OM SYSTEM OM-1実写レビュー。伝統と進化を兼ね備えた「OM SYSTEM」ブランドの新たな門出

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連日の様に製品発売が行われるミラーレス一眼。
2021年から2022年にかけては、特に上級モデルのミラーレス一眼を中心に各社がモデル展開を進めている印象です。
今回は、かつてのオリンパスを継承し、新会社として生まれ変わったOMデジタルソリューションズから新発売となった「OM SYSTEM OM-1」をご紹介していきます。
オリンパスにおける伝統の名機の名前をそのまま踏襲し、オリンパス時代からの伝統と、新ブランド「OM SYSTEM」における最新技術の融合が感じられる、最上位モデルとなります。
今回は、OMデジタルソリューションズ株式会社様より新製品「OM SYSTEM OM-1」をお借りする機会を頂戴し、私自身約3年ぶりとなった欧州での作例から、魅力をご紹介していきます。

もくじ
かつてのオリンパスの伝統を受け継いだ「OM SYSTEM」
今回ご紹介していくOM SYSTEM OM-1は、OMデジタルソリューションズが開発したミラーレス一眼です。
OMデジタルソリューションズと聞いてもピンと来ない方も少なくないはずです。
OMデジタルソリューションズは、オリンパスの映像事業部門を受け継いで2020年より始動した新会社で、実質的には「オリンパス」のカメラ事業を展開しています。
新会社とはいえ、前述の通り、オリンパス時代から継承した技術力や製品名を活かした製品開発を行っており、全く新しいカメラメーカーという訳ではありません。
OMデジタルソリューションズでは、これまで新会社としてOLYMPUS PEN E-P7を発売しましたが、「OM SYSTEM」のブランド名で製品展開を行うのは、今回ご紹介していく「OM SYSTEM OM-1」が初のことで、新たな門出を感じる新製品となっています。
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1972年発売の名機「OM-1」と同じ名前に懸ける想い
フィルムカメラ時代から一眼カメラを使われている方からすると、「OM-1」という名前に聞き覚えのある方も多いかと思います。
それもそのはず、「OM-1」は、1972年に世界最小最軽量35mm一眼レフとして発売された「OLYMPUS OM-1」と全く同じ製品名なのです。
かつての「OM-1」は、大ベストセラーモデルとして、多くのユーザーに愛されたフィルムカメラの名機で、今でも好んで愛用する方が居るくらいオリンパスにとっては重要なモデルです。
その歴史的名機と同じ名前を付ける程、今回発売された「OM SYSTEM OM-1」に懸ける意気込みも強いということになります。
オリンパスがこれまで培ってきたマイクロフォーサーズでの技術力を結集させ、伝統と進化を感じられる最上位モデルとして2022年3月18日に発売となりました。
外観レビュー
まずは、デザイン性や大きさ重さなどの外観面について実機写真とともにご紹介していきます。
これまでオリンパス製品を使用されてきた方にとっては、大きな変化があるのかなども気になるところかと思います。
新たな「OM SYSTEM」ブランドとしての特徴を中心にご紹介していきます。
シンプルで使い勝手から洗練されたデザイン
OM SYSTEM OM-1のデザイン自体は非常にシンプルな印象を受けました。
シンプルであることは決して悪い意味ではなく、しっかり撮影者のことを考えられて開発されたことが分かる細かい部分へのこだわりは随所で感じられるデザインとなっています。
マイクロフォーサーズセンサー搭載モデルとして小型・軽量化も意識されていますが、単にコンパクトであるだけでなく、撮影時のホールド感が意識されたグリップ部分の突起の形など、非常に手に馴染みやすいデザインであると感じました。
この辺りのデザイン性は、オリンパス時代からの研究の賜物で、しっかり伝統技術が活かされていると言えるでしょう。
また、背面の液晶画面では、バリアングル式を採用しており、液晶画面の角度も自由に調整することができるメリットがあります。
大幅に進化した576万ドットの電子ビューファインダー
近年、ミラーレス一眼における重要な性能として「電子ビューファインダー」の差があります。
ファインダーに液晶や有機ELを搭載していることで、各カメラによってファインダーの見え方が大きく変わる電子ビューファインダーですが、いかに自然な見え方を叶えているかによって撮影のしやすさに大きな影響を与えます。
OM SYSTEM OM-1では、OLED(有機EL)を採用し、一般的な電子ビューファインダーよりも多い576万ドットを実現しました。
ドット数が多いことで、ファインダーの映像は、見え方は非常に自然で、映像自体も滑らかです。
画面を見ているという感覚を忘れるほどで、画面上の色味についても撮影後の仕上がりと変化がないことから、ファインダーを信用して撮影することができると強く感じました。
近年上位モデルを中心に電子ビューファインダーで有機ELが採用されることが多くなりましたが、OMデジタルソリューションズとしては「OM-D E-M5 MarkIII」に次ぐ2台目の有機EL採用のモデルとなりました。
ダブルスロットや大容量電池の採用など上級者の期待に応える機能
OM SYSTEM OM-1は、上位モデルとして機能面でもハードな使用も想定されています。
メモリーカードへの記録では、ダブルスロットを採用しており、SDカードを2枚同時に挿入することができます。
2枚のSDカードを活用した記録方法も複数選択することができ、片方のメモリーカードの容量が一杯になった際に自動で切り替えるモード、2つのメモリーカードにおいて違う画像形式で振り分け記録を行うモード、2つのカードに同時に同じ画像を記録する同一書き込みモードなど、より画像保存に関して安心した記録を行うことができます。
また、ミラーレス一眼でネックとされる電池容量も大容量バッテリーを採用していることで、長時間の撮影にも対応しています。
今回の作例撮影においても電池の減少は非常にスローペースで、1回の充電においては非常に長持ちする印象を受けました。
また、万が一電池容量の減少に気が付くのが遅くなっても、PD規格に対応したモバイルバッテリーを使用することで、出先でも気軽に充電することも可能です。
性能レビュー
ここからは、今回私自身3年ぶりとなる欧州遠征での作品を基に、OM SYSTEM OM-1の性能面をご紹介していきます。
OM SYSTEM OM-1が特徴とする優れた性能をヨーロッパの美しい情景写真とともに解説していきます。
質感表現に優れた高画質
最新の画像処理エンジン・イメージセンサーを搭載
OM SYSTEM OM-1では、画像処理エンジン・イメージセンサーともに新開発のものが搭載されており、高画質の基本となる解像力や質感表現に長けた仕上がりを叶えています。
今回の作例撮影の舞台は、ヨーロッパということで色鮮やかな建物が多い一方で、天候の変化も受けやすい場所ということで、カメラ側の表現力のテストにも最適な場所ではありましたが、いかなるシーンにおいても、忠実な色表現や、思わず等倍で見たくなる程の繊細な解像感を楽しむことができました。
発色についても、違和感のない自然さが特徴的ではありますが、ピクチャーモードを切り替えることで、写真の色味など雰囲気は大幅に変えることができるため、撮影シーンに合わせた選択というのも、従来からある機能ではありますが、使い勝手の良さを感じたところです。
決定的瞬間を逃さないAF/AE追随50コマ/秒の高速連写
AF/AE追随時も驚異的な高速連続撮影速度を実現
OM SYSTEM OM-1の性能で特に驚いたのが、高速連写撮影です。
OM SYSTEM OM-1では、AF/AE追随の状態で最高50コマ/秒という驚異的な高速連続撮影速度を実現しました。
今回の作例撮影においても、動き被写体として航空機の撮影も行いましたが、1秒間に50コマも記録していることから写真確認時に順に確認していくと動画を見ている様な感覚になりました。
更にAF/AE固定時には最高120コマ/秒の高速撮影性能も実現しており、野鳥など動きのタイミングが読めないような撮影では、決定的な一瞬を確実に捉えてくれる優秀な性能として、頼ることができます。
俊敏な動きにも正確なAFを実現
被写体に合わせたオートフォーカスを実現
OM SYSTEM OM-1の性能面において、驚異的な能力を有するのが「AF性能」です。
搭載された新開発の裏面照射積層型Live MOSセンサーによって、1053点オールクロスのカバー率100%を実現。
被写体が例え画面四隅ギリギリまで寄ろうとも、ピントは正確かつ高速に合わせてくれる能力は、特筆すべき性能です。
更に、「AI被写体認識AF」を搭載しており、カメラ側が被写体を認識し、被写体に特化したピント合わせを行うことで、ピントにシビアな撮影においても信頼して撮影を行うことができます。
被写体を認知してくれるのは、フォーミュラーカー・バイク、飛行機・ヘリコプター、鉄道、鳥、犬、猫で、あらゆる撮影ジャンルに対応しています。
今回実際に動く被写体として、航空機および街中で出会った猫の写真を撮影しましたが、航空機に関しては一定の動きながらも、遠い地点から近づいてくるまでの間にもピントが外れることなく、しっかりと追随してくれました。
猫に関しては、人懐っこく自分の方に近づいてくる子でしたが、しっかりと瞳にピントが合っており、予測不可能な動きに対しても、素早くAFが動作している印象を受けました。
OM SYSTEM OM-1を使って撮影した作例








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製品仕様表
モデル名 | OM SYSTEM OM-1 |
---|---|
撮像画面サイズ | マイクロフォーサーズ |
映像素子型式 | 4/3型裏面照射積層型Live MOS センサー |
画像処理エンジン | TruePic X |
有効画素数 | 約2037万画素 |
オートフォーカス方式 | ハイスピードイメージャAF |
フォーカスポイント | 1,053点 |
常用ISO感度 | ISOLOW(約80相当)~102400 |
シャッター速度 | 1/8000秒~60秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 最大7段 |
連続撮影速度 | 最高約120コマ/秒(静音連写SH1時)、約10コマ/秒(通常連写時) |
画面 | 3.0型/約162万ドット |
ファインダー | アイレベル式OLEDビューファインダー/約576万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約134.8(幅)×91.6(高さ)×72.7(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 599g |
伝統と進化を感じる最新「OM-1」
冒頭からご紹介してきた通り、「OM SYSTEM OM-1」は、伝統と進化の融合を感じられ、古くからのオリンパスユーザーはもちろん、新たにOM SYSTEMブランドに興味を持ったユーザーにとっても魅力的な製品となっています。
かつての名機と同じ名前をつけるというのは、メーカー側からしても相当なプレッシャーであり、覚悟を決めたネーミングと言っても過言ではないでしょう。
実際に使用してみて、名機の名に恥じない素晴らしい完成度を実現していると感じました。
マイクロフォーサーズにおけるセンサーの小ささの影響を感じさせない、階調豊かで精細な描写を叶えた高画質は、仕上がりにうっとりできる程です。
そして、撮影における精度を高めてくれる高速連写および被写体を検出するAF性能は、OM SYSTEM OM-1を語る上で欠かせない能力です。

OM SYSTEM OM-1はレンタルできる
今回ご紹介してきた「OM SYSTEM OM-1」ですが、購入前にお試しでレンタルされることもおすすめです。
様々な選択肢があるミラーレス一眼ですが、実際に一度使ってみることで自分に合ったカメラが見つけられる最大の近道になります。
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