューをまとめました。
「HUAWEI P40 Pro」を使うにあたっていくつか注意点も挙げましたので、カメラ性能でスマホを選びたい方は参考にしてください。
もくじ
HUAWEI P40 Proの特長
「Pシリーズ」はドイツの高級カメラメーカーの「Leica(ライカ)」と共同開発したカメラを搭載しているのが最大の特長です。
「HUAWEI P40 Pro」は、トリプルカメラのリーズナブル版「lite」、ペンタカメラ(5つカメラ搭載)のハイエンドモデル「Pro +」の中間に位置するフラッグシップモデルです。
そのカメラ性能を含めた主な特長を紹介します。
Leicaウルトラビジョンクアッドカメラを搭載
「HUAWEI P40 Pro」に搭載されている「Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ」は「LEICA VARIO-SUMMILUX-H 1:1.8-3.4/18-125 ASPH.」と呼ばれる超広角・広角・望遠の3レンズと3D被写界深度カメラ(ボケ効果)から構成されています。
サイズの大きい「RYYBセンサー」と光学式手ブレ補正(OIS)+AI手ブレ補正(AIS)によって、夜間や室内のような暗所撮影に強みがあります。
最大50倍ズーム(5倍光学ズーム/10倍ハイブリッドズーム)の望遠レンズも想像以上にすごいです。カメラ性能については百聞は一見にしかずだと思いますので、本文後半に作例を掲載しましたので参考にしてください。
レンズ | スペック |
---|---|
広角レンズ(標準) | 5,000万画素(1/1.28型RYYBセンサー 23mm F1.9 OIS) |
超広角レンズ | 4,000万画素(1/1.54型センサー 18mm F1.8) |
望遠レンズ | 1,200万画素(RYYBセンサー 125mm F3.4 OIS) |
フルベゼルレスの大型ディスプレイ
「HUAWEI P40 Pro」は「HUAWEI クアッドカーブディスプレイ」と名付けられた、ベゼルレスの大型FHD(1,200×2,640画素)ディスプレイを搭載しています。
上下左右の側面が湾曲して立体的なディスプレイ構造になっているため、正面以外に角度から覗いても高い視認性があります。
項目 | スペック |
---|---|
ディスプレイ | 約6.58インチ OLED(有機EL) Corning® Gorilla® Glass 6 |
ディスプレイ解像度 | FHD(1200×2640, 441ppi) |
リフレッシュレート | 90Hz |
プロセッサはHUAWEI Kirin 990 5Gで高パフォーマンス
「HUAWEI P40 Pro」に搭載されているプロセッサは、HUAWEIが独自開発している「HUAWEI Kirin 990 5G」です。
「Antutu Benchmark」で調べたベンチマークスコアは総合「462679」となりました。これはAntutuで計測しているAndroid機種の上位30に入る数字です。
メモリ(RAM)も8GB、ストレージ容量は256GBありますので、ゲームアプリもストレスなく楽しめるスペックです。
4,200mAhの大容量バッテリー
「HUAWEI P40 Pro」には約4,200mAhのバッテリーが搭載されており電池持ちが良いのも特長です。実際に6時間ほどカメラモードをオンにしたまま持ち歩いたのですが、バッテリー消費は50%程度で済んだくらいです。
電力消費を最適/節約する機能も搭載されているので、長時間利用でも安心して使えるバッテリー容量だと思います。
ワイヤレス給電(パススルー充電)に対応
残バッテリーが20%以上あれば、「HUAWEI P40 Pro」を最大27W出力のワイヤレス充電器として使用することができます。さらに言えば、スマホ本体を充電しながら給電できるパススルー充電に対応しているため、HUAWEI FreeBuds Proのようなイヤホンならまとめて充電できるので便利です。
DSDV対応のデュアルSIMスロット
「HUAWEI P40 Pro」は排他利用SIMカードスロットを2基備え、DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応したスマホです。(SIM 1スロットは5G回線対応)
排他利用のデュアルSIMスロットですがeSIMにも対応しておりますので、SIMスロットの片方はHuawei独自規格のメモリーカード「NM Card」を挿入して外部ストレージとしても利用可能です。
IP68の防塵防止性能
「HUAWEI P40 Pro」は等級としては最高のIP68相当の防塵防水性能を有します。
野外での利用にも強いので様々な場所/シーンでも安心してカメラを楽しむことができます。
ただし、あくまでも精密機械ですので、乱暴に扱わないように取り扱いには気をつけましょう。
- IP6X:直径75μm以下の塵埃(じんあい)が入った装置に商品を8時間入れて撹拌させ、取り出したときに内部に塵埃が侵入しない機能を有する
- IPX8:常温で水道水かつ静水の水深1.5mのところに携帯電話を沈め、約30分間放置後に取り出したときに通信機器としての機能を有する
製品スペック一覧表
「HUAWEI P40 Pro」の製品スペックを一覧表にまとめました。
項目 | スペック |
---|---|
ディスプレイ | 約6.58インチ OLED(有機EL) Corning® Gorilla® Glass 6 |
ディスプレイ解像度 | FHD(1200×2640, 441ppi) |
リフレッシュレート | 90Hz |
アウトカメラ | 広角レンズ:約5,000万画素(f/1.9 OIS) 超広角レンズ:約4,000万画素(f/1.8) 望遠レンズ:約1,200万画素(f/3.4 OIS) ※3Dスキャンの3Dデプスセンシング搭載 |
インカメラ | 約3200万画素(f/2.2 オートフォーカス) ※顔認証のデプスカメラ搭載 |
動画 | 4K(30/60fps) 1080p(30/60/120/240/960/1920/7680fps) 720p(30/60/120/240/960/1920/7680fps) ※120/240/960/1920/7680fpsはスローモーション撮影 |
OS | EMUI 10.1 (Based on Android™ 10) |
CPU | HUAWEI Kirin990 5G オクタコア |
メモリ | 8GB |
ストレージ容量 | 256GB(NMカード対応) |
SIMカード | 排他的デュアルSIMスロット(nanoSIM×2) / eSIM ※nano SIMスロットはNMカードと排他利用が可能 ※5G通信は1回線のみ |
Bluetooth | 5.1 + LE |
Wi-Fi | 2.4/5GHz 802.11a/b/g/n/ac/ax |
NFC | 搭載 ※日本国内では使えない |
バッテリー容量 | 約4,200mAh |
急速充電規格 | Huawei 40W SuperCharge (10V/4A, 5V/8A) |
防塵防水性能 | IP68 |
サイズ (幅×奥行き×高さ) |
約72.6mm×8.95mm×158.2mm |
重さ | 約209g |
カラー | シルバーフロスト / ブラック |
公式税込価格 | 119,680円 |
HUAWEI P40 Proの実機レビュー
「HUAWEI P40 Pro」は本体サイズがは約72.6mm×8.95mm×158.2mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約209gと少し重めの設計です。
先述した「クアッドカーブディスプレイ」が採用されていることで、スマホ全体が滑らかな流線型になっており、手に持った時のホールド感が快適です。
初見では大きなパンチホールに目が向きましたが、実際に使ってみるとあまり気にせず映像を楽しむことができます。
カメラユニットは大きく厚みもあるため、ディスプレイを上に向けて置くとカタカタします。
試しに「iPhone 11 Pro」と並べましたが、カメラユニットの大きさや出っ張り具合も目立つことが分かります。
個人的に嬉しいポイントが片方に集約された物理ボタン(電源/ボリューム)です。横向きで撮影するときに物理ボタンを誤って操作することもなく、快適に使うことができます。
生体認証も指紋認証と顔認証どちらも搭載されており、どちらの反応もかなり良いです。指紋認証技術は光学式のようですが、ミドルレンジのOPPO Reno3 Aの指紋認証と比べて、体感的に1.5倍〜2倍くらい早くロック解除できていると思います。
セット内容
「HUAWEI P40 Pro」に同梱されているセット内容は以下のとおりです。
付属の電源アダプターは出力インターフェースがタイプCのものなので変換プラグがないと使えず、それによって急速充電ができるかどうかも未検証のため確認することができませんでした。
- HUAWEI P40 Pro
- ACアダプタ 40W HUAWEI SuperCharger
- USB-A to USB-Cケーブル
- USB-C ハイレゾイヤホン
- クリアケース
- クイックスタートガイド
音質は想像以上に良い
「HUAWEI P40 Pro」に搭載されているスピーカーはモノラルのようですが、ステレオのような立体感のある音を出します。
標準アプリにある音楽アプリで聴ける音楽もそこそこありますし、アプリ内で設定できる「サウンド効果」でも補完できるので、十分満足できるクオリティだと思いました。
HUAWEI FreeBuds Proとの組み合わせがおすすめ
ノイズキャンセリング搭載の完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds Pro」は「HUAWEI P40 Pro」とスムーズな連携ができるのはもちろん、「Histenサウンド効果」の3Dオーディオも使えるのでおすすめです。
メインサウンド効果と3Dサウンド効果(近接/前面/ワイド/グランド)を組み合わせて、臨場感のあるオーディオ体験を楽しむことができます。
HUAWEI FreeBuds Proを実機レビュー!ノイズキャンセリングの実力や気づいた注意点 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
HUAWEI AppGalleryについて
「HUAWEI P40 Pro」にはAndroid 10ベースのOS「EMUI 10.1」を搭載し、ファーウェイ独自の「HMS(Huawei Mobile Services)」のスマホです。そのため、使えるアプリも「Google Play」ではなく、「HUAWEI AppGallery」と呼ばれる独自のアプリプラットフォームからのダウンロードになります。
とはいえ、日常でよく使うようなアプリ(Twitter, Instagram, LINE, NetFlix, メルカリ, Amazon, 楽天市場, 各種ゲーム etc.)は揃っており、GoogleサービスもWebブラウザからなら一部利用もできますので、うまくサービスの代替をすれば困ることは無いでしょう。
ただしスマホ決済系は総じて使うことができませんので、その点は大きなデメリットと言えるかもしれません。
楽天モバイル回線の検証結果
補足までに、今回は楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)のnanoSIMを使ったのですが、「HUAWEI P40 Pro」は4G回線/5G回線どちらも受信していました。ただし、5G回線については回線エリアの電波状況なのか、「HUAWEI P40 Pro」との相性なのか分かりませんが不安定だったことも伝えておきます。
さらに付け加えると、「my 楽天モバイル」「Rakuten Link」どちらもインストールはできますが、「Rakuten Link」はSMS認証から手続きを進めることができないため使うことはできませんでした。
※回線エリアによって異なりますので、記載の結果はあくまでも弊社で行った時の確認結果となりますことを予めご了承ください。
HUAWEI P40 Proのカメラ性能を検証
「HUAWEI P40 Pro」は手ぶれ補正、ボケの演出、最大50倍ズームなど、従来のスマホカメラでは考えられない性能に魅力があります。
写真や動画は撮って出しで掲載しておりますが、写真はRAW形式で保存することもできますので、Lightroom等で現像したい方にもおすすめです。
最大50倍ズームの実力
日比谷ゴジラスクエアにあるゴジラ像を、同じ場所から0.6倍(超広角)→1倍(広角)→5倍→10倍→20倍→50倍で撮影してみました。
光学ズームは5倍までですが、10倍のハイブリッドズームで撮影した写真も鮮明に撮影できています。
この日は白夜月が見えたので、超広角で撮影した写真の中央上右よりにある月を50倍ズームで撮影もしてみました。
50倍ズームだと少しの動きで被写体から大きくずれてしまうので難しかったのですが、月の影の部分もしっかり写り込んでいました。
ボケ表現ができるアパーチャ撮影
「アパーチャ撮影」ならF値を0.95〜16(初期設定は4)まで設定できますので、被写体に合わせてボケを強くしたり、暗所撮影に浸かったりすると最適です。
3枚の写真は上からF0.95/F1.4/F4(27mm 1/2525 ISO50)で撮影したものになりますので、ボケの違いなど参考にしてください。
夜景モード
1枚目と2枚目は通常撮影(2枚目はHDR)、3枚目と4枚目が夜景モードで撮影した写真です。
搭載されたRYYBセンサーが活きていると思うのですが、ある程度の光量があれば通常撮影でも夜景がきれいに写ります。
動画の手ブレ補正もチェックしてみた
「HUAWEI P40 Pro」を両手で持って撮影した4K60fpsの動画ですが、手ぶれ補正が効いているのが分かります。
ゆっくり歩きながらの撮影だったので横ぶれは生じますが、縦ぶれはほとんどありません。
HUAWEI P40 Proの注意点
カメラ性能をはじめ高スペックな「HUAWEI P40 Pro」ではありますが、予め把握しておくべき注意点がいくつかあります。
特に気になるだろう仕様については検証も行いましたので確認してください。
Google製アプリが使えない
「HUAWEI P40 Pro」は非GMS(Google Mobile Services)スマホなので、Google製のアプリや一部サービスを使用することができません。
WebブラウザからならGoogle検索やGmail等のサービスを使うことが可能ですが、「Google Drive」や「Google Photo」は閲覧できても写真やファイルの追加を行うことができませんでした。
筆者のようにGoogleサービスにどっぷり浸かっているような人ならば、スマホとしての利便性は決して高いとは言えません。
40Wの急速充電規格に対応しているも
「HUAWEI P40 Pro」は最大40W(10V/4A, 5V/8A)の「Huawei 40W SuperCharge」の急速充電規格に対応しているため、約4,200mAhのバッテリーも短時間でのフル充電を可能にしています。
ただし、それには独自規格の専用充電器と専用USBケーブルとの組み合わせが必要になり、日本国内は現状40Wの急速充電を使うには難しい環境であると言えます。
また、最大27Wのワイヤレス充電も使えますが、高出力対応のワイヤレス充電器も普及している状況とは言えず、2021年2月現在は純正品を用意するのが無難な選択肢となります。
HUAWEI SuperCharge Wireless Charger (最大27W), Qi対応
急速充電の恩恵に授かれない
実際に残バッテリー20%以下の「HUAWEI P40 Pro」に、61WのUSB PD対応充電器とUSB-Cケーブルを繋いで充電してみましたが、約10W〜12W(8.82V/1.37A前後 or 4.85V/2.08A前後)の出力しか確認することができませんでした。
国内で販売されている急速充電器だと3Aを超えるものがあまりないため、「HUAWEI P40 Pro」のフルスピード充電はできないと考えたほうが良いでしょう。
PayPayは使えるが、原則スマホ決済が使えない
「HUAWEI P40 Pro」にはNFCは搭載されているようですが、「Google Pay」や「おサイフケータイ」を使えないため、電子マネーやクレジットカードのスマホ決済が利用できません。
QRコード決済については「PayPay」と「楽天ペイ」をインストールしましたが、「PayPay」だけが使える結果となりました。「楽天ペイ」は「位置情報を取得する機能が動作しないため、利用できません」と表示され使えませんでした。
ただし、どちらも「Google Pay開発者サービスが必要」と表示されるため、使うにあたっては不安が残ります。
トップクラスのカメラ性能を誇るスマホ
「HUAWEI P40 Pro」の面白さはやはり高性能なカメラにあると思います。バッテリー持ちが良く写真のシェアがしやすい高級コンデジという位置づけに近いかもしれません。
スマホとしての利便性は若干劣ると感じるものの、Googleサービスを利用していない方ならば十分検討に値するスマホだと感じます。
スマホはレンタルもできる
機種変更までの代替え機や短期間だけ使うのはもちろん、購入前に確認したいことがあればお試しレンタルがおすすめです。
家電レンタルのRentio(レンティオ)では14泊15日〜の短期や月額(3ヶ月〜)でHUAWEI P30 liteのレンタルも提供しています。
製品によってはそのまま購入できますので、実機で試してから検討してみてはいかがでしょうか。
[レンタル] ファーウェイ(HUAWEI) 製品の一覧 – Rentio[レンティオ]
[レンタル] スマートフォン – Rentio[レンティオ]
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