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夏空を美しく撮るための撮影テクニック!PLフィルターを使うメリットを徹底解説

Atsushi Yoshioka
Atsushi Yoshioka

更新日2018/12/27

夏空を美しく撮るための撮影テクニック!PLフィルターを使うメリットを徹底解説

毎年7月末になると梅雨が明け、夏も本番です。お盆の時期も近づき、旅などお出かけされる方も多いのではないかと思われます。

旅は天候に左右されることがありますが、晴れると綺麗な青空や雲に見とれてしまうことがあります。特に夏は空の色が濃く、積乱雲などの雲も発生するため、美しく面白い空が広がります。しかし普通に空をカメラで撮っても、どうしても綺麗な青が出ないことが特徴的です。

見たままの青空を写真に表わす撮影テクニックをご紹介していきます。

青空は「視程」も大切

天気予報で快晴。しかし当日になると空が白っぽい・・・といった経験はありませんか?

これは視程の問題で、視程が良ければ良いほど空の色がハッキリした青色になります。視程とは、物体がはっきりと確認できる最大距離のことです。私がメインで撮影する飛行機撮影においても視程というのは非常に重要になってきます。視程が悪く、空が白い場合は、青くするのは難しいと考えて良いと思います。

視程の予報サイトは残念ながらあまり存在せず、難しい判断になると思われます。しかし台風一過のように、風が強い日や、悪天候後の晴れはとても視程が良くなります。

PLフィルターを使って青空を濃く

夏空で大活躍するのが「PLフィルター」です。「PLフィルター」は、大気中の光の反射を制御するためのフィルターで、「偏光フィルター」とも呼ばれています。通常の「PLフィルター」と「C-PLフィルター」が存在しますが、デジタル対応のC-PLフィルターが現代の主流になっています。

そして「PLフィルター」を使うことで、空の色を濃くすることができます。PLフィルター有無の比較画像をご覧ください。


Canon EOS 6D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F8, 1/1250sec, ISO200, 香港国際空港, PLフィルターなし


Canon EOS 6D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F8, 1/1000sec, ISO500, 香港国際空港, PLフィルター使用

上の写真は「PLフィルター」を使わずに撮影した1枚です。空の色が薄いのも特徴ですし、写真に締まりが無いように思えます。夏はどうしても太陽の位置が高くなるため、見上げると空も自然と白くなります。

下の写真はPLフィルターを使って撮影した1枚です。空の色が濃く、まるで宇宙空間を飛んでいるような雰囲気もあります。また、「PLフィルター」を使用すると、雲の輪郭もハッキリした写真になります。積乱雲などの複雑で大きな雲も、「PLフィルター」を使うことで輪郭が浮き出やすくなるため、迫力を表現できる他、芸術的にも魅力がある作品に仕上がります。

PLフィルターはレンズ径(55mmや77mmなど)によってサイズを選びましょう。

PLフィルターの使い方

リングで効果を調整

「PLフィルター」は、装着するだけでなく調整をする必要があります。

フィルターをレンズに装着した後、ファインダーを覗き、フィルターのリングを回転させることで効果を調整することができます。カメラの向きや、そのときの気象条件により光の反射も異なるため、撮影の都度調整するようにしましょう。

目安としてファインダーで最も空の色が濃くなる瞬間でリングを回転させるのを止めましょう。また、効果を実感できるのは大気中の光の反射が多い時のみなので、曇天時や夜間では効果がありません。

PLフィルターの注意点

「PLフィルター」自体、フィルター表面が黒くなっているため、暗くなる効果があります。

ISO感度を調整

それにより通常の撮影より暗い状態での撮影になります。そのため日中でもシャッタースピードが落ちるため、「PLフィルター」無しの時と同条件で撮影する場合、ISO感度を上げる必要があります。ISO感度が上がることによりノイズは乗りやすくなり、注意が必要です。

PLフィルターは寿命あり

PLフィルターは紫外線により、劣化するフィルターです。そのためなるべく紫外線の当たらない場所で保管しましょう。劣化を確認するにはファインダー内での変化を見て、定期的にチェックしましょう。

雲を綺麗に写すには露出を暗めに設定

夏空に欠かすことができない雲ですが、白色なだけあって露出が難しいところです。モクモクとした雲を表現する場合は、露出を暗めに設定して輪郭をハッキリさせましょう。


Canon EOS 6D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F8, 1/800sec, ISO640, 香港国際空港


Canon EOS 6D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F8, 1/1600sec, ISO640, 香港国際空港

明るめで撮影した場合は上画像のように空の色の近くなり、雲らしさがあまり出ません。

暗い部分を際立たせる

くっきりさせたい場合は、シャッタースピードや絞りを上げることや、露出設定をマイナスに設定することで暗めの写真になるものの、雲を写すには最適な条件となります。

下画像では、暗めの露出設定にすることで出来上がった作品です。写真の黒部分が強調されることで立体感が増し、迫力ある作品に仕上げることができました。

広角で撮る、望遠で撮る

夏空は壮大な雲によって私たち撮影者を魅了してくれますが、切り取り方が難しいと思われます。風景の奥に入道雲が見えるという構図はよく見かけますが、この場合も広角で写しても、望遠で写しても面白い作品に仕上がります。


Canon EOS Kiss X5, SIGMA 18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM, F11, 1/320sec, ISO200, 大阪国際空港


Canon EOS 7D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F8, 1/800sec, ISO250, 東京国際空港

どちらを主役にするか

広角で写した場合は、構図にもよりますが、風景全体を写すことで雲が脇役になります。アクセントとして雲が追加されるのに対して、望遠では逆の立場になります。下画像では、雲の中に飛行機が通過することで、飛行機がアクセントとなり、主役が雲になります。

しかし共通しているのは、どちらも夏空らしさは出るということです。選択が難しいですが、その瞬間の状況を見極めて撮影に臨みましょう。

“写真”と“空”の関係


Canon EOS 6D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F8, 1/800sec, ISO400, シドニー(キングスフォード・スミス)国際空港

私が普段撮影している飛行機写真でも「PLフィルター」は大活躍します。飛行機は、青空がバックになることが多いため、「PLフィルター」が欠かせません。そして空の様子は刻々と変わるため、空の様子が良いときに飛行機が来ないなど「運」も関係してきます。しかし良い物が撮れた時の達成感と喜びは大きいです。

飛行機写真でなくても、風景を写す時は自然と空が入るので「写真」「空」は切れない関係だと思います。

夏空撮影術まとめ

  • 青空を濃くするためにはPLフィルターを使用
  • PLフィルターはリングを操作
  • PLフィルター装着時は、レンズが暗くなるためシャッタースピード、絞りまたはISO感度を上げる
  • 雲の迫力を出すには露出設定を暗めにする
  • 広角と望遠で「雲」の位置づけが変わる
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