曇りや雨天時の一眼レフ撮影テクニックを徹底解説!悪天候時はモノクロ撮影で質感を表現

Atsushi Yoshioka
Atsushi Yoshioka

更新日2018/12/27

曇りや雨天時の一眼レフ撮影テクニックを徹底解説!悪天候時はモノクロ撮影で質感を表現

更新日

航空機の写真撮影を中心に活動している、写真家 Atsushi Yoshiokaです。
今回は撮影時の悩みの一つ、「悪天候時」の撮影テクニックをご紹介していきます。

工夫次第で魅力的な作品に

写真撮影の重要なポイントとして意識する「天候」。旅先で晴れることに越したことはありませんが、どうしても曇りの日や雨の日に当たってしまうことがあります。一般的には晴天の日の方が、写真的に美しいとされていますが、少し工夫するだけで晴天時に劣らない曇天や雨天時の魅力を写真に表現することができます

今回は曇天・雨天時の悪天候撮影テクニックをご紹介していきます。

悪天候でも諦めることはない

多くの撮影チャンス

せっかくの撮影で曇りや雨…正直残念な気分になると思われます。でも悪天候だからといって諦めないでください。天気が悪くても悪天候ならではの撮影チャンスが多く潜んでいます

画にならないと思わずに、被写体を探してみましょう。新たな視点で写真撮影に臨むことができるいい機会です。

悪天候時のモノクロは効果的

EOS6D作例01

Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM, F8, 1/400sec, ISO500, オーストラリア シドニー市街地

質感が出る「モノクロ撮影」

悪天候時の撮影、光が少ないため色が鮮やかに出ることは難しいです。色彩豊かな写真も魅力的ですが、悪天候時では「モノクロ撮影」が効果的になります。

白と黒のみで表現することによって、色味のない写真になりますが、カラーで撮影したときよりも質感に芸術性が出て、スタイリッシュな作品へと仕上がります。

元々、悪天候時は空に青空などの色がついていないため、建物などの色が不自然に際立ってしまうものです。完全に白と黒のみで表現することで今までと違った作品を残すことができるのはもちろん、悪天候時の撮影が楽しくなります。

スローシャッターで空気感を出そう

EOS6D作例2

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F22, 1/10sec, ISO200, オーストラリア シドニー市街地

その場の雰囲気が伝わる撮影テクニック

「モノクロ撮影」と同時に効果的な撮影テクニックは、「スローシャッター」です。悪天候時の光量の少なさを上手に利用し、シャッタースピードをあえて落とします。

街スナップなどには特に効果的で、動いている人や車だけがブレることで、生活感やその場の空気感を出すことができます。その場の雰囲気を伝える作品としては最も表現しやすいテクニックの一つだと私は感じています。

スローシャッターを使う場面として効果的な例は、「交差点を行き交う人」や「道路を行き交う車」などです。それぞれ動く被写体が対象となります。いずれも被写体が多いほどその場の空気感を出すことができます。

このような場合は、背景選択がとても重要で、建物やオブジェクトが背景にあると動く被写体が際立ち、作品として魅力的に仕上がります。逆に背景が空や海など単調な景色だと、動く被写体を際立たせることができず、中途半端な作品になりがちです。

背景はブラさないことが大切

理想とするスローシャッターの設定ですが、シャッタースピードは、手持ち撮影や被写体を少しだけブラすことが目的なため、下げすぎず1/10秒~1/20秒が良いでしょう。

被写体がブレていても背景がブレてしまっては、写真全体がブレた失敗作になってしまうからです。背景はしっかり止めるようにしましょう。

コントラストを上げてみよう

EOS6D作例3

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F20, 1/15sec, ISO400, オーストラリア シドニー市街地

白と黒でメリハリある写真を

モノクロ写真では、白と黒で表現されるため、コントラストの変化に敏感です。少しコントラストを上げることにより、影部分や黒部分が強くなり、作品にメリハリがでます

このテクニックは、白黒の分かれ目が多い場合や影部分が明るすぎて全体的に白っぽくなっている時に効果的です。カラー写真では、コントラストを上げることにより、くどい作品になりがちですが、モノクロでは、くどい印象を受けにくいこともおすすめする要因の一つです。

カラーではそれぞれの色の主張が激しくなりすぎることでくどい印象を受けるものだと思われます。モノクロでは白と黒のみで表現されるため、色彩による心配がないとされています。

ハイライトを落として雲の表情を出す

EOS6D作例4

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F8, 1/25sec, ISO400, オーストラリア Circular Quay駅

白飛び部分を改善させる

悪天候時では、雲が空を覆っていることになります。悪天候時でも雲の形が目に見えることも多いと思います。こちらも作品に取り入れることを意識してみましょう。

雲の表情を出すためには、空を白飛びさせないことが重要になります。白部分を抑える、「ハイライト部」を落として雲の表情を出してみましょう。

こちらもカラー写真で極端にハイライト部を落としてしまうと、不自然な仕上がりになりますが、モノクロ撮影にすることで白と黒以外が関係ないため、自然な仕上がりになります。

白部分を抑えることで、先ほどご紹介したコントラストを上げると同時にメリハリある作品に仕上げることができます。

実際に現像してみよう

EOS6D作例5

今回は実際にAdobe社の「Photoshop Lightroom」を使って現像作業をご紹介していきます。「Photoshop Lightroom」では、これまでご紹介してきたテクニックをすべて実行することができる、大変便利な現像ソフトです。カラーで撮影した写真もボタン一つでモノクロに変更することもできます。

今回は「カラーで撮ってしまったけど、モノクロにしたい」をテーマにご紹介していきます。

カラー写真をモノクロに変換する

現像画面を開いたら「基本補正」の下に「色表現」という項目が存在します。そちらで「白黒」を選択し、モノクロへの変更を実施します。

EOS6D作例6

コントラストと露光量を調整する

撮影した画像を調整する際、まずはコントラストを調整してみましょう。先ほどご紹介した通り、基本的にコントラストは上げることでモノクロ写真にいい効果をもたらします。

しかし上げすぎると黒つぶれの可能性も出てくるため、スライダーを動かして良いと思える場面で止めてみましょう。

EOS6D作例7

私の経験上では、+30~+60の間が最適なコントラスト調整に思えました。露光量は、写真の明るさを決めるスライダーです。全体のバランスになるため、コントラストを上げた後に微調整程度にスライダーを動かして様子を見てみましょう。

ハイライト~黒レベルを調整

Lightroom01

先ほどご紹介のとおり、ハイライトは白部分を抑え、雲の輪郭などの表情を出すために下げるようにします。元々暗い場所と明るい空の明暗差の関係で白飛びしている空が多いですが、ハイライトを極限まで下げると空の表情が出てくるときがあります。今回は-100にして空の白飛びを防ぎました。

シャドウ部の調整は、少し上げる程度が良いと思われます。コントラストを上げるとどうしても黒つぶれする部分が出ますが、黒つぶれへの対応として調整すると良いでしょう。

白レベルでは、写真上の白をどれだけ強調させるかの設定です。これを上げると全体的に明るい写真になりますが、ハイライトで下げた意味がなくなってしまうため、無理な調整は避けた方が無難です。

黒レベルも黒部分の明るさ調整になります。シャドウ部との違いは、黒レベルの方が100%黒部に効果があるとされています。シャドウ部が全体的な黒部の調整だとすれば、黒レベルは、限りなく真っ黒の部分に近い限定的な調整となります。

明瞭度の調整

「Photoshop Lightroom」の機能で個人的に好きな機能の一つである「明瞭値調整」です。こちらは部分的なコントラストを調整する機能と言えるでしょう。明瞭値を上げることで、さらに質感が増した作品に仕上げることができます。

Lightroom02

全ての被写体がくっきりするため、ポートレートなどには向いていな機能になります。風景写真などには効果的な機能で、こちらもやり過ぎない程度に上げると良いでしょう。

その他の調整

その他にも「シャープ設定」「ノイズ軽減」などの機能がありますが、基本的な現像作業は以上のとおりです。

「周辺減光補正」などはモノクロ写真では逆効果になることもあります。あえて四隅の減光を利用しても面白い写真に仕上がると思われます。こちらもモノクロならではの表現といえるでしょう。

仕上がり

こちらが実際に現像した1枚の現像前と現像後の仕上がりです。

EOS6D現像比較

Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F13, 1/15sec, ISO400, オーストラリア シドニー市街地

上の現像前と下の現像後を比べてみると、モノクロにすることによって質感や作品性が出ていることがわかります。モノクロは水たまりなどにも効果的で、白黒での表現の美しさを感じることができます。

まとめ

これまでモノクロで撮影する悪天候時の撮影テクニックをご紹介してきました。

このテクニックを実践すれば、街スナップも一味違ったものに仕上がると思います。悪天候時も撮影が楽しくなると思います。

そして現像作業も撮影と同じくらい重要視する私としては、現像作業の楽しさや難しさを知ることができると思います。

  • 新たな視点を探して悪天候時の写真撮影に臨もう
  • スローシャッターを駆使して、その場の空気感を出そう
  • コントラストを上げてメリハリのある作品を作り上げよう
  • ハイライトを落として白飛びを抑え、雲の表情を出してみよう
  • 現像作業ではスライダーを動かして自分好みに仕上げよう
  • 露光量や明瞭度の調整はほどほどに

1年を通して使える悪天候撮影テクニック。“モノクロ”“スローシャッター”を駆使して素敵な作品を撮影してみませんか?

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