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皆さん、初めてスマートフォンを手にしたときのワクワクを覚えていますか?
僕が初めてスマートフォンを手にしたのは、今から10年以上前にiPhone 4Sを購入した時です。
あれから十数年、スマートフォンは販売され続けていますが、進化するのはカメラ機能ばかりで、初めてiPhoneを手にしたあのワクワクを感じるスマートフォンに出会うことはありませんでした。
そんなスマートフォン業界に一石を投じるかのように、Nothingからこれまでにないデザインのスマートフォン「Nothing Phone (1)」が発売されました。
背面がガラスになっており機構が透けて見えるデザインや、Glyph Interface(グリフインターフェース)と呼ばれる970個のミニLEDライトが着信やアプリの通知を知らせてくれます。
まさに近未来からやってきたようなワクワクするスマートフォンです。
デザイン面だけでなく、50MPのデュアルカメラ、6.55インチのディスプレイはOLEDを使用しており、120Hzのリフレッシュレートになっています。
それでは早速、Nothing Phone (1)を詳しく紹介していきます。
もくじ
Nothingについて
Nothingという会社を初めて耳にする方も少なくないのではないでしょうか。
Nothingは、OPPOの傘下にある中国のスマートフォンメーカーOnePlusの共同創業者であるカール・ペイが、2020年に設立したまだ新しい企業です。
「人と技術の間にある障壁を取り除き、シームレスなデジタルの未来を創造すること」をミッションに、Appleに次ぐエコシステムを業界に浸透させようとしています。
創業者のカール・ペイは、似たような製品が増えてきている中で、機能面だけでなく手に取りたくなるプロダクトの開発をしているとインタビューで答えています。
Nothingが初めて世にだしたプロダクト「ear (1)」は、単なるワイヤレスイヤホンではなく、中の機構が見えるまさに新しいデザインのワイヤレスイヤホンでした。
そんな、Nothingが次に制作したプロダクトが「Nothing Phone (1)」です。
Nothing Phone (1) スペック一覧
Nothing Phone (1) | |
---|---|
ディスプレイ | 6.55 インチ、フレキシブル OLED ディスプレイ |
解像度 | 2400 x 1080 ピクセル解像度、402 ppi HDR10+ 10 ビット色深度 |
カメラ | ・背面 デュアル50MPカメラシステム:広角(F1.88)、超広角カメラ(F2.2) ・フロントカメラ 16 MPカメラ |
動画 | 4K 録画、30 fps 1080p 録画、30 または 60 fps ライブ Live HDR、30 fps スローモーション (120 fps) ナイトモード (720p/1080p、30 fps) OIS および EIS 画像安定化ビデオ撮影フォーマット 再生: MKV, MOV, MP4, H.265 (HEVC), AVI, WMV, TS, 3GP, FLV, WEBM 録画: MP4 |
プロセッサ | Qualcomm® Snapdragon™ 778G+ |
RAM(メモリ) | 8GB、12GB |
バッテリー容量 | 4500mAh |
防水性能 | IP53 |
生体認証 | 顔認証、ディスプレイ内指紋認証 |
ワイヤレス充電 | ◯(15W) リバースチャージ(5W) |
5G通信 | ◯(Sub6) |
本体カラー | ホワイト/ブラック |
ストレージ容量 | 128GB/256GB |
高さ/幅/厚み(mm) | 159.2/75.8/8.3 |
重量 | 193.5g |
価格 | ・ 8GB RAM+128GB ROM/¥73,800(税込) ・ 8GB RAM+256GB ROM/¥79,800(税込) ・ 12GB RAM+256GB ROM/¥89,800(税込) |
同梱物一覧
Nothing Phone (1)の同梱物は、以下の通りです。
同梱物一覧
- USB-C – USB-C ケーブル
- 安全に関するお知らせ
- SIMツール
同梱物を包むケースやSIMツールのその一つ一つが、Nothingブランドを象徴したデザインとなっており、所有欲を満たしてくれます。
Nothing Phone (1)の特徴
Nothing Phone (1)は特筆すべき点が多数ありますが、他のスマートフォンにはないNothing製品らしい特徴を3つ紹介していきます。
洗練されたデザイン
ここまでNothingのデザインについて度々触れていますが、Nothingの製品はスマートフォン本体だけでなくパッケージや同梱物も洗練されたデザインになっています。
Nothing Phone (1)を包むパッケージはもうスマートフォンが入っていると想像ができないほど薄く、独特の存在感があります。
パッケージには、Nothing Phone (1)の背面がプリントされています。
また、従来のスマートフォンのパッケージは上蓋を引き上げるようなパッケージが多くあるのですが、Nothing Phone (1)のパッケージはスマートフォンを引き抜くという斬新なデザインになっています。
本体背面はNothing Phone (1)のデザインの特徴でもある透明なデザインになっており、中の機構が見えるようになっています。
これはニューヨークの地下鉄をイメージしているようです。
ワイヤレス充電用のコイルが中央にあり、下部には象のような形をしたパーツがあり洗練されたデザインの中にも遊び心を感じ取れます。
透明なガラスなので落とした時の耐久性が気になりますが、「ゴリラガラス5」という強度の高いガラスが使用されているため、傷や衝撃に強くなっています。
Glyph Interface (グリフインターフェース)
背面の透けたデザインは、まさに「Glyph Interface (グリフインターフェース)」のためと言っても過言ではありません。
Nothing Phone (1)の背面には、970個のミニLEDライトが搭載されており、本体背面を光らせることができます。
これにより、本体を裏側に置いておいても着信や通知があった際に気がつくことができるようになっています。
また、光らせ方のパターンは全部で10種類あるので、アプリや人物ごとに光らせ方を変えることで特定の人物からの着信や通知を画面を見なくても把握することができます。
創業者のカール・ペイはポケモン好きということも知られていますが、僕はこの通知音が初期のポケモンの鳴き声を彷彿とさせるようにも感じました。
充電時にも充電残量を光で確認できるなど、ギミック満載です。
Nothing OS
Nothing Phone (1)は、独自に開発された「Nothing OS」が搭載されています。
Nothingのホームページなどで見るドット柄の文字が特徴的ですが、Nothing OSではこのドット柄の文字が多数使用されています。
しかし、この特殊な文字は日本語には対応していないので、Nothing OSを存分に味わいたい方は言語設定を英語にすることをおすすめします。
- 日本語
- 英語
また、Nothing純正アプリとして、カメラアプリとオーディオアプリがプリインストールされています。
基本的なUI(ユーザーインターフェース)はこれまでのスマートフォンと変わりはありませんが、カメラアプリではシャッター音が少し変わっていたりもします。
オーディオアプリも単なる録音機能だけでなく、中央にターンテーブルがありここで早送りや巻き戻しができるようになっています。
実用性はそこまでないかもしれませんが、遊び心を感じることができるUIになっています。
Nothing Phone (1)を実機レビュー
ここまでは、Nothing Phone (1)ならではの特徴を紹介してきました。
本性では、特徴以外にも特筆すべき機能やポイントを紹介していきたいと思います。
◎:最大120HzのOLEDディスプレイ
Nothing Phone (1)のディスプレイは、6.55 インチOLEDディスプレイとなっています。
1インチあたりのピクセル(画素)数を表すppiは「402ppi」となっており、ハイエンドスマートフォンと比較するとそこまで解像度は高くありません。
僕が所持しているiPhone 12 mini(476ppi)、 Rakuten Hand(330ppi)と比較してみると違いが感じられます。
- 左からiPhone 12 mini、Nothing Phone (1)、Rakuten Hand
一方で、10 ビット色深度かつ1,000,000:1のコントラスト比からなる色彩表現は、ピクセル解像度を上回るものがあり、YouTubeなどで4K動画などを見ていても非常に綺麗にみることができます。
また、最大で120Hzのリフレッシュレートになっており、アプリの操作感は非常に滑らかです。
僕が普段使用しているiPhone 12 miniは、リフレッシュレートが60Hzなのでこの違いにはかなり驚きました。
※写真内の動画 / アジア。 8K ULTRAHDの究極のツアー-1つのビデオで33か国
◎:50MPのカメラ
Nothing Phone (1)は、50MPと高画質のカメラが2つ搭載されています。
広角と超広角のカメラになっており、シチュエーションに合わせて使い分けることができます。
iPhoneシリーズのカメラが12MPなのに対して、Nothing Phone (1)は50MPなので非常に高精細なカメラになっています。
Nothing Phone (1)は、iPhoneと比較すると冷たい(青みがかった)色をしている印象を受けます。
夜景などの暗いシーンは「ナイトモード」を使用することで長時間露光することも可能です。
Nothing Phone (1)の作例
- 上図の写真の同ポジションで超広角カメラ使用
- 上図の写真の20倍ズーム
- ナイトモードを使用Phone (1)
手ぶれ補正が強力なビデオ撮影
Nothing Phone (1)の手ぶれ補正機能はかなり強力です。
Nothing Phone (1)を手で持ち、歩きながら撮影したの映像がこちらです。
流石にアクションカメラ並みとは言いませんが、手持ちで歩きながら撮影したとは思えないほどの補正機能です。
Nothing Phone (1)でVLOGの撮影なんかも行えそうです。
◎:4500mAhの大容量バッテリー
Nothing Phone (1)は、4500mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
1回の充電で18時間連続使用が可能で、日常的に使用する分には数日は持つバッテリー容量です。
高速充電にも対応しているので、30分で50%まで充電することが可能です。
ワイヤレス充電、リバースチャージに対応
Nothing Phone (1)は、最大で15Wのワイヤレス充電にも対応しています。
また、リバースチャージと呼ばれるNothing Phone (1)本体から他の機器への充電が可能なので、ear (1)などのワイヤレスイヤホンを充電することができます。
出先で万が一ワイヤレスイヤホンの充電が切れてしまっても、Nothing Phone (1)なら安心です。
◎:画面内指紋認証+顔認証
Nothing Phone (1)は、画面内指紋認証と顔認証の両方に対応しています。
画面内指紋認証の精度は高く、画面に手を置いてすぐに認証されます。
また、顔認証もマスクなどで顔を半分ほど覆っていてもきちんと認証されるのも非常に便利です。
◯:Snapdragon 778G+のチップ
Nothing Phone (1)には、Qualcomm Snapdragon 778G+のチップが使用されています。
Snapdragon 778Gは2021年の10月に発表された、ミドルレンジ向けのチップになっています。
GeekbenchというCPUのスコアを測定するアプリを使用してiPhone 12 miniのA14 Bionicチップ、iPhone SE(第3世代)のA15 Bionicチップベンチマークの比較をしてみました。
Nothing Phone (1) | iPhone 12 mini | iPhone SE(第3世代) | |
---|---|---|---|
シングルスコア | 811 | 1580 | 1755 |
マルチスコア | 2900 | 4012 | 4358 |
iPhoneと比較するとスコアは劣りますが、SNSやメールなど日常的に使用する分には全く不便のない性能です。
また、ゲームなどの3Dグラフィックが多用されているアプリケーションでも問題なく使用することができました。
試しに、「Apex Legends Mobile」を最高画質設定にし1時間ほどプレイしてみましたが、途中で落ちてしまうなんてことはなく、サクサクとプレイすることができました。
一方で、FPSゲームではありますが120Hzの恩恵をあまり感じることはありませんでした。
◯:IP53の防水性
Nothing Phone (1)の防塵・防滴性能は、IP53と公式で発表されています。
防塵性能は5となっており電子機器の安全性においても問題ない数値ですが、防滴性能が3と近年のスマートフォンにしては低い数値となっています。
しかし、これはコストを最小限に抑えるためにあえて防水防塵の認証をせずにいたための数値であり、設計上は30分の浸水にも耐えることができると公表しています。
◯ or △:6.55インチのサイズ感
Nothing Phone (1)は、6.55インチと大きめのスマートフォンです。
iPhone 13 Pro Maxが6.7インチですので、ほぼ同じ大きさです。
これは、好みや利用用途にもよるので意見が分かれる部分でありますが、個人的には少し大きすぎるようにも感じます。
僕は一般男性と比較して手が小さいこともあり、普段からiPhone 12 miniを使用しているのですが、比較するとかなりの大きさの違いを感じます。
確実に両手でもたないと操作もままなりませんし、片手で持っていると数分でも重さを感じてきます。
一方で、タブレットの代わりとしての利用や動画や漫画を大画面で見たいなどの需要には、6.55インチの大画面は大活躍します。
重量も193.5gと大きさの割には軽量となっており(iPhone 13 Pro Maxは238g)、またボタンも絶妙な位置にあるので操作性も良いです。
△:Felica(おサイフケータイ)非対応
Nothing Phone (1)を導入する上で一番のハードルが、Felica非対応でも問題ないかということです。
Felica非対応ということは、モバイルSuicaやnanacoのような電子決済、またiDやQUICPayといったクレジットカードのタッチ決済も利用できないということになります。
Felicaは日本独自の規格であり、Nothing Phone (1)は販売当初、日本市場への参入を考えておらず、ear (1)の反響が大きかったため日本市場の参入を急遽決めたためだと考えられます。(ホームページへのアクセス数がアメリカ、インドに次ぐ3位だったと答えています)
近年では、PayPayのようなバーコード決済サービスも増えてきているため、Felica非対応でもキャッシュレス決済は行えますが、電車などを多く利用する場合はモバイルSuicaが使用できないのは痛いところでもあります。
FitbitなどSuica対応のスマートウォッチであれば、Nothing Phone (1)を使用していてもスマートウォッチでモバイルSuicaの利用が可能になるので、現時点でモバイルSuicaを利用している場合などは導入することも検討してみてください。
[2022年最新]スマートウォッチ「Fitbit」のおすすめ6機種を徹底比較!できることや選び方の基準、性能の違いを紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
△:デュアルSIMには対応、でもeSIMは非対応
Nothing Phone (1)の底面にSIMカードスロットがあり、表と裏面で2枚のnano SIMカードを挿入することができます。
異なるキャリアのSIMカードを挿入することで、デュアルSIMとして利用することが可能です。
つい最近もキャリアが使用できなくなるということがありましたので、万が一に備えてデュアルSIM運用できるのは非常に便利です。
一方で、近年普及しているeSIM(物理的なSIMカードを必要としない形式)には対応していません。
現在使用しているスマートフォンをeSIMで契約している場合は、一度物理SIMで契約し直す必要があります。
Nothing Phone (1)は購入すべきなのか
2週間ほどNothing Phone (1)を使用してきました。
正直な感想は、刺さる人にはささるそんなスマートフォンだと思います。
写真の写り、OLEDと120Hzの画面、6.55インチの大画面など、背面が光るというギミックを除いてもハイエンドスマートフォンに見劣りをしません。
それでいて、63,800円という値段は高コスパなスマートフォンと言えます。
それは、必要十分なチップを搭載したり、あえて防滴防塵の認証を行わなかったり、みんなが既に持っているであろう充電器を付属しなかったりといったところからなせる値段だと思います。
また、背面のギミックは新しいもの好き、ガジェット好きの方にはたまらないデザインです。
所有欲を満たしてくれますし、持っているだけでワクワクします。
一方で、僕のように手が小さい方にとっては少し大きく重たい印象もありますし、おサイフケータイが使用できないというデメリットもあります。
高コスパだけど利用シーンや人を選ぶ、そんなスマートフォンだと僕は思います。
しかしながら、他社のスマートフォンはいかにスペックを盛って値段も高くなるという現代において、まさに必要な機能だけを用意して値段を抑えるという時代に逆行するようなスマートフォンです。
新しいもの好き、デザインに惚れたという方は、購入してみても損はしないスマートフォンだと僕は考えます。
スマホは試してから購入できる
バッテリー持ち、大きさや重さ、カメラの性能など購入する前に知っておきたいこともありますよね。
そんな方にはスマホのお試しレンタルがおすすめです。
カメラ・家電レンタルサービスの「レンティオ(Rentio)」では、スマホのレンタルも提供しています。
レンタル期間中に気に入った製品があれば、そのまま購入もできますので、いくつか試してみてから購入を決めてはいかがでしょうか。
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